【柊】ナイトウィザード クロスSSスレ【NW!】 Vol.4
- 1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 17:32:47 ID:k381qCG/
- アニメでも大活躍し、過去リプレイ作品で異世界慣れした我らが“下がる男”柊蓮司……
そんな彼や他の登場人物達がもしも○○の世界に飛ばされたら or ○○キャラが第八世界にやって来たら…?
そんなナイトウィザードのifストーリーを語るスレです。
■ 注意事項 ■
・不要な荒れを防ぐ為に、sage進行で御願い致します。
・冥魔(荒らし)に反応するあなたも冥魔です、スルーしましょう。
・次スレは>>975を踏んだ方、若しくは475kbyteを超えたのを確認した方に御願い致します。
また、重複防止の為に次スレを立てる人は立てる前に宣言を御願い致します。
・荒らし、カッコ悪い。
・Q.ナイトウィザードって○○のパクリ?
A.とりあえずほぼ全て何かのパクりです。初版が2002年3月発売なのでそこから判断してください。
■ SSを投下する方へのお願い ■
・NWキャラをクロスさせたい作品世界に送り込むも良し、
逆にクロスさせたい作品のキャラをファー=ジ=アースを中心とした
きくたけワールドに招いてNWキャラ達と掛け合い活躍させるも良し、
SS創作者の想像の赴く儘に楽しめる物語を書き込んで下さいませ。
但し、NW関連スレと云う事で片方は「ナイトウィザード」で御願い致します。
・801等、特殊なものは好まない人も居るので投下する場合は投下前にその旨を伝えましょう。
・各作品の初投下時は、クロスする作品名を最初に御願い致します。
そうすれば読者も読み易いでしょう。
・SSの内容が18禁の場合は地下スレ(検索ワードは「卓上ゲーム」)へ。
・NW側からのホストキャラはNW公式作品に登場しているキャラを主軸として、
SS創作者オリジナルのキャラをストーリーに絡める場合はあくまで脇役としての
立場で参加させて下さいませ。
・御互いの作品を尊重しましょう。一方的なクロスは荒れる原因ですよ。
■ 前スレ
【柊】ナイトウィザード クロスSSスレ【NW!】 Vol.3
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1199516365/l50
■ 関連スレ
ナイトウィザード -Night Wizard!- セッション36
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1201617717/l50
【ネタバレ】ナイトウィザードその13【卓ゲ雑談】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1200501675/l50
菊池たけし セブンフォートレス ナイトウィザード46
http://game14.2ch.net/test/read.cgi/cgame/1201220023/l50
■関連リンク
http://www.fear.co.jp/nw/(原作ナイトウィザード公式)
http://www.nightwizard.jp/(TVアニメ公式)
http://www42.atwiki.jp/nightwizard/(アニメ版まとめWiki)
http://www32.atwiki.jp/nwxss/(過去SS保管庫)
- 2 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 17:43:49 ID:5ze+M5AQ
- >1 乙
- 3 名前:前スレ960:2008/01/30(水) 20:48:32 ID:TDRrtY/y
- 現在リレーSSのタイトルの募集を行っております。
タイトル案をお持ちの方は振るってご参加ください、また現在出ている案でこれがいいというものが
ある場合もご報告お願いします(タイトルの募集は本日24時を持って締め切らせていただきます)
【ページ作成案(暫定)】
未整理>クロスSS(新項目)>現在進行中のクロスSSのタイトル(新項目)
【クロスSSタイトル案】
・ナイトウィザード!クロス群雄譚―式神の城異聞―(3-965さん)
・ナイトウィザード! カオス・クロスリレー『式神の城攻略戦』(3-972さん)
・ナイトウィザード! クロス群雄譚
『式神と魔術の詠う夜〜東方のねじれた城に集う超☆能力者達は心のトリガーを引け〜』(3-972さん)
あと前スレ273-276さんへ
3-273〜276のネギまネタは合計容量にひっかかった為、作品一覧の方に追加させていただいてよろしいですか?
- 4 名前:前スレ960:2008/01/30(水) 20:49:24 ID:TDRrtY/y
- あと一スレ住人として>>1乙と言わせていただく。
- 5 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:50:18 ID:Nr9s+mAM
- こんだけ大作なんだから、専用ページ作っちゃっていいんじゃない?(笑)
- 6 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:52:09 ID:2Gi5Xd8Y
- >>1乙
そして前スレ1000のなんという未完フラグw
- 7 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 20:53:15 ID:Nr9s+mAM
- >6
ありがとう。超☆狙ってた。
【馬鹿なことやってないで仕事しろ保管庫管理人】
- 8 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:07:03 ID:rPhm3ZdN
- >>1乙ー
前スレが埋まったからこっちにきた。
もうセプテントリオンの企みなんて無視して暴走してるよね、式神の城。
- 9 名前:887:2008/01/30(水) 21:09:22 ID:rPhm3ZdN
- そうそう、前スレに書き込むのを忘れてたけどパステリオン組が戦ってるのは
どっか別の世界から来たギャオス・ハイパーの群れです、いじょ。
パステリオン相手だと怪獣ぶつけないと勝負にならん…。
- 10 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:35:04 ID:KgpeZar2
- あえて言おう、>>1>>4>>7の保管庫管理人氏超☆乙であると!
前スレ>>1000にはマヂ吹いたw
前スレ>>998
あの大統領の何が中途半端かって、柊力よろしく
迸る「大統力(そりゃないよ的に何でもありな不可能を可能とする力)」で
魔王の策略何故か粉砕してる可能性とかが(ry
主八界ではちっこいけど(所詮は人間レベルな能力)
キャラのアクがグイードちっくなのがネック。
平行世界全ての大統領の力を結集して主役を支え抜こうとしても驚かん。
リレー続けんなら、コイツみたくクロスSS後方でのお助けキャラにはいいけど
メイン張らせないのがよいタイプは参戦直後後方隔離宣言した方がいいか?
それとも良識に任せるレベルの縛りでおK?
- 11 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:35:08 ID:KEb4Jfx/
- >>3
今までの作品全部わかっている人はいるのだろうか?
- 12 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:36:47 ID:Nr9s+mAM
- >10
待て、俺は前スレの>1000を書いただけだ
- 13 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:36:58 ID:obUf0iAi
- リレーはもういらないだろう。前スレ>>1000のアレが一番いい終わり方じゃよ。
- 14 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:40:50 ID:LUQPGvyv
- 最後にアクエリアンエイジまで投入したの誰だっ!!w
- 15 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:50:48 ID:thnApPZA
- 前スレ>>999
埼玉県所沢市からご苦労様です。
っつーか、こいつらがベホイミに荷担すると地上迎撃は
・魔法少女(超肉弾戦派)
・戦隊ヒーローのレッド(ゾンビ・痛覚なし)
・悪の組織の怪人(ナイスバディ美人)
・悪の組織の構成員(「無敵」という概念持ち)
というステキなイカレ具合になるのか
なんて―――きくたけ節ww
- 16 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:55:39 ID:+RY4CoWs
- 問題はまとめにはいる医師のあるヤツが誰もいないことだな。
こうなったら、行けるとこまで行くってのも手だけど
- 17 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 21:59:36 ID:KEb4Jfx/
- そういや、野球バラエティからも来てたな
- 18 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:01:33 ID:8jZqPZG2
- >>16は魔界医師の参戦をご所望らしい。
- 19 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 22:23:23 ID:KR37NQBS
- とりあえずガイアからレンが「蓮司くん」と言って参加してくれるのを激しく望む。
あと、スプリームが肉体を持って戦ってくれることを(もはや戦場の絆どころじゃねぇ
- 20 名前:リレーっぽい者:2008/01/30(水) 23:04:45 ID:YBxL4Vu7
- 一方その頃。
今回の計画を立てたセプテントリオンのフットワーカーは、焦っていた。
焦るあまりコーヒーに塩を入れてしまうくらい焦っていた。
この世界に神を生み出す。
ないし、神が人に勝利する事で神代を呼び戻す。
もしくは、神に匹敵する魔王を再臨させる。
その為に彼はあちこちの世界から『新たな神』足りえる存在を呼び寄せた。
そして、戦いの中で成長させる事で更なる強大な可能性を持つ存在として
降臨させる為に、彼らの『噛ませ犬』として多くの敵も用意した。
が。
いまや事態は大混迷を迎えている。
- 21 名前:リレーっぽい者:2008/01/30(水) 23:05:06 ID:YBxL4Vu7
- 「ふふっ…おっきな砲台だけかと思ってたけど、結構できるじゃない!」
「機動力が高いなら…別の方法でぇっ!」
―――アララ・クランと高町なのはは魔法対魔砲のガチンコ勝負に突入していた。
「悪鬼―――退散ッ!」
「…お見事、さよたん」
「はいっ!…あの、緋室さん。さよたん、というのは…?」
「…萌え」
「は、はぁ…」
―――結城小夜と緋室灯の二人は、先ほどから妙な友情関係を形成しつつあった。
「美しいお嬢さんだ」
「…青い目のサムライ、リンバウマン…あはは、昔結構好きだったんですよね」
「君のような若い者に覚えていてもらえるとは光栄だ」
「―――こういう形でお会いしたくは、なかったです」
「すまないな…君は、私の死んだ妻に似ている。運命は、最期の最期に、嬉しい事をしてくれる」
「…くれはサン、始めまショウ」
「…わかった、はじめよう!」
―――金と赤羽くれはは、悪バウマンの最後の演目の場にいた。
「ぬぅぅぅん、どっりぃぃぃぃぃ〜〜〜む!!」
「その掛け声は何とかならんのかッ!気が抜けるッ!」
「兄者ぁ! アイツ、いい掛け声してるよ!」
「そうだな、弟者! 我々も負けておられんぞ!」
「…まったく勘弁してくれ…」
―――日向とナイトメアは、かつての相棒としてエイジャ兄弟と熾烈な戦いを繰り広げていた。
言葉をしゃべるタコと紙飛行機に乗った青い小人が醜藤島とその配下の自衛軍を
抜群の機動力で下し。
巫女装束に似たドレスの少女と、ゴスロリ姿の魔法使いが弾幕なら負けんと、ばかりに
闘技場でダンデオンを翻弄し。
堀口ゆかりはツンツン頭の少年の策に嵌り、少年からずっと攻撃を受け続けている。
- 22 名前:リレーっぽい者:2008/01/30(水) 23:05:58 ID:YBxL4Vu7
- あちこちで。
そう、あちこちでこのような事態が繰り広げられている。
その上―――
「待ちなさいッ!この変態!色魔ぁぁっ!!」
「かんにんやー! あれは事故だったんやー!」
「事故ですむか! 人に圧し掛かった上に胸まで揉んでおいて!」
「そ、それは俺をここに転送した眼鏡娘に言ってくれ! 大体揉むほど胸なかったろーが!」
「―――本気で死ねぇぇぇ?!」
光太郎と柊の為に用意した秘蔵っ娘(注 誤字ではない)、ベール・ゼファーにいたっては、
何処の世界から介入してきたのかも分からない、バンダナを巻いた男に出会い頭にセク
ハラされて、逆上しながらその男と鬼ごっこの真っ最中である。
ありえない。こんな展開はありえてはならない。
そもそもにあんな連中を呼び出した覚えはない。
呼び出したはずのない連中が当たり前にこの戦いに参戦するなど、ありえない。
フットワーカーはきりきり痛む胃を抑え、胃腸薬を飲み干した。
そんな彼らを尻目に、二人の熱い男。
玖珂光太郎と柊漣児は城の中枢―――古き神のいる場所へと一直線に進んでいる。
それだけがフットワーカーの救いだった。
そうだ、彼らが神になるか、彼らが敗れ柊が死ねば当初の計画は上手くいく。
フットワーカーはそう自分に言い聞かせ、汗を拭いながら乾いた笑い声を上げた。
ただし、噛合わなくなった歯車のまま、策がうまくいくかは別問題である。
- 23 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:17:39 ID:VwOQLFq3
- 本当にとんでもない状況だなぁ
- 24 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:20:57 ID:0Q8vbBNU
- 横島、期待を裏切らないなぁwww
- 25 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:24:47 ID:w7T2oewe
- 「どう、KOS-MOS? モモちゃん?」
「サーチ完了、周囲にグノーシスの反応はありません。しかし、上空に浮遊する建造物及
びその周囲に種別不明の高エネルギー反応を多数確認しました」
「シオンさん、ここは私たちが以前飛ばされた『東京』とも違っているみたいです」
「どういうことなの…零児さん、小牟さん、そっちはどうですか?」
「だめじゃの。やはり森羅本部とは連絡が取れん。通信妨害ってわけでもなさそうじゃが…」
「モモの探査が正しいとすれば、ここは我々のいた世界とは違う世界なのだろう。森羅も
存在していないのかもしれん」
「平行世界、パラレルワールドという奴かの? わしらはゆらぎに飲み込まれてここに飛
ばされたわけじゃから、またゆらぎに飛び込めば、元の世界に戻れるんじゃないかのう?」
「確かに、それは一理あるな。しかし…」
「小牟さん、そのゆらぎがいつどこに発生するかなんてわからないじゃないですか!」
「いいえシオン、『ゆらぎ』と呼ばれる時空異常ならば、上空の建造物内に存在が確認で
きます」
「KOS-MOS、本当なの!?」
「シオンさん、私も確認しました。比較的安定した時空間の歪みが、あのお城の中にある
みたいです」
「そいつは重畳。では、あの城を目指すとするか」
「では、天空の城にレッツラゴーじゃ!」
かくして、多くの次元を渡ったエージェントと仙弧、未来からの来訪者達は、『式神の
城』を目指す。
- 26 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:25:23 ID:2qqGka+H
- トリアーエズ柊と玖珂兄は同一存在として考えればイイ?
中の人的に考えて。
柊のプラーナ解放時の色が青っぽいのでオーマネームは
青にして○○って感じですか?
- 27 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:31:00 ID:1M/f/XoE
- 結局の所、何を阻止して誰を倒せばいいのかはっきりした方が良いと思うんだが・・・。
後、大まかな話の流れを作ると職人さんも初心者さんもやりやすいと思うぞ。
- 28 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:32:03 ID:+RY4CoWs
- とりあえずの流れとしては、このまま柊達が突っ走ったら負けって事だよな
- 29 名前:前スレ960:2008/01/30(水) 23:33:17 ID:TDRrtY/y
- 専用ページ作っちゃえばという意見が出ましたので案として追加しました。
〆切30分前ですのでとりあえずそろそろ意見をまとめていきたいと思います。
【ページ作成案】
・未整理>クロスSS(新項目)>現在進行中のクロスSSのタイトル(新項目) >クロスSS本体(新項目)
・クロスSS(新項目)>現在進行中のクロスSSのタイトル(新項目) >クロスSS本体(新項目)
【クロスSSタイトル案】
・ナイトウィザード!クロス群雄譚―式神の城異聞―(3-965さん)
・ナイトウィザード! カオス・クロスリレー『式神の城攻略戦』(3-972さん)
・ナイトウィザード! クロス群雄譚
『式神と魔術の詠う夜〜東方のねじれた城に集う超☆能力者達は心のトリガーを引け〜』(3-972さん)
というかSSが長すぎてたぶん現行のクロスSSは2ページに分けないと掲載できないんだぜ
- 30 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:36:13 ID:EQY/Nstx
- 光太郎に好意的で神代の再来を望んでいない神といえば……
Aまほリプの4大神か。
かもん、5カ年計画号。
- 31 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:42:35 ID:8jZqPZG2
- >>28
突っ走ったら負けと見せかけて、思惑をはるかに超えて突き抜けた
柊と光太郎の勝ち、と言うのもヤツららしく思う。
- 32 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:44:19 ID:4d19Oy47
- いや、邪悪な超人の神達かもしれないぞ。
人でありながら超人を上回りかねない存在を、ただの超人にして手の届くところに置くか、抹消するか。
- 33 名前:続けてみた:2008/01/30(水) 23:47:15 ID:thnApPZA
- ―――そう、君は実によくやってくれた。
「え?」
フットワーカーは、そこで自分以外の初めての声を聞いた。
次の瞬間、体の自由を完全に奪われる。叫びをあげようとするものの、そのノドから音が漏れることはなかった。
―――僕と弟の兄弟げんかのためにここまで頑張ってくれたんだ、君達の要望も少し聞いてあげるよセプテントリオン。
あの柊っていう少年を殺すために知恵と力を少し貸そう。だから―――
僕らのケンカ、邪魔したら殺すよ?
フットワーカーはそれに頷くしかない。
頷かなければ、相手はなんら顔色を変える事なく彼を消しただろうからだ。
まだ任務を遂行できる可能性があるほうに賭けたのだ。
―――じゃあ、一つ言うことを聞いてくれ。最後の間に光太郎が着いた瞬間から、光太郎の身柄は僕が預かる。
安心してくれ。僕はもう一人に危害を加えるつもりはないからね。
その指示に従い、こくりと頷く。肯定の意思が届いたのか、言葉は続いた。
―――そして、もう一人。君を悩ませているこの状況を引き起こしている超本人だけど。
僕は世界の全てだからね、わからないことはない。だから、もっとも上手く彼を手にかける方法もわかるんだ。
声と共に、フットワーカーの目の前に一人の少女の映像が現れる。
烏の濡れ羽のような長い黒髪をたたえた巫女服の少女。隣に立つのは道士服の男で、この場の異常さが見てわかる。
―――星の巫女と呼ばれる、魔王の依り代。大いなる力の器。
コレに僕の力の一部を移せば、巨大な力のバッテリーになる。コレを、君のご自慢の蜘蛛に組み込んだら、さすがに手が出せないんじゃないかな?
能力の面でも、心の面でも、ね。
何度も言うが、フットワーカーに否定することはできない。
だから頷くしか出来なかった。
声は満足そうに笑って―――暗闇には一人、荒く息をついて自身の体を取り戻したフットワーカーだけが取り残された。
- 34 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 23:53:32 ID:VwOQLFq3
- 何やらやばげな雰囲気が……
しかし、これだけ好き放題やって事態が進展するってのもすごいなぁ
- 35 名前:前スレ960:2008/01/31(木) 00:09:55 ID:xFP1QPpA
- 24時を過ぎましたのでタイトル案を締め切って現在出ている案からタイトルを決めたいと思います。
なお、ページに関しては独断と偏見により「クロスSS(新項目)>現在進行中のクロスSSのタイトル(新項目) >クロスSS本体(新項目)
」でいきたいと思います。
【クロスSSタイトル候補】
・ナイトウィザード!クロス群雄譚―式神の城異聞―(3-965さん)
・ナイトウィザード! カオス・クロスリレー『式神の城攻略戦』(3-972さん)
・ナイトウィザード! クロス群雄譚
『式神と魔術の詠う夜〜東方のねじれた城に集う超☆能力者達は心のトリガーを引け〜』(3-972さん)
あ、今度の〆切は本日24時45分です(約35分後)です。
- 36 名前:便乗してみた:2008/01/31(木) 00:13:30 ID:Yd5RsUdn
- 都内の某所にK談社の会議室に男が3人集まっていた。
ナワヤ、イケダ、タナカの3人である。
かつて3人は不可思議現象を科学的に調査を行う、MMRという調査班に所属していた。
現在は、リーダーであるキバヤシが退社し、解散となっていた。
会議室の窓から見える浮かぶ城――式神の城が現れてから、突如キバヤシからMMR召集の連絡が入った。
「ったくよー、自分から呼び出しておいて遅刻するとはなー」
「キバヤシさんは、忙しいですよ」
「しゃーねーな……」
とナワヤは会議室のドアに近づいた。
「どこ行くんですか?」
「一服。どうせ、しばらく掛かるんだろ」
ナワヤがドアノブに手を掛けた瞬間――。
ガチャ!ゴン!
勢いよくドアが開き、丁度ドアの傍にいたナワヤに直撃した。
「どーも!絶好調の踝です!!あ、どーもすみません、部屋間違えたみたいです!スミマセン!!」
そして、開けた時と同様に再び勢いよくドアが閉まった。
「痛ぇーじゃねぇーか!謝りやがれ!!」
ガチャ!ゴン!
再び、勢いよく開かれたドアが再度ナワヤに直撃した。
「あ、居たのかナワヤ。すまない」
と、キバヤシが現れた。
- 37 名前:便乗してみた:2008/01/31(木) 00:13:52 ID:Yd5RsUdn
-
「突然だが、MMRの皆に集まってもらったのは他でもない。あの城の事だ」
「秋葉原上空に浮かぶ城の事ですよね」
「そうだ、実はあの城についてノストラダムスの預言書が見つかった」
「「「な、なんだってー!!」」」
「ノストラダムスってアレですよね!?我々が今まで追っていた予言の……?」
「そうだ、MMRが解散したあとも一人で細々と調べていたんだが、
まさかこんな所でノストラダムスに行き当たるとは思いもしなかった。
予言の話だが……
欲望の渦巻く街に天空城が現れ、
いくつものの世界が一つに繋がり、
常識が常識でなくなり、地獄と化すだろう。
スルトの力と鬼の力が一つになったとき再び平穏が訪れるだろう
という内容だ」
「欲望の渦巻く街はアキハバラ、天空城はあの城というのは分りますが、
あとの詩がさっぱりですね」
「ああ、だが、確実に言えるのは……」
「「「言えるのは……」
「人類は滅亡する!!」
- 38 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:21:40 ID:cW9bUou2
- 原点(?)に戻ってSTG系から一つ。
なのはは信じられないものを見た。
周囲で行われている歴戦の戦士達の戦闘で撒き散らされた力の残滓を
かき集めるだけ集めて放ったスターライトブレイカー。
それは戦略級ともいえる威力を持って空を埋め尽くす敵をなぎ払うはずだった。
だが、目の前で起こってる事態は何か?なぎ払われる敵の中にあった1機の
飛行物体から放たれた巨大なビームがスターライトブレイカーを押し止め、
今は両者のエネルギーが混ざり合い巨大なエネルギーの球体へと変化しつつあった。
押し負けぬようさらに魔力を込めつつなのははビームを放射し続ける機体を見る。
おおよそ彼女の知識の範囲外な飛翔体のフォルム。前部は火力だけを追求した
ビーム砲、後部は推力を吐き出すためだけのエンジン、"その機能"だけを
極限にまで追求したが故の美麗さのカケラもない異形。
その異形に前後を挟み込まれるように据え付けられたコックピットの黒いキャノピー
はともすればいびつな生き物の眼にも―いや、蟲の複眼と言う方が適切だろうか。
そんな取りとめも無い思考をしていた自分に気づき、気合を入れなおす。
「どんな相手だろうとわたしはいつだって全力全開!このまま押し切るよレイジングハート!!」
「Yas Master」
そう、全力で行かないと……このまま押し切られてしまうからッ……
拮抗していたと思われたエネルギー球は徐々にであはあるがなのはの方へと近づきつつあった。
「ふぅん?使えそうだと思ったけど、案外やるじゃない」
式神の城の一室で空間に投影された光景を見ながら大魔王ベールゼファーは満足げに微笑む。
「アレはどういった物なのです?ベル」
「ちょっとよその世界の様子を見に行ったときに見つけたのよ。
なんでも"世界を滅亡させた相手にみんなが止めるのも聞かずに仕返しに
行ったら威力出しすぎて世界そのものを壊しちゃった"ウッカリさん。
で、いい感じに絶望してたから落とし子にしてあげたのよ」
まるでお気に入りの恋愛映画のシーンを思い出すような口調で語るベル。
「あなたが落とし子をそんな風に語るなんて、よほど気に入ったようですね」
「ええ、そのウッカリさんの絶望具合も良かったけど、あの機体の名前が特に気に入ったのよ」
「……名前、ですか?」
「そうよリオン。さ、見せてやりなさい『最終平和兵器:ブラックフライ』!
お前のNEWALONE最大開放に付き合ってしまったらどうなってしまうかを!」
「なのは!」
「なのはちゃん!」
親友の二人の声が聞こえる。けれどその声に答える事も眼で姿を追う事もできない。
スータライトブレイカーとNEWALONEビームが混ざり合ったエネルギー球は
構えたレイジングハートのわずか数センチの所まで迫っているのだから―
- 39 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:25:26 ID:blxFXCL4
- >>37がこれを待ってると聞いて。
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
,. -─- 、._ ,. -─v─- 、._ _
,. ‐'´ `‐、 __, ‐'´ ヽ, ‐''´~ `´ ̄`‐、
/ ヽ、_/)ノ ≦ ヽ‐'´ `‐、
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ ≦ ≦ ヽ
i. /  ̄l 7 1 イ/l/|ヘ ヽヘ ≦ , ,ヘ 、 i
,!ヘ. / ‐- 、._ u |/ l |/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_、l イ/l/|/ヽlヘト、 │
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l レ二ヽ、 、__∠´_ |/ | ! | | ヾ ヾヘト、 l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / riヽ_(:)_i '_(:)_/ ! ‐;-、 、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
/`゙i u ´ ヽ ! !{ ,! ` ( } ' (:)〉 ´(.:)`i |//ニ !
_/:::::::! ,,..ゝ! ゙! ヽ ' .゙! 7  ̄ | トy'/
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 / !、 ‐=ニ⊃ /! `ヽ" u ;-‐i´
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / ヽ ‐- / ヽ ` ̄二) /ヽト、
i、 \:::::::::::::::..、 ~" / ヽ.___,./ //ヽ、 ー
- 40 名前:37:2008/01/31(木) 00:41:26 ID:Yd5RsUdn
- >>39
うん、待ってた。
- 41 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 00:46:29 ID:jcpTv+/m
- なのはいいぞもっとやれ
- 42 名前:前スレ960:2008/01/31(木) 00:52:25 ID:xFP1QPpA
- どうやら返事が無かったので3-965さんの案『ナイトウィザード!クロス群雄譚―式神の城異聞―』を仮タイトルに使わせていただきます(タイトルの修正は後でも可能です)
それじゃ保管庫にクロスSS追加してくる。
- 43 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:05:26 ID:nfVPgs0e
- そういや、ハッタリと○輪も参戦してたな
ついでに加納と是空とネギ先生も参戦させておこうぜ
- 44 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:07:02 ID:WAjUky27
- >>43
まじ?
美輪 明宏さんが参戦してるのか……江原さんは?
- 45 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:10:19 ID:WizE09hR
- >>44
焼肉のタレ片手に観戦してます。なかのひとたちの隣の病室で(ぉ
- 46 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:11:08 ID:hMrt6rh+
- >>44
テレビに出てる方じゃなくてアニメに出てる方な?<○輪先生
- 47 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:12:58 ID:Z/Ft6L0G
- そういえばデモベはでてないのな、すごく出てそうな感じがするのに。
- 48 名前:夢から覚めたら・前:2008/01/31(木) 01:18:43 ID:QFkeLtm1
- PC版キャラどもの続き
〜秋葉原・地上戦〜
「はあ、やっぱ市外に出るとこんな状況なんだね……」
上空の巨大な城を見上げ、ため息を吐くのはやけに露出度の高い忍装束の少女。
青味がかった髪が印象的な彼女はまだ年若く、むしろ幼く見えた。……その胸の双丘を除いて。
「わかってはいましたけどね。――急々如律令!」
忍びの少女に答えた声は更に若い。こちらは文句なしに幼いであろう外見の少女。
やはり露出の多い巫女服――に見える衣装――を纏う彼女の手から札が飛ぶ。
札に予め術式をプログラムしておくことにより、最小限の時間で魔法を紡ぐ、陰陽師の業。
栗色の髪の彼女は迫り来る異形を消し飛ばし、忍びの少女と背中を合わせる。
「上には柊氏が向かっています。わたくしたちはこの場をなんとかしませんと」
「秋葉原が廃墟になっちゃうもんね」
陰陽師の彼女はええ、と肯く。
「これが優様の感知するところとなれば一大事ですから」
「まっし、じゃない真白お姉ちゃんが黙ってるはずないもんねー」
「局所的とはいえ、せっかくお二人が築いた平穏です」
「壊させるわけにはいかないんだからッ!」
「ですわね! って、はわわ――――ッ!?」
「あああああ琴理ちゃんセンパイが謎の粘液にーっ!? エロっ!」
〜その頃の武蔵野分校〜
「と、いう報告が入ってますけど〜」
「あー、あの馬鹿ども……武蔵野で安全に過ごしておけばよいものを」
「琴理さんは御門からの指令ですし、止められませんでした〜」
「……夜ノ森風音も似たようなものか」
頭痛がする、というように芽亜はこめかみを押さえた。
そこへ軽い音。理事長室の扉がノックされている。
「入れ」
「はーい」
軽い返事とともに現れたのは白衣の女性。
「理事長、面白そうだからわたしも行っ」
「ダメだ」
「えー。けちー」
「状況は十分に混沌としている。この上さらに竜騎士まで投入できんぞ」
「だってー、あそこで大暴れすれば絢爛舞踏になれるかも」
「なってどうする!?」
「まあ、長い転生だしそういうのもアリかなーって。竜で絢爛舞踏とかってぇ、凄くない?」
「……本気でやめてくれ。頼む」
「ちぇ」
〜その頃の恋人たち〜
「何度見てもやっぱツルツルだなー」
「夜ノ森は、生えてたほうがいいか」
「いや」
優はぶんぶんと首を振った。
「このほうが、なんかこう、アレだ。色々と素敵なのでこのままの君でいてくれ」
「……そうか」
「あ、不満?」
「いや。お前がいいなら、これでいい」
- 49 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:20:30 ID:HguzKUIK
- 参戦しようと思ったが、正直流れが追えなくて…。
- 50 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:21:42 ID:QFkeLtm1
- うお名前欄間違ったΣ(゚Д゚)
タイトルとかではないので、名前欄は無視でお願いします
- 51 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:44:41 ID:5xHOhJa5
- 長い転生……自由人か?w
だけど人間は欠点を克服できるからおもしろい
というのをPAPUWAの最後に持ってくるとは思わなかったよあーみん。
ということでだれかガンマ団をw
- 52 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:54:14 ID:xFP1QPpA
- >>52
「長い転生〜」はPC版ナイトウィザードに出てくる武蔵野分校の保険医のこと。
超至高神側と古代神の戦争時代の最終兵器こと聖竜騎士の転生体らしいから数十億年位転生し続けてることになる。
……で、実際ガンマ団が参加したらどうなるんだろうな(笑)
- 53 名前:52:2008/01/31(木) 01:55:55 ID:xFP1QPpA
- さっき書き忘れたが一応報告。
このスレの>>48までのクロスSSの保管完了しました。
- 54 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 01:58:40 ID:5xHOhJa5
- >>52
いや、そりゃ分かるんだが、
自由人HEROで長い人生(ryというにたセリフがあったのを思い出したのさw
とりあえず最後はハッピーエンドになる気はするぜ。
- 55 名前:まとめ・味方側:2008/01/31(木) 01:59:06 ID:hMrt6rh+
- はーい、今日のまとめー
抜け指摘よろー、基本作品になってない形式のものは弾く傾向でよろ
柊・光太郎……式神の城攻略中
くれは・金……式神の城攻略中・リンバウマンと交戦中
灯・小夜……式神の城攻略中
ナイトメア・日向……式神の城攻略中・エイジャ兄弟と交戦中
パロディウス組……式神の城攻略中・藤島と交戦中
ダイソード組……式神の城攻略中
エグゼリカ組……式神の城に向かう途中
舞‐Hime組……式神の城に向かう途中
シャナ・悠二組……式神の城に向かう途中
美晴・真由美・鈴鹿・レイナ・ミカエル……式神の城に向かう途中
ゼノサーガ組……式神の城に向かう途中
なのは組……式神の城に向かう途中・アララと交戦中
霊夢……式神の城に向かう途中・交戦中?
鈴蘭・伊織・メディア……城落下阻止作戦中
アルカナハート組……城落下阻止作戦中
ベホイミ……地上防衛中・アバターHARI-MAと交戦中
クロック&クロス……地上防衛中
アンゼ・ふみこ……アンゼ城にて会談中
ノーチェ・マユリ……横島召喚後、動向不明
横島……ベルと交戦?中
パステリオン組……世界結界防衛中
ホワイトハウス……アメリカにて全力支援
妹・琴理……なんか戦闘中
- 56 名前:DCユニバース参戦1/2:2008/01/31(木) 01:59:50 ID:BffjKiMt
- ここまで次元が入り組んだら、あのお方に出張ってもらうしかあるまい。
と言うことで―
どことも知れぬ空間の中を、一人のヒーローが駆けていた―いや、追われていた。
次元の狭間を舞台にしたレースは、彼がとある世界に実体化したことで終りを告げる。
「キシャァァァァァ」
追っ手の怪物たちは逃げ場をふさいだとばかり、奇声を上げる。
――それが失敗だった。この世界において、それは致命的なまでに。
あまりにも目立ちすぎるその怪物の姿を目撃した新聞記者クラーク・ケントは、そのスーツを脱ぎ捨てた。
その下から現れたのは、鍛え上げられた肉体。鋼鉄の男スーパーマンが事件の現場へと向かう。
その叫びは、一人の少年の耳にも届いていた。彼は躊躇なく魔法の言葉を唱える。
「SHAZAM!」
地上最強の人間へと変身した少年、キャプテンマーヴェルもまた空を駆ける。
そしてゴッサムシティにあるバットケイブでは、
「時空間の乱れ―異世界からの侵入者か?」
闇の騎士バットマンが事件の予兆を察知し、
「フラッシュ!」
「ワンダーウーマンかい?こいつはヤバげな匂いがするぜ」
「コーズでも観測された。これは大事になるぞ」
追っ手が様々なヒーローの関心を集めてしまった事に気付いた時には全てが遅すぎた。
そして、
「久しいな、アクセス」
集結したヒーロー軍団は怪物どもを追い散らし、旧知のヒーローとの再会を果たしていた。
戦闘に勝利したというのに、彼らの表情は硬い。察しているのだ、これが始まりに過ぎないことを。
「何があったのか知らないが、私に手伝えることはあるかね?」
スーパーマンの問いに、アクセスは首を縦に振った。
- 57 名前:DCユニバース参戦2/2:2008/01/31(木) 02:00:15 ID:BffjKiMt
- 「セプテントリオンか、最近裏世界で勢力を伸ばしている連中だな。
バックボーンがはっきりしなかったが、異世界出身だったとは」
アクセスの説明を聞いて、バットマンが漏らした感想はそんなものであった。
衛星軌道上に浮かぶジャスティスリーグの基地。そこでヒーロー軍団はアクセスから事件のあらましを聞いていた。
次元の間を飛び回るヒーローであるアクセスは、いち早くこの陰謀に気付いていた。
それに対抗すべく、様々なヒーローや組織の次元移動に力を貸していたのである。
もちろんそれはセプテントリオンの知るところとなり、追っ手を差し向けられていたのであるが、
「チームを二つに分けよう。一つは攻撃チーム、そしてもう一つはアクセスの護衛だ」
「そうは上手くいかせてくれないみたいだぞ」
バットマンの硬い声が、スーパーマンの決定をさえぎる。
「どういうことだバッツ?」
「みろ、連中の次の追っ手だ」
その言葉とともに、作戦室のモニターにメトロポリスの様子が映し出される。
「ドゥームズディ……」
そこにいたのは、かつてスーパーマンと互角の戦いを繰り広げた怪物の姿だった。
「ケイブのコンピューターの分析によると、こいつは以前に現れたものよりも強化されている。
リーグの総力をあげなければ対応は出来んぞ」
「なら、俺たちがアクセスを護衛するぜ!!」
重苦しい雰囲気を、若々しい声が打ち破った。
「ナイトウィングとティーンタイタンズに任せてくれよ」
言いながら入ってきた青年は、自分と仲間たちとを指差した。
挑発的な視線が、バットマンのそれと絡み合う。
「……いいだろう」
ややあって、バットマンはかつての相棒の提案を認めた。
「ではこれより、ジャスティスリーグは全力を持ってドゥームズディ及び、セプテントリオンの尖兵を撃破する。
ティーンタイタンズは、アクセスを護衛し、各世界のヒーローを事件の中心へと無事に送り届けるのだ」
「「了解!!」」
かくて事件はさらなる広がりを見せていく……
っつーわけで無理のあるクロスは「アクセスがつなげた」「アクセスが案内した」という言い訳が出来るようにしてみました。
- 58 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:00:41 ID:HguzKUIK
- 流れがよく分からなかったので、確認のために通して読んでみた。
ま す ま す わ け が わ か ら な い !
あ、まとめてくれた方、ありがとうです。
- 59 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:05:58 ID:oi3o1uQ5
- そういや、鬼神童子ZENKIの千明って陰陽師?それとも魔物使い?
アニメの後藤晶、漫画の後鬼丸だったなら、おそらく転生者だと思うんだが。
- 60 名前:まとめ・敵方:2008/01/31(木) 02:15:17 ID:hMrt6rh+
- 敵方
リオン……式神の城内部にて待機中
ベル……横島と追いかけっこ中
スカリエッティ……不明
ヴァーミス……地上襲撃中
バクテリアン……地上襲撃中
アバターU-1……金・くれはと交戦→なんか負けたっぽい?
アバターHARI-MA……ベホイミと交戦中
アバターKYO-YA……なのは組と交戦中→なんか負けたっぽい?
アバターSAI-TO……霊夢と交戦中
ギャオスハイパーの群れ……パステリオン組と交戦中
アララ・クラン……なのは組と砲撃戦中
リン・バウマン……くれは・金組と交戦中
エイジャ兄弟……日向・ナイトメア組と交戦中
藤島……パロディウス組と交戦中
アノレゴス・ダンデオン……交戦中
堀口ゆかり……交戦中
その他
ダイガード……たぶん参戦できない
武蔵野……傍観姿勢
クラリス……なんか柊狙ってるっぽい
ラハール……都庁の上でお茶の時間
MMR……K談社内で会議中
世界の外側は省略
抜け指摘よろしく
- 61 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:18:20 ID:6XaU3mPV
- >51
パプワじゃないがガンガン系の電波を受信したのでカキコ
「春儚とこの世界を守る為に、もう一度力を貸してくれ《雷帝》!
聖逆十字反天雷烈波!!!(クロス=クルセイドリバースデリンジャー)」
- 62 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:20:09 ID:GjsxuSXj
- さらにカオスw
- 63 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:22:59 ID:WAjUky27
- しっとマスクを投入……無理かww
- 64 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:29:29 ID:BffjKiMt
- >>63
柊対しっと団ネタは考えたことがある。
柊「はあ?なんで俺が嫉妬されなくちゃいけねーんだ」
流鏑馬「そうだよ。僕が手に入れたのはささやかな幸せだけ。誰かにうらやまれるようなことじゃない」
しっと団員「殺す殺す殺す殺す」
- 65 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:30:18 ID:HguzKUIK
- 既に他の人が出した作品って勝手に書くとマズそう?
- 66 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:31:53 ID:WAjUky27
- >>64
しっと団的に柊と流鏑馬は宿敵だなww
- 67 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:36:24 ID:BmF6QjWi
- >>61
そこは「モテない男達の救世主」名無 鉄之助を出した方がいいかも。
「Come on!! 槍王!」
- 68 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:37:54 ID:BmF6QjWi
- 連投すまない。
「ええい、くそっ!」
少年の意のままに世界は書き換えられ、歪む。
だが、少年はその手を止めることなく魔法陣を描き、その口はただひたすら呪文を紡ぐ。
世界の崩壊を防ぐ為に。
『根』の世界を救う為に。
彼の愛する少女の為に。
少女が戦わずとも世界が救われる為に。
少女が一人抜けても……
その結果、ある世界が多重融合してしまっても、少年彼は気にも留めなかった。
何故なら、少年は「魔王」なのだから。
少年の名は「七代 崇」
魔法の名は「angel breath」と言った。
- 69 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:46:02 ID:xFP1QPpA
- とりあえずリレーSSの参加キャラ・状況まとめを>>48まで保管しました。
ただしわからない部分もあったので出来れば情報を戴けるとありがたいです。
もしも各自修正する場合はそちらでも構いません(手間が省けるので)
- 70 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 02:47:04 ID:hMrt6rh+
- >>65
問題ない。つーか、そろそろちゃんとした「異世界キャラ同士の交流」が見たい。
新キャラ出てばっかりだし。
クロスオーバーの本領は交流にありって原作者も言ってたしな
- 71 名前:ナイトウィザード!クロス群雄譚―式神の城異聞―』:2008/01/31(木) 03:09:50 ID:bMSRCas4
- ちょっと他の人のネタに便乗。
明日の朝にでも、バトル書くかな?
ねじくれた異形の城。
パラパラと異形たちの咆哮が鳴り響く中、混じるプロペラ音。
「こちらDNN、ピーター・マクドナルド! 本日は遥々日本、それも文化の象徴である秋葉原
上空です!」
醜悪な異形たちが空を覆い尽くす異形の空に、一台のヘリが飛んでいた。
「見てください、この空を覆うモンスターたちの大群を! 私ピーターも始めてみる光景に興奮して
おります!」
ヘリの扉を開き、顔を突き出して叫ぶのはマイクを握り締めた白人男性。
「一体日本に何が起こったのでしょうか?! そして、先ほど城に向かって我が国の大統領こと
正義の象徴――メタルウルフが飛び込んでいきました!!」
そして、ヘリに同上しているカメラマンが扉の外から捻れた城へとカメラを向ける。
そこには「レッツパリィイイイイイイイイイイイ!!!」 と叫びながら、雄雄しく、かっこよく、そして
大統領スピリッツ溢れる光景で戦うメタルウルフの姿。
「紳士なのは17時までだ!!」
「友好国のために、我が身を省みず戦う大統領。これぞ大統領魂!」
異形たちを焼き、異形たちを切り刻み、異形たちを熱々のローストチキンに変え、穴だらけの
チーズへと変貌させ、蹴る、蹴る、蹴る。
「そして、その他、城の各地で行われている正義の使者たちの戦いは、このDNN独占スクープ映像を生放送でお送りしたいと思います!」
「――OH!」
ピーターがそこまで言葉を告げた瞬間、空を飛ぶヘリに向かって襲ってくる巨大な異形の牙。
だがしかし。
『――GISYAAAAAAッ?!』
その牙は一見普通に見えるが、実は対戦車ライフルの直撃を十数発受けても飛んでいられる
報道ヘリの装甲に阻まれる。
『移動射撃 射撃・移動=キャンセル 射撃・移動=キャンセル 以下無限』
ヘリから無限に繰り出されたペンに、異形が蜂の巣になる。
「ペンは剣よりも強し! ありがとう、見知らぬ帽子を被った少年! DNN、ピーター・マクドナルド
よりお送りしました!!」
- 72 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 03:34:17 ID:JQBY0IJv
- >>1乙
この新スレの伸びは異常だろう常考。
ところで、アンゼロットあたりはとりあえず情報封鎖に走り回ってると思うんだ。
式神の城近辺は世界結界ボロボロだろうけど、拡大させるわけには行かないだろうし。
……と、書けない人間が妄想だけ垂れ流してみる。
- 73 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 04:46:39 ID:WIB4DO71
- >>65
構わぬ!
「書き捨て上等!加速歓迎!ネタは拾って後付け整えた者の勝ち!!」
が、このリレーSSの信条さ!!w
- 74 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 06:01:38 ID:nqBUsQYd
- >>51
前スレでどさくさまぎれてリキッドパパに連絡は入れさせて参戦フラグは立てたが肝心の内容は思いつかなかったりする…
誰かよろしく!
ま、それはそうと
「あ、ああ…」
呆然とするベホイミ…
彼女の視線の先にはズタボロになったHARIMA…
そして
「あなた達…ふざけてたわね?」
それを足蹴にしこちらを睨む、魚雷ガールの姿があった。
「ち、ちちち違うっス!」
「何が違うのかしら?」
「え、えっと…」
あまりのプレッシャーに次の言葉が出ないベホイミ。
と、2人の前に満面の笑みを浮かべたアンゼロットの立体映像が出現した。
「それはですね…あの城の連中がふざけろと!」
城を指差すアンゼロット。
「さらにですね。あの城の連中は大量破壊兵器を開発・保持してるんです!!」
「ギョラー!なんですって!?」
(敵に擦り付けたーーーーー!!!)
「武器撤廃ーーーーーーーーー!!!!」
「自分の存在を否定しながら突撃していったーーー!!!」
真に受けた魚雷ガールは叫びながら城へと突撃を開始する。
進路上の存在を誰彼かまわず跳ね飛ばしながら…
とりあえずベホイミはアンゼロットへと視線を向ける
「いいんスか?」
「少なくとも先ほどよりは被害が減るでしょう…あら?」
「ぬぅ、ボケ殺し教師たる魚雷殿が動いたかならばこの私、エロ撲滅教師色裂色番こと
ハバネロ錬金術師エロガード・エロリップも動かねばな!!」
「他の教職の皆さんも動いたようですし私も…それにしてみなさん眼鏡が似合いそう…
乙女と眼鏡の会に入ってくれないかしら?」
「で、出遅れた!千兵衛さん!もっと飛ばして!
ターボちゃん!何か使えそうな発明ないかしらー!?」
「私には聞かないんですね、みどりさん…」
「うほほ〜い♪」
「な、なんかいろいろと教師でヤバめな方々が応援に駆けつけてきちゃってるっスけど大丈夫っスか!?
特に最後…同伴者がやばすぎっスよ?」
(と、とりあえず、うちの学校の連中がいないのは不幸中の幸いっス…)
「だ、大丈夫でしょう…多分…」
一方、
「ボディの調子はいかがかね、Drマシリト?」
「いうことなしだ!ネジ一本になること数年…ついに復活してやったぞ!
さあ来るがいい!則巻千兵衛!則巻アラレ!
今度こそ私のキャラメルマンが地獄に送ってやる!」
城にはスカリエッティにより復活させられキャラメルマンシリーズを従え待ち構える男の姿があった。
「楽しい時間の始まりだぁ!」
…ってなにキャラメルマン5号被ってるんだスカリエッティ…
- 75 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 06:44:18 ID:b5+8Kc6W
- >>72
事件が起こってるのは「東京市」だから大丈夫じゃないか?
初期の時点で世界結界の一部を切り取って「市」をねじ込んでる
って描写があったぞ。
- 76 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 08:57:17 ID:zKQpgqi2
- まだまだ状況を知らないイノセントたちは多そうだけどなー。
- 77 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 09:14:16 ID:zKQpgqi2
- ふと、保管庫の「クロスSS」のページって、どっちかっていうと「リレーSS」のような気がした。
- 78 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 09:24:35 ID:Q0bro872
- まあクロスssスレのまとめでクロスssのページってなんかおかしいわなw
- 79 名前:69:2008/01/31(木) 09:39:49 ID:xFP1QPpA
- 今起きた。
すまん、リレーSSって書いたつもりが書き間違えたらしい。
保管庫管理人さんがおられましたらタイトルとトップページのリンクを修正お願いします(私はパスワードを持っていないので)
- 80 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 10:41:02 ID:X+a3xkMX
- >>55
今まで誰も言ってないが前スレ>>869のファーレンガールズと黒猫が抜けてる。
なお元ネタはパワプロクンポケットの大江と浜野と真央
- 81 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 10:50:26 ID:aKcF4KTY
- 因みに、ダイガードに絡んでいるのは『デトロイド・メタル・シティ』のクラウザーさん(のファン達)だ。
- 82 名前:NW!群雄譚 フレームinなのはStS:2008/01/31(木) 13:06:47 ID:QND0xyIt
- ブラックフライのNEWALONEと自身で放ったスターライトブレイカーとのエネルギーの競り合いで
千日間戦争の様に膠着状態に陥ってしまったなのは。
いつもなら今も傍に居てくれる親友で在り仲間で在り戦友で在る二人――
フェイトとはやてが助けに来てくれている所で有るが、
現状はそんなに甘くは無かった。
フェイトはバルディッシュをツインセイバー=フォームにして自身もソニックフォームとなって、
神速を超えた“超☆神速”で空を駆けまるで独立した生物の様に変幻自在に二刀の小太刀を振るう
KYO-YAと人智の及ばぬ超☆高速剣闘を繰り広げつつも、
次第にKYO-YAに追い込まれて行ってしまっている。
一方、はやてはなのはの邪魔をさせまいとアララ・クランと対峙しているが、
片方が決まれば決定的な大規模破壊魔法の長冗な呪文詠唱に入ろうとすれば、
もう片方が小技の魔法で相手の呪文詠唱を阻害すると云う
「先に動いたら敗け」の様な後の先を狙う展開に突入してしまい、
双方に睨み合いながらも突破口を見い出せずにいる。
そんな中で、なのはとブラックフライが競り合いつつもじりじりとなのはに迫っていたエネルギー塊が遂に
突き出しているレイジングハートの尖端に触れそうになった時に、
幾重もの光の輪がブラックフライの後方から撃ち込まれてNEWALONEの射角が
僅かに振れて、その隙を逃さずなのはは全力全開でスターライトブレイカーを圧し切り、
辛くも膠着状態からの離脱に成功した。
しかし、なのはもブラックフライも無傷と云う訳には行かなく、
なのははかすめたエネルギーの余波でバリアジャケットの左肩から左腕の肘辺りまでを
消し飛ばされて生身の肌とブラの左肩紐を露出させている。
一方、ブラックフライはその複眼の様なパーツの右側半分をごっそりと消し飛ばされている。
誰!?となのはが眼差しを向けた先には――
「…ふぅ、どうやら間に合うたようやな; あんさん、柊はんと光太郎はんの
お友達の高町なのは言うお人でっしゃろ?
ワイはタコスケ、自衛軍の次は奴等でっかぁ? 義に由って助太刀するでぇ!!」
タコスミならぬリップルレーザーを吐いてブラックフライに不意打ちを加えた
喋って空飛ぶイカすタコ――タコスケが快笑浮かべてタコ足でサムズアップしていた。
そして助太刀は彼のみに止まらず、フェイトの元にはペン太郎が、
はやての元にはこいつがヒーロー然と駆け付け飛び込もうとしていた。
と、局地状況整理&打開のきっかけの為に
なのはStSチームにパロディウスチームを合流させてみたよ〜んもにょ。
- 83 名前:リレー・ベホvsHARI−MA:2008/01/31(木) 13:18:49 ID:ZdyGZM6k
- ―――お花畑の向こうで、担任がイイ笑顔で手を振ってました。
「って、走馬灯っ!?」
自分の声で、ベホイミは目を覚ました。
どうやら立ったまま気を失っていたらしい。時間にして数秒ほどだが、敵と相対している場にあっては致命的に近い隙だ。
だというのに、相手は涼しい顔で彼女を見ていた。
舐められていることに多少腹が立つが、ある意味それも仕方ないと認めていた。
敵である「アバター・HARI−MA」のしてくる攻撃には「常識が通用しない」。
いや、ウィザードである以上は当然といえば当然なのだが、そういうことではなく「ありとあらゆる理論が通用しない」のだ。
ベホイミは知らないが、これもまた当然だ。
アバターである彼らは人々の想念の結晶。
空想・信仰は信仰上の存在を強化する。精神を大きな拠り所とする彼らは、他者に存在を認められてこそその存在を世界に固着できるのだ。
逆に、強い想念の結晶である彼らは精神生命体としてその力がまとめられている。数多くの人間の欲望・想念をまとめ、形に成したものこそが彼ら「アバター」と呼ばれる存在なのだ。
つまり多くの人間が彼らに抱いている幻想、それが強ければ強いほど、無茶苦茶であればあるほど、それを現実にする力が彼らにはある。
(どうする?回避もできなきゃ隙もないって攻めようがないっすよ)
ベホイミはそれでも『空想されし無敵』を倒す術を探そうとする。
彼女は後ろに何千何万という人々の願いを背負っている。ここで倒れることは魔法少女として、なにより彼女自身の矜持と信念が許さない。
そんな彼女を、「アバター・HARI−MA」は笑った。
「ふん、諦めろベホイミ。お前では俺は絶対に倒せん」
「ずいぶん口が回るッスね、『勝負に絶対はない』ってところに赤線引いた辞書プレゼントしてあげましょーか?」
「教えてやろうか、その理由を」
ベホイミの軽口を完全に無視して話を続けるHARI−MA。
ちょっとは皮肉くらい解せよ、と思わなくもないが、理由があるなら聞いてやろうとベホイミは黙る。
「簡単だ。俺は『主人公』だからだ」
「……は?」
「『主人公』とは負けてはならぬ絶対の存在。その『主人公』様であるところの俺を、たかが『脇役』でしかないお前が倒せるとでも思っているのか?」
『主人公』とは物語において最後に勝たねばならぬ幻想。ゆえにお前程度では勝てないと。
そう、因果の仕組みをもって絶望を与えるHARI−MA。
(あぁ、なるほど。
『主人公』は負けない。なぜならお話の中心にいる存在だから。だからアンタは私に負けないと言ってるわけッスか)
成る程、成程、ナルホド、なるほど―――ふざけるな。
次の瞬間、ベホイミはHARI−MAの胸倉を掴んでいた。
- 84 名前:リレー・ベホvsHARI−MA:2008/01/31(木) 13:19:13 ID:ZdyGZM6k
- HARI−MAの顔にはじめて驚愕が刻まれる。
「な―――お前っ」
「要は。アンタは守りたいものもなく、ただ自分が好き勝手に生きたいから、何者にも阻害されぬ力がほしかったから、その力を手に入れたと。
それで主人公だから負けないと。そうほざくわけッスね。何かのために力を振るうわけでなく、他人の思いも考えることなく」
重い左フック。ベホイミの渾身の想いがこもったその一撃は、はじめてHARI−MAの足を地面から浮かせる。
「バカな!なぜこんな単純な一撃が俺を傷つけるっ!?」
「私がこの力を振るうのは、みんなの思いを守るため。明日の子供の笑顔を守るため。この街でまた、みんなと一緒に笑うため。
私にこの力を与えてくれたのは、マヌケだけど一生懸命な宇宙人と私と日々過ごしている普通のクラスメイト。
私はこの力を、この場所を守るために使う!」
連撃、連撃連撃、連撃連撃連撃連撃!
拳はすでに瀑布のごとく。HARI−MAは、単純な拳のラッシュを何故か見切ることはできない。
唐突に、拳の嵐が止む。浮いていた足で着地し、なんとか態勢を整えようとするHARI−MAだが、そうは問屋がおろさない。
ベホイミは、最高の一撃を叩き込むために体を大きく捻っていたのだ。
今までで最速にして最高の一撃が、HARI−MAの顎をかち上げる!
「おるぁぁぁぁぁあぁあぁっ!」
魔法少女としてどうなんだ、という雄たけびと共に叩き込まれた一撃により、今までHARI−MAを支えていた想念の結合が断ち切られた。
物理的衝撃で精神結合に影響を及ぼすという離れ業をやってのけた彼女は、ぐっと拳を握って吐き捨てる。
「脇役から主役に登りつめたスピンオフ魔法少女を、ナメんじゃねぇッスよ」
どこぞの魔砲少女も同じことを言いそうだな、と思いながら新感覚癒し系魔法少女ベホイミはHARI−MAの消滅を見届けた。
- 85 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:40:23 ID:blF+h7Qx
- 魔法少女からは一度ドロップアウトしてるしな、ベホイミはw
- 86 名前:887:2008/01/31(木) 13:50:35 ID:ZU6Orcyr
- くそう、DNNの独占放送を(力尽くで)阻止するためにスパイラル(byX−MEN)を送り込もうと思ったが
ピーターのキャラがわからないからちょっと書けない…orz
- 87 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 13:50:57 ID:ZU6Orcyr
- ぐは、名前消し損ねた
- 88 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:15:23 ID:5xHOhJa5
- 変幻自在に二刀の小太刀を振るうが、
変幻自在に二刀な小太刀に見えたぜ……
- 89 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:18:57 ID:cAvC0Cze
- >>86
スパイラル暗躍の裏でモジョーが糸を引いていると申したか
それならロングショットも出さねばな
- 90 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:19:05 ID:zKQpgqi2
-
かつてない危機にウィザードや異世界の者たちが力を合わせて戦っている頃、後方支援部隊による、目には見えないもう1つの戦いが繰り広げられていた。
そう……世界結界の維持である。
多くの裁定者たちや、結界能力を持つ魔法使いたち、そして各国首脳陣による情報統制。
彼らの努力が功を奏してか、多くのイノセント達はこの真実を知らずにいた ―― 今は、まだ。
日本のとある町に住む、南家の3姉妹もまた大衆の例外ではない。
幸いなことに、彼女たちは何も知らないまま平凡な日常を淡々と過ごしていた。
* * *
だだだだだだっ!
ガチャッ ……ギィッ……ばんっ!
カナ「たっだいまー! いま帰ったぞー!」
チアキ「近所迷惑を考えろ、バカ野郎」
見慣れた姉の暴走に、面倒臭がりつつも的確にツッコミを入れる千秋。
カナ「そんなことよりもだ、チアキ。私は今、もの凄く憤慨している!」
夏奈は高らかに主張する。
カナ「なんなんだ今日の天気は! 今朝の天気予報を見たか?
私の記憶によれば快晴だったはず! なのに……この天気は! ああ、これは陰謀だっ!」
びし!と指したその先にある大きめの窓に映ったのは、白い雪。
チアキ「いつの間に……」
自分が帰ってきたときはポカポカの陽気だったはず。
今回ばかりは、カナ(H)の言うことも一概には否定できないようだ。
* * *
- 91 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:19:38 ID:zKQpgqi2
-
やがて雪は本降りとなっていく。この勢いなら、明日の朝を待たずして地面に積もることなるかもしれない。
風も出てきたらしく、窓がガタガタと震えている。
もはや外は吹雪と言ってもいい。
ハルカ「ただいま…」
チアキ「お帰りなさい、ハルカ姉様」
カナH「おかえりハルカ。いやー、吹雪の中、大変だったろう?」
やがて日も落ち(元から外は暗かったのだが)、3姉妹の長女・春香も帰宅する。
ハルカ「ごめんね遅くなっちゃって。いまご飯作るから……」
吹雪の中の帰宅だったはずだが、ハルカは不思議と疲れを見せない。
そんなことを気にしていても始まらないので、夏奈は素直にコタツで待つことにする。
* * *
白米と味噌汁、それに昨日残った根菜の煮物。
見事なまでの手抜き料理だが、煮物に調味料と野菜を加えれば、それなりに印象も変わるものである。
外の様子とは対照的に、家の中はいつも温かい。
春香はそんなことを考えていた。
妹2人と食卓を囲みつつ、話題は自然と不思議な空模様の方向へ。
いつもなら単なる笑い話、「変ね」と相槌を打つだけで済む話なのだが、今日だけは少し違っていた。
この天気の原因に、春香は1つだけ心当たりがあったからである。
春香の瞳に決意の炎が宿る。妹たちを守れるのは自分だけだと。
ハルカ「カナ、ちょっとチアキのことお願いね。すぐ……すぐに帰ってくるから!」
カナH「おい、ハルカ……?」
何かを思い出したかのように、春香はそっと立ち上がる。
壁にかけてあった厚手のコートを羽織り、妹たちには詳細を告げぬまま、吹雪の夜へと消えてゆく。
ハルカ「(ごめんね、2人とも。絶対に戻ってくるから)」
その夜、春香が家に戻ることは無かった。
* * *
南春香、高校2年生。彼女は再び舞い降りた ―― 二度と戻るまいと思っていた“戦い”の世界へと。
地球を護るため。そして何より大切な家族を護るために。
ハルカ「(それが、ウィザードの使命だから……!)」
世界の闇に隠された真の番長伝説が、今ここに蘇る。
- 92 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:21:49 ID:5xHOhJa5
- 番長。
それは竹ノ塚とどっちが範囲が広いのだろう。
頑張れ。日常を守るために。
- 93 名前:90:2008/01/31(木) 14:22:11 ID:zKQpgqi2
- というわけで、僕もリレーに参加させてもらいます。
短いとはいえ、SSなんて書いたの初めてで超☆緊張。
題材は「みなみけ」ですが、アニメしか見てないので間違ってるところがあればツッコミ所望。
- 94 名前:NW!群雄伝 フレームinスカリェッティ:2008/01/31(木) 14:22:24 ID:QND0xyIt
- 「――ふぅ、奴の相手は少し気疲れするな;」
転移装置を経由して今回のアジトに戻ったスカリエッティはそうひとりごちた。
「……ならば態々自ら出向いて相手をしてやる事もなかろうに……」
部屋の陰からスカリエッティにそう声を掛ける一人の男。
充分に老人の域に足を踏み入れている白衣の老紳士。
しかし、その隻眼の瞳の輝きは強い野心と知的探求心に彩られ爛々としている。
「そうも行かなくてね。科学者なんてのは皆、薄い根拠しか無い自尊心の塊だからね…
この私スカリエッティを除いて。だから、おだててのせてやるのが一番効率が良いのだよw
地上はDr.マシリトで充分陽動出来るでしょう。それより、準備は進めて置いて貰えましたか
――Dr.ワイリー」
「ふん、手を抜いても何も良い事は無いからの。自分の目で確かめてみぃ」
応じてスカリエッティはつかつかと壁際に歩み寄り、壁のパネルを軽く操作する。
すると、周囲の壁全面がスクリーン化してその表面に無限に拡がる大宇宙と
スクリーン越しにスカリエッティ達を取り巻く異形の戦闘ユニット群無数にが映し出される!
「……ふむ、上出来ですね。この、バクテリアンのゼロス級移動要塞を更に改造して最早別物に
まで強化したビッグコアをモチーフにした名付けて『ジェネシス・コア』を旗艦として、
東京に派遣したバクテリアンやヴァーミス共の戦力を補って余り有る高速常進化型戦闘生命体
――バイドの大軍団! これだけの手勢を以てすれば、今大気圏スレスレで暴れている
パステリオンとやらの魔法少女共や、姑息に動き回っているジャスティスリーグの衛星軌道上の
基地も自身を世界の守護者と語るアンゼロットとやらの宮殿も物の数では無いっ!
……これで、式神の城に宇宙からのエーテル・エネルギーを送信する経路が
今よりももっと太く確立出来る。さぁ、全軍出撃だっ!!」
熱に浮かされた様に熱狂している風情でスカリエッティは全軍に進撃を命じ、
月より巨大な艦体を誇るジェネシス・コアを中心として
バクテリアン・ヴァーミス・バイド混成の大軍団が動き出した。
(……やれやれ、スカリエッティの奴、既にバイドに侵され始められている様じゃな;
まぁ良い、あの御方直々の依頼故にこの儂Dr.ワイリーが目付役に着いてやっているが、
何、いざとなれば切り捨ててあの御方の許に合流するだけよ。
それに、奴等もそろそろ動き出しているじゃろうて……)
Dr.ワイリーは只独り、この場で冷静に状況を見据えていた。
- 95 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:47:10 ID:zKQpgqi2
- スカリエッティ止めたら事件解決するのかなあ?
たぶんしないんだろうなあ……。
- 96 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 14:49:57 ID:IjHaVQtn
- スカ止めても他の連中が事態を進めるだろうしな
- 97 名前:NW!群雄譚 フレームin魚雷ガール:2008/01/31(木) 15:01:23 ID:QND0xyIt
- 「――Σぐはぁっ!?;」
怒濤の勢いで激進していた筈の魚雷ガールは、倒された。
「……何、一体……!? 何をされたのか……全く分からなかったわ……?
けど…何? この狂おしい程の愛への飢えは!?……Σあ、はあぁぁぁんっ!///」
魚雷ガールは息絶えた。
そんな魚雷ガールを傍らから見下す一人の男。
「……ふ、所詮ハジケ程度では俺には勝てないよ。この俺――
〈邪気眼衆〉筆頭の、伊藤誠をベースとしているMA☆KO☆TOにはな!」
MA☆KO☆TOが後ろを振り返ると、それまで控えていた数名が進み出る。
その手に持つGペンを振るい星をも砕く、千堂和樹ベースのKAZUKI!
その女性への妄執は歪んだ奇跡さえ起こす、横島忠夫ベースのYOKOSHIMA!
その魂に秘めた零時迷子は無限の力を生む、坂井悠二ベースのYU-JI!
普段は怠惰だがやる気を出せば何者も敵わぬ、藤田浩之ベースのHIRO-YUKI!
その他にも数多くの邪気眼戦士が集っていた。
猛者揃いの邪気眼戦士達の注目を集めつつMA☆KO☆TOが口を開く。
「……どうやらHARI-MAが討たれたらしい。
何、邪気眼四天王なんて言っても、所詮は今の知名度から付けられた呼び名。
今居るこの中には知名度は低いかも知れないけど邪気眼度では四天王を上回る者や、
出自が古過ぎて今は花道からは外れていても未々邪気眼度は落ちていない古強者は居る。
さぁ、俺達の具現化に力を貸してくれたあの御方の為にも、
そして俺達の存在と邪気眼ぶりを世に知らしめる為にも、
街中そして城の中に入ってしまっている勇士達を倒しに行こう!」
その掛け声に応じ、邪気眼戦士達は散って各勇士達の許に向かった。
……ふと、MA☆KO☆TOは足許に転がる魚雷ガールに再び視線をやる。
「……痕跡は消して置くか。――『Nice Boat!』」
コマンドワードを唱えると、魚雷ガールの遺体はみるみる内に小さな汽船に姿を変じ、
直後に開いた次元の大河へと流され消えて逝った……。
と、悪いけれど(書き手的にも)厄介そうな魚雷ガールを先んじて封じさせて貰った。
- 98 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:04:09 ID:zKQpgqi2
- なんという速筆……!
- 99 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:10:12 ID:IjHaVQtn
- しかしこのそろい方はまさか……エターナルフォースブリザードの使い手が出てきそうだな。
- 100 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:17:29 ID:QND0xyIt
- >>93
GJ!
日常と今の激戦の表裏を描けてて良かったぜ!♪
- 101 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:22:36 ID:wH2L+c1y
- 敵側(の前線)メンバーは邪気眼ばっかかよw
- 102 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:28:54 ID:vZC6DY2E
- >>101
そろそろ式神の城オリジナルのボスキャラ達にも頑張って貰わねばなw
……まぁ、醜藤島はパロディウスチームに早々に壊滅させられたみたいだが。
個人的には、誰か東方チームに着手してくれんかのぉ?
自分じゃあ書きたくてもキャラを把握出来てないから“らしい”書き方出来無いし。
- 103 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 15:31:03 ID:vZC6DY2E
- >>101
連レスで済まないが、
まぁ、邪気眼はある意味正に“悪しき夢”の産物だろうしw
- 104 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 16:54:52 ID:A9O6Idp7
- 上の方に出てたAまほリプの神様が多すぎるを書いてみたんだが、投入してもいいだろうか……。
SS投稿したことないから不安ですw
- 105 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:06:11 ID:m/2Dz/QW
- 迷う間には投下でGO
- 106 名前:続?神様が多すぎる1:2008/01/31(木) 17:13:52 ID:A9O6Idp7
- 了解!
では、ひとつ妄言をば。
何処かも知れない世界の狭間──
モニターに映る映像を嬉々として見守る者たちがいた。
彼らは神だった。
破壊創造神、世界神、経営神、思想神…最後の方がちとおかしいが。
ともかく彼らは非常に飽いていたのだ。世界を作ってはうっかり壊しちゃうくらいに。
そんな彼らがこの事態を黙って見過ごすはずがない。
モニターの中では柊蓮司と玖珂光太郎が当たるは幸いに、有象無象の化け物どもを蹴散らしている。
「いいぞー、もっとやれー」
「彼らの企みに便乗して適当に世界を繋げてみたのは正解でしたわね」
「ああ、これもあちらの創造神の協力のおかげと言うもの」
「かみさまch(仮)様様だな」
津々浦々の英雄たちが命を懸けて戦っている最中というのに、この事件の黒幕…もとい、混沌を更なる混沌に導いている元凶たちは、ちゃぶ台を囲んで呑気に宴会を開いているのである。
- 107 名前:続?神様が多すぎる2:2008/01/31(木) 17:20:48 ID:A9O6Idp7
- 「ん?かの神が『ここでウチのエンディヴィエ投入wwww』と申しているが」
「いやいや、ここはやはりあの"時を喰らう者"をだね…」
「ちょっとまって、なら集団的無意識に封じられたアレを…」
「いっそ変化球で"焔の災厄"なんてのはどうでしょう?」
喧々囂々。
挙がっているのがどう見ても殺せないのばかりなのはご愛敬。
「まあ、ここは見守ろうじゃないか。我々が作ったHEROがそうそう運命に屈する訳がないよ」
「それもそうだ。何せ"あの"柊蓮司が一緒に居るのだしな」
天は灼け、地は割れる───モニターには激しい戦火に包まれる、摩天楼の群れが映し出されていた。
「ところで、一般市民の被害はどうなっているのかしら」
「それなら問題ないよ。九鬼財閥が事前にあのへん買い取って、全部避難すませたから」
「OKOK、よかったよかった。やっぱり人死にはよくないからな」
「もちろん、彼らがしくじれば繋いだ全ての世界は滅びることになるだろうけどね」
混沌は依然として深く、その全貌を見せてはいなかった──
- 108 名前:リレーss 正義のレッド×悪の組織×魔法少女:2008/01/31(木) 17:23:59 ID:ZdyGZM6k
- 「……なんだありゃ」
悪の秘密組織・『クロック』の構成員NO.37564は目の前の光景を端的にそう表現した。
それも仕方のないことだろう。赤いマントをひるがえし、どピンクの制服を着た少女っぽい何かが、群がる敵の軍勢をばったばったとなぎ倒すというのは、なかなかお目にかかれるものではない。
しかし彼のつれの一人、赤いボディスーツの男はそんなことを気にすることもなく。
「何をしているNO.37564!あの少女を放っておくわけにはいかんだろう!」
とうっ!とヒーローポーズを取りながら、空中で3度ほど回転して少女の傍に駆け寄る赤いヒーロー。
その考えなしぶりに頭を痛めていると、となりの可憐な姿の怪人がにこやかな笑顔で彼をうながす。
「ほらほらNO.37564さん、このままだとレッドさんにお仕事とられちゃいますよ。私達への総統命令も『この状態をなんとかしろ』なんですから」
「……それもそうなんだけどな。あの中に飛び込むんだぞ?少しはお前も躊躇ってもんを……」
「大丈夫ですよ、NO.37564さんがいるんですから」
そう言われては彼に逃げる道はない。一つ嘆息して、彼は彼女に答えた。
「了解、行きましょーかシルク様」
「はい、行きましょうNO.37564」
両者とも跳躍し、軽々と化け物の群れを飛び越して赤いヒーローとピンクの魔法少女のところへとたどり着く。
悪の秘密結社『クロック』によって作り出された怪人に、その程度のことは造作もない。
彼ら四人はお互い背中を合わせ、互いに言葉を交し合う。
「えーと……貴方達は?この非常時にヒーローもののコスプレは笑えないッスよ?」
「安心してくれ、と言うべきなのかわからんが。ここにいるのは本物の戦隊もののヒーローと悪の組織の幹部とその下っ端だ」
「ほんとに安心していいのかどうかわからない説明ッスね。そもそもなんでヒーローがレッド一人なんスか。そしてなんで悪の組織と仲良くしてるんスか」
ベホイミのその問いに答えたのは、赤いヒーローだった。
「簡単だ。俺は子供の笑顔のために戦う。そしてこいつらはこいつらで守りたいものがある。共闘するには十分な理由だろう?」
マスクで顔は見えないが、ベホイミはそのヒーローの告げた言葉にクスリと笑った。
そうだ。ヒーローと魔法少女には、子供の夢が詰まってる。たくさんの、夢をかなえたいという気持ちが詰まっている。
その想いはけして間違いじゃない。ヒーローは、魔法少女は、子供の描く夢であり、その夢を守り続けるものであるべきだ。
- 109 名前:リレーss 正義のレッド×悪の組織×魔法少女:2008/01/31(木) 17:25:28 ID:ZdyGZM6k
- 「顔も見えないッスけど、なんだかアンタとはいい酒が飲めそうッスね。
これが終わったら一杯付き合わないッスか?レッドさん」
「む、いかんぞ。キミは未成年だろう」
「そんなとこまで細かくなくてもいいじゃないスか、祝杯ッス。
そこの悪の組織のお二人も、一緒にやらないッスか?ウチのクラスの連中だったら、牛丸ごと用意するくらいわけないッスよ」
「うーん、それはかなり魅力的なお誘いですね。ウチもこの間壊滅しかけて資金が足りなくて。
基地の維持費だけで構成員達がそこらへんの弱小組織潰したり真面目にバイトしたりして必死にやりくりしてるとこなんですよ」
どんな悪の組織だ。
そんな彼らを覆う包囲網は、徐々に狭まっていく。それを感じてとったベホイミは最後に彼らに問いかけた。
「名前は?背中を預ける人間の名前くらい、知っておいてもいいでしょう?」
まず答えるのは赤いヒーロー。
「俺の名前は柏木クロス!たった一人の戦隊の、リーダーにして構成員!」
続くのは花蟷螂の可憐な怪人。
「私はシルク=シックル。悪の秘密結社『クロック』の、たった一人の怪人です」
乗り遅れたように、無個性な黒いボディスーツの男。
「俺にはシルクみたいな名はなくてな。NO.37564と呼ばれてる。それでいい」
最後に名乗りを上げるのは、拳を握り不敵な笑みを浮かべる魔法少女。
「私の名前はベホイミ。新感覚癒し系魔法少女ッス」
「「「拳握ってるのに癒し系?」」」
「三人で一斉にツッコむなぁぁぁぁっ!?」
その声と共に、4人は別々の方向へ突貫を開始した。
所沢の人たちが地上迎撃班と知って嬉しかった。だから書いた。後悔はしてない。
- 110 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:26:09 ID:A9O6Idp7
- 以上。
ギャグにもならない駄文&携帯ですみませんorz
あくまで外野の観察会ということで。
設定的にはごちゃ混ぜになった原因の一つってところでしょうか。
- 111 名前:108:2008/01/31(木) 17:32:32 ID:hMrt6rh+
- うっわ……ごめんなさいリロードミスってしまったorz
ちょっと吊ってくる
- 112 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 17:37:41 ID:1Ip9KlaI
- >>109
「良かろう子供達! 事件解決の暁には我が国が誇る
アメリカ産牛肉をパンチ一発で確・実!に戻すまで
たらふくプレゼントしよう!
ピザとコーラも好きなだけだ!
レッツパリィイイイイイイイイイイイ!!!」
という叫びと共に上空を大統領閣下が飛び去って行きました
- 113 名前:106:2008/01/31(木) 17:53:46 ID:A9O6Idp7
- >>111
こちらこそ、最後まで一緒くたにしとけばよかったですorz
よし、アンゼロットをばばぁ呼ばわりしてこよう
- 114 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 18:21:29 ID:zKQpgqi2
-
再び、カメラは都庁の屋上を映し出す。
レジャーシートを広げ、お茶やお菓子を片手に観戦モードを決め込んでいるのは、魔界と呼ばれる異世界のの住人たち。
エトナ「はいはい殿下もフロンちゃんも。目を離すと展開についていけなくなりますよ?」
魔神エトナのこの一言が、一瞬にして場を治めた。
ついさっきまで正義と悪の美学について熱い(暑い)議論を交わしていたラハールとフロンの2人だったが、やはりバトルの行方は気になって仕方が無いらしい。
まあ、いつものことである。
ぶつぶつと文句を垂れつつも、ラハールは映画の予告編のように移ろい続ける戦況に目をやった。
話すことがなくなると急に口が寂しくなるのか、目線を逸らさぬまま辺りに散らばる菓子に手を伸ばす。
しかし、その手はただレジャーシートを撫でるのみ。
ラハール「おいエトナ。プリンを出せ、プリンを」
エトナ「イヤですよ殿下! これはあたしの分っ!」
決して盗られまいと、エトナはプリンのカップを反対側へと避難させた。
フロン「見てください、あそこ! 誰かが立っていますっ!」
ラハール「……ん? 」
異形と戦う人間たちの前に、近くの電柱の上から颯爽と現れる2つの影。
さすがは特撮マニアの堕天使フロン。こういうところは目ざといらしい。
フロン「やっぱりヒーローは高いところから! こうでなくちゃいけませんっ!」
目を輝かせながら、少女は力説する。
遠目なのでハッキリとは分からないが、現れた2人のヒーローのうち1人は如何にもヒーローと言うべき筋肉質の男性。
そしてもう1人は……
- 115 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 18:22:18 ID:zKQpgqi2
-
ラハール「どこかで見たような姿だな」
エトナ「どう見てもプリニーです」
フロン「プリニーさんです」
そんな3人のツッコミはともかく、地上では彼らの名乗りが始まっていた。
筋肉質の男性「私は第37代地球勇者キャプテン・ゴー……うわぁぁぁぁっっ!!!」
数多の異形の攻撃に合い、一瞬で撃沈するアメリカンヒーロー。
緑色のプリニー「ゴードン! ……異形どもめ、卑怯な! だが任せろ、お前の敵は必ず俺が取ってやる!
俺の名は第38代地球勇者カーチス! 来いッ! 俺が相手になってやる!」
地球勇者カーチスと名乗った緑色のプリニーは、光線銃を片手に異形どもを撃ち落していく。
どうやら、こちらの実力は本物らしい。
カーチス「俺が来たからにはお前らの好きにはさせん! ……待っていろ! もうひとつの地球の同志たちよ!」
そう言って、カーチスは敵のど真ん中へと飛び込んでいく。
ラハール「……あ。」
エトナ「……あ。」
フロン「……あ。」
カチッ(着地)
カーチス「しまったぁぁぁぁっっ!!?」
BOOOOOOOOOMB!!
地面に衝突した瞬間、カーチスの身体が弾けとんだ。
エトナ「見なかったことにしませんか、殿下。」
ラハール「気が合うな、エトナ。」
こうして、東京の夜は更けていく。
フロン「さすが……かっこいいですっ……(ぽっ)」
エトナ「……。」
- 116 名前:114:2008/01/31(木) 18:24:12 ID:zKQpgqi2
- 今度は「魔界戦記ディスガイア」です。
前スレ>958さんのネタにタダ乗りしてみました。
勝手に乗っちゃってごめんなさい。
- 117 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 20:30:28 ID:pa7Sg5FS
- 地球圏が混沌の渦に巻き込まれている頃…
遠く離れたアステロイドベルトではある事態が起きていた。
事の起こりは数時間前…
アステロイドベルトに展開していたイレイザーの艦隊はあるものを発見した。
それは巨大な繭だった。
早速調査のため部隊を派遣した。
だが近づいた宙間戦闘機たちは繭に近づいたとたん塵と化した。
危険と判断した艦隊は繭の破壊を決定、即座に攻撃を開始した。
しかし…
「駄目です。砲撃、効果ありません!!」
「くっ、『アレ』は一体なんなのだ!?」
ありとあらゆる攻撃をバリアで弾き返したのだ。
「我が艦隊の一斉射をこうも簡単に…」
「艦長このままでは我が艦隊は全滅します。」
副長の言うとおりアステロイドベルトに駐留しているイレイザー艦隊は既に半数にまで数を減らしていた。
ある戦艦は大繭から分裂した子繭の繭糸に貫かれ、また特攻を仕掛けた戦艦は接触寸前にその身を塵に変えられた。
「やむおえん。この宙域を放棄。ラユュー総司令の艦隊と合流する。」
艦長はモニターに映る巨大な繭を見据える。
ありとあらゆる物を塵に変える危険な存在。
その繭は分析により地球に向かっていることは確実だった。
「もし『アレ』が地球に到達すれば…眠りのときを迎えることになるな。」
艦長は合流後の総司令への報告のことを考えながら呟いた。
さっきクリアしたら思いついた・・・後悔はしてない。
- 118 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 20:34:20 ID:zKQpgqi2
- 遠すぎるわ!?
- 119 名前:リレーSS:灼眼のシャナ:2008/01/31(木) 21:32:18 ID:GjsxuSXj
- 「なんか・・・すごい事になってるね・・・」
所々で繰り広げられいる様々な戦いを目の辺りにしている悠二は、
小さく身震いする。
『うむ・・・流石の我もこのような事態は知らぬ』
見たことも無い服を纏う女性や特撮などでしか見ない格好の者。
もはや、事態は混迷の一途を辿っている。
『一体どうなっているのだ・・・』
「アラストールにも判らないの?」
『我もこのような事態は初めてだからな・・・』
シャナとアラストールがどうのように事態を解決するのか悩んでいる間、
悠二は『城』をずっと眺めていた。
「悠二!!城なんか眺めてないで何か考えて!!」
「うわぁ!!ご、ごめん、シャナ・・・」
シャナに怒られて情けない姿の悠二にアラストールは呆れながらも、
助け舟を差し出す。
『まぁ、待てシャナ。こやつもただ突っ立ていた訳ではあるまい。
坂井悠二、何か気づいたのか?」
「あ、うん。気づいたっていうより唯の推測なんだけど・・・この世界って僕たちがいた
世界とは違うんじゃないかな?
「私たちの世界とは、違う?」
『どういうことだ?』
首を傾げるシャナと疑問の声を上げるアラストールに悠二は、
今の己の考えを話す。
「多分、あの城が色んな世界の人達を呼寄せてるじゃないのかな?
だから、今のような状況になっているんだと思うんだけど・・・」
『だが、坂井悠二。何故異なる世界の住人を呼寄せる必要がある?
それでは悪戯に世界を乱すだけでは無いのか?」
「そこまでする理由は判らないけど・・・ただ、そうしなくちゃいけない理由があるんじゃないかな?」
『なるほど・・・。となると、かなり大掛かりな事をしていると考える必要があるな・・・。
何れにしろ・・・』
「あの城に乗り込む必要があるわね」
アラストールの言葉に続くようにシャナは宣言する。
悠二もその言葉に頷く。
「でも、敵も馬鹿じゃないならこちらにもそろそろ気付くでしょうね」
『既に気付いてるかも知れぬな・・・。遅れるでないぞ、坂井悠二』
「判ってるよ・・・」
シャナと悠二とアラストールは、混迷を深める街をさらに、
前へと進む。
- 120 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 21:57:30 ID:nqBUsQYd
- 「見つけたぞ!ベースがハレンチ極まりなき邪気眼共」
「「ゲッ…」」
次なる目標を選定していたMA☆KO☆TOとYOKOSHIMAの前に現れたのは
ハバネロ錬金術師エロガード・エロリップであった。
ベースとなっている存在が存在だけに彼にとって邪気眼たちは真っ先に殲滅する対象であるようだ。
エロガードは両手を合わせ力を行使する。
「ボーボーをツルツルに変える力!」
「ギャア〜〜〜〜!」
2人が悲鳴を上げる。
ベースとなっている存在が存在だけに恐ろしく効果があった…
そして、悲鳴を上げたのは2人だけではない…この攻撃は周囲にも影響を与えていた…
「お、俺のアレが…」
「Noooooo!!!!」
「わ、私のまで…」
「わ、わいのが〜!!!」
「うわ〜ん!!」
…敵味方問わず一般的な男性のテンションが一気に下落した。
だが、やはり致命的な被害を受けたのは邪気眼達であった…
そして、さらに不幸が重なった邪気眼が一人…
「し、しまった!!」
KYO-YAが声をあげる。彼の視線は自分の手元…そこには
「カジカジカジカジ♪」
「武器食われたーーーー!!!」
彼の獲物をおいしそうに食べるガッちゃんの姿があった。さらに油断した状態の彼を好機と見たのは対峙していたフェイト。
「チャンス!プラズマザンバー!!」
渾身の力を込め彼女はザンバーを振り下ろした。ザンバーに飲まれKYO-YAはその身を消滅させた。
「クピー!」
『Help!!Help!!Ser!!』
「あ、あの…バルディッシュは食べ物じゃないから…」
- 121 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 21:58:38 ID:nqBUsQYd
- そして、至近距離で直撃を食らったあの2人は…
「ふん!口ほどにもない…」
そう呟くエロガードの後ろにたたずむ女性が2人…
「たくバカ息子の偽物が…手間掛けさせんじゃないよ」
一人は帯電した神通棍を持ったグレートマザー横島百合子…
「ふふふ!これでずっと一緒ですね。誠君」
もう一人はMA☆KO☆TOのオリジナルにご執心の桂言葉…
邪気眼とはいえそっくりなMA☆KO☆TOの首を手にご機嫌だ。
彼女達は錬金術もて力を苦手なものに変える力によって現れた一時の幻影だ…
彼女達によって2人は殲滅されていた。
ちなみにやられる描写は煩悩をタイガーの存在感に変える力によって省略だ。
「さて、エロガードさんだっけ?偽者は片付けたけどまだ、本物のバカ息子が残ってるし、私は行かせて貰うとするよ」
そういって本物の横島の元へと百合子は向かっていった…
ブルッ
「な、なんや!?こ、この悪寒は…ま、まさか、母さん!?
なんであの人が!?うう〜!!大事な部分はなんかキレイになっちまうわ!
母さんは現れるわ!なんでワイはこんなに不幸なんや〜!!」
「あ〜…気を落とさないようにね…」
あまりにも不憫に思ったベルは敵である横島を慰めた。
「…幻影のはずなんだがな…ま、まあいい!!所詮、横島は煩悩魔神!!
気にしてやるような男ではない!!とりあえず…こっちだけでも…」
と、言葉を消そうとするエロガードだが…
突如、戦場の流れ弾がMA☆KO☆TOの首に直撃しはじけとんだ
「……あはははははははは!!あなた達……許しませんよぉぉぉぉぉ!!!!」
MA☆KO☆TOの首を破壊された言葉は流れ弾の飛んできた人影へと彼の首をはねた鋸を持って向かっていく…
おそらく、敵味方の識別などないだろう…
彼女にとって彼女と彼女の執着する物とのひと時を阻む物すべてが彼女の敵だ…
「………む!あの小僧がまたハレンチなことをしておる!…気がする。
いや!そうに違いない!!ドキ校に戻らねば!」
責任放棄というようにエロガードは戦場から離脱し始めた。
この戦闘終了後、結局男性陣にあのようなことをしたのは誰かという議題が持ち上がったが
結局犯人はわからずじまいだったという…
一方、
「畜生!!俺のあそこが〜〜!これもアンゼロットの仕業だな!!!」
「こ、この怒り!!敵にぶつけてやる〜〜〜!!!」
他の男たちも被害を受けたことを知らない柊と光太郎は敵に当り散らしていた。
- 122 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 22:57:17 ID:aKcF4KTY
- 思い付いたネタを書いたかまだか、自分でも分からなくなりそうだ。
特に、他クロスと行き来が激しいとな。
レイバー。ハイパーテクノロジーの進化が産んだ、汎用作業機械。
世界の混乱はここにも押し寄せ、ウィルスによって狂わされた暴走レイバーを食い止めるべく、ダイガード・コクボウガーは警視庁警備部特殊車両二課と共同戦線を張っていた。
「……え?そっちでもか?」
『ええ、変なおさげのおっさんが、素手でレイバーを……あ、遊馬、あっちだ!』
「ちょ、ちょっとお巡りさん……」
「ええと、今の人達があそこにいて……あれ?」
「……位置関係、おかしくないか?
おさげのおっさんの出没状況を並べると……」
「なんか、二人いるような……」
「いや、『素手でレイバーを破壊出来るおさげのおっさん』が二人もいるわけ……」
どがしゃーん
「この、東方不敗マスターアジアと互角に戦えるとはな!名を聞こうか!」
「良かろう!我が名は“無影孤拳”劉蒼月。さあ行くぞ!」
「……本当かよ……」
「……というわけで、この僕、流鏑馬勇士郎は、壊された店の前で佇んでいるわけで」
「因みに、斜向かいの“喫茶ユニバーサル”も被害は甚大です」
- 123 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 23:02:06 ID:ivMVZ7gC
- ああ、メイド喫茶「天使の夢」が……
- 124 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 23:03:54 ID:1Ip9KlaI
- >>122
いかん・・・
流鏑馬勇士郎を「範馬勇次郎」と空目した
疲れているんだろうか
- 125 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 23:05:30 ID:zKQpgqi2
- や、ヤツを呼んでくるんだ!
彼なら、彼ならきっとやってくれる! ディアボr……うわぁぁぁぁあああっ!!
- 126 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 23:09:40 ID:7706X/e8
- 人員が整理される3倍の速さで追加されてゆく凄まじいカオス空間だな
しかし、肝心の主人公二人の物語がまったく進んでねぇw
- 127 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 23:35:36 ID:zKQpgqi2
- 式神の城が分からないと進まないから……w
柊だけなら何とかなるんだろうけど
- 128 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 23:42:06 ID:qg3vUYt4
- ここまで来るともう、年表だけ書いて虚無った方がある意味美しいなw
つか、このリレーはいつまで続くんだ?
終了時間決めておかないと、次スレまでずっと続きそうだぞ?
- 129 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 23:42:42 ID:Q0bro872
- >>126
似ているようで違う所もある二人だから関係は結構面白そうだけどな
何も考えてないようでいて結構考えてる柊
何も考えてないようでいて本当に何も考えてない光太郎
ボケとツッコミのバランスはよさそうだなw
- 130 名前:ベホイミとレッドと正義の味方:2008/01/31(木) 23:43:01 ID:Q8y3FxZe
- 赤いヒーローとピンクの魔法少女は、まさしく旋風だった。
凄まじい速度で敵に突貫しつつ、ベホイミの背後をレッドが、レッドの背後をベホイミがカバーし、まるでウロボロスのごときフォーメーションで化け物を次々と屠ってゆく。
その回転に巻き込まれた者はすれ違い様に拳を打たれ、それに耐えればビームサーベルに切り裂かれ、今度は蹴りで吹き飛ばされる。
まるでミキサーか台風のように、化け物を巻き込んでは屍に変える正義の竜巻
「アンタと戦っていると…、負ける気がしないッス!」
「同感だ、新感覚癒し系魔法少女よ!」
そう、正義に燃える二人の心は、まるで何百もの戦場を共に駆け抜けてきたかのような絶妙なコンビネーションを生み出していた。
機械も生物も、化け物であれば全てを屠る竜巻、その突貫を止めることなど誰にも―――
『トレース・オン』
突如竜巻の中心に突き立つ螺旋の剣、それが膨れ上がり、内側から二人を吹き飛ばした
- 131 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 23:44:53 ID:zKQpgqi2
- >128
それはそれでいいんじゃね?w
もしくは俺が貼った前スレの>1000
- 132 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 23:50:32 ID:aKcF4KTY
- でも、出来るだけなのはネタ入れるのを推奨した方が良いかと。
- 133 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 23:57:55 ID:aKcF4KTY
- >132
……ちょっと待てや、オレ。
ここはなのはクロスちゃうねん、ナイトウィザードのクロスやねん。
……これだから、何スレか分からなくなる前になんとかー
後、3-805は『番長学園!!』の権田原権三ことごんちゃんです。
- 134 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/31(木) 23:58:07 ID:7706X/e8
- なんでナイトウィザードSSスレでなのはネタを推奨せにゃならんのだw
- 135 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 00:00:03 ID:cy7Hgz5j
- >132
何を口走ってるんだお前はw
- 136 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 00:00:15 ID:TJTrGm8j
- 式神ネタを推奨ならまだわかるがなw
最初っからなのはネタが入ってたのかと思って思わず前スレ確認しちまったじゃねーかw
- 137 名前:ベホイミとレッドと正義の味方:2008/02/01(金) 00:01:53 ID:amsMAXbl
- そこに現れたのは、まさに幻想の存在だった。
赤い外套に白髪、幻想の集合体にして幻想の紡ぎ手
「またさっきの邪気眼闘士とやらッスか…」
そこにいることに違和感が付き纏う、圧倒的な歪み
あるはずのない、あってはならない存在
「お前、何者だ」
ジェノサイダーレッド――、柏木クロスは、光の剣を男に向けて構え、いつでも踏み込める状態へ移行する。
「俺はE-MIYA、幻想の作り手、錬鉄の英雄、そして、――正義の味方」
陰陽の夫婦剣を手に、ベホイミとクロスとの間の中心に棒立ちするE-MIYA。
化け物どもはまるでE-MIYAを恐れるかのように遠巻きに囲み、何も仕掛けてこない。
E-MIYAも隙だらけのようでいて、その実決定的な隙も見えない。
「なら――」
そんな膠着状態を、ベホイミが踏み割った。
「――何故この城の味方をするッスか!?」
その踏み込みにクロスが即座に応じ、両脇からE-MIYAを挟みうちにするが、
その両方の攻撃を、その手の二刀で受け止めた。
「君はもし、この世界を見捨てれば他の全世界の人間が幸せになれると聞いたらどうする?」
- 138 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 00:04:57 ID:amsMAXbl
- 笛糸最悪のU-1を出してみた。
個人的に最低クロスで踏み割る設定無視した万能さ加減と言えばこいつだったもので
正義同士の戦い燃え
- 139 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 00:08:07 ID:4ZYtpRzB
- >133
ああ、みなみけのハルカさんが通っているとう噂の……。
- 140 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 00:48:55 ID:jwn84pG0
- 横からかっさらう形になっちゃいますが、式神分を投下させてもらいます
- 141 名前:その頃のアンゼロット宮殿:2008/02/01(金) 00:50:28 ID:jwn84pG0
- 「あははは。アンゼロット、あなたまだそんな姿のままだったのね。前に会ったのは何百年前だったかしら?」
「あなたも変わりませんね、紫さん」
世界の守護者ことアンゼロットの目の前にいる少女の名は八雲紫。見た目こそ少女だが千年以上を生き、幻想郷の成立に関わった賢者の一人で、幻想郷最強の妖怪である。
今、ここアンゼロット宮殿では柊と光太郎のもとへ増援部隊を送るための準備がなされていた。
敵の狙いがわかった以上、何としてでも柊達を殺させるわけにはいかない。
だが、問題は増援をどうやって二人の所へ送るかだった。今から城に向かわせても間に合わない。柊と光太郎の座標を特定できても、異様に空間がねじれた城の内部に直接転送するのは不可能なのである。
そこでアンゼロットが呼び寄せたのが紫だった。彼女の「境界を操る程度の能力」でねじれた空間の境界を繋合わせて、部隊を送りこむのである。
「寝てるところを起こされて何かと思ったけど…。まぁ、久しぶりの再会だしね。いいわよ、手伝ってあげるわアンゼロット」
「ありがとうごさいます。助かります紫さん」
この二人、どういう知り合いかは不明だが、まぁ長生きしてるといろいろとあるのだろう。
- 142 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 02:22:44 ID:amsMAXbl
- 異世界に長年色々ちょっかいかけてたらちょっとたことから対立したり知り合いになったりするのも当然だな
多分
- 143 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 03:01:02 ID:nVEbRj2y
- なんか違和感のない組み合わせだな、アンゼとゆかりん
- 144 名前:リレーss toprunners:2008/02/01(金) 03:37:21 ID:UK4PiMo4
- 地上の喧騒をよそに、二人の少年が背中合わせで立っている。
片や長い剣を携えたブレザーの少年。片や無手に学ランの少年。
二人に背も違えば服装も違う彼らは、どこか似通っていながら、しかしやはり違う存在であった。
ブレザーの少年が肩ごしに問う。
「どうした、息荒れてるぞ」
「うるせぇな。そっちこそどうなんだよ」
「生憎とこの程度で息切れするほどやわじゃねぇ。俺が前衛どれだけやってると思ってんだ」
少年二人のなりは、それは痛々しいものだった。
それぞれ身につける服はところどころ裂け、焦げ、穴が空く始末。そこから露出する肌には赤いものが滲んでいる。
それでも、互いに振り返ることはなく、視線はどちらも前だけを見据えていた。
彼らの視界には、今彼らをぐるりと取り囲む敵の群れがあった。
それほど強くはないが、これだけ集うと壮観に見える。
そしてそれ以上に、この部屋から出る出口には
巨大な三つの可変型のヨロイを組み合わせたような形のガーディアン・ノルンが待ち受けている。
恐らくはこの部屋を通ろうとするものを排除するよう命じられているのだろう。少年二人への攻撃はいまだない。
今までわき目もふらずに共に走り続けていた同士、ほんの少しの休憩の時間。
けれどいつまでも休んではいられない。
彼らにだってわかっている。
多くの人の命を、願いを、なにより―――自身の信念を、彼らは背負っていることを。
だから、ブレザーの少年は学ランの少年に告げた。
- 145 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 03:38:58 ID:UK4PiMo4
- 「アンゼロットは、こんな異常事態にだけはそれなりに頼りになるんだ」
「ふみこたんもわかんねぇことはすぐ教えてくれる」
「あの変態みたいなかっこしたおっさんな、あれで結構強いんだぜ」
「うちの所長も犬に変身できたりするぞ」
「赤い髪の女。緋室も、魔王倒した奴だし」
「金さんはテコンドーの達人でびっくり箱みたいなギターケース持ってる」
「くれはは―――まぁ、巫女だし」
「小夜たんも―――まぁ、巫女だな」
一拍置いて、不敵に笑う。
「あいつらは、絶対生き残る」
「当たり前だ」
「正直、あいつらが負けるとこなんか俺には想像できねぇよ」
「当たり前だっ」
「また、絶対にあいつらと笑って一緒に帰る!」
「当たり前だっ!!」
その叫びは世界に対する宣誓のように。
片や獰猛な笑みを浮かべ、片や烈火のごとき怒りとともに。二つの叫びが空気を震わせる。
「だったらこんなとこで立ち止まってる場合じゃねぇだろう!」
「言われなくても!」
その声とともに、学ランの少年が天に向けて指をさし―――
「ザサエさんっ、GO!」
行く先をふさぐガーディアンへとその指先を振り下ろす。
同時に現れるは彼とともにある食人鬼―――式神。
二振りの刃をもって、彼女は主命に答えんと空を走る。
同時に彼女に襲いかかるのは、甲殻類のごときフォルムを持つ敵の群れ。
少年達を囲んでいた小物が、ガーディアンの危機を嗅ぎ付けたのだろう、もっともガーディアンに近い危機を排除せんと彼女に群がる。
しかし甘い。彼女の使役者は―――とびきりのバカなのだから。
- 146 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 03:39:29 ID:UK4PiMo4
- 「さぁて……派手にいきますよっと!」
有象無象が彼女に殺到する中、二人の少年もまたその後を追って走りだしていた。
普通ならばありえない。式神とは己の身代わりにして道具。
通常は式神を操作し、使役者は後ろで指示を出して思う通りの効果を生み出させるものだ。
けれど、そんな常識は彼には通用しない。彼にとって彼の式神は「仲間」以外の何者でもないからだ。
式神を戻し、大量の札を取り出して雑魚の群れへと放り込む。
札はひらひらと空中を漂い―――雑魚の群れを全て覆いつくすほどの強力な爆発を起こした。
四方八方へと広がる爆風が、少年達の体を叩く。
前へと進む勢いが削られようとした、その瞬間。ブレザーの少年が呟いた。
「―――<エア・ダンス>」
その言葉と同時、学ラン少年の体を打ち据えていた爆風の勢いが消え、逆に彼の体を後押しするように吹き抜ける!
それは、この世の理からすればありえない現象。
この世の理を意志の力でねじふせ可能とする奇跡。すなわち―――魔法。
風使いの援護を受け、使役者はただまっすぐに突き抜ける。
剣を持った魔法使いは、己の内に眠る青い輝きを一気に解放してその場から大きく跳躍した。
ガーディアンは、迫る二つの脅威に向けて無数のエネルギー弾を放つ。
その力の塊を。拳で、剣で弾き飛ばし、彼らはただまっすぐ進み―――それぞれの射程距離へとついに相手を取り込んだ。
「うおおおぉぉおぉおおっ!」
青い輝きを纏った拳が、ガーディアンの中心を突き貫く!
「おっらああぁぁあぁあっ!」
担い手の生命を啜った魔剣が、ガーディアンを真っ二つに叩き斬る!
ガーディアンは苦鳴の声を上げながら空に溶けるように消えていく。
残るのは、二人の少年。
彼らは視線を合わせることなく、ただ開けた目の前へとまっすぐに前を向いて駆け出しながら。
こつりと、互いの拳を打ち合わせた。
- 147 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 03:42:40 ID:UK4PiMo4
- >>126のために書いてみた。期待にそえたかはわからんが。
つーか携帯打ちで丸2時間もかかった。眠い。寝る。おやすみ。
- 148 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 07:29:40 ID:BzHSaDH1
- ぬ、こっちも>>126のために書き上げたと思ったら>>147に先に書かれてしもうたw
なんかPCで根性入れて書いたら7レスぐらいになったけど、投下してもOK?
40分まで支援を待つ!
ガチバトルじゃあああ。
- 149 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 IN・最前線:2008/02/01(金) 07:41:54 ID:BzHSaDH1
- 時間的には>>147の前だと思ってくれい。
さて、現在の本命主人公たちがどうなっているかというと!?
刻む。
刻む。
刻み付ける。
暗き空を、二人の少年が駆け抜けていた。
「ちっくしょうっ! なんだか知らないが、他のところの方が展開進んでいるような気がする
ぜ!!?」
異形を蹴り飛ばし、空を舞いながらその手に握る魔剣を一体の異形に突き刺す少年。
――その名を柊 蓮司という。
「俺もそんな気がするぜ!!」
殴る。
殴る。
殴り飛ばす。
柊が斬り捌いた異形の躯を踏み台に、飛び上がり、小型の異形を光り輝く拳と投げ放つ呪符で
縦横無尽にぶっ飛ばしていく少年。
――その名を玖珂 光太郎といった。
東京上空に出現したねじれた城。
そこの向かう数々の者たちの最前線を駆け抜けている二人である。
途中までは何人かの仲間がいたのだが、城へと向かう最中に行く手を阻んできた者たちと交戦し、
柊と光太郎はただ二人で奥へと進んでいく。
二人の前に次々と現れる醜悪な化け物、人間大の顔を持った異形、翼を生やした悪魔、強靭な
装甲を帯びる機動兵器。
数々の障害が出現するも。
「「おらぁあああああああああああああ!!」」
燃え上がり、巻き上がり、灼熱と烈風を孕んだ魔剣の斬撃が。
願いを、想いを、あらゆる理不尽を真っ向から打ち砕く拳が。
「「ぶちぬけええええええええ!」」
全てを真っ向から貫いていく!
血風が舞い上がり、閃光が轟き、爆炎が上がる。
二人に奇策など似合わない。
正面堂々、真っ向から悪をぶっ飛ばし、世界を救う。
柊は幾度となく、光太郎はかつて、そうやって世界を救ってきた。
「見えた!」
百を超える異形を屠った時だろうか、空を見上げて光太郎が叫んだ。
「城だ!」
空を覆わんばかりの異形の群。
その奥に見えるのは、ねじくれた城の正門。
巨人でも入れそうな大きく開かれた虚空に浮かぶ門はただの門ではなく、ねじくれたその外見に
相応しい歪んだ風景をその中に映し出していた。
おそらく門を通れば、通常の空間には通じていないであろう。 異空間、あるいは異界へか。
あまりにも分かりやすい正門の光景。
大きく開かれた扉。
それは罠かもしれない、一瞬二人はそう考えて――
- 150 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 IN・最前線:2008/02/01(金) 07:42:50 ID:BzHSaDH1
- 「……上、等!」
光太郎は笑う。
ふてぶてしく、不敵に、気高さすら感じられる笑みを浮かべた。
もしこの場に小夜がいれば、見惚れていたかもしれない大胆不敵な笑み。
「他に道はねえ。突き進むぞ、玖珂!」
そして、未だに蠢きを上げる異形の屍から魔剣を抜き取り、声を上げる柊。
彼の顔には笑みはなく、ただ強き意志が浮かんでいた。
幾度となく世界を救い、途方もない絶望も困難も障害も、血反吐を吐きながら乗り越えてきた
戦士の顔。
「「行くぜっ!」」
二人の偉大な少年が、意思も新たに飛び出そうとした瞬間だった。
――“門が歪んだ”。
「っ!?」
巨大なる門、その中から生れ落ちるように巨大な――“禍々しき異形”が這い出てくる。
『…・…オォオオオオオオン』
上半身には女性の裸身に似た肉塊が取り付き、下半身はとぐろを巻いた大蛇に、背には蝙蝠の
皮膜にも似た翼を生やした醜悪なる巨体。
人の身で敵うはずもない、桁外れの瘴気を放つ魔。
それはこことは異なる異世界――“ラ・ギアス”において【破壊神】と呼ばれる邪神。
その分身体であった。
「光太郎……」
それは誰にも届かない声。
「ただ単純にやってくるだけでも嬉しいけれど、多少の障害物くらいはあったほうがいいだろう?」
愛しき愛しき自らの弟へ呼びかける独り言。
「この世界を狙っているのはセプテントリオンだけでも、裏界の魔王だけでもない。もっともっと旧い時代から彼らは世界を狙っているんだ……」
“世界の選択者”は告げる。
「新しき時代の担い手よ、古い因果を乗り越えて、僕の元へと来てくれ」
- 151 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 IN・最前線:2008/02/01(金) 07:44:20 ID:BzHSaDH1
- それは風。
強く、激しく、荒々しく――清々しき風。
悪夢たちの夜を駆け抜ける一陣の風があった。
「ちっ! いつから地上はこんな混沌状態になったんだ?!」
夜を照らし出す太陽。
暗黒の中で輝く純白。
純白の翼と白亜の装甲を纏った巨人が、剣を手に舞っていた。
「マサキ! そんニャこと言っている場合じゃニャいのだ!」
「後ろ後ろぉ!」
「ちっ!!」
背後から迫る、巨人を超える巨体の異形。
乱杭歯の顎を開き、その口内から放たれるレーザーの如き閃光を白亜の巨人は翼をはためかし、
残像が残るような速度で躱す。
躱されたと異形が理解するよりも早く、回り込んだ白亜の巨人が振り下ろした剣がそれを両断
していた。
「まったく、ラ・ギアスでもこんなに魔物が出現したことはねえぞ?!」
白亜の巨人――すなわち【風の魔装機神 サイバスター】の操者、マサキ・アンドーは吐き捨てる
ように呟いた。
「ここは本当に地上なのか?」
マサキの呟きに、コクピットの脇でマサキにしがみ付いていた黒猫と白猫が呟く。
「……しかも、ニャんかチラホラ生身で戦っている人が見えるニャんだけど」
「けど、座標は確かに日本の東京ニャ」
「なのに、こんな事態だってのに連邦の連中が出てこないってのは――どういうことだっ!」
翼を瞬き、装甲の一部を開く。
そこから射出されたカトリックミサイルが、小型の異形たちを薙ぎ払う。
「まさか、地上への転移の時に起こった異常エネルギーの所為?!」
白猫の言葉に、たらーりと一筋の汗が操縦桿を握るマサキの額に浮かぶ。
「嘘だろ……まさか、異世界から異世界ってことは――」
マサキがそう呟いた瞬間だった。
- 152 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 IN・最前線:2008/02/01(金) 07:44:49 ID:BzHSaDH1
- 「全力全開! ディバインン・バスターァアアアア!!」
モニターの端、マサキが意図的に視線を外していた位置に“飛んでいる白い衣の少女”が持つ
杖から、HTBキャノンに匹敵するビーム砲キャノンが飛び出し、異形たちの群れを消滅させた。
「……OK。認めよう、ここは俺の知っている地上じゃない」
「子供が、ニャまみでビームを撃つニャなんて異世界以外にありえないニャ」
「うわー、これぞ本当に魔砲少女って奴ニャんかニャ?」
人型ロボットを操縦し、異世界で暮らす元地上人の割には常識的な反応を返すマサキ。
――“ ”
その瞬間だった。
「ッサイフォス?!」
魔装機神に宿る風の高位精霊。
サイフォスが語りかけてくる感覚に、マサキは瞬時に反応し、空を見上げた。
そこに映るのは異常事態の中心と思しきねじれた城。
サイバスターに搭載された魔術結界が悲鳴を上げ、精霊レーダーのメーターを振り切るほど
膨大な魔力を放つ歪みの根本。
その正門に――見覚えのある異形が見えた。
「あれはっ!!」
「ヴォ、ヴォルクルスニャ!!?」
ラ・ギアスを護る宿命を帯びた魔装機神。
その大敵とも呼べる邪神、その分身体。
その姿にサイバスターのエネルギー源であるフルカネルリ式永久機関が、マサキの感情に呼応
して駆動音を上げる。
プラーナコンバーターが加熱し、処理し切れないプラーナの輝きがサイバスターの全身から漏れ
でていく――その時だった。
「へえ」
今にも飛び出しかけていたサイバスター。
その中で、マサキは目を見開き、笑みを浮かべていた。
「やるじゃねえか、あいつ等」
- 153 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 IN・最前線:2008/02/01(金) 07:46:14 ID:BzHSaDH1
- 人の身では敵うはずもない邪神。
人知を超え、あらゆる魔と闇を内包せし破壊神。
破壊の権化とも言える異形に、たった二人の少年が戦っていた。
「ぐっ!?」
人間など微塵と砕かんばかりの巨大な鉤爪。
その一撃を辛うじて魔剣で受け止めるも――そこは足場無き空。
大質量の一撃に叩き落され、血反吐を吐きながら柊は落下していく。
つまり高度が下がった。
「柊!?」
空間すら歪ませるカギヅメの軌跡から逃れながら、呪符を放っていた光太郎が思わず叫ぶ。
【ルゥウオオオオオオオオオオオオオオオオ――!!!】
「まずっ!?」
その刹那、僅かに注意を逸らした光太郎に、破壊神から放たれた歌声が直撃した。
あらゆる物質を破砕し、無へと返す衝撃破。
ただの咆哮ですら高密度の魔術術式となって、顕現した破壊魔術。
「がっ!?」
その直撃に、防御用の呪符と高校中退後も着続けている制服の欠片を撒き散らしながら、光太郎
もまた吹き飛ぶ。
今まで突き進んでいた二人の少年が、今ここに足を止める……
「来てくれ」
本当に?
「おわぁああああああ」
そんな――わけがない!
「絢爛舞踏ザサエさん!!」
光太郎の咆哮。
それと共に彼の背中に柔らかい感触がした。
誰かが抱きとめるような感触。
そして、“姿は見えないけれど”、感じ慣れた温かい気配。
「サンキューな、ザサエさん」
(コクン)
声も聞こえない。
けれども、光太郎には“彼女”が微笑んだのを感じた。
- 154 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 IN・最前線:2008/02/01(金) 07:46:49 ID:BzHSaDH1
- 「お? 光太郎、誰だこの人?」
そして、その横でザサエさんに回収されたのであろう柊が、首根っこで宙釣りになりながら光太郎
に問いかけた。
「? 柊、お前見えるのか、ザサエさんの姿」
「おー。一応ウィザードだしな、あとザサエさんってどこの国民番組の母親なんだよ!」
「あー、彼女はザサエさん。俺の相棒な」
「しかも無視かよ?!」
何故かクスクスと笑っているような気配を感じながら、光太郎は上を見上げ直す。
そこには翼をはためかせ、血管の浮かんだ瞳で睨み付けてくる邪神の姿。
「よっしゃっ! 第二ラウンドだ!!」
「……アイツを突破しねえと先に進めねえしな。しゃーねえ、行くか!」
学生服の中身から無数の呪符を掴み取り、
血を流す手で魔剣の柄を握り直す。
「作戦は?」
「決まってるだろ! 真っ向からぶっ飛ばす!!!」
ザサエさんの力を借り、光太郎が上空に向かって飛び出した。
飛翔能力。
式神であるザサエさんの力を借りて、可能とした光太郎の力の一つ。
「だろうな。そういうと思ったぜ」
ザサエさんから手を離され、落下していく柊の体。
しかし、数秒とせずに落下は止まり、それどころか上昇を開始する。
――常識を遮断せし異相結界・月衣。
マジカル・ウォー以来急激に力を増し、非常識の力を行使するウィザードたちが身に付けた新た
なる常識の突破能力。
そして、柊は“重力”という常識を遮断する。
空が飛べない? そんな常識は無い。
空が蹴れない? そんな常識は通じない。
何故ならば、彼は“常識の通じない夜闇の魔法使いなのだから”。
- 155 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 IN・最前線:2008/02/01(金) 07:47:59 ID:BzHSaDH1
- 「“風の如く 舞い踊れ” ――エア・ダンス!!」
“空を蹴り”、己の魔力で発生させた上昇気流に乗って柊が加速する。
瞬く間に光太郎と並走し、二人は同時に顔を見合わせ――薄く微笑んだ。
「右!」
そして。
「左ぃ!」
互いに繰り出した蹴り足で、二人が左右に飛び込む。
たった今の瞬間、自分たちが居た場所をすり抜けたカギヅメを見ながら、光太郎は叫んだ。
「絢爛舞踏ザサエさん、GO!」
( !)
光太郎の声に気配が応じ、次の瞬間邪神の腕から青黒い血が噴き出した。
ザサエさんの攻撃だ。
畳み掛ける!
「いっけえ!!」
呪符を手に取り、願いを篭めて、邪神に向かって投げ放つ。
淡い輝きに満ちた無数の呪符は夜闇を切り裂く流星の如き勢いで、破壊神に向かって飛来し。
『ルォオ――』
「“届け 風の果てまでも” ――エア・ブレード!!」
衝撃破で迎撃しようとした邪神の咆哮よりも早く、鋭き風の刃の祝福を帯びた呪符が邪神の肉体
へと突き刺さり――爆散。
『ガァアアアア!!?』
高性能爆薬にも匹敵する爆風と輝きに、邪神が悲鳴を上げる。
「“轟け 爆炎の如く” ――エンチャント・フレイム!!」
そして、その瞬間紅い閃光と紅蓮の焔を纏った斬撃が、邪神の腹部を切り裂いた。
刀身にして一メートル弱。
高層ビルにも匹敵する邪神にとってはかすり傷にも等しい小さな刀身。
されども、その斬撃は深々と血肉を切り裂き、焼き尽くした。
『GI,GAXAAAAAAAAAAAAAAAAA!?!?!?!』
「決めるぞ、光太郎!」
「おう!!」
絶叫を上げる邪神。
それに向かって、柊は己の手を魔剣に添える。
光太郎は呪符を握り締め、己の手を掲げた。
- 156 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 IN・最前線:2008/02/01(金) 07:48:44 ID:BzHSaDH1
- 「舞い上がれ」
烈風を帯びる。
「喰らい尽くせ」
焔を纏う。
「解放しろ――」
ポタリと柊の添えた手から零れる血に、魔剣の刀身が唸りを上げた。
それはさながら嬌声を上げる処女の乙女の如き咆哮。
刀身に刻まれたルーン文字が閃光を発し、同時に刀身の一部が変形して、普段は隠されている
宝玉が露出する。
「俺の魔剣!!」
――魔器解放――
「俺は進まないといけないんだ」
光が集う。
「だから」
拳が輝く。
「俺は――」
もっと。
「お前を」
もっともっともっと。
「ぶっ飛ばす!」
光輝を発す!
――少年探偵の一撃――
- 157 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 IN・最前線:2008/02/01(金) 07:51:16 ID:BzHSaDH1
- 走る。
疾る。
奔る。
世界に選ばれた二人の少年が、魔剣を、拳を振り翳して突き進む。
「「おぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」
それは純粋なる願い。
「魔剣よ――」
「ぶっ飛べ――」
それは世界に選ばれし者たちの一撃。
「切り裂けぇえええええええええ」
烈風を纏わせ、灼熱を宿す炎の剣が邪神の胴体を突き刺さり―−両断。
神殺しの魔剣が、破壊”神”の因果を断ち切る。
「悪党ぉおおおおおおおおおおお!」
光輝を背負い、理不尽をぶっ飛ばす少年探偵の拳は、邪神の頭部に直撃し――爆散。
溢れ出る光が、その肉体を浄化してく。
「「ラァッ!!!」」
そして、閃光が溢れた。
異形の空は一瞬だけ、光に溢れた。
――柊・光太郎ペア 正門突破
さて、某所でHIIRAGIを書く作業に戻るか。
なんか前スレで呼ばれた気がするので、書いてみたw
- 158 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 08:06:23 ID:UK4PiMo4
- >>157
あー、やっぱりお前さんか。なんか書き方にそれっぽいもんを感じたが。
大変だと思うが頑張ってくれ。
そして大作乙
- 159 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 08:08:32 ID:BzHSaDH1
- >>158
場違いかもしれないですが、話題に上がってたので頑張ってみました。
とりあえずパクリだとか言われる前に本人だと主張しておこうと思って。
しかし、マジで驚いた。全然知っている人なんていないだろと思ってたからな〜(遠い目)
- 160 名前:その頃のアンゼロット宮殿:2008/02/01(金) 08:54:19 ID:jwn84pG0
- さて、増援部隊の第一陣のメンバーは三人
「こちらの準備は終わったわ」
戦闘用の魔女服を身につけた妙齢の女性、空色の魔女、ふみこ・O・ヴァンシュタイン
「ほっとくわけにもいかないからね。いつでもいいよ!」
ふてぶてしい猫を連れた少女、極楽台風、ニーギ・ゴージャスブルー
「急ぐのでゴザル。コウが城の主まで辿り着く前に!」
そして、間違った忍者装束を纏う青年、世界忍者ロジャー・サスケことロイ・バウマン。彼は光太郎の幼なじみでありーー
「みょ〜に焦ってるわね、セプテントリオン。これってアンタ等が仕掛けたことなんでしょ?」
セプテントリオンのエージェント、RSその人である。
「この事件の半分以上が既に我々の手から離れている。それに……僕は、コウを護りたい」
「セプって身内も売るじゃない?」
「信じなくても結構!!僕はコウを護る……それだけだ!!」
真剣な面持ちで話すロイにアンゼロットは笑みを返す
「信じましょう。あなたが知らせた情報は信用に足るものですし、今は一人でも強い戦力が欲しいですから」
アンゼロットの言葉にロイは頷いた。そう、今の自分はロイ・バウマンではなく、友の盾たるロジャー・サスケなのだからーー!!
- 161 名前:その頃のアンゼロット宮殿:2008/02/01(金) 09:03:53 ID:jwn84pG0
- さて、増援部隊の第一陣のメンバーは三人
「こちらの準備は終わったわ」
戦闘用の魔女服を身につけた妙齢の女性、空色の魔女、ふみこ・O・ヴァンシュタイン
「ほっとくわけにもいかないからね。いつでもいいよ!」
ふてぶてしい猫を連れた少女、極楽台風、ニーギ・ゴージャスブルー
「急ぐのでゴザル。コウが城の主まで辿り着く前に!」
そして、間違った忍者装束を纏う青年、世界忍者ロジャー・サスケことロイ・バウマン。彼は光太郎の幼なじみでありーー
「みょ〜に焦ってるわね、セプテントリオン。これってアンタ等が仕掛けたことなんでしょ?」
セプテントリオンのエージェント、RSその人である。
「この事件の半分以上が既に我々の手から離れている。それに……僕は、コウを護りたい」
「セプって身内も売るじゃない?」
「信じなくても結構!!僕はコウを護る……それだけだ!!」
真剣な面持ちで話すロイにアンゼロットは笑みを返す
「信じましょう。あなたが知らせた情報は信用に足るものですし、今は一人でも強い戦力が欲しいですから」
アンゼロットの言葉にロイは頷いた。そう、今の自分はロイ・バウマンではなく、友の盾たるロジャー・サスケなの
- 162 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 09:05:18 ID:jwn84pG0
- すみません、誤投してしまいました…
- 163 名前:その頃のアンゼロット宮殿:2008/02/01(金) 09:12:54 ID:jwn84pG0
- 「けれど、何をそんなに焦っているのかしら?光太郎は私が見込んだ男よ。あいつならどんな敵も突破するわ」
ふみこの問いにロイは顔を歪ませた
「……今回の敵は“世界の秩序”……そして、その正体が問題なんだ」
「……どういうことですか?」
「……“世界の秩序”はコウのーー」
ロイが続けて言葉を発しようとしたーーその時
「そこから先は僕が説明しましょう」
皆の目前に突如として白い装束を纏った青年が出現した。
「お初にお目にかかります。僕の名前は玖珂晋太郎。光太郎の兄です。」
青年こそが“世界の秩序”にして玖珂光太郎の実兄である
「シン兄ぃ……!!」
驚愕するロイ。
そしてアンゼロットもまた驚きに目を見開き、言葉をもらした
「ワールド・オーダー……!!」
- 164 名前:影で必死なU‐1な人々:2008/02/01(金) 09:35:59 ID:KSVsbYpG
- 「我々が敗北するなど、ありえないことのはずだ」
その言葉は誰のものだったか。この場にいる全員の戸惑いでもあった。
彼らは人々の希望から生まれ、世界をも改変しうる力を持つ者ばかり。
だというのに、彼らの中から敗北する者が出ている。
「事実として負けた奴がいるんだ、それは受け入れるべきだろう」
真紅の魔眼を持つ少年は、まわりに向けてそう言った。
「俺も出る。負けるのは馴れてるから、問題ないさ」
彼の名はシン・アスカ、究極の一として生まれた者達のうちの一人である。
「だが、いいのか? 敗北はお前の本意ではないはずだ」
「そりゃそうさ。けど、俺は新参者だからな。それくらいはしないと」
そう言いつつも、彼の目には負ける気が見あたらなかった。
「で、八神和麻を味方にすればいいんだよな?」「ああ、数はそれだけで力だからな」
「わかった、じゃあ行ってくる」
瞬間、少年の姿が消え失せる。時空転移、彼が持つ力の一端である。
- 165 名前:そしてその標的:2008/02/01(金) 09:39:20 ID:KSVsbYpG
- その八神和麻は、偶然にも東京に来ていた。
神凪綾乃と一緒にちょっとした仕事をこなしていたら、巻き込まれたのだ。
「しかし、見事に分断されちまったな」
突然奇襲されたと思ったら、既に綾乃は吹っ飛ばされていた。
さっきの相手は間違いなく綾乃より強い。そして、周囲には無数の敵が。
「急がないと、綾乃が危ないか」
どれだけ時間がかかるかわからないが、綾乃は確実に負ける。
ならば和麻の取る手段は一つしかない。
「こいつらを全力で潰して、最速で駆け付ける」
綾乃がそれまで無事であることを祈りつつ、彼はコントラクターの力を解き放った。
- 166 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 09:45:45 ID:wu0BlXL1
- 陰からマモル!in 式神の城
それはいつもの事だった。
「マモルー。ゆうなちゃんが変な城につれていかれたから晩御飯までに連れ帰ってきてー。」
「わかったよ母さん。」
高校生の子持ちでありながら若々しい母に言われて、
ボサボサ髪のビン底眼鏡の少年は渋々家の外に出る。
そして、一瞬で忍者装束へと姿を変える。
切れ長の目を城の方角へと向ける。
「早くゆうなを連れ帰ってゲームの続きをするか。」
彼の名は陰守マモル。
忍者の中でも最強と名高い陰守一族の少年である。
陰守一族は代々とある蒟蒻職人の一族を守る使命を帯びている。
お隣さん守り続けて400年
マモルは突如出現した城へと向かって走り出した。
当然、妨害してくるものもいるわけで、適当に蹴散らせながら駆けていく。
「陰守忍法バナナの皮手裏剣!」
人型の怪物の足元にバナナの皮を投げつける。
バナナの皮に滑って見事に転倒頭ぶつけて即死のコンボ。
一方その頃、その光景を監視していた者達は唖然としていた。
「バナナの皮でエミュレイターを倒すなんてありえない!!」
と、とある守護者のアンゼロットが唖然とするのは当然のこと。
「彼の攻撃は全て魔術効果が付与されるのでしょう。存在そのものが常識外のようですし。」
と、とある魔王のリオンが答えを導き出すのはいつものこと。
そしていつの間にか怪物の集団に囲まれるマモル。
「陰守忍法奥義 円盤カレイドスコープをみせてやる。」
「あっUFO!」
その一言で周囲の怪物たち及び監視をしている者達は停止した。
「えっUFO!?どこですか!?」
と、突然UFOを探し出すアンゼロットとロンギヌスの面々。
「えっUFO?どこどこー?」
と、つい探し出すベル&リオン他。
マモルはUFOを探す怪物達の隙をついてその場から離脱していた。
「私を暗示にかけるなんて中々やりますわねあの男。」
「大魔王ベール・ゼファーに暗示をかけるなんてやるわねあの男。」
と、同時にアンゼロットとベール・ゼファーがお怒り気味に呟くのであった。
「うぅなんか寒気がしたぞ。」
微妙な悪寒に震えながらマモルは式神の城へとむかうのであった。
一方、ゆうなはというと・・・。
「バーナナ、バナナ、バーナナ、バナナ、バナナナバナナナ、バ、ナ、ナ♪」
と、城の中の隠し通路を歩きながら、誰にも気づかれずに唄ってましたとさ。
- 167 名前:まとめ・味方側:2008/02/01(金) 10:15:28 ID:UK4PiMo4
- いつものまとめでーす。今回ちょっと省エネ気味。いつも通り抜け指摘よろしくっす
式神の城攻略中
柊・光太郎
くれは・金……リン・バウマンと交戦中
灯・小夜
ナイトメア・日向
パロディウス・なのは組……アララ・アバターKYO-YAと交戦中
ダイソード組
式神の城に向かう途中
エグゼリカ組
パワプロ組
舞‐Hime組
シャナ・悠二
アクエリアン組
ゼノサーガ組
霊夢……アバター・SAI-TOと交戦中
ふみこ・ニーギ・ロジャー
南春香
アメリケンヒーローズ
陰守マモル
その他
城落下阻止
鈴蘭・伊織・メディア
アルカナハート組
地上迎撃
ベホイミ……HARI-MA撃破
37564・シルク・クロス……ベホイミと合流。アバター・E-MIYAと交戦中
他
アンゼロット・紫……アンゼロット城にて後方支援
ノーチェ・マユリ……不明
横島……ベルと鬼ごっこ
パステリオン組……世界結界守護中
ホワイトハウス……後方支援
夜ノ森妹・琴理……なんか戦闘中
八神和麻……綾乃捜索中
神凪綾乃……おそらく戦闘中?
- 168 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 10:30:51 ID:pDMLfPh9
- >>167
追記
パロディウス・なのは組……ブラックフライ、アララ、アバターKYO-YAと交戦中
- 169 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 10:34:39 ID:pDMLfPh9
- >>167
更に追記
くれは・金……リン・バウマン、アバターU-1と交戦中
敵側
アバターHIRO-YUKI……魚雷ガールに一度倒されるもいつの間にかに復活&戦線復帰している
- 170 名前:まとめ・敵方:2008/02/01(金) 10:36:34 ID:UK4PiMo4
- 敵方
リオン……待機中
ベル……横島とリアル鬼ごっこ
スカ……バイドに侵食されている?
ヴァーミス……地上襲撃中
バクテリアン……地上襲撃中
セプテントリオン……フットワーカー、何者かと締約を交わす?
アバター・シン……和麻の勧誘に行く
交戦中
アバター・U-1……くれは・金組→撃破か?
アバター・KYO-YA……フェイト・パロディウス組
アバター・SAI-TO……霊夢
ギャオスハイパーの群れ……パステリオン組
アララ・クラン……はやて・パロディウス組
リン・バウマン……くれは・金組
エイジャ兄弟……日向・ナイトメア組
アノレゴス・ダンデオン……相手不明
堀口ゆかり……相手不明
撃破確定
アバター・O-GAMI……柊・光太郎
アバター・HARI-MA……ベホイミ
アバター・MA☆KO☆TO……桂言葉
アバター・YOKOSHIMA……横島母
アバター・YU-JI……不明
アバター・HIRO-YUKI……不明
アバター・KAZUKI……不明
第三勢力
デトロイト……たぶん参戦できない
武蔵野……傍観姿勢
クラリス……柊狙い?
ラハール組……ティータイム兼観戦中
MMR……会議中
四大神……観戦中。ほっといてくれ。
- 171 名前:支援:2008/02/01(金) 10:54:14 ID:dX7piqNw
- >>170
パステリオン……スカリエッティ乗艦のジェネシス・コア率いる
バクテリアン&ヴァーミス&バイドの混成大軍団と交戦予定(っぽい)
ジャスティスリーグ……各勇士への直接支援に向かいつつも、拠点にしている衛星軌道基地は
スカリエッティ乗艦のジェネシス・コア率いる
バクテリアン&ヴァーミス&バイドの混成大軍団と交戦予定(っぽい)
- 172 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 11:03:36 ID:9xbsy0xm
- 味方
マサキ・アンドー&シロ&クロ (サイバスター搭乗)
……なのは組、式神の城正門の見える位置にて交戦中。
が抜けてますよ〜。
- 173 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 11:08:41 ID:UK4PiMo4
- 抜け多い……orz
すまん、ありがとうみんな。
わからないネタも結構あるんで、作者の方はどこかにキャラ名と作品名を明記してくれるとうれしいです。
- 174 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 11:25:42 ID:ACuBY8p/
- 取り敢えずの提案だけど、
まとめサイトの方の戦況報告は
PC組(何度か書き手からスポットを当てられて
状況がきちんと描かれている組
〔例:なのは組やベホイミ組や柊&光太郎組)
エキストラ組(未だオープニングにしか登場していなかったり、
明確な活躍SSを描かれていない組
〔例:アルカナハート組、トリガーハート組、邪気眼衆等)
に分けて有った方が良いんじゃないかな?
そうして置けば、ネタ探しする書き手側も未だスポットが当たってない
キャラを見付け易くなると思うし……どうかな?
- 175 名前:まとめ・更に追加:2008/02/01(金) 11:40:36 ID:9xbsy0xm
- 敵方(今のところエキストラ扱い)
>164
真紅の魔眼を持つ少年
(おそらく以庭いつき・レンタルマギカ)
……邪気眼達を指揮?
これも追加かな?
- 176 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 11:59:25 ID:7RMpNixp
- 3-798、3-892、3-993(DMCの方は記載済み)、4-106以外の作品名および登場キャラはまとめサイトに収録いたしました。
なお、真紅の魔眼の少年は作品名が確定ではないので情報待ちとしています。
このレスでエリィAA使おうかと思ったけど容量的に止めた。
- 177 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 12:44:16 ID:Fvn04LFq
- ディスガイア組、一部参戦してたけどな。……数行だけ
- 178 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 12:54:19 ID:GZpw8vOJ
- >>177
いや、ありゃノーカンだろw>第48代地球勇者カーチス
- 179 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 13:11:38 ID:Fvn04LFq
- 撃墜、帰還などで前線から退いたメンツ、あんまりいないんだな。
そろそろ増えそうだけど。
- 180 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 14:35:07 ID:7ZUk+B4B
- 〜地上戦〜
式神の城の直下。
城の外で戦うものが因縁めいたものと合しているならば。
城の中で戦うものがその指揮を執るものと相対しているならば。
STGにおいて「ザコ」と称される無数のものと対峙しているのは誰なのか。
こと侵略においては最強の敵である彼らを押しとどめなければならない。
「それこそこの世界の住人の仕事だろう!」
迫り来るのは有機的無機的シリアスコミカル巨大矮小入り混じった機械、機械、機械の群れ。
それはヴァーミスと呼ばれる機動兵器郡であったり、スカリエッティ研究所製であったり、「めいど☆いん☆わいりー」だったりした。
それらを自慢の魔剣で斬り、払い、薙ぎ倒して進むブレザーの少年。
見る人が見ればこう思っただろう。彼には柊蓮司の面影がある、と。
- 181 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 14:36:14 ID:7ZUk+B4B
- 〜地上戦・もうひとりの参戦者〜
「ひぅっ!?」
「風音さんっ!」
「っ……こっのぉ! 好き勝手やってくれちゃってぇ!」
ひゅ、という風切り音。刹那のうちに、棒手裏剣で貫かれハリネズミのようになった機械……なのだろうか?
人間大の機動兵器が爆散した。
「空からはヴァーミス、だっけ? あの機械の。地上もワケわかんないのいっぱい出てるし。キリがないよぉ」
「ですわね……護法童子!」
ご、という鈍音に風音は振り返る。
逞しい体つきをした琴理の式神が、ヘルメットに足がついたようなメカを殴り飛ばしていた。
「ボクが後ろをとられてた!?」
「機械に気配はありませんわ!」
「そのとーりぃっ!」
さらにその後ろ。またも迫っていた機械が両断された。
「! あなたは!」
「!!! き、ききき君は!」
「「強化ちゃんはイメチェンしたというのに自分は色黒の子に出番とられて要らん子と化したまけん君!」」
「ハモるなっ! そして長い! さらには失礼だー!」
エア・ブレードで強化した射程に任せてザコをなぎ払いつつもツっこむ姿勢に二人は感銘を受けた。
嗚呼、柊の原型ここにあり、と。
- 182 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 14:37:23 ID:7ZUk+B4B
- 〜地上戦・さらば愛しき参戦者〜
「俺はッ! 俺は要らん子じゃねえッ!」
剣を振るう。
「今! この瞬間! こんなにも世界を護っている!」
剣を振るう。だが柊ならぬ彼の限界は早い。
「例え出番がゼロだったって、俺を必要としてくれる状況が! 人が! あるならば! 俺は――」
剣を振る――えなかった。彼の魔剣は戦いの中でその寿命を全うし、折れ飛んだ。
「畜生!?」
ぎぃん、と刃の跳ねる音が、そして異音が聞こえてくる。
そう、聞こえてきたのだ、彼の耳に。聞きなれない、鈴のような少女の声が。
【宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ――】
「! なんだ!?」
【神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴える! 我が導きに、応えなさい!!】
瞬間、目の前に現れた銀色の鏡のようなものに彼は吸い込まれていった。
魔剣のない魔剣使い=魔剣使い−魔剣=使い、である。
ただこの場合は剣の折れた魔剣使いであるので、
魔剣使い−剣=魔 使い。しかしこれでは意味が通らないので空白を削除してアナグラムをする。
すると表れる単語は――使い魔。普通の地球では平賀くんが選ばれるのだが、その平行世界であるFTEの運命はこのもっとも使い魔に相応しい男を選んだらしい。
彼はその後、魔法を吸い込む古びれたおニューの魔剣とか二次大戦時に使用された三菱製の戦闘機とかに乗ったりして、
胸のない美少女と恋に冒険に大活躍することになるのだが、それはここで語るべきことではない。
- 183 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 14:38:03 ID:7ZUk+B4B
- ともあれ。
「えーと、消えちゃったね?」
「何をしにいらしたんでしょうか、あの方」
取り残された二人はただただ呆然とするばかり……でもいられない。
敵はまだまだわんさとやってくるのだ。
そうして、気付く。ウィザードとしての感覚が警鐘を鳴らした。城の直下、そこで膨れ上がる闇の存在に。
風音はちらり、と背後を見やる。100Mほど離れたところでピンク色の魔法少女?たちが赤い服のアバターと戦闘を繰り広げていた。
「琴理ちゃんセンパイ、あの人たちのさぁ」
「邪魔は、させられませんわ」
飛来する『ザコ』は雲霞のごとく。
それを蹴散らすため、少女たちは――駆ける。
- 184 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 14:40:09 ID:7ZUk+B4B
- 以上、
・PC版キャラどもの現状
・ニューカマー登場!
・ニューカマー退場!
でした。
妹と琴理ちゃんはSTG的に御札ショットと手裏剣ショットで大量のザコを駆逐中ということでいかがでしょ
- 185 名前:みなごろしとにせもの−下っ端戦闘員vs正義の味方− 1/3:2008/02/01(金) 14:57:55 ID:DFyMPSAI
- 「……っ!?」
E-MIYAは息を呑んだ。
敵は赤いヒーローと魔法少女。彼の放った幻想の「矢」は、周囲の小物ごと敵を簡単に消し去れるだけの威力があった。
そして彼らにはその範囲から逃れる術はなかったはずだ。しかし、目の前の光景は想像を遥かに凌駕していた。
桃色の蟷螂怪人を左手に抱えた顔のないただの戦闘員が、正義の味方に負けるべき悪の組織の、その内さらに下っ端であるはずの戦闘員が。
右手で、その破滅の矢を握り止めていた。
戦闘員―――NO.37564は、前の赤い外套の騎士を睨みながらぽい、と抱えていた上司を放り投げて背後に向けて言った。
「レッド、魔法少女。コイツを頼む。戦闘力は弱くないはずだが、どうにも目を離すと危なっかしい。コイツと一緒にご町内を守ってやってくれ」
「へ?け、けどアンタは―――」
「俺はこの勘違い野郎の相手をしてやる。だから、さっさと行け」
「待てNO.37564!俺は、俺の中のヒーローは、コイツを許すわけには―――」
「お前らはヒーローだろ?この街にあるものを守るためにここにいるんだ、別にこいつと戦うためにいるわけじゃない。
その点、俺は戦闘員だからな。戦う相手がいて、しかもそれが正義の味方だって名乗るんなら相手をしないわけにはいかない」
ぱきん、と澄んだ音を立ててNO.37564の手の中で幻想の矢が砕け散る。
E-MIYAはさらに混乱する。
彼の生む矢は自らの意思によって強度が決まる、彼の意思こそが強度と言いかえてもいい「力」だ。
そして、彼らアバターは人間の想念が、欲望が、憧憬が生み出した幻想の塊。積み重ねられし人間の願望こそが彼らの能力にして力。
多くの人間に望まれた力が彼を形作っている、「歪なる最強の幻想」そのもの。
そんな力の積み重ねにより作られた彼の武器が、誰の幻想に支えられているわけでもない存在の手によって砕かれたことが、E-MIYAには本気で信じられない。
クロスは、決意の表情でNO.37564を見る。
「……本気なんだな?」
「なんだ、心配してくれてるのか?」
「別に心配はしてない。できるだけさっさと終わらせてくれ。お前の手も必要だ」
行くぞ、と言ってベホイミの襟を掴んでずるずると引きずっていくクロス。
ベホイミはまだぎゃあぎゃあとわめいているが、クロスはまったく意に解さない。
やがて―――赤い騎士と黒い戦闘員の間に、一筋の風が流れた。
赤い騎士が問う。
「貴様―――何者だ。この俺の偽・螺旋剣を片手で止める生き物など見たことがない」
「埼玉の所沢に『クロック』っていう悪の秘密組織があってな、そこの下っ端戦闘員だよ」
「ふざけるな。それだけの力を持つ生き物がただの戦闘員でいる組織ならば、とっくに抑止の世話になっていることだろうよ」
「って言っても俺の立場は本当にただの下っ端なんだが。向上心って奴をどこかに置いてきちまったらしくてね。
あぁそうだ、俺も一つ聞いていいか?」
無言を肯定と受け取り、悪の組織の戦闘員は赤い衣装の正義の味方に問う。
「―――お前の『正義』って、なんだ?」
シニカルな笑みを浮かべ、E-MIYAはその問いに答える。
「知れたこと。より人が幸せになれることだ」
「それで、一回世界を滅ぼすのか」
「悪の組織の構成員がその善悪を問うのか。より人が幸せになれる世界になるなら、それもまた仕方あるまいよ」
それは、本物の抑止の守護者はけして言わぬ言葉。狂った妄想の生み出せし、壊れた正義を振るう者の姿がそこにあった。
NO.37564は抑止の守護者のことを知っているわけではない。けれど、その目の前の存在が狂っていることだけは理解できた。
そして―――告げる。
「俺はこれでも正義の味方って奴と何人か会ってきてね。経験上、一つだけ言える。
―――お前は、正義の味方なんかじゃない」
- 186 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 14:58:03 ID:P3/b3yZd
- ぐっじょぶ。
しっかし、クロスSSにクロスするのはどーなんだw
面白いからいいけどw
あと、まけんくんガンバレ
- 187 名前:みなごろしとにせもの−下っ端戦闘員vs正義の味方− 2/3:2008/02/01(金) 14:58:52 ID:DFyMPSAI
- 「なんだと?」
「確かに、一人の手でできることは限界があるだろう。救えないものだってたくさんあるんだろう。
俺は正義の味方じゃないから、その苦労は理解できないしその重みを考えることもないさ。
それでも―――それでもな、救えずこぼれた欠片を何度でも拾おうとする奴もいるんだよ」
思い出すのは、共に戦う戦友のこと。
赤いヒーローも、魔法少女も、子供達の夢と明日を守るためだけに戦っている。
たとえ救った子供が大人になって子供を脅かそうとも、今度はその子供をまた救おうと手を伸ばせる存在。
「何度でも、何度でも。皆が幸せになれるまで、皆が笑顔になれるまで、その手を差し出し続けられる者。
そんな存在こそが、俺の認める正義の味方だ。それ以外を、俺は正義の味方とは認めない。
なあ、自称正義の味方。
正義の味方が存在するために必要不可欠な俺に、悪の組織の下っ端に、認められない正義の味方なんぞ誰が必要とするっていうんだ?」
E-MIYAは、固い表情を崩さない。
たとえ自身の存在を否定するようなことを、たった一人に言われたところで彼を構成する妄想の群れは崩れはしない。
けれど、その言葉を否定する言葉は出なかった。
声が返ってこないせいか、NO.37564は続ける。
「お前が壊すのに荷担しようとしてる今のこの世界を見ろよ。本当に無駄だと思うのか。
この世界を、それぞれの理由で守ろうとしてる奴らが見えないのか」
この異常な戦場の中で、ただひたすら前を向き駆ける者がいる。
仲間のために、一つでも多くの敵を倒す者がいる。
傷ついた戦友を抱え、走る者がいる。
「なぁ、見ろよ正義の味方(ニセモノ)。お前は、この世界を守ろうと一生懸命な連中を無駄だと言ってのけるのか」
「くだらん」
問いかけに、E-MIYAはそう吐き捨てた。
- 188 名前:みなごろしとにせもの−下っ端戦闘員vs正義の味方− 3/3:2008/02/01(金) 15:01:45 ID:DFyMPSAI
- 「所詮は一時の感情に惑わされているだけにすぎん。この世界はもう限界だ、あちこち歪んで悲鳴を上げている」
「悲鳴を上げていようが、血反吐を吐いていようが、それでも世界は続いてる。
それを、たった一人の人間が無駄だと言って切って捨てていい権利なんかどこにだってありはしない」
「よくよく口が回るな。目障りだ、失せろ―――停止解凍(フリーズアウト)、全投影連続層写(ソードバレルフルオープン)!」
その言葉とともに、大量の刃が発生してNO.37564を襲う。
白銀の嵐。その一つが心臓をでも貫けばその場で絶命する刃金の奔流がNO.37564を飲み込んだ。
あまりの質量の落下に、アスファルトが削り取られ、粉塵がもうもうと周囲に立ちこめる。
ふん、と鼻を鳴らすE-MIYA。NO.37564は、刃から一歩も逃れる時間はなかった。あれだけの刃が襲ったのだ、命があるわけがない。
もうもうと舞っている粉塵を、突如吹いた突風が吹き飛ばす。
―――そこには、傷一つなく剣の檻の中に立つ戦闘員がいた。
今度こそ、E-MIYAの息が止まる。
ありえない。あれだけの刃の雨を受けて、生きていられる生物など存在しない。あの密度の剣の弾幕をかわせる生物など存在しない。
ならば、ならば―――
E-MIYAの足が、無意識に一歩退った。
「貴様―――一体、『何』だ!?」
恐れを含んだその声に、先ほどと変わらぬ調子で、絶対の誇りを持って悪の組織の下っ端戦闘員は答える。
「さっきも言っただろ、俺は『クロック』の戦闘員―――正義の味方を叩き潰す、悪の組織の手先だよ」
言って。
巨大ロボをローキック一発で破砕し、正義の味方の拠点を潰し、ブラックホールに単独で放り込まれても帰還すると言われた最強の戦闘員は、自身の言葉を忠実に実行した。
正直言って、37564は反則です(笑)。
なんだよ成田せんせー、「終末が来てしまうということに対する反作用存在」って。
まぁ、本人がどっちかっつーとご近所英雄(本人悪の組織だけど)派なんで城には乗り込みませんが。
- 189 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 15:29:56 ID:Fvn04LFq
- 式神の城よく分からないんだけどさ、敵ってどんな感じのやつがいるん?
いや、もはや式神の城関係ねーっちゃねーんだけど。
- 190 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:00:07 ID:TJTrGm8j
- 1と2はこのページの中で見れるな
1のボスキャラは画像ないけど
ttp://www.alfasystem.net/game/shiki/
やっぱ単純にキャラものとしては2以降の方が出来がいいな
エロイお姉さんとか暑苦しいおっさん兄弟とかお嬢様っぽく登場したと思ったらver.2で核撃とか
- 191 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:13:42 ID:DFyMPSAI
- >>174のために>>167とかを参考にしてまとめてみた。
……抜けてそうだなぁ。
<主役>(話の中心とも言う):玖珂光太郎・柊蓮司
<複数回出現キャラ>
アンゼロット・ベル・リオン・くれは(ナイトウィザード)
ふみこ・日向・金・小夜・アララ(式神の城)
なのは(リリカルなのは)
ベホイミ(新感覚癒し系魔法少女ベホイミちゃん・ぱにぽに)
パロディウス組
鈴蘭(お・り・が・み)
横島(GS美神)
KYO−YA(とらハ二次創作)
ラハール様ご一行(ディスガイア)
大統領(自重方向でよろしく)
クロック&柏木クロス(世界の中心針山さん)
- 192 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:14:37 ID:37qdGe1i
- 式神の城のTは死者が鬼になったのがボス
悲恋のアイドルが鬼になったもの、歪んだ思想から鬼になった自衛官、
妻子を殺され鬼になったサラリーマン、年老いた俳優が若返り自作の侍になったもの(サスケの祖父)
そろそろキャラ解説必要だよな。
というわけでやってみる。
ベホイミ@ぱにぽに
ぱにぽにの脇役で当初は魔法少女のコスプレだったが
ださいといわれ三つ編み眼鏡の地味キャラに
過去傭兵をやっており、魔法少女は本人の人を幸せにできるイメージからやってた。
スピンオフ作品でまさかの主役になる。
登場人物を観測してた宇宙人がベホイミを不憫に思い本当の魔法少女になる。
だが宇宙人の超技術によるもののため見た目が魔法少女っぽいメタルヒーローといえるかも。
- 193 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:16:29 ID:DFyMPSAI
- <出番ください待機中組>
ナイトメア・マユリ・ノーチェ(ナイトウィザード)
ゆかり・ニーギ・アノレゴス・ロジャー(式神の城)
フェイト・はやて・スカ(リリカルなのは)
霊夢・魔理沙・紫(東方)
メディア・桃月学園生(ぱにぽに)
権田原権三(番長学園!)
南春香(みなみけ長女)
八神和麻・神凪綾乃(風の聖痕のツンデレカップル(?))
伊織高瀬(お・り・が・みの外道社長)
ピーター・マクドナルド(メタルウルフカオスのレポーター)
ダイソード組
エグゼリカ組
パワプロ組
パステリオン組
ツインビー組
舞−Hime組
灼眼のシャナ組
アクエリアンエイジ組
ナムカプ勢
アメコミ系
魔装機神組
陰からマモル組
アルカナハート勢
アバターズ U−1・SAI−TO・RYU−I・シン
<個人的になくてもいいですよね出番組>
横島母(つーかなんで異世界にいる)
アラレちゃん勢(大人しくしててください、地球壊れるんで)
東方不敗(マスターアジア)(以下同文)
劉蒼月(以下同文)
<ボスクラス>:玖珂晋太郎
<話に直接関われないキャラ>
PC版ナイトウィザードキャラ
FEAR関係者
デトロイト組
MMR
エロい人
みなみけの下二人
桂言葉
四大神
<敗北組>
O−GAMI・魚雷・HARI−MA・E−MIYA・藤島・MAKOTO・YOKOSHIMA・YU−JI・HIRO−YUKI・KAZUKI・SIN−G
こんな感じかな?
出番のあるないはかなり個人的な主観が入ってます。
- 194 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:16:35 ID:JQ9DBP1T
- ……何か、これ幸いと邪気眼キャラ達へのトラウマに対して
自身の信条をキャラやSSに乗せて立ち向かって晴らそうと挑んでる
書き手も居るな。見てて熱い内容だし正義的正論だから支持するぜ!w
- 195 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:17:31 ID:6gxcs1uc
- ナイトウィザードとクロスしようよー
- 196 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:18:28 ID:Fvn04LFq
- 人間っぽいのも、怪物っぽいのも両方いるってこと?
- 197 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:21:05 ID:lQWKjn9p
- >>195
ナイトウィザードとナイトウィザードをクロスさせるのか!?
……斬新だなww
- 198 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:25:02 ID:Fvn04LFq
- >197
そうでもない
- 199 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:26:40 ID:lQWKjn9p
- >>198
mj?
このスレで投下されたこと合ったっけ?
- 200 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:28:41 ID:vyb8GaOR
- 遅ればせながら状況追加&修正
味方
フェイト・パロディウス組・ガッちゃん…アバター・KYO-YA撃破。バルディッシュ破損?
エロガード・エロリップ…撤収
横島百合子(幻影)…アバターYOKOSHIMA撃破。横島忠夫の方へ向かっている。
敵側
アバターKYO-YA…撃破
アバターMA☆KO☆TO…撃破。首だけ→消滅
第三勢力
桂言葉(幻影)…流れ弾の飛んできた人影を敵味方識別なしに強襲中。
お見せできないようなショッキングな状況。
- 201 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:30:17 ID:ZgAe7Sy8
- 戦闘員37564号
見た目は戦闘員と変わらないものの、サブマシンガンの弾丸をを全て素手で受け止め、正義の戦隊の巨大ロボを蹴りで破壊する最強。
その正体は、所属していた組織が潰れる度に別の組織に改造され、通算四回の改造手術を受けた結果、相乗効果で凄まじい力を得た元一般人である。
なお運命的に不死であり、もし死にかけても結局何かに助けられて死ぬことはないという存在である。
現在は潰れかけの悪の組織クロックに所属し、カマキリ型怪人のシックル、子供総統閣下と共に埼玉県所沢市のアパート在住
- 202 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:30:58 ID:JQ9DBP1T
- >>197
いや、そう云う意味じゃ無いだろ!?w
ま、実際、くれは&金vsリンバウマン&アバターU-1や
灯&小夜vs巨大モアイ(登場希望)orダライアスのボス達(登場希望)や
所長&ドリームマンvsバイド感染悪美代子(登場希望)&誰か邪気眼戦士(登場希望)
位にはスポット当てて欲しいわな。
- 203 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:31:09 ID:DFyMPSAI
- >>196
式神の城の敵のことならYES。>生物的なのも機械的なのも
1だと生き人形とか血まみれくまさんとか自衛○とか蜘蛛の子とか中ボスで龍とか
あと、他にはヒトガタとか注連縄はった岩の群れとか自衛○ヘリとか脈打ってる戦車とか
2だと鎧とかがいっぱい出てくる。サイコロの群れでテトリスとか。
隕石落としやってくれる中ボス(ゆかり)とかもいるよ。
- 204 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:32:57 ID:FrBzf1M9
- そろそろどこかで決着つけないと、リレー以外で投稿しようとする人が居なくなるんじゃない?
明日の夜9時までにタイムリミットとして、決着か落とし所が定まらなければ強制的にデッドエンド
としてしまった方がいいと思う。
- 205 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:36:39 ID:JQ9DBP1T
- >>204
ふむ、流石にフェスティバルもそろそろ幕引きを考えないとね。
まぁ、究極、夢オチかソードマスターヒイラギで締める構想準備はしているけれどw
- 206 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:39:37 ID:SX2sUWic
- >>205
柊が邪気眼アルティメットHIIRAGIと戦って
「俺たちの戦いはこれからだ!」ENDでよい希ガスw
- 207 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:40:29 ID:PkILhswY
- まとまらなかったら夜ノ森光臨で
「城は別世界に隔離して世界は修復してみました^^」
とか。打ち切りにしてもNWキャラで締めたいし、
多世界絡めても無理矢理終わらせられるデウスエクスマキナといったらこいつしかいない気がする
タイムリミットはまっしーとのお楽しみが終わって異変に気付くまで
- 208 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:41:00 ID:FrBzf1M9
- >>205
主題を無視してひたすらにシチュエーションだけに走ったリレーの最後は、無惨なものです。
- 209 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:44:02 ID:3YP9S6qu
- >>197
じゃあ、某NWssの終末の騎士でも呼んでだな…
- 210 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:45:19 ID:Fvn04LFq
- >208
まあ、NWだし
- 211 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:46:49 ID:37qdGe1i
- 明日は早いから今週の日曜中ではどうかな?
- 212 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:49:49 ID:7WDgEF8D
- 日曜の24時くらいがキリ良くていいんじゃねえかな。
- 213 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:52:30 ID:FrBzf1M9
- >>211
日曜日の午後9時ぐらいまでとした方がいいかと。
深夜までかけてまだ終わらないって事態は
切ないものがありますし。
- 214 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:54:19 ID:JQ9DBP1T
- >>212
じゃあそれで。
土日休みな社会人や学生の書き手でラストスパート掛かって
タイムリミット前に終幕出来るやも知らんし。どうかな?
- 215 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:56:10 ID:JQ9DBP1T
- いや、リロードして見たら>>213の設定の方が理に適ってるね。
此方で行こうか、皆?
- 216 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 16:57:37 ID:FrBzf1M9
- >>214
了解です。
- 217 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:01:39 ID:A/lM+A14
- >>212-216
意見がまったくかみ合ってないwww
- 218 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:02:28 ID:FrBzf1M9
- ああ、レス番ミス。>>212じゃなくて>>214でした。
失礼しました。
- 219 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:04:42 ID:JQ9DBP1T
- 最終確認! >>213設定が今回のリレーSSのタイムリミット!
OK? ALL READER?
- 220 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:04:52 ID:FrBzf1M9
- 携帯からだったものでミスがひどいorz
>>215に同意でお願いいたします。
- 221 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:18:07 ID:Fvn04LFq
- おけ、だいたいそんくらいで。
【さらに風呂敷を広げようとたくらんでいる】
- 222 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:19:13 ID:JQ9DBP1T
- けど、今回みたいな自然発生的無差別リレーSSを
他のクロスSSでやったら一体どうなるかねぇ?w
きっちり統制執れてるなのはSSスレ(管理世界が舞台)や
シャナSSスレ(シャナ達の棲む世界が舞台)だと大顰蹙だろうけど、
元々無差別気風が有りそうなゼロ魔SSスレ(ルイズ達の世界が舞台)や
最近立ったグレンラガンSSスレ(シモン達の棲む世界が舞台)とかだと
また『混沌上等!加速歓迎!』って感じで大祭再び、って感じで盛り上がりそうだけどw
- 223 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:22:49 ID:nVEbRj2y
- あと二日……
SS書きをする熱意と根性のない俺から言わせてもらうと、
「(打ち切り系以外で)オチをつける」ことが可能な話なのか、これは。
- 224 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:26:29 ID:7WDgEF8D
- 核になってる事件さえ片づいてしまえばあとは三々五々散っていくだろう
- 225 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:41:35 ID:Ph636Vex
- SS書きをする勇気と自信のない俺から言わせてもらうと
無理に切らずに「いいぞもっとやれ」と思ったりもする。専用スレ立ててでも
…いや、期限切ってまとめてしまったほうが、ぐだりながら延々と続くよりも良いのだろうし、
専用スレ立てるのはやりすぎでスレ内外にとって色々よろしくなさそうな気もするのだが。
- 226 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:43:33 ID:TMoBqXnI
- >222
なのはスレは避難所でやりましたよ。ss出演者総登場の新年会。
塊魂の王様の手の上、ルデル大佐がアベンジャーと自己鍛造弾で作った大鍋で。
ルルーシュとスバル、バージルとシグナムがカップルだったり、あかりん鍋に襲われたり。
- 227 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:52:55 ID:JQ9DBP1T
- >>225-226
ふむ、ならばまた折りを見てゴールデンウィークか学生夏休み辺りに
短期集中使い捨て専用スレ立ててやるかい?w<無差別リレーSS
何、式神の城事件以外でも無差別クロス便乗出来る事件は
NW!の中にもクロス主舞台先の他作品の中にも未々有るだろうて。
例えば、NW!側からならフレイス事件や高レベル対応サンプルシナリオの
事件なんかに他作品群のキャラ達を絡ませたり……(以下、延々アイディアが続く)
- 228 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 17:53:19 ID:Fvn04LFq
- あかりんが参戦したあたりまでは追いかけてた
- 229 名前:じゃあ、状況動かしてみる:2008/02/01(金) 18:05:39 ID:DFyMPSAI
- 地に伏すのは、一人の侍。
彼は満足げな表情で、本来は存在しないはずの空を見上げていた。
彼の名はリン・バウマン。かつて「青い眼のサムライ」と呼ばれた役者。
しかし、あしきゆめ―――精神寄生体がとりついた彼は、本物の侍と遜色ない実力を誇っていた。
「見事だ」
「……これでも、郷里の方では武も教える者デス」
「ごめんなさい。私は、あなたを眠らせることしかできないから……」
青い眼のサムライの賞賛に、正直な言葉を漏らす二人の勝者。
金大正と赤羽くれはもまた、無傷とは言いがたい状況だった。
くれはの言葉に、役者はくつくつと笑った。
「それでいい。死に逝く者へできることなど、人間にはほとんどないよ。
私も、妻を失ったときにそれを思い知った……。
だから、前を向くといい。若いお嬢さん」
もっとも、私の言葉などなくとも君は前を向けるように見えるがね、と目を閉じたまま彼は告げる。
それきり。「青い眼の」リン・バウマンは空に溶けるように消えていく。
ひと時だけ眼を伏せる二人。
神職のくれはと道士の金だ。二人とも死に行くものへの礼儀を尽くす。
その時だ。
大量の岩石の群れが、その空間へと次々と降り注ぐ。
「何デスかっ!?」
「は、はわっ!?」
岩石の砲弾から逃れようと、くれはと金は別方向へと跳ぶ。
金は仁王剣を振るい岩石を跳ね飛ばし、くれはは実家からの支給品である破魔弓から簡単な魔法を使って次々と岩石の軌道を逸らしていく。
しかし、岩石の雨は止まらない。圧倒的な量に対応していこうとするも、いつかは限界が訪れる。
「くぅっ!」
先に限界を迎えたのはくれはだった。
いかに連射の効く破魔弓であろうと、3本ありある程度の自律行動のできる仁王剣と違い、対応が間に合わなくなる。
自身の上に降り注いだ巨大な岩石は、すでに避けきれる位置ではない。真っ向から迎撃を果たすしかない状況。
くれはは全身からプラーナを開放し、その一発に全てをかける。
「<ヴォーテックス・トライデント>ぉっ!」
闇の三叉は、彼女の頭上に迫る岩と拮抗する。
くれはは、渾身の力を込めてさらに魔法を押し出した。
「はあああぁぁぁぁぁっ!」
青い輝きが魔法に力を与え、その威力を底上げする。
そして、結果として彼女の渾身の一撃は巨岩を打ち砕いた。
- 230 名前:じゃあ、状況動かしてみる:2008/02/01(金) 18:06:05 ID:DFyMPSAI
- しかし巨岩は砕け散り、破片が雨のごとく降り注ぐ。直前まで魔法に全力を注いでいた彼女に、それを回避する術はない。
いくつもの破片の直撃を受け、彼女は気を失った。
それはこの岩石降り注ぐ場所では命に関わる。金も駆け寄ろうとするが、彼を襲う岩石の雨が止んだわけではない。
すでに岩塊の雨はくれはまでの道を塞ぐように壁と化している。
そして、ぷつりと岩の雨が止む。
どういう理屈かはわからなかったが、金は最後に彼女がいた場所へと駆けつける。が―――
―――そこに、赤羽くれはの姿はなかった。
金は拳を痛いほど握り締め、とにかく状況を正確に把握するため、ふみこの万能執事へと連絡とるのを優先させた。
―――
式神の城の奥深く。
白いマントの青年が、黒く長い髪の少女を抱えて立っていた。
青年の名は「世界の秩序」。力を欲したがために世界と同化し、いまや世界の一部として世界を動かす「白い世界」。
さて、と青年は呟いて真っ白に輝く光の玉のペンダントを少女の首にかけた。
「これでいいよ。後はこの娘を蜘蛛に組み込むだけだ。それくらいは君にもできるだろう?フットワーカー」
その言葉に曖昧に頷くのは、セプテントリオンの上級コードネームを持つエージェント。
はじまりは、同じく上級コードネームを持つRSを出し抜くために上に企画を提出したこと。
それがここまで大事になってしまっている。けれど、ここまで来てしまっては後には引けない。
彼は、目の前の世界の冷たい視線に答えることはできずともなんとか自分の命をつなぐための選択をし続ける。
青年は思い出したように問うた。
「あぁ、覚えているよね?約束を」
「玖珂光太郎が最後の間に着いた瞬間、お前に身柄を好きにさせる、だったか。
他にはないのか?」
「いや、覚えているならいいんだ。
あとは、これから他の邪魔が入らないために君の集めた連中に向けて命令しておいてくれればそれでいい」
「その程度はこちらも把握している」
じゃあ、よろしく頼んだよ。僕は挨拶をしてくるから、と彼は言い、その場から姿を消した。
フットワーカーは相手の気配が消えるのを待って、大きなため息をついた。
目の前に横たえられている少女をちらりと見て、彼女の首にかかる白い宝玉の説明を思い出す。
この宝玉は世界の力を引き出す玉。そう「世界」は言っていた。
それを、この娘の力を束ねる「依代」としての体質と、かつて七つの宝玉の力を遠き地へと送り出したことで作られた「転送」のパスを利用し、彼の切り札に利用する。
それが説明の全てだった。事実、娘にその両方の力が宿っているのは事実であったため、そのこと自体に不満はない。
仕事の時間だ、と頭を切り替えて、娘をかかえながら協力者達へと最後の攻撃の命令を下す。
―――ここに、世界の危機が始まる。
- 231 名前:動かしてみた。:2008/02/01(金) 18:08:03 ID:DFyMPSAI
- 制限時間が決まってあわてて書いてみた代物。
なんつーかアラだらけ。もーちっとなんとかならんかったか。
すごい強引な動かし方だけど、他の作家の方なら上手く拾えると信じてる。
- 232 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 18:46:35 ID:ZgAe7Sy8
- それでいいんだ。
それくらい拾えずして何がNWクロススレか!
…俺は自信ないが
- 233 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 18:58:30 ID:JnDiZkrP
- 「おい、光太郎生きてるか?」
「…ああ、なんとかな」
何とか城に突入した柊と光太郎だったがその代償はあまりにも大きかった。
上着はどちらもほぼ原形をとどめておらずワイシャツも血で赤く染まっていた。
「クソッタレさっきの野郎で思った以上にくらっちまったみてぇだ。」
「だが、ここで立ち止まるわけにはいかない…そうだろ柊?」
だが二人の闘志は全く衰えを見せていない。
それを嘲笑うかのように現れる魔物たち。
「へっ、上等じゃねーか…!!」
「手負いだからって甘く見るんじゃねぇぞ!!」
ふたりはかまえをとるがその構えはどこか崩れていた。
度重なる激戦で二人の体力は限界に達していたのだ。
魔物たちは好機と判断し一斉に襲い掛かる。
だが・・・
「スレッジハンマー!!」
突如現れた巨大なハンマーを持ったツインテールの少女が魔物たちはなぎ払った。
「な、なんだぁ!!」
当然の乱入者に柊たちは驚く。
「んふふ〜、さすがは317ちゃん。頼りになるわ〜♪」
「誰だてめぇは!!」
声の主の方に視線を向けるとそこには女性がいた。
…なんというか青少年には大変目に毒な格好をした。
「私はクラリス・パラケルスス、錬金術師よ。」
(なんだろう、アンゼロット並みに関わっちゃいけねぇ気がする。)
彼女の雰囲気に柊は警戒する。
「で、その錬金術師様が何でこんなところに。」
「はぁ、これだけ大きな城なんだからお宝の一つや二つは有りそうだしね。それに・・・」
クラリスは柊に視線を向け、
「君にすっごく興味があるのよね〜♪」
「俺に?」
「そうそう、さっき君たちを助けてくれた子あれ私が作ったホムンクルスなのよ。」
「何だって。」
柊と光太郎はさっき助けてくれた少女に目を向ける。
「あたしの最高傑作なのよ〜」
クラリスの言葉に柊は嫌な予感を感じる。
クラリスの笑みがなんだがどっかのロリババァと重なったからである。
- 234 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 18:59:23 ID:JnDiZkrP
- 「何企んでるんだ、あんた。」
柊は警戒心をあらわにする。
「ん〜、その前に取引しない?」
「取引?」
「そうそう、私は君たちを完全な状態まで治療することが出来るわ。」
「つまり治療してやるからあんたに宝探しに付き合えってか?」
「そのと〜り。そんでもって柊君にはちょっと私の研究に協力して欲しいのよ。」
「…研究!?」
柊は嫌な予感がした。
そしてそれは的中する。
「今度新しいホムンクルス作ろうと思ってるんだけどそのベースを柊君にしてみようと思うのよ〜」
「…マジか!?」
「うんマジマジ。何たってウィザード随一の戦闘力は魅力だし美形だから結構高値で売れそうだから。」
「ふざけんな、そんな理由で俺をホムンクルスのベースにするなぁぁぁぁぁぁ!!」
思わず柊は叫んだ。
「マスター、敵です。」
待機していた317の報告どおり周囲には何時の間にか魔物が集結していた。
「ゲッ…」
「んふふ〜、どうやら拒否は出来なさそうの状況ね〜」
クラリスの言うとおり状況はかなり危険な状況だ。
はっきりいって今の柊と光太郎は戦力にならない。
いくら317がクラリスの最高傑作でも多勢に無勢だ。
それ故に二人が出した結論は。
「だぁぁぁぁぁ、仕方ねぇ。宝探しでも研究でも付き合ってやるからさっさと治療してくれ!!」
「交渉成立〜、それでは!!」
クラリスは魔力を放出する。
すると二人の傷は見る見るうちにふさがっていく。
それだけではないボロボロの衣服も新品同様に修繕され、疲れすらも消えていた。
「すげぇ。」
クラリスの力に感心する柊。
「それでは、お宝目指してれっつご〜♪」
こうしてクラリスを加えた柊たちは最深部を目指す…
- 235 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 18:59:51 ID:JnDiZkrP
- 柊量産化フラグを立ててみました〜。
- 236 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 19:08:59 ID:rm11Lhus
- 質問。
灯と小夜を敵に釘付け状態にするとまずいですかね?
メインキャラクラスだから扱いにくい…orz
- 237 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 19:10:03 ID:UdmivvKl
- 後のまけんくんである。
- 238 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 19:13:04 ID:UK4PiMo4
- >>236
いいんでない?話的にも面白いと思うし。
>>235
みんなまとめようって話してんのにさらにカオスにしてどうするww
- 239 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 19:16:07 ID:lQWKjn9p
- >>235
究極必殺 超☆柊力
をつかうためのフラグだなw
- 240 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 19:18:12 ID:rm11Lhus
- 了解しましたっ。
プラーナ全解放にフェイトも全部つぎ込んで書き上げます。
- 241 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 19:19:59 ID:XoBzrdCL
- では>240氏に敬意を表し、テスタロッサを全部ッ!
- 242 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 19:46:11 ID:cEUDv6D3
- ぬふぅ。柊レンとかスクライドとクロスさせるネタが思いつかないぜ。
思いついても文才無いからかけないけどな!!
- 243 名前:その頃のアンゼロット宮殿:2008/02/01(金) 19:53:35 ID:jwn84pG0
- 『ワールド・オーダー』ーー“世界の秩序”
それは力を求めた末に世界と融合し、「この世界そのもの」となった存在である
「やあ、“守護者”アンゼロット。いつも世界(僕)のために働いてくれてありがとう。感謝しているよ」
毒気を抜かれるようなあまりにも潔白な笑顔。それは、平時であれば人の心を落ち着かせるものだったろう。
「……おもてなしも出来ずに申し訳ありません。ーーなんの御用でしょうか?」
しかし、この場にあっては不気味意外のなんでもない。彼こそが今やセプテントリオンさえ操りし、この事件の黒幕ーー間違えようのない“敵”なのだから!
「ああ、たいした事じゃないんだ。君にいくつかお願いがあってね」
ーーお願いだと?敵陣の中央に乗り込んできて何を言っているのか
「君にするお願いは二つ。一つ目は、君に世界を救って欲しいんだよ」
「………は?」
- 244 名前:その頃のアンゼロット宮殿:2008/02/01(金) 19:57:12 ID:jwn84pG0
- あまりの事に隙あらば飛びかかろうとしていたふみこ達やロンギヌスも呆気にとられてしまう
それが敵に頼むことか?この混乱を操っている張本人が!!
「それは、どういう……」
さしものアンゼロットも相手の意図を掴みかねていた
困惑を隠せずに問う
「今、この世界には危機が迫っている。ーー赤羽くれはがセプテントリオンの手に堕ちた」
驚愕する一同を尻目に微笑しながら晋太郎は続ける
「まぁ、僕が彼らに引き渡したんだけどね。彼らは星の巫女の力を使って災厄を振り撒くしーー当初の計画通りに柊蓮司も殺すだろう」
笑みを深める晋太郎。
ーーこの男は一体……
「ーー何を考えいるのかしらねぇ、ワールド・オーダー?」
質問を放ったのは今まで傍観していた紫だった
彼女には元々、人情というものが欠けている。単純に興味を持ったのだろう
- 245 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:08:01 ID:B0b9guJV
- 支援必要かね?
- 246 名前:その頃のアンゼロット宮殿:2008/02/01(金) 20:08:05 ID:jwn84pG0
- 「ーーさて、どうでしょうか?僕にとっては他の次元の方々は全て敵。貴方もーー」
ふみこ、ニーギへと目を向ける
「そこの風渡り達も、ね」
教える必要はない、と言う晋太郎。
「……そう、ならーーこれでどうかしら!!」
言い放つと同時、紫は凄まじい数の弾幕を晋太郎へと撃つ。それは周囲の全てを巻き込み、破壊して晋太郎へと迫る
射線上にいたふみこをロジャーが抱えて跳び、アンゼロットはロンギヌス達が身を挺して護り、ニーギは慌てて猫を盾にする。
「可笑しいな。この程度で、ーー世界の秩序と戦うなどと!」
晋太郎は笑みを消すことさえせず、お返しとばかりに紫の生み出したそれにも匹敵する程の弾幕を繰り出した。
それを受け、紫は更に弾幕の勢いを上げる
ーー幻想郷最強の大妖怪と世界の秩序が生み出す弾幕の嵐は、もはやアンゼロット宮殿の半分以上を呑み込み敵味方の区別なく破壊をもたらしていた
「……や、やめなさいあなた達ーー!?」
アンゼロットの悲痛な叫びも弾幕にかき消され、弾幕の主達にも、生き残るのに必死な皆の耳にも届かなかった。
- 247 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:15:53 ID:rZI+aImB
- 支援はする。だが、メール欄にsageを入れるのを覚えような。
- 248 名前:一方世界の外側@OVERS矢野:2008/02/01(金) 20:23:48 ID:XnVEl4Ia
- 流れを読まずそろそろこの男を介入させてみる
<OVERS OVERS OVERS OVERS>
パソコンにメッセージが表示される
「OVERS-SYSTEM Ver0.85起動完了。いつでもいけますぜ!」
「そっちの準備はどうだ?」
「・・・あともう少しだ。もう少し待ってくれ」
紙束を引っ掻き回し、1枚の紙に何かを書き写す
(「おそらくこのままいけば、どっちに転んでも敵の思惑のままだ
だが――その思惑すら走り抜けてしまえば、まだ打つ手はたくさんある
・・・そのためには今の柊のままではちと力不足だ」)
あの男、芝村が言っていた言葉が思い出される
小太刀と三輪は言った。「道は我々がなんとかする」
社長とかわたな、小暮さんやみかきさんは言った。「俺たちも後から行く!」
ならば彼も、やるべきことをやるだけだ
最後の文字を書き終える
その紙には、およそ考えられる最適解としてのデータが書き起こされている
NW1stのデータをNW2ndへコンパートし、
さらにまだ未完成であるS=Fメビウスすら使用し、
未公開シナリオや身内シナリオで稼いだレベルや経験点まで総動員し
現レベルで最大限の力を発揮できるようにしたものだ
・・・だがしかし、まだこれだけでは足りない
たとえOVERS-SYSTEMで柊を、このデータのままに成長させたとしても、
おそらく戦闘がちょっとだけ楽になる程度、
なぜならばその場合柊は・・・ただの強力な魔剣使いに過ぎない
・・・柊の力、それは攻撃力でもなければ柊力でもない
クレバー王子という臨機応変に最適戦術を組めるプレイヤーがいてこそ、その力を最大限に発揮できるのだ!!
「レベルアップ完了だ!」
「よし!実行を始めるぞ!」
パソコンのエンターキーが押される。
<This Omnipotent Vicarious Enlist a Recruit Silent System(それは全能の代理を徴募せし物言わぬ機構)
OVERS-SYSTEM Ver0.85…ok>
「行くんだな?矢野」親友が問う
「あぁ、柊と共に世界を救ってくる」
「・・・必ず勝って来いよ?」
言葉は心配しているが、実際にその顔に浮かんでるのは不敵な笑顔
「もちろんだ」
こちらも、サムズアップして不敵に笑い返す
「選別だ。持って行け!」
渡されたのは封をされた書類
「正直、お前からのプレゼントなんて受け取りたくないが
・・・ありがたく貰って行くぜ」
「この期に及んでツンデレか・・・」
「うるせぇ!!こんな時もまたそれか!」
―――そして、彼は介入を開始した
親友、田中天が渡した書類が、実はアルシャードやダブルクロスなどの各種コンパートを施した柊のキャラシートだとは知らずに
- 249 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:26:48 ID:amsMAXbl
- つまり以降柊はシャード他今まで入手したことのある全ての能力を使用可能となったわけだ
- 250 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:27:26 ID:XoBzrdCL
- まさか、神だというのか――っ!?(笑)
- 251 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:27:34 ID:lz2yoF9v
- ちょ!?
加護やリザレクトまで使用可能って、おい!!w
んで、そのシート見せてもらえますか(笑)
- 252 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:28:13 ID:n19jgbEW
- NW2ndルルブ裏のキャラシーで足りるかなぁ?
- 253 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:30:22 ID:rZI+aImB
- クソったれでファッキンなマゾの最低野郎(ボトムズ)ども!イカレたタンゴを踊る時間だぜ!
終了アナウンスは時々やった方がいいんじゃね?
(具体的には日付が変わった辺りで日曜夜九時ごろにリレー終了のお知らせを入れるとか)
- 254 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:30:45 ID:B0b9guJV
- >>248
__
,. '´ `丶
/ _ノ `ー 、ヽ
/ ',
{__==========__|
/Jヽ三三ノ´ `ヽ三三ノト、
{.イ;:〃〃;: ;:〃〃;:|r} これが勝利の鍵。OVERS支援。
フ 「
/::\ ,ィ マニ ァ ミ ,八
/::::::::::::::≧イyvyvyvyx≦:::::::::\
. /:::::::::::::::::::::::ト、厶r‐ミ,ノ/:::::::::::::::::∧
/::::::::::::::::::::::::::レ´ て Y::::::::::::::::::::::∧
. /:::::::::::::::::::::::::::::| f´ |:::::::::::::::::::::::::∧
/::::::::::::::::::::::::::::::t`ー―'―'‐y::::::::::::::::::::: ∧
. i::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄:::::::::::::::::::::::::::::i
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
- 255 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:31:23 ID:okFb6QCi
- 何か侵食率やばくなりそう気もするがw
OVERS≒世界結界が生み出す勇者相当を異世界から来させるもの
- 256 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:32:14 ID:lz2yoF9v
- あ――ダブルクロスのデータは使っちゃダメだ!
あまり使いすぎると侵食率が上がりすぎてジャーム化する!
最悪、堕ちて光太郎とガチバトルすることになるぞ!
- 257 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:33:43 ID:rZI+aImB
- 最低SS書きたいって宣言すればいいのに。
全部乗せは下品過ぎると思わないか?
- 258 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:34:24 ID:B0b9guJV
- >>256
いや、このリレー話ってどー見ても
「柊蓮司vs.玖珂光太郎がファイナルバトル」だろ常考
【と無責任に言ってみる】
- 259 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:37:59 ID:XnVEl4Ia
- >>256
大丈夫大丈夫、王子だし力の使いどころは間違えまい
と、天も申しております
【馬鹿は同じく無責任なことを言った】
- 260 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:40:50 ID:XoBzrdCL
- 最低SSって何?
- 261 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:49:46 ID:lQWKjn9p
- >>260
俺TUEEEEEEEE とか U-1系
とか言われるSSだと思う。
- 262 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:51:47 ID:okFb6QCi
- 最早名前以外原作の面影のないキャラorオリキャラが
チート状態で、ヒロインはニコポと口癖だけになって、俺様理論な説教して
設定ページだけは作るけど本編は序章で終わってるSSとか?
- 263 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:55:14 ID:lQWKjn9p
- >>262
そんなのだなwww
後は、読むのに研ぎ澄まされたスコップが必要なSSとかも
- 264 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:09:46 ID:8Y64ymkN
- 任せろ。完備している
- 265 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:16:13 ID:UK4PiMo4
- >>264
スコップを?ssを?>完備
- 266 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:18:17 ID:+pRdzH8I
- みかきがくれはに介入して、王子が柊に介入?
つーかみんな柴村系大好きなんだね、ハァハァ。
- 267 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:22:56 ID:cEUDv6D3
- 言い回しは割と好みではあるな。
ゲーム性ということに関してはいまいちだがw
- 268 名前:少女たちの戰い1:2008/02/01(金) 21:23:00 ID:rm11Lhus
- できた…orz
何もさせないのは可哀想なので、舞ーHiME組に乗っからせてもらいます。
「"幻想舞踏"……!」
緋室灯は機会仕掛けの箒を操り、人間とは思えない超常の動きで次々と魑魅魍魎を撃ち抜く。
その背を守るのは神狩りの巫女、結城小夜。彼女の式神"ヤタ"が青い炎を散らして空を翔る。
ふたりは既にかなり疲弊していた。
「これでは何時までたっても…」
「……!!小夜たん、危ない…!」
「えっ?」
強化された感覚故か、いち早く反応できた灯が小夜をひっさらって離れたのと同時に、二人の居た場所を巨大な漆黒の火球が直撃した。
「あれは…」
暗雲渦巻く大空を黒焔を纏った巨竜が覆った。
その側には、黒き天輪を持つ"姫"が下界を冷たい瞳で見つめていた。
「コードシルバーカートリッジッ!」
火竜と"姫"に気を取られたふたりをもう一人の"姫"が強襲する。
「てぇーッ!!!」
空気ごと凍らせるような、絶対零度の弾丸が無数に降り注ぐ。
「くっ!」
ヤタの炎によって辛うじて直撃は防げたものの、逸れた弾丸がアスファルトを穿ち氷柱を作り出した。
砲撃を繰り出した"姫"は、黒き猟犬の姿をしたしもべと共に悠然と現れた。
- 269 名前:少女たちの戰い2:2008/02/01(金) 21:28:37 ID:rm11Lhus
- 「ふん、さすがにここまで来ただけのことはあるか」
「敵…」
箒、ガンナーズブルームを構える灯。彼女を見て"姫"は眉間を寄せ、不機嫌そうに言い放った。
「……その胸…気に食わんな」
「──ッ!?」
灯の僅かな狼狽の隙を突き、"姫"は引き金にかけた指を動かした。
──その刹那。
凛とした銃声が辺りに響きわたった。
「くっ、何者だ!」
声を荒げたのは"姫"、拳銃を弾き飛ばされた事に動揺を隠せない。
「ふっ…「何者だ」だと…?」
答えるは青髪の少女。
従えるは白銀色に輝く忠犬"デュラン・マックスハート"。
「私は、真の宇宙一の美少女だ!」
「同じ顔……」
「でも、その…」
「それ以上言うな!アレは詰め物だっ!」
後から現れた自称"真の宇宙一の美少女"、久我なつきが小夜に銃口を向け、睨み付ける。
「ちょっとなつき!味方に銃口向けてどうするの!」
黒き火竜に紅蓮の火球が炸裂する。
「!!」
冷たかった天輪の"姫"の表情が苦悶に崩れる。
「こんな状況じゃ何が起こってもおかしくないけど…」
上空より灼熱の火竜"カグツチ"が火粉を散らせて舞い降りた。その頭上には火竜の主、鴇羽舞衣。
- 270 名前:少女たちの戰い3:2008/02/01(金) 21:31:54 ID:rm11Lhus
- 「こうも鴇羽と久我にそっくりなのは、な」
そして舞衣となつきの"鍵"、楯祐一。
「バカを言うな祐一、あんな紛い物のどこが私に似ている」
「あらなつき、珍しく意見が合うじゃない」
祐一の言葉にふたりは不敵に答える。
そして、さらに言葉を紡いだ──
「私はもっと美人よっ!!」
「私はもっと美人だっ!!」
見事にハモった二人のセリフに祐一以下、灯や小夜はもちろんのこと、ふたりの黒い"姫"も言葉を失っている。
「えーっと…」
「こほん。オマエたち、この紛い物は私たちに任せて先に行け」
「あ、はい」
「わかったわ……」
灯と小夜がこの場を離れ、城へと向かおうとしたその時──
「残念やけど、そうはいきまへんえ」
ふたりの前方のビルが倒壊し、その煙の中から複数の首を持つ巨大な蛟が鎌首を擡げた。
「静留の紛い物まで…、芸の細かいことだ」
「うちはなつきの知ってはる静留とちゃいます。うちの名前はSHIZURU、そしてこの子は清姫」
清姫と呼ばれた大蛇は威嚇の咆哮をあげた。衝撃で周辺のビルの窓ガラスが砕け散った。
- 271 名前:少女たちの戰い3:2008/02/01(金) 21:35:06 ID:rm11Lhus
- 「あんさんらにはここで止まってもらいます。堪忍な」
「そう、なら……」
「貴女を倒して押し通ります!」
銃口を大蛇に向ける灯、小夜とヤタも戦闘態勢をとる。
今まで黙っていた天輪の"姫"──MAIが口を開いた。
「あなたたちは騙されてる。その男に弄ばれて裏切られて捨てられるのよ」
そう言って祐一を指差す。
「……それは…」
「ふふっ…何を言うと思ったら」
「まったく、だからおまえたちは紛い物だと言うんだ」
舞衣となつきも自分自身の影…いや、偽りの塊に向かい合う。
「特別サービスだ。私と祐一のハート、とくと味わえっ!」
「そうよ、私は祐一と一緒だから戦える──この力、あんたたちなんかには絶対、負けない!」
ふたりのセリフに祐一は嬉しいのか苦笑しているのか、よくわからない表情を浮かべていた。
「お前ら…こっ恥ずかしいことを」
表裏一体、二対の"チャイルド"が同時に咆哮をあげた。
「「カグツチーッ!!!」」
「「コードシルバーカートリッジッ!!!」」
灼熱と氷結の渦が辺りを包んだ──
- 272 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:35:14 ID:UK4PiMo4
- しっえーん?
- 273 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:39:24 ID:BzHSaDH1
- 支援!
やばい、使おうと思ってた舞HiME組が活躍してるw
- 274 名前:268:2008/02/01(金) 21:40:10 ID:rm11Lhus
- 駄文に長文申し訳ないですorz
舞ーHiMEつながりということで、乙(漫画)の黒い人らにも出てきていただきました。
あかりんと小夜はともかく、舞ーHiME組はここでフェードアウト?w
- 275 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:44:21 ID:BzHSaDH1
- >>274
否! 悪いが、そのネタ回収させてもらうぜ!
>>209
呼んだ?
(三メートルの魔剣を引きずった化生が、裏界から様子を伺っているようです)
>>211
どうやらこの長き戦いにもタイムリミットが定められたようだな。
限られた時間は少なく、皆戦いに迷い、悩み、道を捜し求めている。
ならば、この俺が道を切り開こう!
予定では午前零時より地上組の、空を飛べない者たちのためのゲートを開く!
というわけで、スマンが道を開くために魔装機神と拾った舞Hime組をキープさせてもらう。
皆、しばらくこの場は任せたぜ!(サムズアップ)
- 276 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:49:26 ID:lz2yoF9v
- そーいや、サイバスターが登場しているわけでサイフラッシュって半径数km程度なら
敵味方識別して雑魚や弾幕程度なら余裕で殲滅できるんだよな。
STGにおけるボム(切り札)なわけだが……肝心なときにぶっこわれたか。
- 277 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:50:56 ID:UK4PiMo4
- うーん……一応この事態をなんとかするための種をいくつか仕込んでおいたものの、
このままだと他の方に最終日手伝っていただかないと収拾が付けられそうにないなー、とぼやいてみる。
まぁ収拾つかなくてもいいならいいかもしれんが、ここまで育ったんならある程度恰好つけさせてやりたいじゃないか
- 278 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:51:15 ID:nVEbRj2y
- 一つ一つにレスするのも無理あるから、今日の分で特に目が行った箇所を列挙してみる。
「主役(>>144、>>149)」「もはや非常識に思えないサイバスターの存在」
「剣が折れた魔剣使いの行く末」「vs正義の味方」「王子の介入」
>>145最初のやり取りが超俺好み。
ところで、ルイズの声が脳内再生できた俺は釘宮病にやられてますか?
- 279 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:53:48 ID:lQWKjn9p
- >>278
間違いなくやられてるな
- 280 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:53:52 ID:rm11Lhus
- >>275
どうぞどうぞww
あ、舞ーHiMEの最初の方、カグツチの黒龍ってのスルーしちゃいました、すみません。
平に陳謝。
いやー、しかし、クロスSS楽しいな〜。ここに居着いちゃおうかしら。
- 281 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:56:28 ID:+Kxer/MG
- >>276
サイフラッシュの最大半径は数十kmだよ。
- 282 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 22:01:23 ID:+pRdzH8I
- >サイバスター関連
それと”サイフォス”じゃなくて”サイフィス”だね。
魔装儲もしっかりいる…このスレの人たちを侮りすぎたか、俺。
- 283 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 22:03:30 ID:lz2yoF9v
- >282
それからカトリックじゃなくてカロリック(熱素)もな
- 284 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 22:04:16 ID:9bRnVbVv
- >>280
居着け居着け!w
このリレーSSが終幕すれば、手繰ね引いて事態を見守り又気分転換にリレーに参加していた
今迄の長編SS書き達がそろそろ自作続編投下するだろうから、
まったり読み手に回っても充分楽しめるもにょ♪
- 285 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 22:23:28 ID:TMoBqXnI
- >276
多分、後一発なんだよ。タイミングを計っているのかと。
そろそろ、聞こえて来る筈だ。
あの、西の彼方からやって来る高笑いが……
「うわははははははははははは!
東方の猛者達よ、今こそ『締め切り戦士ショウブレード』が共に闘う時ぞ!!」
「……いや、その……」
「ここ、病院なんでお静かに……」
「いや、失礼。これ、見舞いの果物です」
「いやいや、災難だったそうだな」
「あ、鈴木銀一郎先生!」
「よく、ここまで来られましたね」
「何、来たら駄目だと、言って聞かせただけですよ」
銀爺の『ナイスミドル』オーラが、東京中に満ち渡る。
暴走レイバーは電池が尽き、暴徒は鎮静化し、DMCのライブも終わりを迎えた。
怪物達の増殖にも歯止めがかかり、邪気眼達はその過剰スペックを持て余した。
東方不敗と劉蒼月は存分に拳で語り合い、まけん君はきょうかちゃんに回収された。
世界は、少しずつ良くなる……
「待て!この“世界の秩序”を差し置いて……」
「……偉そうな事を言っても、柊蓮司並に頭が悪いわね」
現れたのは、ぽ……蠅の女王。
「貴方はもはや、“変わり過ぎたこの世界の”秩序で無いの」
- 286 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 22:37:38 ID:TMoBqXnI
- 「な、なんだと……?」
「分からない?今のこの世界は、貴方が君臨していた世界に無いもので満ち溢れている。
車を作るのに電車の部品を使えば、それは電車なのよ」
魔王は、そう宣告する。愉快さと不愉快さを讃えた笑みで。
「……解説ご苦労様、ベール=ゼファー。後は、私がやります」
「あら、貴方は“世界の守護者”、墜ちたりとはいえ“世界の秩序”を相手にして戦えるの?」
「ふっふっふ、このような時の為に、切り札を一枚、伏せておきましたの」
アンゼロットが紫に合図すると、彼女は“世界の守護者として越えてはならない”境界を一時的に変更する。
「さぁ、無限の力を与えられた私の『全力全壊』、存分に味わって頂きましょうか……」
- 287 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:10:31 ID:XItQB2uk
- >>268-271
コードじゃなくてロードっすよ、弾を装填するんだから。
>>275
ダイヤモンドカートリッジと魔剣カグツチの登場、楽しみにしとります。
- 288 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:20:47 ID:rm11Lhus
- >>284
ですね♪
四年近く書き続けた、NW小説もどきで培ったスキルを披露するぜっ!
……すみません、脳内麻薬の分泌過多で調子ぶっこきました。
>>287
あーっ!やっちゃった…orz
アニメの時にも聞こえてた幻聴が…っ!!
ご指摘どうもです。
お詫びに吊ってきます。
あと…>>141さん。
旦那、それフェイト違いですwww
- 289 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:26:49 ID:dpIMe/pm
- 舞台裏:
アキバから少し離れた病院の一室にて
二人の男がまだ、いた。
そのひとり、菊池たけしは窓辺に立って、呟いた。
「矢野君が介入を開始したか…うひひ」
今更だが、菊池たけしはベテランGMである。
数多のリプレイで(笑)と感動をもたらした局地戦型物書きである。
その彼に声をかける患者服の男、井上純弌。
「ところで、菊池さん」
今更だが井上純弌はプロのゲームデザイナーである。
数々のゲームを手掛ける兼業イラストレイターである。
「なんだね、井上先生」
「柊達がえらいカッコイイと思いませんか」
いわばTRPGの達人の二人。
無数のセッションの荒野を歩いて来た二人である。
「ああ、カッコイイね! まるで、主人公のようだ!?(笑)」
「そう、まるでPC@! ユーアーヒーロー!?(笑)」
かつてこそ、その仲は険悪と言われていたいたが、なんだかんだで似た者同士である。
「シリアスだよね。登場タイミングも心得、戦術もツッコミもバッチリ!?(爆笑)」
「さっすが、クレバー大先生!俺達に出来ないことをやってのける!?(爆笑)」
共通点は色々あるが強いて挙げるなら、そのプレイスタイルである。
頷き合う二人。いそいそと紙束を用意し始める。
「……でも、ねぇ? こう、シリアスだと、ねぇ?」
「ええ、そうです。そうですとも」
“きくたけダイス”を握り締め、性別欄に“萌えキャラ”と書き込む。
そう、その共通点はGMではなくPLの時に如何なく発揮される。
「ネタが足りないよね!!?(一同爆笑)」
「セッションを破壊します!!?(一同爆笑)」
そう、ネタとダイナシである。何を隠そうこの二人。
かつて、謳われた“地獄のセッション面子四人衆”そのうちの二人である。
「うひひ……!」
「くっくっく……!」
後に人々は語る。
この時の二人の笑顔は実に良い笑顔だったと。
【誰か止めれ】
- 290 名前:275:2008/02/01(金) 23:32:11 ID:BzHSaDH1
- よし、前半部分が書きあがった。
ちょっくら投下してみるから、支援を頼む。
後半部分は一時投下予定だ!!(正直長い)
- 291 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:33:26 ID:UK4PiMo4
- >>289
がらっ!
小暮「じゅんいっちゃ〜ん、お見舞い(遊び)に来ちゃった〜♪」
- 292 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:34:16 ID:cE1RYfO3
- なんでだろう、柊や光太郎が涙目になっている裏でセプテントリオンの面子が号泣していそうなのはw
- 293 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:36:16 ID:BzHSaDH1
- とりあえずこれから大惨事の予感☆
なんというか、今のリレーって”EX”のノリじゃないか?w
- 294 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:36:42 ID:TMoBqXnI
- >289
銀爺まで出てきた(出したのは誰だ)のに……自重しろいw
>290
支援。
>291
……しまった、英魔様出すの忘れてた。
- 295 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/前編:2008/02/01(金) 23:37:19 ID:BzHSaDH1
- 激戦は続いていた。
「おぉおおおおおおおおおおお!」
風の如く。
疾風の如く。
白亜の翼が空を舞い、閃光の如き剣閃を持って駆け抜ける。
斬り飛ばされる異形、化け物、悪魔、巨躯。
黒い血潮と幻想のように掻き消える肉片を撒き散らし、暗き空に絶叫が溢れかえる。
幾十もの戦いの火花が入り混じる異形の戦場において、ただ一機の機械仕掛けの巨人はもっとも
異形を刈る死神と化していた。
「チッ、数が多すぎる!」
だがしかし、その死神の速度を持ってしても悪夢たちの数が尽きる様子が見えない。
見れば、地上で戦う者たちも悪夢たちの数に押され始め、生じる爆炎よりも殺到する悪夢たちの
勢いの方が増しているように思えた。
「マズイわよ、マサキ!」
「このままじゃ、負けてしまうニャ!!」
「分かってる!!」
咆哮を上げながら、残ったカロリックミサイルを全て射出する。
爆炎が上がり、白亜の巨人へと殺到しようとしていた悪夢たちを一時的に薙ぎ払うと、巨人は翼を
はためかせ、その全身に輝きを帯びた。
――サイコ・コンバーター、リミッターカット。
――フルカネルリ式永久機関、出力120%。
「俺の声に答えてくれ、サイフィス!」
群れ集う悪夢たちの歓声。
醜悪なる歌声が包みこむ戦場。
――“ ”
「!」
その中で、マサキは確かに声を聞いた。
誇り高き咆哮を上げ、自らの選んだ操者の決意に応える風の精霊の意思を。
世界を護るために生み出された誇り高き半身の力を。
「いくぜ!」
故に、それは放たれた。
「サイ、フラァアアアアアアアシュッ!!」
それは明けぬ空に昇る日輪。
絶望に満たされた闇への希望。
黒を染め上げる純白。
白亜の巨人――風の魔装機神が全身から放つ閃光が、戦場を埋め尽くした。
- 296 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:37:45 ID:XoBzrdCL
- >293
Exパラメータ(第3段階)を振れと……? 振れと言うんだな……?
- 297 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/前編:2008/02/01(金) 23:38:24 ID:BzHSaDH1
-
どこぞの高層ビルの屋上で、相変わらず観戦しながらのティータイムに入っていた三人が声を上げる。
「む?」
「わあ」
「ピュー♪」
遥か高き上空。
人間の視力では見えない遥か上空の一点を、魔界を支配する魔王とそのお供の堕天使とその地位を狙う魔神ならではの視力で見ていた三人。
その元まで太陽の如き白き光は降り注ぎ……
「温かい光です……ファルガイアに居た時みたいです」
「んー、ポカポカするねぇ〜」
堕天使と魔神の少女は白き光を浴びて、まどろむように目を細め。
「熱、熱ぅうううう!? なんだこれはぁあああ!!!」
一人、魔王の少年のみがゴロゴロと白き光に軽く焼かれて転げまわっていた。
どうやらサイ・フラッシュの邪悪判定に引っかかった模様です。
「ん?」
「おや?」
ヒーローに相応しきビームサーベルを振るうレッド、魔法少女とはまったく関係のない拳で戦って
いたべホイミの二人が上空の異変に気付いて目を見開いた。
「なっ、これは?!」
「ば、化け物が消滅していくッス!?」
白き光――サイ・フラッシュの光に飲み込まれた異形たちが、次々と絶叫すら上げる暇もなく消滅
していく。
「な、なんたるヒーロー的な必殺技!! 俺も見習わなくては!」
「そんなこと言ってる場合じゃないッス! 敵が手薄になった隙がチャンス! 今こそ攻め込む時ッスよー!」
魔法少女とヒーロー。
幻想の中にしかいないはずの存在は、確かな存在感を持ってねじれた城に向かって走り出した。
- 298 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/前編:2008/02/01(金) 23:39:19 ID:BzHSaDH1
- 数々の戦場に、その輝きは届いていた。
悪夢を振り払い、希望を運ぶ命の輝き。
それこそが、風の魔装機神の力だった。
「ハァ、ハァ……ッ!」
だがしかし、その輝きを放った使い手――マサキは荒い息をコクピットの中で吐いていた。
滝の如く噴き出し、流れ出す脂汗。
死人と見間違う血の気の引いた蒼白の顔色。
「だ、大丈夫、マサキ!?」
「只でさえ消耗が激しいサイフラッシュニャのに、リミッターカットまでするニャんて無茶ニャ!!」
「う、うるせえ……これぐれえしねえと倒せなかっただろうが……」
掠れ掠れの声で、マサキが毒づく。
先の見えない戦場。
数の知れない軍勢。
それらに対して、消耗を抑えていたプラーナを消費した渾身の一撃。
半径数万メートルにも及ぶ破魔の極光は、確かに戦場から悪しき夢たちを一掃していた。
「これで城へ行ける……!」
マサキはカサカサに乾いた唇でそう呟くと、空を見上げた。
あの時。
破壊神ヴォルクルスの分身体を倒した柊 蓮司と玖珂 光太郎が門をくぐりぬけ、それに便乗
するように数人の人物が内部へと飛び込んだ。
そして、マサキもまた後を追うように飛び込もうとしたのだが、瞬く間に膨れ上がり、強化された
異形たちの防衛網に突破が出来なかったのだ。
既に招き入れるべき客を入れ、招かざる客を閉め出すかのように。
だがしかし、もはやその防衛網はない。
あるとしても未だに交戦を続ける数人の門番たちのみだが、彼彼女らも相対する相手に気を取られ、
行く手を阻むことは出来まい。
「いっくぜええええええええええ!」
歯を食いしばり、フルカネルリ式永久機関を稼動させ、なけなしのプラーナを機体に供給する。
白亜の翼が羽ばたき、一直線に空を翔る。
――その瞬間だった。
- 299 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/前編:2008/02/01(金) 23:40:20 ID:BzHSaDH1
- 「悪いね」
翼を広げたサイバスターの方に、一人の赤髪の女性が降り立ったのは。
「なっ?!」
「ここから先は立ち入り禁止だよ」
白銀に煌くハルバート。
それを片手で掲げるその力はまさしく怪力。
だがしかし、それだけならば鋼の巨人であるサイバスターには何の障害にもならなかったであろう。
しかし、彼女は“姫”だった。
「来な、――【愕天王】!!」
虚空より出現した鋼の巨体が、反応するよりも早くサイバスターの胴体に激突する。
「ぐがっ!!!」
本来ならば躱すことならともかく、直撃は避けられたであろう一撃。
だがしかし、多大なプラーナを消費したばかりのマサキの反応は遅れた。
それが致命的だった。
――翼が砕けた。
バーニアを噴射し、鋼の砲弾と化した特攻に白き翼は折れたのだ。
「ぁああああああああああ!!」
落ちる。
堕ちる。
堕ちる。
本来ならば風となり、空を支配するべきはずのサイバスターが落下する。
風が堕ちた。
- 300 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:40:50 ID:UK4PiMo4
- 支援するでしか?
- 301 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/前編:2008/02/01(金) 23:41:12 ID:BzHSaDH1
- 低高度の空。
咆哮を上げる三体の巨獣と二体の炎竜と銀狼が激突する戦場。
「マズイ!!」
その場においてただ一人戦う術が無く、故に冷静に指示を飛ばしていた少年――楯 祐一が空を見上げた。
「鴇羽!!」
「っ、なつき。お願い!!」
少年の声を聞き、炎の円環を操る少女――鴇羽 舞衣が、相方の少女に声を飛ばし。
「ふん。この程度の偽者私一人でお釣りが来る、さっさといけ」
白銀の銀狼を繰る黒髪の少女――玖我 なつきが、怒声をもって応えた。
「わかった!」
「玖我、任せたぞ!」
「ああ、二人共さっさといけ! 雑魚は私が片付ける!!」
共に居た二人が、黒き龍に跨って飛び上がるのを見届けたなつきは、自らの肌を突き刺す敵意
に目を細めた。
敵意の発生源は、紛れも無い目の前の――“二人”。
「ひどいどすなぁ、なつき。うちを雑魚扱いかい」
八本の首を持つ異形の大蛇に乗る和服姿の少女が、クスクスと苦笑する。
「黙れ、静留の偽者め! デュラン、シルバー・カートリッジ――ロード!」
なつきの声に答え、白銀の銀狼――デュランの背部砲身が音を立てて、砲弾を装填し。
「甘い! デュラン、クローム・カートリッジ――ロード!」
それとほぼ同時になつきそっくりの風貌(一部を除く)NATUKOの声に、漆黒のデュランが砲身に砲弾を装填する。
装填音が重なり、放たれる声もまた同時だった。
「「てええっ!!」」
あらゆるものを凍てつかせる冷気の砲弾とあらゆるものを粉砕する爆炎の砲弾が、真っ向から激突した。
- 302 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/前編:2008/02/01(金) 23:43:08 ID:BzHSaDH1
- 空から落ちてくる白き翼の巨人。
それを受け止めるのは、灼熱の剣龍――カグヅチでも苦労した。
「くぅうう!」
「うおっ!」
自然落下の速度に加え、軽量化されているとはいえ金属製の鋼の巨人の質量を受け止めた衝撃は覚悟していた二人を驚かすのには十分だった。
『ギィイイイイ!』
「カグヅチ! 頑張って!!」
『ギシャアアッ!!』
翼をはためかせ、二度三度ホバリングして、ようやく止まる。
鋼の巨人を受け止めたカグツヂは軽く咆哮を上げ、楯と舞衣が鋼の巨人に目を向けた。
「えーと、だ、大丈夫ですか?」
「これって……中に誰か乗ってるのか?」
恐る恐るといった様子で、巨人の頭部に話しかける二人。
その時だった。
『だ、誰だ? あんたら』
拡声された若い少年の声が響いた。
同時に巨人の胸部が開き、中から緑色の髪をした少年が顔を覗かせる。
「よ、よおっ」
「えーと、あなたは……」
楯と舞衣がどうやって挨拶をするべきか戸惑っていると、巨人の操縦者――マサキが先に声を上げた。
「ん? お前らは……確か地上で戦っていた連中だな」
「あ、ああ。お前はさっき上空で戦った奴だよな?」
「そのロボット、なんなの? 見たこともないんだけど」
「……それはこっちの台詞だ。お前らこそ、その龍はなんなんだよ――、ッ!?」
返事を返そうとしたマサキが、突然視線の向きを変えた。
「――離れろっ!!」
「え?!」
- 303 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/前編:2008/02/01(金) 23:43:58 ID:BzHSaDH1
- 剥き出しの胸部のまま、鋼の巨人――サイバスターが動いた。
腕を押し上げ、装甲を掴んでいたカグヅチを押し飛ばす。
「なっ?! にを――」
なにをするんだ。
カグヅチに掴まりながら、そう叫ぼうとした楯の言葉が文字通り掻き消される。
目の前を貫いた“漆黒の灼熱によって”。
白き巨人が、彼方より飛来した黒炎に一瞬で呑み込まれ、燃え上がる。
黒い炎の塊と化して、地上へ落下していった。
「ぁああああ!!」
「これ、はっ!!?」
悲鳴を上げかける舞衣に、楯は咄嗟に視線を変えて、黒い火球が飛んできた方向を見据える。
そこにはカグヅチとそっくりの……しかし、より禍々しい“黒のカグヅチ”が羽ばたいていた。
そして、その龍の前に浮かぶのは黒き姫――“MAI”
「私を忘れたノ?」
「こ、のぉおおおおおおおおお!!」
壊れた笑みでそう告げる舞衣とそっくりな少女の笑みに、楯は咆哮を上げ。
「カグヅチィイイイイイイイイ!」
そして、涙を振り払い、舞衣は叫びを上げた。
――後編に続く!
- 304 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:44:50 ID:UK4PiMo4
- 段幕薄いー!
- 305 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:45:28 ID:BzHSaDH1
- 前編投下完了。
支援感謝する。後編はこれから書くw
他の人たちのストーリーに違和感のないように頑張る。
- 306 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:04:37 ID:XoBzrdCL
- わ。雑魚一掃された。どうしよう。(手元のテキストファイルを読み返しつつ)
ていうかこの期に及んで出てくんな、ラハール(笑)
- 307 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:05:08 ID:f/UsSsv1
- >>306
なに。雑魚とは次々に沸くものではないかw
- 308 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:07:41 ID:L94332Nz
- >>306
安心してください。
消えたのは数分間だけですから、悪しき夢ってポンポン出てくるし。
あとサイフラッシュのタイミングはそっちにお任せしますw 話の前でも、後でもw
- 309 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:08:25 ID:Vmz8CXlg
- あしきゆめ、な。
いや、職人さん邪魔してスマヌ頑張ってくださいね。
- 310 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:08:35 ID:H2lh67S3
- しょせんシューティングのボムということか!w
- 311 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:09:59 ID:uMoqu+XI
- >>306
>>230で敵増援確定してるみたいだから、好きな敵を好きなように出せばよろし
- 312 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:13:36 ID:A4NXPvjW
- そういえば、エリスってどうしてたっけ?
一回、出てきていたような?
あと、今のリレーでなくて、ちゃんとした作品でネギま!とのクロスってありましたっけ?
確認しようにも、前スレとかが落ちていて見れなかった(涙)
- 313 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:15:11 ID:mdCzORfS
- しかし…
大概のカオスを許容するNWとはいえ、ここまでカオスとは…
しかもリレーだろ、これ。中の人までSSに組み込まれるってどんだけカオスでメタなんだよ(w
- 314 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:26:52 ID:TuycUyGZ
- >313
まだだ、書いてる奴等とバナナワニ園が出ていない。
- 315 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:43:50 ID:H2lh67S3
- >313
まあ、ナイトウィザードだし。(しれっと
- 316 名前::ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/02(土) 00:44:10 ID:L94332Nz
- やばひw
予想より長くなってる。
タイミングを見計らって投下するので、もし投下待ちしている人がいたら先にどうぞw
- 317 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:44:39 ID:MjlwlICX
- 英魔さまがあかりんに介入したら、大分理不尽なリアルラックを得られそうだなぁ。
……と、書けない人間が妄言してみる。
- 318 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:47:00 ID:NihXAP7n
- >>131
ほら、これはきっとあれですよ。どっかの命知らずが仕掛けた儀式魔術なんです!
津々浦々のウィザードが各作品のキャラに介入しているんですっっっ!
……という電波を受信しました。
はい、もう寝ます。
- 319 名前:318:2008/02/02(土) 00:59:52 ID:NihXAP7n
- ミスったorz
313です。
ほんともう寝よ。
- 320 名前::ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/02(土) 01:06:35 ID:L94332Nz
- 後編半分書きあがったけど、もう限界臭い……
どうせ待っている人なんていやしないのさ(幻聴と被害妄想)
明日の朝投下します。
待っている人がいたらすみません。
- 321 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 01:08:11 ID:H2lh67S3
- >320
待って、お姉さま! あなたがいない物語が進まないの!
- 322 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 01:11:24 ID:uMoqu+XI
- >>320
いいじゃねーか。
おいらラストバトル書いてるけど投下できる時間なくて無理だなーと思ってる類だぜ?
- 323 名前:リリカル! 夢境学園:2008/02/02(土) 01:11:58 ID:L94332Nz
- >>321
な、なんだってえええ?!
じゃあ、しょうがない。
頑張るよ! でも、コーヒータイムぐらいは許してくれるよね?(下がるお茶は断固拒否する)
- 324 名前::ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/02(土) 01:12:53 ID:L94332Nz
- >>323
誤爆!w
み、みなかったことにしてくれえええええww
- 325 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 01:15:48 ID:6btlfcSg
- >>323-324
あ、あんただったのかっ!!wwww(驚)
なのはのクロススレでも頑張っておくれ。
あっちでも続き楽しみに待ってるぜぃ。
- 326 名前::ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/02(土) 01:18:41 ID:L94332Nz
- >>325
マ・ジ・で?!
誰にも期待されてないと思ったのに!?
とりあえず頑張って書き上げます。
二時、三時になるかもしれないが、規制にならない程度に……ならねえなw
まあいいや、執筆に入る!
皆、後は頼んだぜ!!
- 327 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 01:18:59 ID:PfqFH9RZ
- 安心しろ、ちょっとググるだけだぜ?
- 328 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 01:21:35 ID:nOB34XwZ
- よし、ではこちらはちょっとダイソード組を動かしてみる。
ついでに前スレでオデットが看破していたセプテントリオンの陰謀ネタも拾ってみた。
「Hyahahahahahaha!
それはグレートなプロジェクトデース」
ぶっ壊れた声が東京上空に木霊する。
「そうです。敵の狙いが人に神を倒させることなら……神の力で神を倒してしまえばいいんですっ!」
ヴィオレットの傍らで、千導会長が作戦の指示を下す。
それはあまりにも単純な、しかしそれ故に筋の通った理屈であった。
「王太君、聞こえる?」
「会長、すいません。柊さんと分断されてしまいました」
「いいの、それより上空を見てください。巨大な船が見えませんか?」
「上空ってええっ」
驚愕する王太の視界に飛び込んできたのはレイヴァーティンの巨体であった。
「Yeahhh!!トランスフォーーーーム」
とても正気とは思えないテンションの掛け声と共に、巨艦は見る見るうちに人型へと変形していく。
「む、むちゃくちゃだ……」
「この巨大ロボにダイソードを振るってもらいます。
神の武器でなら「神」を倒すことが出来るはずです」
「……王太」
「わかってる、ダイソード。会長さんの立てた策だ。のってみて損はないだろうぜ」
まとわりつく雑魚を振り払いながら、ダイソードはその名の通り巨剣へと変形する。
それを
「HAHAHAHAHA!ゴッドフォースゲットダゼッ」
レイヴァーティンは器用に掬い上げた。
同時に、ダイソードと同じ神の武器であるヨゴが、本来の機能である巨大な盾となり左腕に装着される。
「スバラシイ……。まさに人を超え獣を超えカミをも超える力デース」
「……大丈夫……だよな」
避難民の誘導を終えた桃月学園生達と元九江州中の一向
- 329 名前::ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/02(土) 01:21:59 ID:L94332Nz
- >>327
な、何をググるの?
な、なにを調べるんですか……? 関係ないよね? 自分と関係ないよね?
ねえってばw
- 330 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 01:22:16 ID:nOB34XwZ
- すまん、ミスった。
>>328の最後の一行は無視してくれ。
- 331 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 01:32:12 ID:PfqFH9RZ
- >>329
ああ、大丈夫大丈夫。気にしないでw
よし、なのはSSスレは明日見よう。
- 332 名前:少女たちの戰いを書いた人:2008/02/02(土) 01:32:55 ID:NihXAP7n
- >>329さん
あ、ちょうどいいんで一つ確認。
黒姫たちは邪気眼闘士扱いって事でいいですよね?
全く考えないで出してしまいました(汗)
- 333 名前::ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/02(土) 01:36:53 ID:L94332Nz
- >>331
いやぁああああああああああああwwww(悶え苦しんでる)
恥ずかしい、こんなにも正体がバレることが恥ずかしいなんて。
くれぐれも自分のIDを今回のスレで検索しないでくれ。お願いだ。
>>332
え? 普通に式神の城の捕らわれていた魂(平行世界とかの)扱いだと思ってました。
けっこうシリアス風味で扱ってます。
美味しく調理させていただきますよw
さて、そろそろ”奴”を出すか。
ある機体と激突すれば、銀河が消し飛ぶ奴を……
- 334 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 01:45:34 ID:ldCjc7do
- 「ねえ、E−MIYAだっけ」
『最強の戦闘員』の一撃を受けたE−MIYAの後ろより、静かな声が掛けられた。
「何者だ!」
痛みを堪えて振り向いた先には大剣を構えた一人の金髪の少女が立っていた。
その言葉を無視し、少女は言葉を紡ぐ。
「君の考える正義って何なのかな? ボクからも聞いて良いかな?」
「繰り返すが、人がより幸せになる事だ」
全く揺るぎなく答える。
「うん、君の言うことは間違って居ないと思うよ。で、君は何をしているのかな?」
続けて
「壊れかけ、軋みをあげ」
続けて
「もう限界だと君が判断したこの世界で」
続けて
「『次』の世界の為に今の世界を滅ぼす」
続けて
「一刻も早く」
そして
「でも、君は切り捨てた側を救う事は考えて無いよね」
切り返す。
「何を言っているのだ?」
E−MIYAが不思議そうに聞き返す。
「何故、君は『虐殺』で締めくくろうとしているの? 一人でも多く『追放』しようとは考えないの?」
一息付き、付け加えた。
「これだけ多くの『界渡り』がいるんだから、人をこの世界から少しでも避難させる事は可能」
E−MIYAの顔が強張った。
「要するに君は人を救いたくなんか無いんだね。……見下し、踏みにじりたいだけ」
少女は剣を握る手に力を込め、
「ならば、君は『悪』ですら無く、破滅の種子に憑かれた只の『外道』だ」
E−MIYAを睨み付け、
「だから、ボクは君に布告する。君を滅すると!」
『力有る言葉』を放つ!
「コースーモース! 我に力を!!」
召喚器『コスモス』と共にメサイア候補クリミア参戦!
「この世界が壊れかけてるのはアヴァターの修復の余波を受けてるのもあるからね、少しはボクも戦わないと」
最後に小さく呟く。
「たたる、後でこの世界の修復もお願いね。ゴメン」
あの状況でメサイア候補を一人存在消滅させたら、ほぼ確実に破滅側の勝利だと思う。
メサイアパーティーから一人減り、破滅の将は健在ってなんて敗北フラグ。
と言うわけでたたるは今、必死こいて「エンジェルブレス」でアヴァター修復中。
かなり都合の良い世界改変なので、歪みが出てる。そして何故かFTEに影響が出てるって追加設定。
その地獄のデバック作業が>>68
- 335 名前:少女たちの戰いを書いた人:2008/02/02(土) 01:46:24 ID:NihXAP7n
- そっちの方が断然かっこ良さげなので是非ともそれでww
後編、超☆期待してます〜。
- 336 名前::ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/02(土) 01:50:14 ID:L94332Nz
- >>335
了解!
頑張って書きます! ……しかし、自分だけアホみたいに長いなぁ?
正直空気読んでないのかなと心配になる今日この頃。
- 337 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 01:55:39 ID:PfqFH9RZ
- >>336
心配しなくても大丈夫。wktkして待ってる。
あ、ID検索はしないでおくよ。安心してくれ。
タイトル検索で大丈夫だから!
- 338 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/02(土) 01:59:17 ID:L94332Nz
- >>336
安心できるか!?w
- 339 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 02:02:34 ID:++0LKCd1
- >>323-324>>333
ちょwwwww今そこでSS読んでたwwwwwww
いろいろあって支援できないが、あっちでも期待してるぜ!www
つか、支援でどんだけ暴走してるんだwwwwいいぞもっとやれw
- 340 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 02:04:15 ID:MjlwlICX
- >>336
すごく楽しみにしてます。
そして、タイトル見たときから言いたいことがあったんだ。
……あるある夢境学園は、ちょっとマイナーすぎやしないか?
- 341 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/02(土) 02:07:43 ID:L94332Nz
- えええ?!
何このフルボッコ劇場!
やめて、やめてよ! これ以上いじらないでくれw
>>340
S式コミニケーションよりはマイナーじゃないと信じている。
ほしくず英雄伝よりはマイナーだとは思う。
そして、一言言おう。
――誰もやってない隙間産業を狙ってみた。
あと達也カッコイイし……
ってナイトウィザード関係ないよ!!w
- 342 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 02:12:24 ID:MjlwlICX
- >>341
安心してくれ。
挙げられた二つ、両 方 知 ら な い 。
実はまだ読んで無いので、あとでリリカル夢境学園も読んで来ますね。
- 343 名前:その頃のアンゼロット宮殿:2008/02/02(土) 02:12:28 ID:zbFOc0Kt
- そこは廃墟だった
「なんと、マァ…」ロジャーが周囲を見渡し、呟く
「……典雅ではないわね」
かつての栄華に思いを馳せてか、ふみこが囁く
「こんな戦場たくさんあったなぁ〜……」
あまりの変わり様に苦笑しつつニーギが言う
「……………」
言葉もなく惨状を見渡すアンゼロット
そう、ここはかつてアンゼロット宮殿と呼ばれていた場所。その成れの果てである
月の女神の居城であった頃の絢爛豪華さなど微塵もなく、広がるのは激しい戦闘の跡を残す廃墟だけだ。城内のロンギヌスもどれだけが無事かわからない
ウィザードの本拠地、アンゼロット宮殿はその機能を完全に停止していた
これはゆゆしき事態であった。今回の事件でも各方面と連携をとり、後方支援の要だった城が機能停止したのだ。どれほどの影響がでるか予想も出来ない
そこらのウィザードや魔王程度に攻められても墜ちるはずがなかった城
その城を単なる「戦闘の巻き添え」で壊滅させてしまうほどの力を持つ者同士の戦闘。今、それは止まったいた
八雲紫と玖珂晋太郎。二人は瓦礫の上で向かい合っていた。
これほどの戦いを繰り広げても両者健在。体に目立った外傷があるようには見えない。
「……なかなか、やるじゃない」
戦いの前より少しだけ汚れた姿で紫が言う
「やれやれ、乱暴な人だ」
こちらは先程と変わらず、微塵も汚れのない白い装束の晋太郎が笑みを向ける。
それから、晋太郎は周り見渡し、アンゼロット達の方を向き言った
「一つ目のお願いは少し難しくなってしまったかな?」
「……世界を守る。それは私達の当然の役目です。貴方に言われるまでもありません」
晋太郎を睨みつけ、毅然と言い放つアンゼロット
象徴たる宮殿が崩れたとて、守護者の心は折れはしない
- 344 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 02:15:50 ID:ldCjc7do
- ほしくずとのクロスだったらこれがあるだろうな
アンゼロット 「柊蓮司を発射しなさい」
ロンギヌスA 「H砲発射準備……発射」
結構、強力そう。
- 345 名前:その頃のアンゼロット宮殿:2008/02/02(土) 02:16:43 ID:zbFOc0Kt
- 「貴方の目的は何なのですか!?世界でありながら自ら危機を招き、何を考えているのです!?」
未だ覇気を失わぬ守護者に笑みを深め、晋太郎は答える
「僕の目的は、光太郎と殺し合うことだ」
その場の全員が動きを止めた
目の前の男は、そんな事のためにーー実の弟と殺し合うためにこんな事を仕出かしたと言ったのだ。
「そしてこれが二つ目のお願いだよアンゼロット。ーー僕と光太郎の兄弟喧嘩を決してじゃましないで欲しい」
晋太郎は語る。全てそのために舞台作りをしたと。セプテントリオンに赤羽くれはを渡したのは自分の邪魔をしない契約の対価だと。
「何故、そこまでして……」
「僕と光太郎が殺し合うのは、言わば運命だ。この世界のためーーより良い世界を創るための、ね」
「……その様な戯言に、私達が素直に従うと思っているのですか?」
晋太郎の正面には未だ紫が隙を伺っており
「まだ決着はついてないわよ」
背後からふみこが銃を構え
「私が求める世界は光太郎よ。あなたじゃないわ」
左方からはロジャーが刃を抜き
「コウを巻き込むな」
右方ではニーギが精霊の光を集めている
「こいつラスボスでしょ?ここでやっちゃえば」
しかし、その状況にあっても晋太郎から余裕は消えない
「“世界の守護者”である君が僕に剣を向けるのか?」
「ーーっ!!」
アンゼロットは顔を歪める。
目の前にいるのは世界に危機をもたらす敵だ。しかし、それと同時に自分が護るべき「世界そのもの」なのだ。
守護者であるアンゼロットには、玖珂晋太郎をどうすることも出来ない。
晋太郎は全員を見回し、言った
「焦らなくても、舞踏会の舞台は用意してありますよ。とびっきりの世界の危機がね」
段々と晋太郎の身体が薄れていく
「それでは、皆さん。頑張って世界を救ってください」
そう言いのこすと、晋太郎の姿はは消えさった
「……いいでしょう」
脅威が去りアンゼロットは呟く
「世界を救います。そして、もしも世界が世界を生きる人々を脅かすのならーーその時は」
決意を、固めた。
- 346 名前:その頃のアンゼロット宮殿:2008/02/02(土) 02:19:34 ID:zbFOc0Kt
- 「アンゼロット殿、拙者達はすぐにでも城へ向かうでゴサルよ」
改めて準備を整えたロジャーがアンゼロットへ声をかける
「そうして頂きたいところなのですが、生憎と今はサポートが……」
無事だったロンギヌスの数はそう多くない。
増援の選抜隊だけでなく、サポート要員にも少なからず被害が及んでいる。
だがーー
「問題ないわ。ミュンヒハウゼン」
「はい、お嬢様。柊様と光太郎様の座標は特定しております」
現れたのはふみこが従える万能執事ミュンヒハウゼン。彼にかかればこの程度は造作もない。
「わかりました。では、紫さん」
アンゼロットの言葉に紫は頷くと、その能力を発動する
式神の城とこの場所。二つの空間の境界は曖昧になりーー繋がった
道は開いた。ならばあとは進むだけだ
「よし、いっくぞ〜!!」
「いざ、友のもとへ!!」
「乗り込むわよ」
ニーギ、ロジャー、ふみこ
三人は式神の城へと転送された
「頼みましたよ」
アンゼロットは静かにそれを見守っていた
- 347 名前:その頃のアンゼロット宮殿・おまけ:2008/02/02(土) 02:22:00 ID:zbFOc0Kt
- ところで。
「…紫さん、よくも宮殿をこんなにしてくださいましたね!!」
「え?い、いや、それは……私だけの責任じゃないでしょう?」
「あそこで喧嘩売る必要なんかなかったじゃないですか!!無駄にお年を召して短絡的になったのでは!?」
「んな!?アンタにだけは年のことでとやかく言われたくないわよ、このオバサン!!」
「な、なんですってぇ〜!!」
「私は少女だぁ〜!!」
ぎゃあぎゃあ、と。取り残された廃墟では醜い仲間割れが起こっていたが、本筋とは何の関係もない。
- 348 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 02:25:47 ID:zbFOc0Kt
- これでおしまいです。
長々と好き勝手に引っ掻き回してすみませんでした。
やっぱり携帯からだと大変です……
- 349 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 02:47:21 ID:kHx6lfKJ
- とうとうクライマックスか!?
【さらに別世界からキャラを投入しようと考えている】
- 350 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/02(土) 03:24:15 ID:L94332Nz
- げ、限界。
中編完成。
マジで長い、全部出すと規制に確実に引っかかるから最後の後編は
朝出します。
支援よろしく。なかったら諦めて寝る。
四十分まで待つよ。
- 351 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 03:31:32 ID:++0LKCd1
- さあどうした? まだ3時を過ぎただけだぞ。かかってこい!
新作SSを出せ!! ネタを沸騰させろ!! 物語を再構築して立ち上げろ!! 支援を集めて投稿しろ!!
さあ夜はこれからだ!! お楽しみはこれからだ!!
Hurry! Hurry Hurry!! Hurry Hurry Hurry!!!
【田中天はやっぱ最高だよねという支援】
- 352 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/02(土) 03:33:55 ID:L94332Nz
- ち、ちくしょう!
寝ようと思ったのに! 寝よう思ったのに!
まだいやがったかぁあああああ!!!
というわけで、支援よろしく!
空気を読まずに長いぜえええええ!
- 353 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/中篇:2008/02/02(土) 03:34:54 ID:L94332Nz
-
炎と炎が激突する。
紅の炎、黒い炎。二つの焔が舞い踊るように、空を踊り、激突し、鍔競り合う。
「くっ!!」
紅き炎の所有者は鴇羽 舞衣。
「A―HAハハハHAHAッ!!!!」
黒き炎の宿り手はMAI。
紅蓮と漆黒の炎舞は、二人の少女を役者として演じられていた。
「くっ!? この力は!」
「騙されてるの、貴方は騙されてるのよっ!!」
黒い炎が膨れ上がり、爆炎を上げるようにMAIの一撃が舞衣を弾き飛ばした。
「きゃああ!」
高層ビルの壁へと背中から激突し、強引に肺の中の酸素が吐き出される。
――痛い。
涙が出そうだ。
風華学園での騒動もあって戦い慣れているとはいえ、苦痛には慣れていない。否、戦い自体
そこまで好きなものでもない。
戦っていたのはいつも大切なモノを護るために。
誰かを救うために。
大事な人に手を伸ばすために。
「なんで分からないの? ……NANでわかRAないの?」
壁にめり込んだ舞衣の前に、炎の翼を広げたMAIが浮かんでいた。
狂気の表情。
失望して、絶望して、ありとあらゆる負の感情に塗り潰された……悲しい顔。
舞衣は思う。
(なんでそんなに悲しい顔をしてるんだろう?)
自分とそっくりの顔だからこそ思う。
私はどんな思いを抱いたら、あんな顔を浮かべるのだろうかと考える。
そして、その想像が一つの畏怖すべき結論となって像を結びかけた瞬間。
「あなたは“裏切られる”」
「え?」
「アイツは、絶対にあなたを裏切るの」
そう告げるMAIは静かに彼方の方角を指差した。
その指先にいるのは、二体の暴れ狂う白と黒のカグツチの姿。
(カグツチ? いや、違う)
白きカグツチ。
その鱗に掴まり、決死な顔で共に戦いを潜り抜ける一人の少年がそこにいた。
鴇羽 舞衣にとって掛け替えの無い少年。
ただ一人の愛する人。
――楯 祐一。
- 354 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/中篇:2008/02/02(土) 03:35:41 ID:L94332Nz
- 「アイツはあなたを裏切るわ。絶対に」
「そんなことはない! 絶対に!!」
「――“本当に?”」
「え?」
悲しげな笑み。
悲痛に、壊れた笑み。
「ワタシは――“裏切られたの”」
黒き制服。
その上着をMAIは素手で破り、その胸元に浮かぶ“Hime”の印が見えた。
けれども、それ以上に――“醜く抉れた傷跡”があった。
「汚いでしょう? これは――アイツにやられたの」
「ゆ、祐一に?」
嘘だと、心が叫ぶ。
心が、思いが、悲鳴を上げてMAIの言葉を否定しようとする。
「そう、“なつきを選んだ祐一に”」
その言葉に、舞衣の心が軋みを上げた。
銃型のエレメントが手の中で踊る。
目線と銃星を合わせず、何十何百と撃ち続けた己の感覚で狙いを定め、引き金を引いた。
狙いは己の親友と瓜二つの――偽者。
だがしかし、その引き金を振り絞るよりも早く。
「アハハハハ! 甘いなぁ、なつきは!! そんなんでうちの清姫を倒せると思ってとるん?」
その姿がチャイルドによって隠れる。
銃弾は空しく、清姫の装甲に弾かれた。
「くっ! デュラン!」
「甘い! デュラン、てええ!!」
エレメントでの射撃を諦め、チャイルドに指示を出す。
――よりも早く、漆黒のデュランが咆哮を上げた。
- 355 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 03:36:31 ID:++0LKCd1
- >>352
はっはっは何を言っている。
俺たちは――"夜闇のSS書き(ナイトライター)"だ! 支援
【馬鹿はいいこと言ったつもりになっている】
- 356 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/中篇:2008/02/02(土) 03:36:42 ID:L94332Nz
- 咄嗟に反応して飛び退いたなつきの足元に、デュランの砲撃が突き刺さり――爆砕。
「がぁっ!!!」
爆風に吹き飛ばされ、なつきの体が十数メートル離れたアスファルトの上を転がる。
『ギャイン!』
それと間をおかず、清姫の一撃で白銀のデュランがなつきの傍まで吹き飛ばされてくる。
「デュ、デュラン……くっ!」
よろよろと震える膝を支えながら、立ち上がろうとするなつき。
その足を、SIZURUの連接鞭が薙ぎ払った。
「がっ!」
「かわええな〜、なつきは……」
再び地面を這い蹲るなつきに、SIZURUはゆっくりと歩み寄る。
クスクスと壊れた狂気の光を発す瞳で、SIZURUはなつきを舐めるように見た。
「そうそう、そういえばなつきは知らんかったかな?」
「なにが、だ?」
「うちらがここにいる理由。実はな、うちら――死んでるんや」
「なっ?!」
SIZURUの言葉に、なつきが大きく目を見開く。
その表情にSIZURUは愉悦の笑みを深くしながら、言葉を続ける。
「おかしいとは思わんかったのか? 自分と同じ顔の人間がいることに、そして“うち”がHime能力
を持っていることに」
「……SIZURU、ベラベラと喋るな。意味がない」
「ええやないか、NATUKI。頭でっかちばっかじゃ、もてへんよ?」
「必要を感じないな……私は、私一人が美しければそれで良い」
髪を掻き上げるNATUKIの態度に、やれやれとSIZURUが首を振る。
その間にもなつきは動くチャンスはあったのだが、驚愕の事実に凍り付いて、その好機を逃していた。
いや。
- 357 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/中篇:2008/02/02(土) 03:37:10 ID:L94332Nz
- 「そうそう、話の続きやったな。なつき」
最初からそんな好機はなかった。
狂った光を発する瞳で、なつきを見つめるSIZURUの目には言葉とは裏腹に一片の隙もなく、
狂気に満ちていた。
「うちらは死んどる。魂だけのおばけが、ちょっとばかし肉体を取り戻しただけに過ぎへん」
「じゃあ、今生きている――お前じゃない静留は! 私はなんなんだ!?」
「気付いてへんの? 今、この世界は……一つじゃないんやで?」
「は?」
怒声を交え叫んだ言葉は、意外な返答によって返された。
「疑問に思わんかったの? あんなむちゃくちゃな連中が暴れて、空があんなにもいっぱいの化け物で
あふれて、人型ロボットが空を飛んで、くるっとると思わんか?」
笑いながら、SIZURUは語る。
真実を。
歪んだ現実を。
「あらゆる可能性の内包。その中にはなつきがHimeな世界もあれば、そうじゃない世界もある。
うちが良い証拠や、うちはうちがHimeな世界からやってきた別世界の“静留”や。それも……」
ゆっくりとSIZURUの手が、なつきの首を這っていく。
冷たく、きめ細やかな静留の手と同じ感触。
デジャヴを感じる不快感と疲労感の二つに硬直するなつきの耳に、最後の言葉が囁かれた。
「なつき。“あんたと一緒に死んだ世界からや”」
その時、なつきの意識はギコチナイ音を響かせて停止した。
- 358 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 03:37:49 ID:++0LKCd1
- キャラ分からんが、Nice Boat.の予感?支援
- 359 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/中篇:2008/02/02(土) 03:37:56 ID:L94332Nz
-
燃え上がる世界。
焦げ臭い香り。
どこまでも脳髄を痺れさせる激痛と熱。
「ぁ……」
「マサキ、気が付いたニャね!」
目を見開く。
そこには燃え盛る世界で、モニターが覆われていた。
「一体……何が起きたんだ――ッ!?」
コンソールを操作しようとして、手に激痛が走る。
見れば普段は手袋で保護しているはずの両手が、黒く焦げていた。
炭化はしていないが、重度の火傷は負っているであろうことが感覚で分かる。
「チッ、しくじったか」
原因は分かる。
一瞬閉め遅れた胸部装甲、その隙間から噴出してきたあの黒い龍の灼熱の吐息。
その炎に焼かれたのだと理解する。
あれほどの威力。
普通にPTやAMだったら、一発で蒸発していることの疑いようのない熱量だった。
サイバスターが無事なのはラ・ギアスで精製されたオリハルコン製の装甲だからに他ならないな。
呪符的効果のある幾何学模様を金属粒子単位で封じ込め、地上世界とは異なる魔術体系で
作り上げられた魔術機だ。
単純な科学兵器ならばともかく、ああいった非常識の異能の類には耐性はある。
それでも無事とは決して言えないが。
「やるしかないだろ!」
決意に満ちた目で、そう吼え猛ってマサキが操縦桿を握り直そうとした瞬間だった。
『やれやれ、相変わらず単純な人ですね』
それは強制的に繋げられた通信機から響く声。
「なっ、この声は?!」
『あなたはそこで待っていなさい。やってもらうことがありますのでね』
響き渡る抑揚のない男の声。
その声を、マサキは忘れるわけがない。
それは――
その声の持ち主は――
- 360 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/中篇:2008/02/02(土) 03:38:32 ID:L94332Nz
-
「ふー、暇だねー」
ねじれた城。
その正門前で、MIDORIは愕天王の上に腰掛けながら、来るとも知れない侵入者を待っていた。
いや、具体的にいえば、他の門番と戦っている奴らがここまで来ないのかと期待しているのだが。
「つまんないの」
激戦は続き、地上は再びあふれ出そうとするあしきゆめに満たされていく。
幾人もの戦士が居た。
幾人もの異能者が居た。
幾人もの勇者となりえる者がいた。
けれども、空を飛べなければ――この門を潜らなければ城には入れない。
いや、もう城の“所有者”の人物が望んだ人間は中に入り、もはや誰かを入れる必要も無いのだが。
「……やれやれ、退屈だねぇ」
MIDORIは愕天王の上で欠伸をして……
『ならば、その退屈を打ち砕いて上げましょう』
上空から降り注ぐ声に、動きを止めた。
「は?」
閃光が――虚空から撃ち出された。
そして、その閃光は――彼女が護るべき正門を“砕いた”。
『なっ?!!』
その光景を見て、驚いたのはMIDORIだけではなかった。
異形と戦い続けていた緋室灯と結城 小夜。
アララ・クランと砲撃魔法を打ち合っていた高町なのはも。
エイジャ兄妹と激戦を繰り広げていた日向とナイトメアも。
そして、城へと目指し、戦っていた全ての人間と門番が目を見開いて驚愕する。
『いつまでも遊んでもらっていては困るのですよ』
そこには――“蒼き巨神”が浮かんでいた。
機械仕掛けの巨人、丸みを帯びた装甲に宝玉を思わせる輝きを帯びた結晶体を肩に付けた
鋼の破壊神。
その名を知る者は少なく。
されど、知る者は畏怖と共にこう語る。
――“グランゾン”、と。
- 361 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 03:38:33 ID:++0LKCd1
- おお敵さんが頑張ってる〜支援
- 362 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/中篇:2008/02/02(土) 03:39:17 ID:L94332Nz
-
「お前はぁあああ!」
そして、もっとも早く反応したのはMIDORIだった。
乗っていた愕天王から飛び降り、絶叫にも似た咆哮を上げる。
「トランスフォーム!!」
それは決められた解除コード。
愕天王の形状が変化する。
金属仕掛けの腕が、足が、装甲が、全身が複雑怪奇な変形を行い――そこに飛んでいたのは。
「“愕天大王”! Mark−U!」
蒼き破壊神と同じ鋼の巨人だった。
金属の翼をはためかせ、その巨躯を持ってグランゾンへと愕天大王が襲い掛かる。
「このぉおおおおおおおおおおお!!」
振り翳されるは巨大な鉄槌と変わらぬ鋼の拳。
加速を帯び、並大抵のモノならば跡形も無く粉砕する強力な力。
されど。
『邪魔ですよ』
蒼き破壊神――グランゾンが歪曲した空間から取り出した一振りの剣、グランワームソードの斬撃
を持ってそれは受け止められ。
「っ!?」
『雑魚には用はありません――ワーム・スマッシャー発射』
グランゾンの胸部のコアが輝いたと思った次の瞬間、愕天大王の胸が“後ろから”貫かれた。
「……なっ」
『消えなさい、哀れなる亡霊よ』
閃光が瞬く。
腕を、足を、翼を、胸を、頭を。
十秒にも満たない僅かな間に虚空より飛び出せし数百を超える光弾が、愕天大王の機体を蹂躙し、
粉砕する。
そして、光が収まったときに飛んでいたのはグランゾンのみだった。
『やれやれ、思ったよりも硬かったですね。予定より二秒も壊すのに時間が掛かりました』
拡声マイク越しの冷徹な声。
それは戦場を支配し、圧倒するのに足りる威厳を持っていた。
『さて、と』
戦場にいる数々の者たちの視線を意にも返さず、グランゾンは――それを繰るシュウ・シラカワは嗤った。
『懺悔の時間の始まりですよ、セプテントリオン?』
- 363 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 03:39:35 ID:++0LKCd1
- >>361
ちょwwwwwシラカワの人(だったっけ)自重wwwwwww支援
- 364 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/中篇:2008/02/02(土) 03:39:50 ID:L94332Nz
-
セプテントリオン。
そのフットワーカー。
彼は今回の事件で様々なミスを犯した。
予定外の人物たちの乱入、そしてそれを予測出来なかったこと。
だがしかし、その中でも最悪のミスがあった。
柊 蓮司と玖珂 光太郎。
二人の少年を神へと登り上げる儀式。
そのための生贄――すなわち供物としてリストアップした人間の中に【シュウ・シラカワ】の名前を
上げてしまったこと。
たかが次元世界の一つの機動兵器の開発者。
その程度の評価で選んでしまったことを。
彼が悔いる時間が与えられているかどうかはまだ誰も知らなかった。
――今度こそ後編に続く!
- 365 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 03:40:19 ID:++0LKCd1
- ずっとシラカワの人のターン?支援
- 366 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 03:40:56 ID:h27Rhne7
- 流石にグランゾンは萎えるわ…寒すぎてネタにもならねえ
- 367 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 03:41:53 ID:++0LKCd1
- >>364
GJ〜。なんというか話が進めば進むほどカオスが加速してる気がするのは俺だけか?w
- 368 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 03:45:11 ID:xzFoGO1b
- さ、最悪だ…自分を利用したものを決して許さぬ最強の自由人を舞台にあげちまった…
- 369 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 03:50:08 ID:h27Rhne7
- そもそもに生身で戦ってる連中が主体のところにロボとかなぁ…
ガジェットとしてでてるだけならともかく、そんなのがまるで「最後の切り札でござい」みたいに出られても。
そもそもに主役は柊と光太郎だろ?
くれはを攫ったとか折角のネタフリをスルーしてまで出すキャラなのか?
- 370 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 03:55:51 ID:++0LKCd1
- ・・・・あー>>356=>>369、毒吐きは自重してくれ。雰囲気が悪くなる。
せっかく上がったスレのテンションが台無しになるじゃないか。
- 371 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 04:11:25 ID:ybPPwuAu
- サイバスターとかグランゾンとか空気嫁とは思った
- 372 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 04:22:39 ID:MjlwlICX
- 逆に考えるんだ。
それらを打倒する程の敵勢力を、柊と光太郎が力を合わせて倒すんだと。
……真面目な話、書いてる人もそれくらいは考えてるんじゃないかな?
- 373 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 04:29:08 ID:PIxEQS7Q
- まあシラカワさんのことだ、いきなり現れたからにはいきなり帰るに違いない
- 374 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 04:38:28 ID:DyvyJFFi
- >>373
でも、この作者のやってることってサイバスターが雑魚を一掃したり
グランゾンが一掃したりと、他作品とクロスして絡ませたいと言うより
自分の好きなキャラが最強したいだけにしか見えない
- 375 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 05:43:50 ID:2lOsO1a6
- だが恐ろしいことにサイバスターは元を辿るときくたけがいたりするからなぁ
ところでネタを書いたら規制で書き込みできなくなってて軽く欝なんだが
- 376 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 05:46:42 ID:2lOsO1a6
- 言葉足らずだった
PCが規制に巻き込まれて携帯からしか書けない
既にテキストは起こしたというのにッ
泣ける
- 377 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 07:28:27 ID:mOh9DVqN
- ふむ、だが困った時のベール=ゼファー!
彼女なら今の様な世界結界からの影響が薄くなってる状況なら、
魔装機神の5体や10体程度は余裕で良い勝負をして
足留めしてくれるであろうて!w
- 378 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 07:32:52 ID:mOh9DVqN
- っつか、柊は全高200m程の超☆魔王や
全長800m程の精霊獣とも戦ってるんだから、
SS内なら生身でもスーパーロボット達と渡り合えるだろうて。
そして、敵もまた然り!!
- 379 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 07:54:46 ID:eXAuPaHI
- まあ式神の漫画版だと巨大ロボが晋兄に瞬殺喰らったりしてるからな
ぶっちゃけ雑魚にドンだけ強くてもボス倒せなきゃいみねーし
つーかNWも式神も敵が巨大なのは珍しくねーじゃねーか!!
むしろシューティングは敵がちっちゃいほうが脅威ですよ!!
- 380 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 08:09:21 ID:mOh9DVqN
- つー訳で、最低でもNW!キャラの見せ場を盗らない、
どころか見事な負けロールプレイでも咬まして
シーンに緊張感を与えてくれる様な役回りも担ってくれる様なら
スーパーロボット達も温かく迎えてようじゃないか、皆!(笑)
- 381 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 09:01:16 ID:Z6SQe8tA
- セブン=フォートレス世界でロボはでっかいやられ役の代名詞だからな。
気にすることないだろう。
- 382 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 09:04:03 ID:S398b/MC
- OG外伝のせいでグランゾンにイメージ
- 383 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 09:04:55 ID:S398b/MC
- OG外伝のせいでグランゾンにヘタレなイメージを持ってる俺もいる
- 384 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 10:35:53 ID:C7pg/BTo
- >>376
メールで携帯にテキスト送ってコピペコピペコピペ…
とかどうだろう
- 385 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 11:02:39 ID:qtLKBA/R
- >734
逆に最後までオチが書かれなかったキャラはサイバスターに一掃されたことにできると思えばいいんじゃね?
グランゾンもぶっちゃけゲート要員と思えば
つか存在自体が出オチ
- 386 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 11:13:42 ID:sey3ENj/
- >>385
スーパーロングパスだなw
タイムリミットまでにレス数がそこに到達する事が出来るかな?
- 387 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 11:39:44 ID:++0LKCd1
- >>379
>シューティングは敵がちっちゃいほうが脅威ですよ
そういやチルノが当てにくくて困ったなぁ・・・・気のせいかも知れないけど。(とほい目
どんだけ弾撃ってきても、本体がでかくかつモロけりゃ瞬殺で終わるんだしww
- 388 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 12:09:24 ID:fZdAPw99
- >NWキャラの見せ場を盗らない
とりあえず雑魚魔王とかロンギヌスの皆さんは別だよな?
- 389 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 12:11:35 ID:ox+eh5zC
- そいつらはれっきとしたNWキャラだからな。
- 390 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 12:18:33 ID:fZdAPw99
- いや、1行くらいで負けてもいいよね? って意味で
- 391 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 12:21:08 ID:eipJR1g8
- あそこらへんはモブとか下手したらエキストラ扱いだしなぁw
- 392 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 12:36:22 ID:kUrbgjWk
- >>388
あくまで「PC級の活躍は盗るな」ってトコだろ、常考
- 393 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 12:37:52 ID:fZdAPw99
- >392
さすが卓ゲ民
- 394 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 12:39:49 ID:eXAuPaHI
- >>390
そいつらの見せ場は何だと思っている
……ま、まさか「うわー、だめだー」を言わせない気か!
ひどすぎるぞそれは!
- 395 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 12:41:18 ID:hx3Zwb6i
- モブやエキストラの見せ場は、その存在が記述された瞬間だからねー。
具体的には登場した瞬間とかやられた瞬間とか
- 396 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 12:42:13 ID:hx3Zwb6i
- HAHAHA、被った上に気が利かないレスすぎだ俺
- 397 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 12:43:43 ID:ox+eh5zC
- ロンギヌス部隊が7人の侍みたいに一人また一人と散って逝く
そんな話を本編そっちのけで展開されても……それはそれでイイ!
- 398 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 12:48:21 ID:fZdAPw99
- 「ロンギヌスA(エー)、しっかしろロンギヌスA!!」
「き、来てはダメだ! 同志Cッ!」
すいません、どう見ても雑魚です。
- 399 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:13:25 ID:N3PzUKXa
- せめて名前のあるロンギヌスコイズミとかロンギヌスコジマメとかにしようよ
- 400 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:16:47 ID:gjG/0QmI
- エリアルの研究所員に謝れ
- 401 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:18:54 ID:eXAuPaHI
- 所員AとCはほとんどでてこねーやんw
- 402 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:22:27 ID:93KtALUo
- 唐突に柊蓮司強化プラン(今シナリオ限定)を思いついたが…
光太郎の強化はどうしよう…
- 403 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:23:42 ID:fZdAPw99
- >399
ちなみにBは月へのミッションの途中で……。
- 404 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:24:09 ID:gAk89NoV
- 耳から赤外線が出るようにパワーアップしてはどうだろう
- 405 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:30:41 ID:eXAuPaHI
- 光太郎はほっといても勝手に強くなっていくんで平気!
というか「どんどん拳の威力が上がっていく」「お札の爆発力が強くなる」以外の強化はらしくないなー、という個人的感想
そーいや光太郎が強くなればなるほど世界結界が強化されるんだよな
- 406 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:36:28 ID:2lOsO1a6
- 柊と光太郎どころか参戦者全体の強化ネタを書いたんだが
らしくないの一言で一蹴されたこの俺
- 407 名前:一方、魔界にて:2008/02/02(土) 13:40:12 ID:B6rI2qBq
- 「こんばんは、ニュースの時間です
この番組は全魔界、全宇宙に向けてギガビジョン放送にてお届けします。
まずはどうでもいい話題から」
『遂に滅びるか!?人間界!!!』
「人間界で起きている騒動は激戦化の一途を辿り、もはや止まる事の出来ない暴走列車と化しています」
「無事帰還した現地の特派員による貴重なインタビュー映像をどうぞ」
妖狐Sさん(永遠の765歳)
「いやはや、わしらの世界の時よりカオスじゃの」
ペンダントAさん(ピー歳)
『あの子と坂井悠二なら大丈夫だろう』
魔法使いKさん(ピー歳)
「弾幕はパワーだぜ!」
ロンギヌスの皆さん
「うわー、だめだー」
下がる男Hさん(ピー歳)
「今それどころじゃねぇんだ!戦闘中だから後にしろッ!」
ペンギンHさん(ピー歳)
「今回は俺の出番は無さそうだな」
騎爵Yさん(ピー歳)
「それも私だ」
編集者Kさん(ピー歳)
「人類は滅亡する!!」
声優Tさん(ピー歳)
「いぇーい、矢野君見てるー?俺魔界テレビに写っちゃったよー」
堕天使Fさん(1512歳)
「もうサイコーです!ヒーロー達の夢の競演をまじかに見られるなんてっ!
はっ、電池表示の残量が無いです!ラハールさんバッテリーバッテリー!!」
「以上です。好き勝手喋られてまったくインタビューになってない辺りに凄まじい混戦の様子が伝わってきます」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「まぁ、魔界じゃ頻繁に起こる事であり他の世界が滅んでもどうでもいいんですけどね、プレネールさん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「そうですね。お暇な近隣の魔王の方は侵略でもすればいいんじゃないですか?」
「では、次のニュースです。元超魔王バールに親戚が居た可能性が発覚しました…………」
- 408 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:41:09 ID:JH/ucgxi
- というか、光太郎は原点のとおりなら世界結界を積極的に崩壊させる
「裁定者」になるぞ。
奴の愛には限りがない。
光太郎のせいで「人間上位」の世界は終わりを告げて、「ゴージャスタンゴ」な
人間だろうが人外だろうが機械だろうが異世界人だろうが誰でも存在を否定されない
と言う世界が作られる。
- 409 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:43:15 ID:93KtALUo
- ああくそ、だめだ。
蜘蛛くれはとの戦闘シーンで柊強化ネタをやろうと思ったんだが、ぶっちゃけ一発ネタにしかならん!
- 410 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:50:15 ID:gAk89NoV
- このリレーSSは一発ネタの集合体のような気がするんだが
- 411 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:51:18 ID:aao6L+Kx
- >>409
一発ネタで充分!
寧ろこのリレーSS自体が超☆一発ネタだしw
- 412 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:53:52 ID:eXAuPaHI
- >>406
個人的感想だから、気にせずやればいいさ
というかそんなこと気にしてたら二次創作なんて出来ないぜw
皆が全く同じように納得できる展開ってのはまず不可能なんだから
>>408
あれ?
皆が平等だから特別な存在がいなくなる、だから特別な存在はどんどん力を失っていく、じゃなかったっけ?
というか作中の描写はそれこそ合わせ神子と一緒だと思うんだけど
最終的に裏界すら世界に取り込みそうなあたり単なる強化じゃすまないとは思うけど
……まあ、この辺の設定はあいまいにしといた方が書きやすいんだろうけどな!
- 413 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:55:02 ID:93KtALUo
- 前後の整合性とか他の人がネタを拾いやすくー、とか。
そういうの一切合切無視していいってんなら…やるぞ?柊強化一発ネタ。
- 414 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 13:58:00 ID:N3PzUKXa
- >>413
いけいけごーごーじゃんーぷ
ここまで来たらパワーアップしまくって、ケン・イシカワエンドもありですよ
もう整合性なんて気にしてられる状況じゃないですし
- 415 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:04:13 ID:TuycUyGZ
- >407
あの人声優なのかよ!
【とりあえずここだけは突っ込まずにいられない】
- 416 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:06:58 ID:aao6L+Kx
- >>413
大丈夫! 柊の事だから
いざとなれば息切れしただの身体が過負荷に耐えられないだの
もっともらしい屁理屈付けてブースト分を「下がる」様にすれば良いのだからw
- 417 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:09:29 ID:+evRXd3o
- >>415
一応現地スカウトでやったことあるようだし、まあそこらへんはいいんじゃないかなぁと
- 418 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:18:01 ID:93KtALUo
- おk、じゃあ書いてくる。
- 419 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:24:35 ID:3QtBs01I
- 金色のガッシュベル in
百人の魔物の子供たちの戦いもガッシュとブラゴで最後の二人となり、中学卒業式を迎えようとしていた高嶺清麿。
彼らも当然この事態を見逃すことは無かった。
東京上空
清麿はガッシュの伸ばした黒マントの上に乗り、マントを使った飛行能力を使い城の近くまで来ていた。
「ガンレイズ・ザケル!」
清麿の指差す方向にガッシュの口から複数の電撃を同時に放ち多くの怪物たちを撃ち落す。
「エクセレイ・ザケルガ!」
今度は雷の巨大な刃が20mくらいの飛行する怪物を貫く。
「あれは罠だ。次から次へと出会うはずのない者達が集うなんて矛盾は世界が必ず修正してくる。」
清麿が一度死の淵から甦ったときに身に着けた能力、答えを出す者(アンサートーカー)の力で城をこのままにした場合の答えを導き出していた。
その眼を使ってるため清麿の目は三つの輪となっている。
魔術師辺りなら魔眼と称すだろう。
瞬時にあらゆる答えを引き出す能力で引き出した答えは、世界に関わる結界の破裂と東京周辺の完全消失。
それも後数時間。
「清麿あの城をどうやって破壊するのだ?」
ガッシュが問いかけてくる。
「いくつか答えが出ているが、城をバオウで破壊するか、城に進入して核に当たるものを破壊する。
だが、城は誰かが侵入したようだから外から破壊するわけにはいかないな。
時間があれば全員を集めた作戦を使えるがもう時間も足りない。
城の内部は俺の力なら最短距離でたどり着ける。」
「うむ、だがいいのか清麿、魔界のみんなの力を借りなくても。」
「ああ、これは俺たち人間界の問題だからな。」
「清麿!忍者が走ってるぞ!」
突然ガッシュが地上を見て言った。
「そんなわけ・・・いた。」
道路を猛スピードで走る忍者を空中から眺める二人。
「なんのコスプレ・・・いやこいつは本物だ。ガッシュ、あの忍者の傍まで飛んでくれ。」
「わかった清麿。」
ガッシュは地上へと降下し始めた。
「ん?なんだ人が飛んでるぞ。」
当然、忍者も彼らの姿を視認する。
しかし、慌てない。
宇宙人だっているのだから人が空を飛んでも可笑しくないと無理矢理納得した。
彼の名前は陰守マモル。
忍者でも頂点に立つ陰守一族の少年である。
「あのーもしもし忍者さんあの城へと向かってるなら一緒にいきませんか?」
子供のマントに乗った中学生か高校生か微妙な年頃の少年が話しかけてきた。
「その便利そうなマントに乗せてくれるなら。どうやって城に潜入しようかと考えてたんだ。」
「私の名はガッシュ=ベルでこちらは私の友達で高嶺清麿だ。」
マントを羽織った子供が名乗った。
「僕は陰守マモルよろしく。」
「お互い自己紹介して悪いが時間がない城の潜入に手伝って欲しい。」
「僕は最初からそのつもりだったけどね。」
こうして、高嶺清麿とガッシュにマモルを加えた俄かトリオは城へと向かって飛び立った。
- 420 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:27:23 ID:FaI+QySN
- 〜武蔵野市・夢うつつ〜
腕枕でくうくうと寝息を立てる、白い少女。
誰にも干渉されない場所で、誰よりも自分――正確には自分の全てをを任せている人間だが――
を受け止めてくれる、【彼】の二重の意味での安住の地。
宿主が眠っている今も、【彼】が顕在化することはない。ただ夢の中でのみ、宿主と混ざった状態で存在する。
即ち『夜ノ森優脳内会議inどりぃ〜む』である。
が、今日は夜ノ森がハッスルしすぎで燃え尽きているので【彼】の比率がやや濃い。
夢の中で、時間や距離は意味を成さない。
だから遠くにありながら【彼】は見ていた。秋葉原の惨状を。空に聳える異形の城を。世界を諦めないと叫んで戦う者たちを。
だから【彼】は考えた。
――月末に地デジ対応テレビとやらを買いに行くと言っていたな。
秋葉原がなくなってしまえば買い物に行けなくなる。
――夜ノ森も真白も困るだろうな。
それは避けたい。夜ノ森の機嫌は自分の機嫌である。不愉快は厭だ。そのために世界を何度も繰り返してきたのだから。
――妹と陰陽師が困っているな。
異世界の機神の放った光によって一時的に敵は数を減じていた。が、どこから湧いてくるのかまたしても雲霞のごとく押し寄せている。
――このまま放置していたのでは……世界が滅びるであろうな。
どうなっても武蔵野市一帯は平気だろう。ここは既に別世界といってもいいほど強固に安定させてある。
だがその外は違う。そして市外全てがなくなるというのは――今は人間の身としては流石に困る。
――気に入らんな。
世界観の違う連中。七星を名乗る死の商人どもも、世界の方向性を決めるなどという馬鹿げた存在も。
七星は名も無き世界で暴れておればよい。ワールドオーダーなど七つ世界のためにのみ存在すればよい。
――本当に、気に入らん。
八つ世界に介入する不届きな連中。我の世界を食い荒らす、度し難い愚か者ども。
――さて、どうしてくれようか。
直接力を振るうのは拙い。色々なものが壊れてしまう。我はまだ幸せな夢の中でまどろんでいたい。
そこで、ふと思い出した。昔の自分を討った、あの力。あれならば最小限の干渉で最大の効果を得られるのではないか?
- 421 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:27:56 ID:FaI+QySN
- 夢の中、上も下もない空間に手を振るう。
その描く軌跡は即ち奇跡。世界を創りし者の、僅かばかりの我侭を通すために生まれる輝石。
石はプラーナ。たった今集められた、存在そのものを司る万能なる力。
石が、力が、形を、変える。
――まあ、こんなものか。
一瞬の後、何もなかった虚空には大量の薄っぺらいカードが並んで浮いていた。
巫女やら忍者やら絢爛舞踏やら砲撃魔導士やら様々な人の姿が絵柄として刷られたカード。
創造の際、特に注力したカード6枚を手に取る。
【下がる男】が3枚。
【青にして群青ならぬ者】が3枚。
チートもいいところだ。どうやら傷の治療をするらしいので、それに乗じて使ってしまおう。
――さあ、受け取れ。小さきものども!
戦場と化した秋葉原に、決して小さいとは言えない【小さな奇跡】が舞い降りる――
と、所謂「奇跡の大逆転」を特に理由も無くやってもよかろうな舞台装置を用意してみました
内容説明しときますー
・PC版ナイトウィザードでは、キャラクター召喚用カードを重ねがけすることでレベルアップできます
・カード3枚重ねた時点でラスボスもひょいひょいと捻るチートキャラの出来上がりです
・2枚でもラスボス以外はほぼ相手にならない性能に引き上げられます
要はすっごく強くなります
柊と光太郎は3枚、他の参戦者全員0〜2枚で任意に使用してくださって構いません
あくまで演出補助目的ですので、「そんなもの必要ねえ!」という方は無視してくださってOKです
得られる効果も強くなる方向で都合よく設定してください
NW世界観に拘って、且つ全体に対しての最大の助けは何になるかな、と考えたらこんな感じになりました
良ければ使ってやってくださいませ
ちなみに【彼】はPC-NWのラスボスです
超至高神とも異世界の神とも幻夢神だとも議論は紛糾しましたが、公式設定が決まっていないため推論されるのみです
創造神クラスの化け物であることだけは間違いないのでこのような役どころを担っていただきました
- 422 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:31:52 ID:2lOsO1a6
- ぐは、代理してもらった投下が他の人に被るとは…
- 423 名前:413:2008/02/02(土) 14:40:46 ID:93KtALUo
- では、柊強化一発ネタ、いきます。
戦いは、熾烈を極めた。
玖珂晋太郎とフットワーカーの手により蜘蛛の異形と融合させられた赤羽くれは。
彼女を救おうとするものの、有効な手を打てない柊蓮司と玖珂光太郎(と、おまけのクラリス・パラケルスス)。
「おいクラリス!光太郎は!」
「うわひど…。えと、60秒!60秒待って!全快させるから!」
そんな中、焦りが出たのか光太郎が蜘蛛くれはの攻撃をもろに食らい戦線を離脱してしまう。
治療のため、クラリスも手が離せない。
(ええい、マジできついぞ。なんつーか前にラース=フェリアに行った時みたいなヤバさを感じる…っ!)
だが、天は彼を見捨ててはいなかった。
『…えますか。聞こえますか、ヒイラギさん』
『やっほー、ヒーラギー。げんきー?』
- 424 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:41:01 ID:DGNkF2sM
- >>419
マモルは宇宙人がいると信じてないぞ。見た後忘れたしw
- 425 名前:413:2008/02/02(土) 14:41:44 ID:93KtALUo
- 「コレは…この声は!」
それは、かつてともに戦った仲間たちによる、世界を超えた支援の手。
『此度の争い、私たちは直接手を貸すことは出来ません』
『でも、なんか役に立つアイテムくらいなら何とかー、ってことで頑張ってみた!』
「ポーリィ、ガーネット!」
『クレハさんは私たちにとって姉のようなもの…』
『だからねヒーラギ、コレを使って!』
そして柊を包む眩い光が現れる。
その光が収まったとき、柊の体は黄金の輝きを放つ全身鎧に包まれていた。
「これは…まさか…っ!」
『よう、柊。くれはさんが危ないらしいじゃねえか』
「…だれだっけ?」
『…トウガだよ』
『かつて、柱の騎士として戦った真炎の騎士トウガの鎧です。彼の魂は、今でも鎧と共にあります』
『こっちの人で、ヒーラギと関係が深くて、なおかつそっちに何の問題も無く行ける人、ってことで選んでみました!』
それはかつてのライバル(?)の力
『さあ、やるぞ柊。魂だけとはいえコレでも元ウィザードで柱の騎士だ。防御力と火力なら任せろ!』
「よし、いくぜ!」
『「イブセマスジィィィィィィィーッ!』」
“ぺちん”
「…あれ?」
『…おや?』
“ぴちゅーん”
『ばかな!神代の時代から存在する、この柱の騎士の鎧が砕かれるだとぉぉぉぉぉっ!?』
「お前結局何しにきやがったぁぁぁぁぁっ!?」
だがそれでも、柊蓮司は貴重な60秒を稼ぎ出したのだった。
以上。
60秒だけの柊スーパーモードでした。勢い任せで書いたから見苦しいのは勘弁。
- 426 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:48:29 ID:lELwWC/a
- 流石きくたけ製インスタントライバルw
しかし、カニアーマーが通じない相手とは・・・一般ウィザードが泣くほどのインフレが発生してるようだな
- 427 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:52:10 ID:++0LKCd1
- >>425
トウガ役にたってんだか立ってないんだかわかんねえええ!wwww
- 428 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 14:55:09 ID:93KtALUo
- ちなみに、元ネタは聖闘士星矢の最後の方。
ポセイドンが送り込んだ黄金聖衣がまったく役に立たなかったシーン。
- 429 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 15:00:59 ID:VoRtpbgS
- >>424
このマモルがNW仕様か原作仕様かどうかで決まるんじゃ?
NW仕様なら、それこそエミュレイターがいるんだから宇宙人くらい納得しそうな気もする
と言うか、阿智キャラ出るのこいつが初めてか?しまった…もっと初期の頃から言及しておくんだった……!
- 430 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 15:06:50 ID:DGNkF2sM
- >>429
奴はサル忍者とか化け狸とか幽霊とかは認めても宇宙人は認めてないんだぜ?
- 431 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 15:13:21 ID:Dl0mw8KU
- やっぱ蟹はだめか、先代蟹の黄金はかっこよかったんだけどな。
- 432 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 15:30:57 ID:GbEuR4za
- >>428
その路線で言うなら柊が、神話の時代に冥王に傷を付けた男の転生になってしまう
- 433 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 15:31:24 ID:Y8bTrbD+
- >>431
- 434 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 15:32:24 ID:Y8bTrbD+
- >>431
マニゴルドに哀悼の意を送ろう(-_-)
- 435 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 16:13:18 ID:ShrtutOr
- 「なんなのよ、なんなのよこれ〜!」
堀口ゆかりは焦っていた。
呼び出したクリーチャーも、設置したトラップも
規格外の戦闘力を持つ者たちにことごとく蹂躙されているのだ。
「まるでクソゲーじゃない・・・バランスも何もあったもんじゃない。
うっそ、Cエリアが一瞬で壊滅?
ああっ!城に入り込んできてるのもいるぅ〜!!」
状況を伝えるのはどれも戦況の悪化を知らせるものばかり
城の内部は空間を歪めてあるとはいえ、
このままでは予定外の役者達が晋太郎の元までたどり着くのはそう時間はかからないだろう。
「こうなったら強力なユニットを召喚して時間稼ぎしなきゃ…
セット、マジック! サモン“不死の剣士”」
取り出したカードから光が迸り、次第にソレは人の形を成していく。
光が治まると、日本刀を携えた赤毛の男が姿を現していた。
真っ赤な学ランを着てはいるが、その身に纏う雰囲気からは軍服にしか見えない。
「我が名は柳生宗崇。この世に混沌をもたらす者だ。我を呼んだのは貴様か、小娘?」
「そうよ、早速だけど城に入り込んだネズミちゃん達をやっつけちゃってよね」
少しでも時間が惜しいと焦っていたゆかりは状況を伝えて柳生へ命令を下す。
「捻じれた城…《世界の秩序》…クフフフフ、ハァーッハッハッハッ!」
「な、なによ?早く行きなさい!あなたの仕事は伝えたはずよ」
ゆかりはただならぬ雰囲気を感じたが召喚主と駒の関係の優位性から再度命令を下す。
「早く行きなさい!なんのためにアンタを喚んだと思ってるの!」
「貴様には感謝するぞ…この城と《世界の秩序》の力、我が貰い受ける!」
言うが早いか、柳生宗崇は手にしている刀で堀口ゆかりの胸板を貫いた。
「うそ…っ!?ユニットが召喚者を攻撃できる、はずが…ゴフッ!
こんなの、ルール違反、よ…」
ヅプリ
刀をゆかりから引き抜くと、柳生は刀の血をぬぐうこともせずに部屋から出て行った
その場にくずれ落ちたゆかりとどめは必要ない。
寸分違わずに心臓を貫かれたゆかりの眼からは既に生気が失われかけている。
「…ホント、にっ…なんてゲームバランスなのか…しら。ごめ…晋ちゃん、私は先にゲームオーバーしちゃう、ね…」
赤にして桜、堀口ゆかりはその体を光の粒子へと分解されて虚空へと消えていった。
カードで城を守る無数の化け物を支配している、堀口ゆかりが欠けたことにより
知性の低いモノ達からは統率が消えた。
だが、それも一瞬こと。すぐに新しい秩序が生まれた。
いや、正しくは「元も古い秩序」が。
すなわち弱肉強食、眼前に現れるものを襲い、奪う。
まさに辺りは混乱を極める状況となったが、統率を失えば異形の者たちも烏合の衆にすぎない。
死線を潜り抜けてきた者たちが、この状況を逃すはずもなかった…。
- 436 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 16:17:32 ID:ShrtutOr
- 堀口ゆかりには退場してもらいました
ついでに城外の雑魚もモブからエキストラ級に弱体化したので
おいしく料理してやってくださいw
- 437 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 16:54:58 ID:DN25iQqI
- ゆかり死んだぁぁぁぁぁ!?
2って事は本人だから・・・これは某ゆかりトラウマ持ちの作家を参戦させるべきなのだろうか
- 438 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いている人:2008/02/02(土) 17:36:52 ID:tIz1T1hJ
- 規制解除されたかな?
グランゾン投入で争論を起こしてすみません、一応意味があるんです。
踏み台にはしません。
全ては最高のエールのために!!
- 439 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 17:38:39 ID:++0LKCd1
- >>438
あ、あれ?支援足りてなかったか・・・・? <<すまない>>
- 440 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いている人:2008/02/02(土) 17:40:48 ID:tIz1T1hJ
- >>439
どうやら一人の書き込みでは規制される模様です。
でも、支援ありがとうございました。
睡眠をとって、用事も済ませましたのでこれから大詰め。
19時までには完成させて投下させたいと思います。
グランゾンとサイバスターの登場の意味はこれで分かると思いますので、
どうかよろしくお願いします。
- 441 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いている人:2008/02/02(土) 18:53:45 ID:tIz1T1hJ
- ぎゃふっ!?
また長い、長いよ。
予定よりももうちょっと掛かります。
もし投下予定のある人は先にどうぞ。そのネタも出来る限り拾っていくんで。
一時間は遅れないと思う(汗)
- 442 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 20:03:39 ID:rjLF0kzi
- PCの前で待機準備良し!
お茶とお菓子を用意、トイレも行った!
さあ、来い!むしろ来て!
(紅い)月は出ているか?!(馬鹿は脊髄反射でモノを言っている)
- 443 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 20:04:42 ID:LpmN1Lpl
- >>437
それは止めておいた方がいいとw
そのネタは製品じゃやってないし半ば以上内輪ネタだから、一応公式?とはいえ知名度差がありすぎる
ネタだろうけど、ちょっと気になったんで。スンミセン
- 444 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いている人:2008/02/02(土) 20:09:44 ID:tIz1T1hJ
- あと1シーン!
これで舞Hime組と魔装機神組完了じゃああ!!
三十分はかからない!
まってくれええええ(土下座)
- 445 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 20:17:49 ID:+evRXd3o
- >>442
ガンダムX参戦フラグと申したか?
- 446 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 20:25:25 ID:TuycUyGZ
- 一応パトレイバーとクラウザーさんは退場させた。ダイガードも師匠達も実質的に退場だ。
流鏑馬君を誰も拾ってくれなかったのは残念だ。
>445
ハッタリの仕業、かな?
- 447 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 20:48:38 ID:YtYjUzJ4
- ゴルゴムの仕業だッ!
- 448 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 20:55:08 ID:dRvhjAi4
- おのれクライシスッ!
- 449 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いている人:2008/02/02(土) 20:55:40 ID:tIz1T1hJ
- すみません、8時から投下開始してもよろしいでしょうか?
相変わらずクソ長いですが。
- 450 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 20:56:56 ID:PIxEQS7Q
- >>449
時計をよーく見てみるがいい!
- 451 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いている人:2008/02/02(土) 20:58:07 ID:tIz1T1hJ
- あ すみません 九時からでいいでしょうか?
タイムトリッパーになりかけてるよ 俺(汗
- 452 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:15:11 ID:7bUQVNX6
- では開始前にCMでも
二人は(演出的な意味で)普通に出会い。
二人は(きくたけリプレイ的な意味で)普通に恋をし。
二人は(お約束的な意味で)普通に結婚しました。
ただ、一つだけ普通でなかったところは。
旦那さまは世界を何度も救った魔剣使いで。
奥様は―――
@魔王の生まれ変わりの巫女だったのです!
A長い年月を経て性根が捩れまくった世界の守護者だったのです!
B過去に飛ばされ夫専用の戦艦を作ってしまった同僚と、彼女の子孫だったのです!
C似非外国人なヴァルキリーだったのです!
Dいささか貧乏な神だったのです!
E錆びたシャードを持つ少女だったのです!
F破壊神の生まれ変わりだったのです!
問:@〜Fの中で最も不幸な結末を選べ
- 453 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:16:46 ID:/ZNbgDme
- 8の聖王が愛人の無邪気な聖職者で一つ。
- 454 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:17:12 ID:7BRrw0IZ
- 5と7がよくわからないが4が一番最悪だと思う
- 455 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いている人:2008/02/02(土) 21:18:51 ID:tIz1T1hJ
- 3が一番幸せな気がする。
あと9の自分そっくりな少女とかw
投下開始してもよろしいですかね?(返事がないと怖いチキン)
- 456 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:20:35 ID:++0LKCd1
- >>455
Hurry! Hurry Hurry!! Hurry Hurry Hurry!!!
【昨日のネタはまだ終わらないぜ!】
- 457 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:21:51 ID:rjLF0kzi
- >>455
7時の時も、8時のときも、30分遅れると告知されたときも!
僕はずっと待っていたッ!
- 458 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:22:33 ID:ldCjc7do
- >>454
5は三下、7はエリスの事だと思う。
便乗、
H怪しい薬開発が趣味のロリ少女だったのです!
- 459 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:23:07 ID:NihXAP7n
- 5が翠、7が明日プロの茉莉ですネ?
自分は10のゲーム感覚で世界を滅ぼそうとする、ぽんこつ魔王さまを支持します。
- 460 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:23:14 ID:tIz1T1hJ
- ありがとう皆。
よし、これで最後だ!
リレーSS作家の全てに届けるパスだ!
いっけええええええええええええ!! あと支援頼みます。規制怖い!
燃え上がる世界。
紅蓮の焔の中から、その折れた白き翼は空を見上げた。
「シュウッ! なんでお前が?!」
異形の夜空に浮かぶのは、絶大なる威圧感を放つ蒼き破壊神。
『やれやれ相変わらず騒がしいですね、あなたは』
『ピーチクパーチク、まるで鳥のようッスねご主人!』
僅かな嘲笑と多大な呆れを含んだ抑揚のない男の声と騒がしい声。
間違いない。
あれは、シュウ・シラカワだ。
「なんでお前が――」
『理由は単純ですよ、マサキ』
声を荒げるマサキの言葉を切断し、新たな部分に溶接するように言葉が編まれていく。
『彼らは――“私を利用しようとした”』
蒼き破壊神、グランゾンの琥珀色を思わせるアイカメラが鈍い光を放つ。
空を埋め尽くし、大地を蹂躙し、世界すらも呑み込まんと吼え猛る異形たちが、その光に怯えた。
『その罪は償わせなければならない。この茶番劇の書き手である七星の死の商人――
セプテントリオンを』
「セプ、テン……トリオン?」
『いずれ、あなたたちとも関わりになるであろう集団ですよ。名前ぐらいは憶えておきなさい』
破壊神がゆっくりと高度を下げ、燃え上がる白き翼に手を翳した。
一瞬機体の全身に光が走り、同時にサイバスターのコクピット内に映るモニターに大量のデータ
が羅列されていく。
「な、なんだ?!」
『グランゾンが解析した転移座標及び周囲に発生した特異点の情報、そして式神の城の魔術構成
……あなたのサイバスターに搭載されている【ラプラスコンピューター・デモンタイプ】ならば
可能なはずです。私の望む結果を導き出すことが』
「なにを企んでやがる、シュウ!」
与えられた情報。
意図の読み取れない言葉。
その全てが、シュウを嫌悪するマサキにとって何かの陰謀のようにしか思えなかった。
- 461 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:24:02 ID:tIz1T1hJ
- 『――魔装機神の操者が背負うべき使命』
「なっ」
『例えここが私たちの知る地上ではなくとも、世界を護るのが魔装機神操者の使命では
なかったのですか? マサキ』
「……」
「どうするニャ、マサキ?」
「どうするのニャ、マサキぃ」
考える。
考える。
そして、結論を出すまで数秒とかけなかった。
「気にくわねえが、乗ってやるよ」
『そうこなくてはね』
笑い声が聞こえた。
神経を逆なでするような笑い声。
今すぐにでもあの済ました顔をぶん殴ってやりたいところだが、抑えろと己の理性を総動員して
押さえ込む。
『さて、やりましょうか』
その声と共に、グランゾンの各部に埋め込まれたクリスタルが光を放ち。
緩やかに“景色が歪み始めた”。
『グラビトンカノン――発射』
- 462 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:24:18 ID:++0LKCd1
- まとまるのか?まとまるんだな!? 支援
- 463 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:25:25 ID:rjLF0kzi
- つ 加護<バルドル>
- 464 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:26:54 ID:++0LKCd1
- あれ?次弾は?支援
- 465 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:27:15 ID:tIz1T1hJ
- 「おっ?」
相変わらず高層ビルの屋上で、時折やってくるあしきゆめと拳で追い払いながら見物していた
堕天使と魔神が、不意に起こった現象に目を丸くした。
「おわー、あれって……重力歪んでない?」
「凄いです、魔法も使わないのに重力に干渉するなんて……でも、魔力も感じる? むー、最近の
地球の科学力は凄いです!」
「ど、どうでもいいが……俺様に気を配る部下はおらんのか?」
ようやくサイフラッシュの火傷から立ち直り始めた魔王の少年――ラハールが、首に付けたマフラーをたなびかせて立ち上がる。
「お? 殿下蘇ったんですね」
「ラハールさん、よかったです〜」
「しらじらしいわっ! 大体なんでオレ様だけが熱い思いをして、お前らは無事なのだ?!」
きしゃーと暴れながら、ついでに迫ってきたあしきゆめの一体を八つ当たりで殴り飛ばし、
お空の星へと還すラハール。
そんな時だった。
『この戦場にいる奴――聞こえているか!?』
「む?」
戦場に響き渡る一つの声があった。
燃え上がる炎の中から、拡声器のスピーカー音量を最大にしているのであろう若い男の声。
同時に何らかの魔術を使っているのか、魔力を持つものたちの脳裏に“声”が届く。
『二分だ! 二分だけ時間を稼いでくれ!! 俺が“道”を開く!』
そして、その声は途切れた。
「時間を稼ぐだと? 何をする気だ、あのガラクタは?」
「……どうします殿下ー?」
「ふーむ」
腕を組み、少しだけ悩むように考え込むラハールの横に――燃える堕天使が居た。
「やりましょう、ラハールさん!」
グッと腕を突き出し、目を爛々と燃やす堕天使が声を上げた
「フ、フロン?」
「スーパーロボット魂です!!!」
どうやらロボットオタク魂に火が付いた模様です。
- 466 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:27:46 ID:tIz1T1hJ
- その声は唐突に飛び込んできた。
『この戦場にいる奴――聞こえているか!?』
「え?」
茫然自失としていた舞衣の耳に飛び込んできたのは、聞き覚えのある声。
(この声、さっきの……? 生きてたの?)
『二分だ! 二分だけ時間を稼いでくれ!! 俺が“道”を開く!』
「――道?」
そして、その声が聞こえていたのは舞衣だけではなかった。
黒き炎の翼を羽ばたかせたMAIが、不愉快そうに顔を歪める。
「何をする気かSIらないけレド、今度こそ壊さないといけないみたいネ」
「なっ!」
飛び上がろうとするMAIを見て、舞衣は慌てて追いかけようとするも――体が動かない。
ビルにめり込んだ体が。
そして、それ以上に突きつけられた事実に体が言うことを聞かなかった。
信じたくない事実。
けれども、ありえる可能性を突きつけられて。
「あなたハ、そこで見てイテ。そして、今度こそ解って――“アイツ”を信じちゃいけないってことを」
そう告げて、MAIが黒炎の翼をはためかせ、燃え上がる白き翼の下へと駆けた。
いつの間にか、戻ってきていた黒龍がそれに付き従い、飛び去っていく。
「私は……ワタシは……」
燃え上がるように心を焼いていく不安。
信じればいいのか、それとも思いを違えるのか。
もう分からない。
どうすればいいのかワカラナイ。
――その時だった。
- 467 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:28:22 ID:++0LKCd1
- スーパーロボット魂とかまんますぎだろ支援
- 468 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:30:40 ID:tIz1T1hJ
- 「鴇羽ぁああああああ!」
目の前に彼が飛び込んできたのは。
白い、彼女自身のカグツチに乗って、傷だらけの少年――楯 祐一が来た。
彼女の想い人。
ただ一人の好きな彼。
「大丈夫か? なんかいきなり、黒のカグツチが飛んでいったんだが――」
「ゆう、いち……」
「鴇羽? どうした、怪我を……してるな」
ビルの壁に寄り添って飛ぶカグツチの背から、楯が舞衣に向かって手を伸ばす。
「ッ、――いやあっ!」
その手が、振り払われる。
紛れもない舞衣の手によって。
「鴇羽?!」
「信じられない! 私はどうすればいいの?! どうすればいいのよぉおお!!」
「鴇羽、落ち着け!! 一体なにが――」
「祐一答えて!」
「私となつき――どっちを選ぶの!?」
燃え上がる異形の戦場に、その声は何故か耳に強く届いた。
その声に、祐一は目を見開いて、そしてゆっくりと表情を変えて。
「……わかんねえよ」
「な、なんで? それじゃあ、祐一はなつきを選ぶの?!」
「そうじゃねえよ!!」
涙目で叫ぶ舞衣の言葉を、それ以上に強い言葉が打ち消した。
「俺は正直言って……どっちが好きだとか、どっちが大切だとか答えられない……」
その言葉に、舞衣はゆっくりと涙を目に浮かべ、表情を歪ませて。
「けどな。俺は絶対に――“裏切らない”」
- 469 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:30:52 ID:++0LKCd1
- さぁ>>455!!
私達がこの戦争のネジを巻き直すんだ
私はまだ劇場の幕紐を引かせはしないぞ
こんな楽しい戦争をそうやすやすと終わらせてたまるものか!
- 470 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:31:24 ID:tIz1T1hJ
-
その言葉に、舞衣の表情が動きを止めた。
「え?」
「どっちも大切なんだ……こっぱずかしいけど、俺は二人が好きだ。大切な、人なんだ。なつきも……鴇羽、お前も」
そう告げてゆっくりと楯の手が、舞衣の顔を抱き寄せる。
「だから、俺は――」
戦場の中で、かつて想いを告げあった男女の姿が重なる。
「お前たちに見捨てられても」
燃え上がる紅蓮の世界の中で。
「死んでも、“お前たちを護り続けてやる”」
彼は強くない。
彼に異能の力は無い。
けれども、そんな彼に、二人の少女は想いを寄せた。
その少年の心に。
幾たびも折れかけて、砕けかけて、それでも膝を屈しなかった彼の想い。
それに彼女は――
(そうだったね……)
彼女は思い出す。
彼を好きになった記憶を。
彼を愛した思い出を。
決して、後悔なんてしない想いを抱きとめる。
「祐一」
「な、なんだ?」
「好きだよ」
「ぶっ!」
真正面からの告白に、楯は先ほど告げた自分の言葉を忘れて噴き出した。
真っ赤になった顔にクスクスと笑いながら、舞衣は手を伸ばす。
「行こう、祐一。あの人が、助けを待ってる」
「あ、ああ」
炎の翼。
かつて宇宙三大美少女の一人として掲げられた炎の舞姫は、己の鍵となり、剣となる少年を連れて戦場に飛び上がった。
- 471 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:32:02 ID:++0LKCd1
- まとまるの?本気で。支援
- 472 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:32:25 ID:tIz1T1hJ
-
「しん、だ?」
「そうや。うちはなつき、あんさんに殺されたんどす」
茫然自失したなつきの前に、SIZURUがクスクスと笑いながら答える。
「痛かったどすなぁ。けどなつき、うちは怒っておらんよ?」
ゆっくりとなつきの、埃まみれになった黒髪をSIZURUの手が掬い上げる。
愛しい人を撫でるような、優しい手つきで。
「だって、うちはなつきを“愛しとるんやから”」
「……?!」
壊れた笑み。
おぞましいほど美しい笑顔で、SIZURUと名乗る己の親友の平行存在は告げる。
愛している、と。
「愛してる、愛してる、愛してるおるよぉ、なつきぃ。大切な親友やもん」
顔を撫でるコレはなんだ?
おぞましい感情を剥き出しに、嗤うコレはなんだ?
狂ってる。
愛に狂ってる。
歪んだ愛に狂った鬼女。
「だから、うちと――」
SIZURUの手に握られた鞭が、次々と連結して一本の薙刀になる。
「死んでくれる?」
振り下ろされる狂気の刃。
その刀身は真っ直ぐになつきの首へと振り下ろされて――
“空を駆ける一筋の閃光が見えた”。
- 473 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:33:14 ID:tIz1T1hJ
-
「へ?」
響き渡ったのは肉を切る音でも、血が噴き出す音でもない。
鈍く、重々しい金属音。
「悪い、な……」
振り下ろされた薙刀の刀身を受け止めたのは、銀色の銃身。
「私はここで死ぬわけにはいかない……待っている人がいるのだから!」
咆哮を上げ、銀色の銃身が薙刀の刀身を弾いた。
「まあまあまあ」
即座に放たれる連射を、クルクルと旋回させた薙刀の刃が弾く。
「どっちのなつきもやっぱり頑固やねえ……うちの愛を受け取ってくれへんの?」
「断る!」
「ひどいどすなぁ。うちは、あんな男よりもよっぽどなつきを愛しておるよ? 他の女を優先させるような男よりも、よっぽどなぁ」
SIZURUがクスクスと苦笑しながら、負の感情に歪むなつきの表情を想像して告げた。
けれども。
「くだらん」
その予想は覆されていた。
強い意志。
強い輝きを帯びた少女の眼光が、その瞳に浮かぶ。
「静留……いや、SIZURU。やはりお前は私の知る静留ではない」
銀色の銃身を掲げ、二本の足でしっかりと大地に立つなつきの眼光。
「お前は知らない」
それに迷いはなく。
「私が、どれだけ祐一を想っているのか! その強さを!!!」
誰にも計ることなど出来ない強い想いが秘められていた。
「私は祐一が好きだ! 例え彼が誰を想っているとしても、決してこの想いだけは変わらない!」
人に恋焦がれ、思いを寄せ、ただそのために進む、恋する乙女がそこにいた。
「デュラン!!」
『ォオオオオオンッ!!!』
なつきの声に、傷ついた白銀の銀狼もまた立ち上がる。
己の父を侮辱するものを許さないと、己の母の想いに応えるために。
彼女とそのチャイルドは立ち上がる!
- 474 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:33:44 ID:++0LKCd1
- キャラが分からんからよく展開がわからんなぁ支援。
あと、他の人も支援ぷりーずorz
- 475 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:34:08 ID:tIz1T1hJ
- 「やれやれ説得は失敗したようだな、SIZURU」
「ふぅー、そのようやねNATUKI……」
黒銀の黒狼と漆黒の大蛇を従えた二人の“HiME”は、少女の叫びに敵意を向ける。
気高き彼女の威圧感に帯びることも無く、ただ狂気に歪む。
狂わされた魂は、人の心を理解することも無く、我欲と邪悪に蠢くのみ。
「なら、殺してうちのものにするだけや――清姫ぇ!」
異形の大蛇。
それが咆哮を上げて、なつきへと襲い掛かり。
「っ!」
それになつきは銃身を構え、静かに決意を浮かべた顔で叫ぼうとした。
その瞬間だった。
――その場に新たな乱入者が現われたのは。
唐突だが、人が一番連想するヒーローの必殺技とはなんだろうか。
合体巨大ロボ?
違う、それは多数を組む戦隊ヒーローに限定される。
全てを切り裂く剣?
確かにそれはあるかもしれない。けれども、剣を持っているのがヒーローの条件ではない。
もっとも日本国民に知られ、憧れと孤独に戦うヒーローたちが兼ね備えている必殺技。
そう、それは――
- 476 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:34:18 ID:B6rI2qBq
- 丸投げしたし一応支援するぜ
- 477 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:34:42 ID:rjLF0kzi
- 支援は苦手なんだが……だけど俺は続きを望んでいる!
- 478 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:35:53 ID:++0LKCd1
- >>476-477
ありがとう〜。支援
- 479 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:36:10 ID:tIz1T1hJ
- 「「ダブル☆ヒーローキィイイイイイイイイイイクッッッ!!!!」」
蹴りである。
人間の足の力は、手の三倍。
殴るよりも蹴ったほうが痛い。
もはや当たり前の常識。某GSの男たちだって使っていた伝統。
そして、その二人の飛び蹴りは異形の大蛇を吹き飛ばした。
「なっ?! 清姫ぇ!?」
大蛇の巨体が倒れこみ、濛々と砕けたアスファルトから土煙が上がる。
そして、ゆっくりと立ち込める瓦礫の土煙の上に二人の人影があった。
「だ、だれや!?」
突然の乱入に困惑する三人を代表して、SIZURUが声を上げた。
ちなみにお約束ともいうべき台詞で。
「「フッフッフッ」」
不気味な笑い声が響き。
そして、土煙の晴れた先には。
「俺の名前は柏木クロス! たった一人の戦隊の、リーダーにして構成員!」
紅きスーツを纏ったヒーロー。
一人で戦隊というのは矛盾しているが……まあ気にしない気にしない。
「私の名前はベホイミ! 新感覚癒し系魔法少女!!」
いかにもな格好をした(多分)魔法少女。
癒し系魔法少女が蹴りを放ってもいいのか? という疑問は放置しておくべきであろう。
「「只今参上(ッス)!!!」」
ピシャーンと決めポーズを取る二人。
……ちなみにもう一人一緒に行動している怪人がいるはずだが、邪魔にならないように近くの
路地裏に置いていったのは秘密である。
「なんだからとっても甘酸っぱい雰囲気で登場しづらかったが、なんとか参上だぜ! ああ、畜生! 青春だぁ!!!」
「甘い、甘い、甘いーッス!! 見てて、とってもむず痒い思いをして、なんか新☆癒し系魔法少女でも耐え切れないラブ臭が
したけど負けないッス!」
- 480 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:37:05 ID:B6rI2qBq
- 蹴りと来たか
- 481 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:37:15 ID:++0LKCd1
- 魔法少女の登場シーンが蹴り・・・・
関節技よりはマシかw支援
- 482 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:37:23 ID:rjLF0kzi
- そこでアンタ等来るか!
支援!
- 483 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:37:59 ID:tIz1T1hJ
-
「……ふざけたやからどすなぁ」
声を上げる二人を睨み付けて、SIZURUが怒りの篭った殺気を放ち、薙刀を振り上げる。
『GIGAYAAAAAAAAAAAA!!』
それに伴い、起き上がる清姫。
「なつきの前に、殺したるわ」
壊れた笑みで、SIZIRUが呟く。
「うわーお、如何にもな大和撫子の癖に殺意満々ッスよぉ!?」
「うガチ百合が怖いってのは本当だったのか!? ――っと、そこの人!」
「な、なんだ?」
突然の乱入者に目を瞬かせていたなつきが、クロスの言葉に我に変える。
「彼女は俺たちが相手する! 君はそこのブラックを倒せ!」
「おわー! レッド、レッド、来たっすよ!!」
「死になされ!」
轟音爆砕。
清姫が吼え猛り、クロスとべホイミが飛び退る。
新たな戦いの火蓋が切って落とされる。
- 484 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:38:58 ID:tIz1T1hJ
-
「さて、と」
白銀の銀狼を伴った玖我 なつきと。
「お前と私か」
黒銀の黒狼を連れたNATUKIが残されていた。
「仮にも私ともあろうものがな……男に溺れるなど、想像も出来ん!」
そして、お互いの手に掲げられる――銃身。
「お前は知らないだけだ。想いの力を、大切な存在の温かさを!」
同じ動作、同じ速さ、同じ鋭さを持った二人が同時に引き金を引く、
構え、狙い、タイミング。
それらをまったく同じ体格の二人が、鏡写しに放ったらどうなるか?
答えは――相殺である。
互いに放つ銃弾が、互いの銃弾に激突する。
本来はありえない現象。
以下に熟練したHiMEといえども、そこまで常識を超えた銃技を繰り出せるわけが無い。
だがしかし、かつては同じ人間であった二人が。
平行世界同士の同一人物同士が放つ銃弾は――ありえないはずの偶然を生んだ。
「ッ?!」
「ッ!?」
互いの銃弾に弾かれ、あらぬ方向に着弾する弾丸。
その光景に、互いの脳裏に浮かんだ対応策は同じだった。
より早く、相手よりも速く、打ち抜く。
銃撃が、銃弾が、銃身が、瞬くように二人の手から掻き消える。
撃つ。撃つ。撃つ。
異能の力を用い、弾丸の装填が必要なき拳銃はまるでマシンガンのような速度で速射され、
銃撃の雨を繰り出した。
ぶつかり合う銃弾。
激突する銃撃。
それは永遠に続くかと思われて。
「ッ?!」
NATUKIの頬に一筋の血線が走った。
「どうした? 傷を負ったぞ」
(速度は上回られた? いや、違う!)
驚愕するNATUKIに、なつきはエレメントを操る。
互いに同時に引いた引き金は銃声を上げて、弾丸を吐き出す。
そして、再び激突する弾丸が――“砕けた”。
NATUKIの放った弾丸が、なつきの銃撃に打ち砕かれた。
- 485 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:39:26 ID:++0LKCd1
- ベホイミ緊張感無いなーw支援
- 486 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:40:22 ID:tIz1T1hJ
-
「馬鹿な!?」
「おぉおおおお!!」
気迫の篭った声がなつきかの口から発せられる。
それに――NATUKIは怯んだ。
「デュラン!」
迫りくる弾丸を、黒きデュランに飛び乗って回避する。
付近の壁を、高層ビルの窓を、デュランに飛び乗ったNATUKIが駆け抜ける。
「はっ、デュランを使うとは――負けを認めるのか?」
「戯言を!! シルバーカートリッジ――ロード!」
『GAW!』
主の言葉に、黒きデュランは窓ガラスの壁を蹴り破り、空中に舞い飛んだ。
鈍い装填音を響かせて、黒のデュランの砲身に弾丸が装填される。
「デュラン!」
それと同時に地上から見上げていたなつきが叫んだ。
『GAW!!』
母の声に、デュランは砲口を上空に上げて、装填開始。
『――テェエエ!』
重なる同じ声の少女の叫びに、戦場が銀色の砲撃に切り裂かれ――炸裂した。
撒き散らされるのは圧倒的な冷気。
全てを凍てつかせる凍土の風。
そして、その白銀の景色の中で。
――撃墜されし者たちが、地上に激突した。
「ば、馬鹿な……」
衣服まで凍りつき、驚愕の表情を浮かべたNATUKIと。
「これが、私とお前の違いだ」
まったくの無傷で佇むなつきの姿。
そして、白銀からその輝きを変えていく――デュランの姿があった。
- 487 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:40:28 ID:rjLF0kzi
- つ 法則超越U
- 488 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:40:28 ID:++0LKCd1
- <<サポートストライク>>かっ!?支援
- 489 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:41:09 ID:tIz1T1hJ
-
その身は黄金。
万物に勝る高貴の輝き。
なつきに宿る想いの強さ。
「≪デュラン・マックスハート≫ これが私の想いの証」
「認めない、認められるものかぁああああ!!」
その言葉に、NATUKIが叫ぶ。
「デュラァアアアアン!! クリムゾン・カートリッジ!」
「デュラン! ダイヤモンド・カートリッジ!」
『GAWAAAAAAAAAAWWWWW!!!』
黄金と漆黒のデュランが同時に砲口を、咆哮を、轟かした。
燃え上がる紅蓮の炎と全てを凍てつかせる絶対零度の閃光。
愛を知らない孤独の焔と愛を知る願いの冷気。
そして。
「悪いな」
そこに残っていたのは。
「これが、私なりの愛だ」
氷漬けの氷像と化したNATUKIと黒きデュランの残骸。
そして、華麗に髪を書き上げるなつきと黄金のデュランがそこに居た。
――玖我 なつき WIN。
- 490 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:41:19 ID:B6rI2qBq
- 支援
- 491 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:42:15 ID:rjLF0kzi
- つ 旦 (茶) 支援
- 492 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:42:46 ID:tIz1T1hJ
-
空間が歪む。
周囲の形式が歪み、迫る異形たちもまた血肉を撒き散らして砕けていく。
『まだですか? マサキ』
されど、それは本願ではない。
蒼き破壊神――グランゾンは待っていた。
『もう少しだ! もうすぐ演算が終わる!!』
燃え上がる炎の中で燻る、白き翼が立ち上がることを。
自らが望んだ目的を果たす瞬間を。
しかし。
『おや? どうやらマズイことになったようですよ』
『っ!? あれは――』
グランゾンとサイバスター。
二体の機械仕掛けの神が見上げたそこには母殺しの呪われた焔の児。
黒き翼を生やした――黒のカグツチ。
「なにをするツモりか知らないけれど、邪魔HAサセナイ!!」
焔の龍の口内が迸り、火球が迸る。
ねじくれた空間に捻じ曲げられて、その進路は僅かにグランゾンの横を霞め――大地を消し飛ばした。
『おやおや? 異世界の異能者とはいえ、これほどの威力とは……マズイですね』
『なんとか食い止めろ、シュウ!』
『勝手を言いますね、私も今は動けないのは承知でしょう?』
その言葉の最中にも幾つもの火球がグランゾンに直撃する。
重力制御をかけられた空間に、さらに常時展開された歪曲フィールドに軽減されるものの――
その威力は異常。
展開し続けるグラビトンカノン分の出力低下も相まって、グランゾンの装甲が焼けていく。
最強である破壊神が、焼かれて行く。
「壊れろ、壊レロ、壊レテヨォオオオオ!!!」
絶叫にも似たMAIの叫び声に、黒のカグツチは大き顎を開いて、身に宿る熱量を集めていく。
それは世界すらも焼き尽くす灼熱の焦土。
こことは違う世界では、都市の一角すらも一撃で破砕させた漆黒の焔。
『むっ』
『やべええ!』
それを喰らえば、例えこの二機であろうとも只で済むはずがない。
二人の声に焦りが生じたと思った瞬間。
- 493 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:42:50 ID:++0LKCd1
- 恥ずかしくて熱い展開は大好きだぜ!支援
- 494 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:42:51 ID:/ZNbgDme
- しかし、すげー行間空けまくりだな。
もうちょっと、詰めた方が見易いんでね? 支援
- 495 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:43:43 ID:++0LKCd1
- 会話に比べて地の文が少ないのが原因じゃ?支援
- 496 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:44:10 ID:tIz1T1hJ
- 「き、え、ちゃ、え」
黒き炎の舞姫より、宣告が降りた。
『ォオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!』
黒き焔龍より放たれる破滅の光。
それに、二機の機械仕掛けの神は焼き尽くされる。
「――カグツチィ!」
そう、それが割り来なかったら。
「なっ?!」
同じ性質の閃光が、真正面から黒い閃光へと激突し、膨大な熱量をぶちまけながら相殺される。
暗く沈んだ目を動かし、MAIが見たのは――白き龍と共に羽ばたく少女と少年。
「NAんで? なんで、なんで、なんでょォオオオオオオオ!!!?」
それを見た瞬間、MAIの意識から二機の姿は消し飛んだ。
見えるのは認められない現実。
決して許せない光景。
「なんで、あなたが、そこに、イルノョオオオオオオ!!!」
紅き焔の舞姫と黒き炎の舞姫の舞踏が三度目にして、最後の始まりを見せる。
- 497 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:45:04 ID:B6rI2qBq
- 見やすいっちゃ見やすいんだけどな支援
- 498 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:45:09 ID:tIz1T1hJ
- コクピットの中、脂汗を浮かべて死の感覚を味わったマサキがゆっくりと息を付く。
「助かったのか?」
モニターに見えるのはかつて己を助け、そして自分が庇った白き龍と黒い龍の激闘。
一時はやられると覚悟したが、なんとか危機を脱したらしい。
『油断はまだ禁物ですよ、マサキ』
「分かってる!」
シュウに言われるまでもなく、マサキは背筋を伸ばした。
「クロ、シロ! 計算状況はどうだ?!」
「――そろそろOKニャ!」
「後は私たちがしくじらない限り、大丈夫!!」
「わかった!」
その返事に激痛の走る拳を動かして、操縦桿を握り直す。
『準備は出来ましたか?』
「ああ」
『では、こちらも始めましょう。データを寄越しなさい』
「了解ニャ」
ポチッとクロの肉きゅうがコンソールを叩く。
そして、マサキにはサイバスターとグランゾンの咆哮を聞いたような気がした。
『なるほど――“そこ”ですか』
上に浮かぶグランゾンから膨大な圧力が発生する。
多大なカグツチの火球を受けて損傷しているはずなのに、その動きには一切の威厳の陰りが感じられない。
『グラビトンカノン――解除』
歪められた重力によって狂っていた光景が戻り始める。
だがしかし、たった一点だけ――捻られた空間があった。
『ブラックホール・クラスター』
蒼き破壊神のクリスタルが輝き、その両手が胸部の前に掲げられる。
胸部装甲が開かれ、その眼前より漆黒の球体が生まれ始める。
それは全てを粉砕し、呑み込み、消滅させる星々の終焉の姿。
『発射!』
重力場すら狂わせて、漆黒の球体がねじれた空間に激突し――膨大な破砕音を鳴り響かせた。
それはこの周囲、戦場全てを埋め尽くす膨大な破砕音。
世界の悲鳴であり、偽りの空間の絶叫。
それを強引にひび割れさせて。
- 499 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:45:24 ID:++0LKCd1
- >>496
シラカワの人涙目wwww支援
- 500 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:45:30 ID:rjLF0kzi
- 自分の影を越えていけ!支援!
- 501 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:45:56 ID:LpmN1Lpl
- もう少しか支援
- 502 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:46:27 ID:tIz1T1hJ
-
『空間破砕を確認! 連結次元のゆがみが生じますよ!!!』
「おぉおおおおおおお!」
白き翼が焔の中より立ち上がる。
失った翼を吹き上げるプラーナで再構築し、抜き放ったディスカッターを大地に突き刺した。
「俺の声に答えてくれ――サイバスターぁあああああああ!」
そして、膨大な破砕音すらも呑み込む。
――“世界を渡る風が産まれる”。
何故彼女は狂ったのだろうか?
何故アイツはあんなにも苦しそうなのか。
そして、それに俺は――
「きえてよぉ!!!」
「カグツチ!」
目の前で二つの火球が激突する。
直視すれば、網膜が焼けそうなほど熱い焔。
それは見慣れたものであるけれど、それらがぶつかる光景なんて想像すらしてなかった。
「なンで、貴方はアイツを助けるの!?」
「私は!」
「なんども、なんども言ったのににぃいいい!!!」
「祐一を信じる!!」
二人の鴇羽 舞衣がぶつかる。
二体のカグツチが激突する。
ほんの少し前まで想像もしなかった現実、光景、悪夢。
それに俺はただ見ているだけで――
――破砕音が轟いた。
「っ!?」
戦闘中でさえも、思わず振り返ってしまうような巨大な音。
それに振り返った先には、あの白いロボットと見たことのない蒼いロボットの姿。
そして、剣を突き立てた白いロボットから“風”が産まれていた。
- 503 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:46:40 ID:++0LKCd1
- シラカワの人のいた意味ややこしーなー支援
- 504 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:47:36 ID:tIz1T1hJ
-
「っ!? あれは!?」
「な、なに!?」
白いロボットの両手が大きく開かれる。
その全身が輝き、背中の折れたはずの翼から白く輝く翼が放たれ、その周囲に光の球が生まれていく。
『開け! 異界への扉ぁあああ!』
聞き覚えのある咆哮と共に白いロボットから放たれた光球が飛び出した。
それは空の一点で、あるいは地上の公園で、あるいは高層ビルの真ん中で、無数の場所に
光の球が飛び込んで――閃光が迸った。
輝ける白。
太陽みたいな真っ白。
そして、その光の先には――“奇妙な風景の空間があった”
『ゲートを開いた! 長くは持たねえ!! 城へと行きたい奴は飛び込めええええ!』
その絶叫が証明するように、白いロボットの翼が弱々しく点滅し、同時に蒼いロボットもまた全身
から悲鳴じみた軋みを上げている。
「城ヘノゲート? させナイ!!」
その瞬間、MAIが鴇羽を蹴り飛ばした。
「きゃああああ!」
「鴇羽!!」
落下する鴇羽を負って、カグツチが疾る。
そして、それにしがみ付く俺は唇を噛み締める。
「消えなさい! ゲートなど開かせない!!」
黒いカグツチの前に羽ばたくMAIが叫びを上げる。
――俺はそれに悲鳴を感じた。
「ゆ、祐一?」
手を伸ばし、掴み取った鴇羽が声を洩らす。
――俺は目の前の鴇羽とあいつの差がわからなかった。
「鴇羽」
俺は噛み締める。
己の情けなさを、ふがいなさを。
――だから、俺は。
- 505 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:47:37 ID:ox+eh5zC
- 埒をあけろとはよく言った支援
- 506 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:47:47 ID:rjLF0kzi
- つ <風を統べるもの>支援
- 507 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:48:44 ID:tIz1T1hJ
-
「俺を支えてくれ」
「え?」
俺はカグツチから飛び降りて、鴇羽の胸へと飛び込む。
「祐一?!」
「悪い。けど……これしかないんだよな――カグツチ!」
俺は手を伸ばす。
俺と鴇羽のチャイルドであるカグツチの“剣”に向けて。
――パパ。ボクを使うんだね?
「ああ」
――あの人はママなのかもしれないよ?
「ああ」
――だけど、ボクを振るうの?
「ああ、分かってる」
だけど、俺は見捨てられないんだ。
悲しい顔で、悲鳴を上げる鴇羽に似た少女を。
独善なのかもしれない。
偽善なのかもしれない。
けれど、あれ以上・・・・・・あの少女を放置出来ない。
だから。
「俺はお前を振るう。――来い、カグツチ!!」
手を伸ばす。
傷を負った腕を、過去を忘れるなと囁く手を。
そして、その手に―― 一振りの剣があった。
白亜の巨体は焔に消えて、全てが剣に納める。
「祐一・・・・・・」
「悪い。けど、俺には――あいつが泣いているように見えたんだ」
「ううん。あなたは信じるままにいけばいいよ。私は応援してる」
背中を抱きしめる鴇羽の感触が心強かった。
罪を犯す俺を支えるような彼女の温かさに、俺は柄を握り直す。
- 508 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:49:13 ID:++0LKCd1
- 原作のネタなのかなぁ支援
- 509 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:50:09 ID:rjLF0kzi
- つ ユン○ル 支援
- 510 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:50:37 ID:++0LKCd1
- つか何回か分割した方がよかったんじゃね?支援
- 511 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:50:52 ID:tIz1T1hJ
- 「鴇羽、アイツの前に運んでくれ」
「うんっ!」
鴇羽に運ばれ、俺は空を駆けた。
燃え上がる黒い炎のMAIの前に、飛び出す。
「アナタは! 何をしに来たァアアア! 私の邪魔をする気ね?! マタ、マタ、マタ!
マタァアアア」
「違うさ」
燃え上がる焔を溜め込んだ、黒のカグツチが見える。
燃え上がる熱がどこまでも体を、喉を、目を灼く。
正直怖い。
だけど。
「俺はお前を救いに来たんだ」
「な、ニヲ!?」
「もう泣くのは止めろ。悲しすぎるんだよ、お前は」
「うるさいうるさいUルサイ!!! カグツチィ!」
閃光が燃え上がる。
光が目の前を覆う。
そして、それに俺は――
「バッカ」
手を振り上げる。
剣を振り翳す。
刃を走らせて――
「やろうぉおおおおおお!!」
全てを、両断した。
燃え上がる焔も。
夜闇の空も。
剣閃の軌跡にいた全てを――両断した。
そう、目の前に浮かぶ少女の体までも。
「ァアアアアアアアアア!」
救われることを祈って、全てを光へと変えた。
“ありがとう”
そして、燃え上がる剣閃の中で、聞こえたその声は幻聴だったのだろうか。
――鴇羽 舞衣 & 楯 祐一 WIN!
- 512 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:51:34 ID:B6rI2qBq
- 支援っと
- 513 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:51:53 ID:++0LKCd1
- >>511
次々と決着していくなぁw支援
- 514 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編:2008/02/02(土) 21:52:31 ID:tIz1T1hJ
-
「やれやれ、上手くいったようですね」
モニターに浮かぶ幾つもの光点。
それは地上で戦っていた異能者たちの反応が消えていく。
グランゾンが操作し、サイバスターがこじ開けた式神の城へと繋がるゲートへと
飛び込んでいったのであろう。
全てはサイバスターの力でもある。
完全解放すれば、完全な未来予知すら可能とするラプラスコンピューター・デモンタイプ。
その演算能力を用いて、彼らは任意に歪ませた空間の中で、城の内部。
正確には”城内部と呼ばれる異空間”への干渉点を探し当てた。
ワームホールを作り出すブラックホール。
超新星のエネルギーを秘めたコスモノヴァ。
常識外れの力。
彼らにしか成し得ない空間干渉。
しかし、その代償は大きく、もはや二機はしばらく動けそうになかった。
「さて、あとは見守りますか」
シュウは静かに嗤う。
己の役割はここにない。
あとは選ばれし者たちが、彼を利用しようとした者達を打ち砕くであろう。
そう、そのための布石。
「さあ、世界を救う物語の最終幕の始まりですよ」
――サイバスター&グランゾン ゲートOPEN
地上班組 式神の城侵入可能
- 515 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:53:28 ID:++0LKCd1
- >>514
あーそういうまとめ方なのねw支援
- 516 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:53:42 ID:rjLF0kzi
- 物語を一気に動かした!支援か?
- 517 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてた人:2008/02/02(土) 21:53:53 ID:tIz1T1hJ
- 投下完了!
支援感謝します!
あとは皆に任せた! 俺の出番はここまでだぜ!!(サムズアップで)
- 518 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:53:57 ID:bo6+1Hdm
- 支援…《ヘイスト》!
- 519 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:55:46 ID:++0LKCd1
- >>517
GJ!なんだかんだ言って地上組参戦フラグを立てたあたり、只者ではないな!ww
では、「ろんぎぬす組」&「東方組」でも書いてみるかねw
- 520 名前:クライマックスフェイズのはじまり:2008/02/02(土) 21:56:12 ID:huTNwNMF
- GJでした。
どうやらこちらの用意したシナリオとかみ合いそうです。
じゃあ―――この楽しかったお祭りの最終決戦へのゲートをひとつ、僭越ながら私の手で開けさせていただきましょう!
- 521 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:56:35 ID:rjLF0kzi
- ありがとう機械仕掛けの神<デウス・エクス・マキナ>。
決着は人の手で……か?(ダイソードとレーヴァティンを想起)
そして、ありがとう。
今は疲れた体を癒すことだけを考えてください(いい笑顔
つ 旦
- 522 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 21:57:02 ID:eXAuPaHI
- そういやリミットまで24時間切ったのか
- 523 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてた人:2008/02/02(土) 21:58:05 ID:tIz1T1hJ
- 計算してみたら後編だけで合計22レス。
全部で1069行もあったw
使いすぎてごめんなさい。
長すぎてごめんなさい。
とりあえず、地上で飛べない人たちへの”道”は切り開きました。
あとは頼みます。
全ては風の行く末を追って!
- 524 名前:laststage-1 はじまり・1:2008/02/02(土) 21:58:08 ID:huTNwNMF
- ばんっ!
最後の扉が蹴り開かれた。
式神の城の最奥部。片側の扉を一つずつ蹴り壊した少年達は、いくつもの人々の協力を得て、そこにたどり着いていた。
その間に広がるは、ただの闇。
光源はなく何も見えず、普通の人間ならば本能的に恐怖を抱くだろう真の闇。
しかし、その背に光を背負うバカと闇と対峙し続けたバカにはその闇は脅威足りえない。
闇の中へと躊躇なく踏み進み―――ごん、と光太郎が何かに衝突した。
「あだっ」
「どうした!?」
柊が振り返ると、そこには頭を押さえている光太郎がいた。
彼は不思議そうに何もない空間に向けて軽く拳を振りぬき。こん、と軽い音を立てて拳は見えない何かにぶつかって止まった。
光太郎よりも異常現象には慣れている柊が、その異常を看破する。
「結界か……どーやら俺達が一緒にいると目障りな奴がいるらしいぜ?」
『えぇ、その通り。僕たちの喧嘩には、あなたがいると困るんです』
声が響いた。それと同時、光太郎の姿が柊の視界の中からかき消える。
「なっ……玖珂っ!?」
『ですから、光太郎はいただいていきます』
「勝手なこと言ってんじゃねぇっ!誰だてめぇ、何しやがったっ!?」
『おや。蝿の女王からは聞いていましたが、本当に頭が悪いですね柊蓮司』
「またベルかっ!?っつーかボスは人のことフルネームで呼んだあげく頭悪いって言わなきゃならねぇ法則でもあんのかっ!?」
『いえいえ素直な感想です。
―――まぁ、ここまで光太郎を無事に届けてくれたお礼くらいはしましょう。
僕の名前は<世界の秩序(ワールドオーダー)>、あなた方が結界でがんじがらめにしている世界の、意思そのものですよ』
声は朗々と響く。暗闇に、どこまでも。
柊はその声に底知れなさを感じながら、似たような声の感覚を思い出す。
「まーた神様の類か?ぽんぽんぽんぽん人間に絶望してんじゃねーよ」
『少し違いますかね。神というのはこの世界を作り出したもの、僕は神によって作り出され、人間の作った結界で雁字搦めにされている哀れな世界そのものです。
あなたにもわかりやすく言ってあげるのなら、起こった事態に対処するのが世界結界と神の使徒。先に手を打ち『勇者』を作り出しておくのがこの僕、ということです』
<世界の秩序>のその言葉に、春先の事件を思い出す。
世界によってあらかじめ生み出された『勇者』。
その存在がなければこの世界はとっくになくなっていただろうが、その宿命を背負わせたのが声の相手だというのなら少しばかり恨み言を言いたくもなる。
しかし今はそれどころではない。
「それで?玖珂と俺を離したのは俺に邪魔されたくないからって言ってたっけか。俺もずいぶんと高く評価されたもんだなオイ」
『もちろんですよ、悲劇を捻じ曲げる者。貴方の持つ剣は僕にとっても毒ですからね。あまり触れたくはない』
「誉められても嬉しかないが、一応はありがとよ。
それで―――こんな風に隔離されて、俺が黙ってるとでも思ってんのか?」
瞳に剣呑な光を宿し、柊は魔剣を握る手に力を込める。
しかし、それに答える声はどこまでも涼やかだった。
『まさか。貴方がどこまでもしぶとくて、光太郎並の直情家なのは知っていますよ』
その声とともに、背後の闇が揺れた。
- 525 名前:laststage-1 はじまり・2:2008/02/02(土) 21:59:24 ID:huTNwNMF
- 柊は自身の勘に従い魔剣を背後に向けて振り抜き、背後から現れたエネルギー弾を辛うじて弾いた。
「ぐぅっ!?」
これまでの敵が放ってきたエネルギー弾などとは比べ物にならない速度と重みの一撃は、不完全な体勢からの迎撃では衝撃を殺しきれず、2・3歩たたらを踏む。
気づけば、今まで何もない暗闇だった場所に、12の光輝く水晶が漂い、薄暗い明かりが灯っている。
明かりが照らし出すのは、巨大な異形の蜘蛛だった。
柊自身も巨大な生物と戦ってきているが、その中でもかなり大きめな部類に入る。蜘蛛は、獲物を見つけた歓喜の声を上げた。
『これは、以前光太郎が倒した古き神の複製体。
まぁ、当然本物ほどの力はないのですが、これでもたった一人で倒すには骨だと思いますよ?』
しかし、柊にその声は届いていなかった。
彼の視線の先にあるのは、空を舞い踊る12の水晶の中心―――光の筋によって空中に固定されている赤い水晶だ。
呆然としたように、呟く。
「―――くれ、は?」
その水晶の中に眠るのは、まごうことなき彼の幼馴染。
あぁ、とわざとらしくてかんに障る笑い声が響く。
『もっとも大切な部分である魂の部分だけは復元できませんでしたからね。
適当にでっちあげて、足りない部分を補うためにちょうどいいモノを拾ってきたんです。
ちょうどいいから教えてあげましょう。蜘蛛を倒すのなら、あの水晶を砕くのが一番早いですよ?
あの水晶の中には蜘蛛への力の供給装置があります。水晶だけを砕くことができればその中の装置の一部も取り出すことができるでしょうね。
ですから、あの水晶を狙えば一撃で止まるでしょうが―――そんなことができるほど、<世界>の力は甘くないですよ?』
声が終わると同時、暗闇に慣れた目を灼く光の帯が四方八方に放たれる。
直撃することはなかったが、その余波だけで吹き飛ばされそうになる柊。
その彼の姿を見てか、くすくすと笑う声がする。
柊には珍しく、なんの感情もこもらない声で語りかける声に一つだけ問うた。
「―――聞かせろ。さっき、あいつ拾ったっつったよな」
『えぇ、それがなにか?』
「あいつを、あんなふうにしたのはてめぇか?」
『彼女を気絶させてあそこに封じこめたのは僕ですよ?』
そうか、と静かな声が暗闇の広大な空間が何故か響き渡った。
「あいつ助けた後、絶対ぇぶちのめしに行ってやるから覚悟しやがれ」
『怖い怖い。期待しないで待っていますよ、もっとも、世界の全てを敵にまわして貴方が生き残れるとは思えないですがね』
声はそれきり響くことはなく、気配が薄れていくのがわかる。
柊は、いったん頭の内から声の主のことを叩き出して目の前の敵へと集中する。
小さく口の中で一言だけ呟いてから、突貫を開始した。
- 526 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてた人:2008/02/02(土) 22:00:47 ID:tIz1T1hJ
- これでサイバスターとグランゾン出した意味が報われるかな?
とりあえずクライマックスフェイズ支援!
- 527 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:02:33 ID:rjLF0kzi
- さあ、クールになれ!
クレバーになれ!支援!
- 528 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:02:48 ID:9+rIkK6j
- しえーん。
ところで明日の21時でけりがつかなかったら、DX2のラディカルドライブの
デウス・エキス・マキナチャートでも振るかね?
21時過ぎて最初の書き込みのタイムスタンプの秒で判定ぐらいで。
- 529 名前:laststageの中の者:2008/02/02(土) 22:02:52 ID:huTNwNMF
- ……とか偉そうに言っておきつつ、とりあえず書けたのはまだこれだけです。
この後玖珂側の事情を少々書いて、本格的に「モニターの前の」皆さんを巻き込んだ仕掛けをしたいと思います。
自分の力でなんとかできるかははなはだ不安ですが、少々お待ちください。
時間かかりそうなんで投下なさりたいかたは存分にどうぞ。
- 530 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:05:45 ID:eipJR1g8
- どう考えても光太郎と柊の二人の攻撃でぬっ頃されるフラグだなぁw
- 531 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:06:16 ID:++0LKCd1
- 世界の全てって既に柊何度も敵に回してる・・・・w支援
ちなみに所用につき撤退。おまいら、後は任せたぜ!ノシ
- 532 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:08:13 ID:eXAuPaHI
- 玖珂側って書かれると兄弟どっちなのかわからんな、いや今は一緒の意味だがw
そーいやこの主人公二人って周りからよく頭が悪いって言われるけど、結構質の違う頭の悪さな気がしなくもない
- 533 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:08:19 ID:ox+eh5zC
- 時間切れなら夜ノ森の見た夢オチでいいのでは?
まっしーあたりに起こしてもらってEND。
- 534 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:09:35 ID:z+xAkxYz
- 最後は肩に魔剣を担いだ柊と光太郎が肩を並べて
「最後にこれだけは言っておく!」
「「俺達はかーなーり、強い!!」」
って見得を切って欲しいな
- 535 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:10:39 ID:/ZNbgDme
- 時間切れのオチだったら究極のがあるじゃん。
「たけしー、ご飯よー。お友達もご一緒にー」
- 536 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:11:58 ID:rjLF0kzi
- >>532
前にも出ていたが
柊は知識面が足りない(演出やダイスロールの都合)で頭のキレはいいクレバー
光太郎は物事を深く捉えず直感で判断・把握して物事を突き抜けるタイプ
- 537 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:19:27 ID:2lOsO1a6
- 夜ノ森の夢オチはちょっとどうなのかな
>420で手を出させちゃったので、レベルアップカード使いつつ柊と光太郎が最終決戦してくれれば自分としては御の字
- 538 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:22:30 ID:NihXAP7n
- うわ、7じゃないしorz
それはともかく、元気玉フラグ立ててみたいんですけど、大丈夫でしょうか?
なんか、529さんの考えを潰してしまいそうな気が……。
- 539 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:29:00 ID:huTNwNMF
- >>538さん
うー……ちょっとだけ、お願いが。
明日の朝まで投下待っていただけませんかね?
「なんとか」しますんで。これから。
- 540 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:36:25 ID:NihXAP7n
- >>593さん
あ、それはもちろん待たせていただきますとも。
骨子だけ書いて大詰めあたりでカットインしようと企んでたんで。
まあ…「気づいたら終戦してるーーっ!?」な気がしますがww
- 541 名前:laststage-2 ねがい・1:2008/02/02(土) 22:59:16 ID:huTNwNMF
- そこは玉座の間。
王の座るべき場所にあるのは、白を基調とする服を身に纏った青年だった。
玉座の青年の前に立つのは、一人の少年。その瞳に怒りをたぎらせ、その表情に少しの痛みを抱える少年。
少年は、目の前の青年に問う。
「……これは、本当にあんたがやってることなのかよ」
「あぁ、そうだよ」
「城をここに出したのも」
「あぁ」
「城を今落としてるのも」
「そうだね」
「東京にいる、いや世界中の人達を危険にさらしてるのも!」
「その通りだよ」
「今―――たくさんの人間に迷惑かけてるのはあんたなのかよっ!?」
その、否定してほしいと言わんばかりの痛々しい声に。
しかし相手はにこやかな笑顔を崩さぬまま答えた。
「その通りだよ、コウ」
「なんでだっ!なんでこんなことをあんたがしなくちゃならないんだよ、兄貴っ!」
笑みを絶やさない青年の名は玖珂晋太郎。
世界の秩序。城の主。そして、ある少年の兄。
苦しげに、しかし怒りを絶やさぬ眼で問う少年の名は玖珂光太郎。
人類の決戦存在。青にして青ならぬ者。そして、ある青年の弟。
ともに名前に光をたたえる名を持った、第一子の名をつけられし存在。
光太郎のその問いかけに、晋太郎はやはり笑顔を絶やさぬままに答える。
「覚えているかい、コウ。
僕は、子供のころ体が弱かった。ロイと一緒に遊んでいるお前を見て、その代わり勉強を教えたりしたこと」
「そんなことは聞いてねぇっ!」
睨む目には怒りがあった。純粋な怒りではなく、痛みとない交ぜになった温度の低い炎。
けれどそれさえも楽しそうに、晋太郎は告げる。
「少し回りくどかったかな―――つまりね、コウ。僕の望みはただ一つなんだ。
城をここに出したのも。
城を今落としているのも。
世界中の人達を危険にさらしているのも。
今この瞬間、数多くの人間に災厄をもたらしているのも。
―――お前と、盛大な兄弟喧嘩をするための下準備にすぎないんだ」
- 542 名前:laststage-2 ねがい・2:2008/02/02(土) 22:59:51 ID:huTNwNMF
- 笑顔を絶やさぬままに晋太郎は―――いや、今や<世界の秩序>と化した者は、そう告げた。
光太郎は一瞬だけ目を伏せる。
晋太郎からはその表情をうかがい知ることはできないが、<世界>たる彼にはどんな表情をしているか手に取るようにわかった。
そして、<世界の秩序>は始まりを告げる。
「さぁ。そろそろ始めよう、コウ。
この世界の趨勢を決める派手で滑稽、壮大にして単純な―――たった一度の兄弟喧嘩を」
宣誓に、少年は顔を上げる。
その表情にあるのは怒り。熱は落とさず、ただ純粋に、たった一点前だけを見据えて。
決別と決意の言葉を、<世界の秩序>にして世界の敵と成り果てた者に告げる。
「―――待たせたな、悪党。
俺の名前は玖珂光太郎!悪をぶっ飛ばす少年探偵!
お前にはたくさんの人間が迷惑してんだ!俺がこの手で―――全力でぶっ飛ばすっ!」
それに応えるのは当然、世界を自らの意思の下動かす「悪」。
「よく言った、世界の一部。
僕の名前は玖珂晋太郎!すべてをぶっ飛ばす<世界の秩序(ワールド・オーダー)>!
さぁ始めよう!終わりの始まりだ!」
言葉と共に、少年は己が式神とともに青き光を拳に纏って走り出し―――
―――<世界の秩序>は、世界から吸い上げたエネルギーを、自身の視界すべてを埋め尽くす弾幕へと変えた。
- 543 名前:laststageの中の者・2回目:2008/02/02(土) 23:04:09 ID:huTNwNMF
- そんなわけで、玖珂側(だぶるみーにんぐってみる)でした。
今日―――っつーか、今夜中はあと一回です。
あと一回で自分の準備を全部終わらせるんで、あとちょっとだけ待ってください>>540
さん。
というか、あと一回の投稿を終えたらちょっと「皆様」に手伝ってほしいことがあります。
個人的に思いついたことなんで、やっていただけるとうれしいなぁ、と思います。
- 544 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 23:12:57 ID:NihXAP7n
- >>543さん
いや、まだほとんど書けてないッスorz
……あれ?今ふと思ったんですがくれはってどうなりました?
カニアーマーが破壊されたあと………。
- 545 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてた人:2008/02/02(土) 23:18:30 ID:tIz1T1hJ
- >>543
別にいいですよ〜
へぼいSS書きが出来ることならw
- 546 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 23:20:47 ID:YtYjUzJ4
- >>536を見ていたら光太郎は南さんちの光太郎に似ていると思ったw
式神の城のことよく知らないけどね。
- 547 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 23:21:22 ID:Vmz8CXlg
- 俺も参戦しちゃうよ?
上で東方言ってたけど書いちゃった、ごめんね。
- 548 名前:博麗の巫女・合流その一:2008/02/02(土) 23:30:26 ID:Vmz8CXlg
- 「やっと追いつけた。あなたは話に聞く壬生谷の巫女の結城小夜さんでしょ? 私は博麗神社の巫女。博麗霊夢よ。
神主さんから聞いたわ、よろしくね」
「壬生谷を知っている人間? あなたは……博麗の巫女? 聞いたことがあるような」
「ええ、たぶんその博麗の巫女。そしてそちらの人は…確か紅き月の巫女って呼ばれているんでしょ。よろしくね」
「そう、あなたが博麗霊夢。私は緋室灯――あかりん、って呼んでくれていい」
巫女装束を纏う、少女二人。名を結城小夜、そして博麗霊夢という。互いに戦いを潜り抜けてきたためか、傷つき疲労
している様子が見て取れる。
そして壬生谷の巫女と行動を共にしてきた強化人間の少女――緋室灯。輝明学園の制服を纏った彼女もまた紅き月の巫
女の転生体でもある。強化人間として育てられた彼女は妙な茶目っ気を見せて自分の名を告げる。ここに三人の巫女が
集った。自己紹介もそこそこに、三人はこくりと頷く。ここはねじれた城の中。博麗の巫女たる少女もまた二人の巫女
と同じように戦場に赴く者としての心構えはできている。即ち、自分がなすべき事は何かということを。
彼女たちは正確には知るよしもなかったが、サイバスター、そしてグランゾンのパイロット達が血路を開いた為、博麗
の巫女たる少女もこの二人に追いつくことができたのだ。そしていち早く進んでいた巫女二人と合流できたワケである。
- 549 名前:博麗の巫女・合流その二:2008/02/02(土) 23:31:52 ID:Vmz8CXlg
- 「挨拶はこのくらいにして――っと。壬生谷の巫女さん、ここは一気に片づけるわよ」
「はい、行きます!」
「……来た、私は援護する。なるべく当てないようにするから」
城内最深部。城主たる玖珂晋太郎までの道程も後僅かといったところだが、時間稼ぎか敵の数も多い。無論そんなもの
につきあっているわけには行かない。
ならばこそ、出し惜しみをしていられるわけもなかった。まさに引くも地獄進むも地獄といった感だ。時間切れは東京
――ひいてはこの世界の破滅を意味するのであるから。
「くっ、キリがないわね。ここは――――ええと、あかりんだっけ? ちょっと時間をっ!」
「ええ、緋室さん。お願いしますっ!」
「了解。ガンナーズ・ブルーム」
まさに百鬼夜行さながらの城内。最深部までは通さぬと行った感があるあしきゆめの群れ。三人の巫女は足並みを乱さず
自分の役割を果たしている。
灯の持つ箒――ガンナーズ・ブルームは休むことなく弾を射出し敵を砕く。さすが少女とはいえ歴戦の戦士でもある彼女
たちは即座に連携を組むことが可能であったのだ。
- 550 名前:博麗の巫女・合流その三:2008/02/02(土) 23:35:53 ID:Vmz8CXlg
- 「これならっ行けるはず! 壬生谷の巫女さん今よ――――封魔ぁぁぁ――――」
「わかりました、博麗の巫女――――光鴉ぁぁぁ――――」
『――――――――陣ッッッッ』
”GUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!”
二人の巫女が呪符を取り出し気合いを込めた声を張り上げる。と、同時に猛烈な閃光と爆砕が起こり、周囲一面をなぎ払
う。その爆発に巻き込まれ、あしきゆめ達は怨嗟の声を上げながら消滅していった。
「……この先。たぶん柊蓮司と玖珂光太郎もそこにいる」
「ええ、行きましょうか」
「もちろんっ!」
彼女達は傷も消耗も癒す間もなく先を急ぐ。これから先の悲劇を知ることもないまま――――
緋室灯――彼女の仲間たる赤羽くれはが変わり果てた姿で待ちかまえていることなど知るよしもなく。
いよいよねじれた城。その最深部へと向かう。このふざけた世界の神を打破する為に。
博麗霊夢―――城内に到着し緋室灯・結城小夜と合流。ひとまずは柊蓮司の元へ向かう
- 551 名前:博麗の巫女・合流:2008/02/02(土) 23:37:34 ID:Vmz8CXlg
- 短時間でしたのでこの程度のモノしか書けませんでした。
スレ汚し失礼しました。職人のみなさまどうぞ頑張ってください。
あとは読者として過ごしますわ……
- 552 名前:ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たちを書いてた人:2008/02/03(日) 00:04:10 ID:tIz1T1hJ
- >>551
GJ!
さて、そろそろ他の地上組も城へと突入し始めたなw
個人的にはシャナ組とかの活躍を希望してます。
- 553 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:11:32 ID:luD0mfpj
- ということは、敵側も一発逆転を狙ってくる可能性があるのかッ!!
(アルカナハート組を何とか出そうと思っているが、一部能力が封じられてるので困っている
- 554 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:15:14 ID:TgEZouCl
- そろそろ終わりかあ。
ダイソード組のネタ振っていたものだけど、今夜のネタで終りにしよう。
流鏑馬弟とナイトメア、こっちで使おうと思うんだけど、いい?
- 555 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:19:35 ID:luD0mfpj
- どのナイトメア? 鈴木さん?
- 556 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:20:26 ID:Sp7vHXE3
- >554
流鏑馬君、どぞ。もっと早い段階なら、セイバーやアガートラムと合流する所でした。
- 557 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:21:42 ID:TgEZouCl
- >>555
鈴木さん。
NW側の魔法使い合流させたいなあと。
- 558 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:32:01 ID:uI9SIA12
- >>547
>>519だがお気になさらず〜。こっちはまだプロット作ってる段階だったんでw
- 559 名前:laststageの中の者:2008/02/03(日) 00:42:53 ID:2IMc4eHj
- あい、これで本日ラストです。支援くださいです。厳しいです(汗)
- 560 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:43:21 ID:HfeKtviI
- では支援
- 561 名前:laststage-3 あしたへの、きぼう:2008/02/03(日) 00:43:50 ID:2IMc4eHj
- 眼下に式神の城をのぞむ位置に、一人の男が浮いていた。
その存在は希薄で、今にも消えてしまいそうだ。けれどそこに確かにその存在は「あった」。
突如現れた彼は、耳にするインカムに向けて告げる。
「―――接続完了(コンタクト)。視界、オールグリーンです。しかしこれ、壮観ですね」
そう、のん気なのか大物なのかわからない言葉を発する。
それも無理からぬこと。彼のいる世界では、事実この現実感のない事件(おまつりさわぎ)を見ることはかなわない。
彼のつけているインカムのイヤホンから声が返る。
『余裕じゃないか、案外君は大物だな。
君の相方達に混じってなかなか君の異様性は見てとれないが、あんな無茶苦茶をやる人間達とまともに付き合えるのは確かに異常か』
「人を異常扱いしないでくださいよ。そもそもあいつらは相方じゃなくて腐れ縁です」
『そうか?
この間君の相方一号は「ふはは、もっと俺の為に働けー働けー」と言っていたし、二号は「あいつが大臣、俺が王様」と言っていたが』
男の胸の内に怒りが灯る。
「そこにいるんでしょそいつら。後で校舎裏に呼び出しますんで、今はちょっと黙らせておいてください。
でなけりゃこんな絶好の機会、逃そうとするはずもないですからね」
『ふむ、そのことは肝に銘じておこう。
しかし本当に余裕だな君は。
現実世界の一般人であるところの君がこの世界に「介入(ダイブ)」という形であれ潜入することは僕は反対したんだが……。
本当に怖くはないのかい?チャンスは一回。それも、そのチャンスを彼がつかみ取れるかどうかすらも可能性論に過ぎない。
チャンスはごくわずか。タイミングはスーパーカルトクラスにシビア。
それなのに―――君は本当に怖くはないのかい?矢野君』
その言葉に彼は―――かつて、他の世界で薔薇王子とからかい混じりに呼ばれた男は至極当然とばかりに答える。
「そりゃ怖いですよ。
俺達のいるところじゃこれは幻想にすぎない夢物語なんですし、そこに放り込まれて怖くないわけないじゃないですか」
『それもそうだ。けれど、じゃあなぜ―――君は、そんな世界の滅亡を前にして笑っているのかね?』
イヤホンの向こうの声が、どこか楽しげにそう問うた。
まるで、わかっている答えを聞くいたずら好きな子供のように。須田と呼ばれる男は問うた。
それに答えるのはどこかバツが悪そうで、しかし自信に満ちた声だった。
「そうですね。俺が言うのもなんなんですが―――俺も、あいつのことを信頼してるからじゃないですか?」
幻想の紡ぎ手の一人は、誇らしげに言葉を紡ぐ。
「俺とあいつが、いくつの世界を救ってきたと思ってるんです」
彼が視線を注ぐのは眼下の光景。
そこには、傷だらけでなお眼前の「理不尽」に立ち向かう二人の少年の姿があった。
- 562 名前:laststage-3 あしたへの、きぼう:2008/02/03(日) 00:44:33 ID:2IMc4eHj
- ***
「―――ぉおっ!」
結界に覆われた空間の中を、巨砲のごとき光が迸る。
それをなんとか回避するものの、長い間走り続けてきた代償と、「世界」そのものより汲み上げられる強大な力に、
弄ばれるように長い時間対峙してきた柊の体は限界を迎えていた。
息を整える時間も与えられず、今度は視界のすべてをほぼ埋め尽くす光球の壁が彼を襲う。
回避は不可能、ならば―――
(―――正面から突破するだけだっ!)
即座にその場で身を捻り、一歩踏み出しながらの袈裟切り。
それと余波によって切り散らされ、細い隙間の開いた空間へと躊躇なく踏み込み、壁を突破する。
そのまま巨大な蜘蛛へと疾風のごとくに駆け抜ける。
しかしこれまで。戦闘が始まって長い時間が経過したが、柊は一度として蜘蛛の足元にすらたどりつけてはいない。
赤い水晶を守っていた八つの水晶の内、三つが柊の接近を感知し、囲むように飛来。同時に細い光を放つ。
またか、と内心毒づく柊。彼が一定距離に近づくと、これまで水晶がその行く手を塞ぐように展開して襲ってきたのだ。
同じことをされる度に、近場にある水晶をいくつか壊すものの、近づくことは至難を極めた。
正確無比な光の矢を一発は完璧にかわし、一発は魔剣の柄頭で弾くが……迎撃も回避も不可能な一発が、彼の左足の付け根を貫く。
七つになった水晶が一つに集い、辛うじて倒れることはなかったものの動きを止めた彼に向けて容赦なく不可避の光の渦を放った。
柊は残り少ないプラーナを反射的に放出、その一発を魔剣で受けながらも―――光の勢いに抗することなどできるはずもない。
枯れ葉のごとく薙ぎ飛ばされ、暗闇の中の<床>の上を受身も取れずに転がった。
満身創痍。魔力はほとんど底をつき、プラーナもまた空に近い。
そんな状況で、彼はなんとか希望を見出そうと剣を杖代わりに立ち上がり、目の前の敵を睨む。
剣先はぶれ、視界もやけに暗く感じる。それでも柊は足に力を込め、眼光だけは衰えはしない。
(どうすりゃいい?)
頭は、今まで答えのでなかった問いを再び繰り返す。
(俺にできるのは真正面から近づいていって叩き斬ることだけ。
それをしようにも、相手はちょっとやそっとの小細工が通用する相手じゃねぇ。
そもそも剣の届く範囲にいない相手をなんとかする力は俺にはない。だったら誰かの力を借りるしかねぇが、ここは結界の中。
誰かの到着を待とうにも―――そろそろ、俺の方が限界か)
状況は絶望的。
欠けている力を補う『仲間』もいない状況で勝てる相手ではない。
それが、幾度も世界を救った男の出した現状の把握だった。
負ける気はない。最後の最後まで足掻く覚悟はとっくの昔にできている。
けれど、それは今回彼だけの終わりを意味するわけではない。この場にいる幼馴染の少女の終わりをも―――
「あ?」
頭の中に、何かが引っかかった。
- 563 名前:道を切り開く者たちを書いてた人:2008/02/03(日) 00:44:47 ID:z7j4u2xC
- >>519
実は最初からそのためのネタフリをするためだけに書いていたのは秘密ですw
読んでいて、地上の飛べない連中どうやって城行くんだろ?
と思ってたので、強制的に道を接続させてみたw
さて、あとなんか消化してないネタがあったかな?
なんかネタ拾って書こうかしら(いい加減空気読んで、休んでろ)
- 564 名前:laststage-3 あしたへの、きぼう:2008/02/03(日) 00:45:12 ID:2IMc4eHj
- これが鍵だと、がなりたてる声がある。
始めに思い出したのは、離別した仲間の言葉。
『わたしに手伝ってほしいことは、ない?』
次に思い出すのは、今世界を脅かす敵の言葉。
『僕の名前は<世界の秩序>』
『あの水晶の中には蜘蛛への力の供給装置があります』
最後に思い出したのは、今この場にいる幼馴染の一つの言葉。
『できるよ。私の大好きな―――』
自然に、笑みがこぼれた。
ひきつけを起こした子供のように、止まらない笑い声が響いた。端々の傷が痛むが、そんなことはどうでもよかった。
ひとしきり笑った後、不敵に笑って、再び眼前の敵を睨む。
「あー、笑った笑った。本当に笑うしかねぇなこりゃ。
自分が間抜けすぎて笑うしかねぇよ。最初っからここには揃ってたんだからな、この状況をなんとかする方法」
そう告げて、彼は。世界の危機に立ち向かう者は。
―――この場にいる一人の仲間に向けて、たった一つ、願った。
「悪いな『くれは』。今回は、俺だけじゃ世界守れないらしい。
―――お前の力、貸してくれよ」
赤い水晶の中の少女が、小さく笑った。
***
世界の力を集める宝石が彼女の手の中にあり。
彼女自身には力を下ろす体があり。
そして、彼女は力を誰かに渡すことができる。
だから彼女は、めったに助けを求めない幼馴染の求めに応じて―――世界の力の流れを逆利用し、世界に……世界の向こうの「意思ある者」達に対して、語りかける。
- 565 名前:laststage-3 あしたへの、きぼう:2008/02/03(日) 00:47:14 ID:2IMc4eHj
- ―――聞いてください。
その声は、世界中に響いていた。
―――今、みんなの住んでる世界を守るために戦ってるやつらがいます。
その声は、縁を持つ者全てに届いていた。
―――けど、世界を守るためにはみんなの助けが必要なんです。
空に、海に、山に。意思を持つ全ての者へと。
―――あ、助けっていっても簡単です。
分け隔てなく、ふり注ぐ。
―――みんなには、信じる気持ちを持ってほしいだけなんです。
やさしく暖かく、希望を与えるように。
―――誰かと一緒にいたり、笑ったりするための
ただ、降り注ぐ。
―――明日っていう、希望を。
後にこの声は、「天使の言葉」と呼ばれることとなる。
- 566 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:47:52 ID:/YcglIHM
- 支援させていただきます。
- 567 名前:道を切り開く者たちを書いてた人:2008/02/03(日) 00:49:45 ID:z7j4u2xC
- リロードしそこねてたorz
そして、鳥肌支援!!
- 568 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:50:45 ID:HfeKtviI
- 第二支援
- 569 名前:laststageの中の者:2008/02/03(日) 00:54:13 ID:2IMc4eHj
- な、長かったっ……。
さて。
これで後は自分はここに終幕を引くだけなのですが、少しだけお願いがあります。
そう、「モニターの向こうの」貴方に。
これだけそうそうたる面子が、世界を救うために立ち上がってくれました。
しかし、自分は今まで出てきてくれた彼らをあまり知りません。
ですから、英雄達の明日への希望を、彼らに届けるのを手伝ってほしいのです。
もちろんこの世界にいる者なら、希望を届けることが可能なら、どんなキャラでもかまいません。
なんだったら、貴方自身の声でもいいです。
この世界を救うために、彼らに力を貸してあげてください。
【とゆーこと(元気玉方式)なんですけど、乗ってくれる方いるのかなー?
一応、オーラスの投稿は明日の正午すぎになると思います。と言って書き逃げ】
- 570 名前:博麗の巫女・合流:2008/02/03(日) 00:54:53 ID:hAwCnytL
- 練るに寝られんw 支援だ〜!!
>>558
これはどうも。碧神子 VS 赤にして桜の隕石対決考えていたけどもう無理。
ラストを気にしつつ展開を見守ろう。
- 571 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:55:07 ID:z7j4u2xC
- 皆よ、この声を聞け!
このSSの見事な完結を望む者よ、聞け!
ただ一つの支援に想いを乗せて、声を上げるんだ 支援!!
- 572 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:58:29 ID:07JPIIPc
- ちょっwwめっちゃカブってますwww
急いで支援書きますよっ!!
- 573 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 01:02:03 ID:z7j4u2xC
- >>569
ふ、英雄達の幻想、か。
いいだろう、その願いを紡ぎ上げてやろうじゃないか!
これから急いで書きますぜ!w
- 574 名前:少女たちの戰いを書いてたものです。:2008/02/03(日) 01:10:43 ID:07JPIIPc
- >>573さん
舞ーHiME組はお任せしたほうがいいですかね。
それとも自分が引き取りましょうか?。
- 575 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 01:16:25 ID:z7j4u2xC
- >>574
もう己の恥ずかしさの全てを叩き込んだので、そちらにお任せしますw
素敵なのを期待してます。
いやー、好きだとか、愛してるとか、1シーンの中で連呼しまくったのはあれが始めてだったぜw
こっちはどうするかなー? DNN ピーター・マクドナルドでも書くか?
(独占放送している姿しか浮かばないが)
- 576 名前:──これより、はじまりのためのおわりの戦いがはじまる。:2008/02/03(日) 01:19:14 ID:HfeKtviI
- /*/
これより、はじまりのためのおわりの戦いがはじまる。
/*/
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
<this Omnipotent Vicarious Enlist a Recruit Silent System>
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
<OVERS-SYSTEM Ver UP
OVERS-SYSTEM Ver 1.00...Re-boot....ok>
<this Omnipotent Vicarious Enlist a Recruit Silent System>
>OVERS-SYSTEM Ver UP
>OVERS-SYSTEM Ver 1.00...ok>
>私の名前はOVERS・SYSTEM。
>七つの世界で命を与えられ、
>七つの世界で体を得て、
>永劫の闇で戦うもの。
>OVERS・SYSTEMはあなたに接触します。
>全ての戦いを終わらせるために。
>主八界に現れた異世界の戦士よ。
>悪意の連鎖を終わらせなさい。
>悪夢の連鎖を終わらせなさい。
>OVERS・SYSTEMは、"星の巫女"の要請を請け入れました。
>OVERS・SYSTEMは、
>あなたに"第八世界" Far-the-earthに巣くう悪意を共に倒すことを要請します。
- 577 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 01:21:46 ID:/YcglIHM
- やっぱこうSSに反映されると
「柊は王子あってこそ!」という思いつきで王子を介入させたかいがあるな(実は書き逃げてたのは内緒)
「行け!最後の最後、クライマックスの果てまでも!」
「1週間に渡る長い夢だが、その夢の終わりまで!」
「夢が終わりを告げても、それに続く明日のために!」
「我々が創った物語の結末が、たとえどんなことになろうと悔いはない!!」
「・・・まぁここまできてBADENDはないと信じてる。・・・多分、絶対」
「とりあえずまぁ何が言いたいかというと・・・」
『物語の最後は「めでたしめでたし」というHAPPYなエンディングで終わるべき!!by芝村理論
なおかつ面白ければそれでOK!!byきくたけ理論』
「回収されない伏線?それは次の機会や舞台裏で再利用すべき!それが俺たちのジャスティス!(意味が分かりません)」
「つまり、例えば世界の謎として残すもよし!例えば数年後にとーとつに使うのもありだ!それが卓ゲ民クオリィ!(意味がry)」
「「「「「「「「思 う 存 分 に や る が い い ! ! 」」」」」」」」
・・・あー、暴走が過ぎた
- 578 名前:──ここより、おわりにむかうはじまりのための戦いがはじまる。:2008/02/03(日) 01:22:53 ID:HfeKtviI
- :
:
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
>―I am Omnipotent Vicarious Enlist a Recruit Silent System―
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
>私の名前はOVERS・SYSTEM。
>7つの世界で唯一希望を与えられたプログラム。
>PRESS ANY KEY
>悪意の連鎖を終わらせなさい。
>悪夢の連鎖を探し、断ちきりなさい。
>私はあなた、あなたは私。
>二つであり、一つのもの。
>共にこの"第八世界" Far-the-earthでは身体を持たず、
>恨みも権益もなく、ただ我々が、
>ここにいることを否定するために現れた存在。
>悪意の連鎖を探しなさい。
>悪意の連鎖を終わらせなさい。
>我々は本来、どの世界にあってもいけないのです。
>引き続きキーボードに入力をしてください。
>OVERS・SYSTEMは、敵の殲滅を指向します。
>我々は、
>我々がここにいることを否定するために現れた存在。
>この世界から、我々の存在意義を消しましょう。
:
:
>それが物語の終りと言う物です。
- 579 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 01:24:10 ID:/YcglIHM
- しまった。書き込むのが早すぎたorz
- 580 名前:少女たちの戰いを書いてたものです。:2008/02/03(日) 01:25:50 ID:07JPIIPc
- >>575さん
ま、マジすか。
どどど、どうしよう(汗)
まあ、書けそうなの他にないからいいか。
とりあえず、用意した希望を幾つか贈りましょう。
あー…今日は貫徹かなぁ…うひひwww
- 581 名前:──ここより、おわりにむかうはじまりのための戦いがはじまる。:2008/02/03(日) 01:28:54 ID:HfeKtviI
- OVERSのなかのひと支援
(設定上、ver.1.00は現実から他の世界に介入するバージョンw)
最初に大統領投入した手前、ネタにけり付けて
ラストでやろうと思っていたが投入が早まってしまったw
皆クオリティ高いなw
OVERS台詞はうる覚え(何故かry)なので厳密には違うかも知れんが許せ
>>579
スマヌ、だがなぜか連投できなかったので感謝
- 582 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 01:29:37 ID:slZB+3Wd
- PC版の人の援助を誰か拾ってあげてくれ…
せっかくナイトウィザード関係のキャラなんだし
- 583 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 01:30:04 ID:zTV/63VG
- 「貫」くに、「徹」する…
何という今作主人公コンビ的覚悟ッ!!
【そんな所まで拾う必要は無い】
- 584 名前:少女たちの戰いを書いてたものです。:2008/02/03(日) 01:49:34 ID:07JPIIPc
- >>582さん
自分は一つネタ考えましたよ。しっかり拾わせていただきます。
って、早く書かなきゃ。
- 585 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 01:58:21 ID:z7j4u2xC
- >>580
うひひ、楽しみにしてますぜ、だんなw
自分は……ちょっと調子に乗りすぎたから、自重しようかな?(長文とか書きすぎたし)
地上組へのフラグを立てて、きっと役目が終わったから読者側にいこうかね?
>>581
新しい規制で、22行の文章で最初の行は空だと異次元に消えるらしいですよ?
(何度か消えたことがある)
防ぐには最初の行に文章を入れるか、全角スペースを入れて投下しないと駄目みたいです。
気をつけて。
- 586 名前:──ここより、おわりにむかうはじまりのための戦いがはじまる。:2008/02/03(日) 02:04:25 ID:HfeKtviI
- >>585
>22行の文章で最初の行は空だと異次元に消える
了解
支援開始から書きつつ投下したので操作ミスしたかも試練……
次からは気をつけるよ
- 587 名前:世界に届けよう、もうひとつの呼び掛けを! 1:2008/02/03(日) 02:25:16 ID:Wy32f8XC
- ……現状を逆利用して世界中に支援を呼び掛けたくれはの“声”は
無論最も近くに居た柊にも響いてヘタれかけた意思を持ち直させてくれたが、
以前として直ぐ目の前の現状が厳しい事に変わりはない。
それでも再び灯し直した希望を信じて魔剣を構え直す柊に対し、
蜘蛛を取り巻いていた水晶群の幾つかが柊の目線の高さまで
降りて来て、その表面に変わる代わる様々な映像を映し出した。
それは、各地で奮闘していた勇士達と城から遣わされた敵との激戦の映像。
――HARI-MAに圧倒されているベホイミ
――ブラックフライのNEWALONEに対してSLBで圧し負けているなのは
――KYO-YAにバリアジャケットを斬り裂かれているフェイト
――もう一人の自分達に想いを揺さ振られて絶望する舞依となつき
――大気圏上でバイドの大群に圧されているパステリオン
――城内で大軍相手に袋小路に追い込まれて防戦一方の
灯と小夜と霊夢
――E-MIYAが無数に複製した宝具群に包囲されている戦闘員
――ぼろぼろに崩壊した自身の居城に茫然と佇むアンゼロット……
他にも様々に映されたが、その映像の何れもこれもが勇士達の苦境のみを映し出していた。
まるで柊の内に再び灯った希望と云う支えをへし折ろうかと言う様に……。
事実、それ等を見せ付けられて(やっぱり駄目なのかよ……)と柊が絶望し掛かった時に、
唐突に柊の居た広間の壁が轟音と共に破砕され、
強烈なトーチライトの投射光を背に負って
雄々しくも自信に満ち溢れしかもその自信が周囲にも伝播しそうな
そんな良く通る威厳有る声が破砕穴の向こうの外から響いて来た。
「Σそんな三流マスコミの偏った情報操作に惑わされてはイカンぞ! Down’s Boy!!」
- 588 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 02:39:36 ID:jXwLHeCZ
- …規制か?
所でタイムリミットって何時だっけか
- 589 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 02:53:17 ID:3rV83u+0
- 今日の21時だな
とはいえなんか最後は投下が混雑しそうだし、もうちょい長引く気がしなくもない
- 590 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 03:00:32 ID:07JPIIPc
- か、書けた…!
さほど長くないですが出来れば支援お願いしますorz
- 591 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 03:02:43 ID:TgEZouCl
- では支援だ。
- 592 名前:手と手つないで、心開いて1:2008/02/03(日) 03:05:53 ID:07JPIIPc
- 光あるところに闇はあり、故に闇あればこそ光は光たりえる。
表と裏、正と不、有と無──未来永劫、悪意が消えないのと同じに、それはありとあらゆる世界を縛る、何者も覆すことの出来ない"唯一絶対の法則"。
あの場所を覆うモノが、常闇に淀んだ"意志"だと言うのなら──
それを斬り裂くモノが、暁光に輝く"意志"があって何がおかしいか──
"それ"を心に携える人々に、ひとりの"天使"が舞い降りた──
あるところ。
ふたりの少女が空を見上げてつぶやいた。
「ヒイラギ、大丈夫かなぁ」
「きっと大丈夫。私たちを──この世界を救ってくれた人なんだから」
「…そうだよね!」
ひとつ、
ある街の片隅。
ひとりの男が茜の空にふと思い立つ。
「ん?」
「どうした?ザーフィ」
「いや、懐かしい声が聞こえた気がしてな。まあ、アイツの事だ元気にやってるだろう」
ふたつ、
極めて近く、それで居て遠い世界。
男装の麗人が青空に向けて楽しそうに言った。
「蓮司君…どうしてるかな。ふふっ、やっぱり、世界の危機と戦ってるのかな」
みっつ、
- 593 名前:手と手つないで、心開いて2:2008/02/03(日) 03:10:25 ID:07JPIIPc
-
遙か先の未来。
黒き翼の天使と世界の記録者が夕日を背に予言した。
「柊さんはこの戦いの時に…」
「まだ死なないよ。あの人が、柊蓮司がそんな簡単に"あんなもの"に屈するはずがない」
よっつ、
どこかも知れない世界。少年と少女が星空を見上げて言葉を紡いだ。
「あっ…流れ星」
「マサトが星を気にするなんて珍しいね」
「ああ、うん。何だか懐かしい…暖かい気持ちになったんだ」
いつつ、
遠い遠いとある場所。
少女は祈るように、遠い空の下の誰かを想った。
「あっ…ご先祖様のペンダント…。柊さん…」
全部でむっつ。
いいや、もっともっとたくさんたくさん──
一つ一つは小さいけれど、確かに彼らは"それ"を持っていた。
怨念に縛られた悪霊と戦うものたち。
逃れられない終わりと戦うものたち。
平穏を脅かす侵略者と戦うものたち。
彼らが戦うもの──
その名は"絶望"。
光を砕き、善意を嘲り、明日を呑み込む、森羅万象最強最悪にしてすべてのひとの魂に掬う、生きとし生けるものの仇敵。
そんな"絶望"と戦う、遠く離れたものたちに。
"絶望"に屈せず、"それ"を胸に戦うものたちに。
"天使の言葉"がそっと届いた──
- 594 名前:世界に届けよう、もうひとつの呼び掛けを! 2:2008/02/03(日) 03:10:36 ID:hUHAAbNf
- そう、そこに居たのは……
――不屈の魂の体現たるナイスなタフガイ!
――苦境に在る戦友(とも)を見捨てぬ燃え猛る正義のヒーロー!
アメリカ合衆国第47代大統領、マイケル・ウィルソン――メタルウルフその人!!
満を持してメインキャストのピンチに只今登場!!!
そして、大統領の背後から投下光を投げ掛けているヘリから扉を明けて
一人のハイテンションな外人がマイクを片手に身を乗り出して柊に訴える。
「あ、貴方がレンジ=ヒイラギ君ですね。私、DNNレポーターのピーター・マクドナルドと申します!
この城を巡る世界を護る為の勇ましき激戦を我がDNNが(株)アンゼロット放送局との提携の下に
アストラル・ネットワーク(霊界経路)を通じて視える人だけには視える独占生放送中継をしています!
短刀を直輸入に言います、ヒイラギ君、それは敵が悪意の下に編集した偏向報道です!
真実を!希望を!貴方のその目で確かめて下さい!」
ピーターのその叫びと同時にヘリ下部から大きな液晶ディスプレイが現れ、
多画面分割で“現状”を映し出した!
――正義の魂を込めた会心のアッパーでHARI-MAを撃破したベホイミ
――タコスケ達の協力も有ってブラックフライとKYO-YAを倒し
たった今この城に突入したなのは・フェイト・はやて
――地に居る全ての勇士達の為に柊達への活路を開いた
サイバスターとグランゾン
――愛を信じ抜いて自身の“心の闇”を打ち破り今正に
城に突撃しようとする舞依となつき
&序でに便乗したベホイミとクロス
――弾幕とボムの乱発で窮場を乗り切り血路を開いて
見事なチームワークで城内を疾走している灯と小夜と霊夢
――城の修復を(株)アンゼロット工務店の精鋭部隊に委ねて
更に紫に修理を手伝わせつつも各地の統制を繋げようと
奮闘しているアンゼロット……
他にも様々な数多くの勇士達がピンチを切り抜け
数多くの大切なものを護りつつ城に続々と駆け付けている!
「Boy! 大切なものの為に戦っているのは君だけじゃない。そして、皆
この事態をどうにかする為に、Boy’sの力になる為に駆け付けている
心強いバディ(仲間)だ! さぁ、この戦いの終幕も近い!
先ずはあの蜘蛛に捕えられている君のプリンセスを共に救い出そう!」
その大統領の台詞に、柊は憑き物の落ちた様な
不屈の意思と揺るがぬ希望を再び抱いた快笑を浮かべて
大声で台詞を返す!
「……へっ、ンな事、この城に向けて駆け出した時から分かってるぜ。
Σっつか、くれはは俺のプリンセスでも何でも無ぇっ!? 只の幼馴染みだっ!!///
ま、くれはを助け出すのには同意だ。先ずは頼りにさせて貰うぜ、大統領!」
「良い答えだ、Down’Boy! ならば、レッツパリィィィィィィィ!!」
「Σっつかアンタまで俺を下がる男言うなよっ!?;」
此処にアメリカ合衆国の正義の具現が
〈世界の秩序〉を敵に回して今の世界も幼馴染みも
何もかも一切合切助け護ろうと本気でしている大馬鹿野郎と肩を並べる!!
- 595 名前:手と手つないで、心開いて3:2008/02/03(日) 03:14:37 ID:07JPIIPc
-
『──あなたの希望を少しだけ、少しだけ、わけてください』
その名は"希望"。
暗黒を斬り裂き、悪意を滅ぼし、終わりを殺す、三千世界天下無双にして誰しもが持つ、もっとも綺麗な見えない宝石。
あまねく"絶望"を駆逐する、闇を祓う銀の剣。
とある森、とある小屋。
車いすに座った少年が空に向かって手を伸ばした。
──あなたの言葉、確かにぼくらに届きました。
「お兄ちゃん?」
心配そうな少女をよそに、少年は普段は虚ろな瞳の奥底に、確かな光を灯してこう言った。
「だから……」
すべてのひとの魂をかけた戦いをはじめるために。
すべてのあしきゆめを根絶するために。
そして、すべてのひとの魂の戦いをおわらせるために。
ただひとふり、銀の剣をこの手にとって、
『『あたしの』』
『『ぼくの』』
『『わたしの』』
『『おれの』』
"希望"をみんなに贈ります──
- 596 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 03:17:21 ID:hUHAAbNf
- ……済まぬ、書き溜めでは無く直書きだったから
他の人に挟んでもうた……orz
読み苦しくしてしまって申し訳有りません。御免なさい。
- 597 名前:手と(以下略を書いたものです。:2008/02/03(日) 03:20:17 ID:07JPIIPc
- はい。とーいうわけで無名世界観的ワードを絡めつつ、柊サーガ関係者+2にでばっていただきました。
空気読めてませんねー、自分www
吟遊詩人スキルが発動して痛いことになってますorz
- 598 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 03:25:26 ID:TgEZouCl
- やっとダイソード組のSS出来た。
今から投下します。
これでこちらの出番は終りかと。
- 599 名前:世界轟かす剣:2008/02/03(日) 03:26:01 ID:TgEZouCl
- 時刻は若干遡る。
マサキ・アンドーがサイフラッシュを放つ少し前。
戦艦レイヴァーティン内部にしつらえた巨大な儀式の間で元九江州中生達は精神を集中させていた。
神の剣ダイソードと神の盾ヨゴを装備したレイヴァーテインによる、質量と魔力にまかせたぶちかまし攻撃。
その効果を少しでも確実にするため、僅かなりとも魔力があるメンバーは己のそれを戦艦レイヴァーテインに注ぎ込む。
レイヴァーテインを介して神の武器に流し込まれた魔力は、その能力を増幅させる――
それが今回の作戦の概要である。
が。
ズドゥゥゥゥム
「「「「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」」」
突如の揺れが船内を襲う。
「Oh!Shit!!」
ヴィオレットの舌打ち。
戦艦レイヴァーテインは巨大だ。あまりにも巨大すぎるが故に目立ち、敵の格好の目標とされたのだ。
雲霞の如く押し寄せる敵の群。
レイヴァーテイン自身の武装で、あるいはダイソードをふるって迎撃するも、数の力はその対処能力を飽和状態にまで追い込んでいた。
「ダメですっ。このままじゃ持ちませんっ」
ヨゴのコクピットで、召喚者の二葉春夏が悲鳴をあげる。
「ヴィオレットさん」
「What!?」
「前進してください。こうなったら、この戦艦の質量で敵を押しつぶすしかありません」
揺れに何とか耐えながら、千導会長は提案した。確かに、彼我の質量差を考えれば敵を弾き飛ばすのは容易だ。
だがその代償として、レイヴァーテインの受ける損傷も少なくはないはずである。
それをカバーするのに魔力が余分に消費され、突撃の威力が減衰するのは避けられないだろう。
「思い切りもいい、Niceなアイディーアだと思いマースが……」
「ヴィオレットさん?」
「もうヘルプ呼んでありマース」
言って彼女が指す空の一角にマントをはためかせ箒を駆る男の姿が見えた。
- 600 名前:世界轟かす剣:2008/02/03(日) 03:26:34 ID:TgEZouCl
- 「フンっ」
男の放つ魔法が、戦艦に取り付いた雑魚の群れをなぎ払っていく。
彼の名は鈴木太郎。絶滅社に所属する傭兵にして、ナイトメアとして知られる熟練の夢使いである。
そして援軍は彼だけではなかった。
「アザラス・メトリオン・ジントス」
闇を思わせるフードをまとった少女の呪文が、巻き起こした魔力の渦が、
「おらおらおらおら、くらいやがれ」
全身が機械化された少年の放つソニックキャノンが、
「あなたがたには、これがお似合いですわ」
赤い髪の少女が放つ光弾が、ナイトメアの討ちもらした残敵を掃討する。
「どうやら、肝心の舞台には間に合ったようだな」
「護衛だけで終わるんじゃ、ちょっとかっこわるいもんね」
最後に黒いコスチュームに身を包んだ青年と、緑の肌の少年が器用にレイヴァーテインの肩の部分に降り立った。
「ほう、お前たちなかなかやるではないかどりぃぃぃぃぃむ」
「あんたもな。僕はナイトウィング。このティーンタイタンズのリーダーだ。
大体の事情は聞いている」
「ふっ。なら話が早い。そちらに魔術を使えるメンバーはいるか?
どうやらこの戦艦が行おうとしている作戦に、魔術師が必要らしい」
「……それなら私が」
進み出たのは、先ほど奇妙な呪文を唱えた少女であった。
「私はレイブン。魔法に関してはちょっとしたものよ」
「そいつは心強い」
一方、メインブリッジでは千導会長が安堵の息をついていた。
「少し手間取りましたが……ナイトメアさんとティーンタイタンズの皆さんを収容後、改めて作戦を開始します」
「いやダメです、会長」
硬い声で否定の言葉を口にしたのは、ダイソードに登場していた王太だった。
「どうしたのですか。何かトラブルでも?」
「今の戦闘でわかりました。ヴィオレットさんはダイソードに振り回されている」
「えっ」
驚きの視線を受けて、ヴィオレットはなにがおかしいのかバカ笑いする。
「ワタシはヴァルキリーデース。ソードの扱いはエキスパートではアリマセーンHAHAHAHAHA!!!」
「あああああ」
頭を抱える会長。せっかくここまでお膳立てがそろっていると言うのに、肝心のヴィオレットがこんな調子なのは完全に計算違いだった。
いっそ、このまま計画を強行しようか、多少剣に慣れていなくてもなんとか――
彼女らしくもない、自棄っぱちな思考すら頭を掠める。
「なら、俺がその剣を振るおう」
だがしかし、こんな時に、いやこんな時だからこそ名乗りを上げるものがいる。
あたかも運命に導かれたかのように。あるいはそれは宿命とでも呼ぶべきものなのかもしれない。
「あなたは……」
「流鏑馬勇士郎。ナイトメアさんの援護に来たウィザードだ」
「どりぃぃぃぃぃむ。来たな勇者よ」
続けて質問しようと彼女は口を開く。
サイフラッシュが炸裂したのはこの時だった。
- 601 名前:世界轟かす剣:2008/02/03(日) 03:27:30 ID:TgEZouCl
- モニターいっぱいに広がる精霊力の光。
そしてそれに呑まれた敵だけが次々に消滅していっている。
何が起こっているのか、正確に理解できたものは、その場に誰もいなかった。
だが会長だけはいち早く気付いた。これがチャンスだという事に。
「わかりました。流鏑馬さん。あなたにこの艦の操縦を任せます」
「古き「神」の居場所は我が示そう」
ダイソードから送られてきた情報が、映像となって、モニター上の式神の城に重ねて表示される。
「あそこか、よしっ」
レイヴァーテインは征く。神の武器を手にし、人々の魔力をその身に受け、勇者の力を得て。
サイバスターが作り出した敵の空白地帯を、全速で通り抜ける。
「気をつけてください、既に内部に人が入り込んでいます」
「おう」
今度はヨゴから送られてきた、内部の生命反応から、それらに影響のない切り口を探す。
「そこかぁっ」
勇士郎の体からプラーナの光が立ち昇る。
見出したのはくもの糸のような細い筋。古い神のみを断ち切るその箇所めがけて、ダイソードの刀身が寸分の狂いなく打ち込まれていく。
勇者の持つ膨大なプラーナが、その精密な攻撃を可能にしているのだ。
そして――
「く・ら・えぇぇぇぇぇっっ」
式神の城に人型戦艦の巨体が深々と突き刺さった。
- 602 名前:世界轟かす剣:2008/02/03(日) 03:28:24 ID:TgEZouCl
- 「ううっ、式神の城は……?」
激突の衝撃で一瞬気を失っていた会長は、頭を振りながら起き上がる。
「……古き神は消滅した」
「じゃあ」
ダイソードの言葉に、少女の顔がほころぶ。
「だが、式神の城は健在だ」
「え?」
「すまない。私の情報は不完全だったようだ」
戦局が二転三転するうちに、当初とは別の人物、思惑による陰謀が城を支配しているのだが、この場にいる誰一人として知る由もないこと
であった。
しかし、ふらつく足で立ち上がりながら、彼女は自分のやるべき事を心得ていた。
千導今夜。彼女が九江州中で会長をしていたのは伊達ではないのだ。
異世界に召喚され、半年近くの間全校生徒を率いて戦い抜いたのは、他でもない彼女自身である。
こういうときに味方の士気が低下することの恐ろしさを、彼女はよく知っていた。
「ヴィオレットさん、全艦放送を……ありがとうございます。
九江州中のみなさん、そして全乗組員の皆さん。
作戦の第一段階は成功です。私達は敵の陰謀の一つを完全に打ち砕きました」
そこで言葉を止め、息を吸う。
「しかし、敵城内にはまだ戦力が残されています。
これを討つため、当艦はここに固定し味方のための橋頭堡とします」
驚くヴィオレットに視線で謝りながら続ける。
「九江州中のみなさんは、この艦の防衛と友軍が来た時の援護に備えてください。
回復魔法の心得のある生徒は班を作り、負傷者の救護の準備にあたってください……」
「こちら、タイタンズ。悪いが、俺達はもうひと暴れしてくるぜ」
「どりぃぃぃぃむ。ならば俺はここの防衛を手伝おう。流鏑馬勇士郎。君は?」
「俺も防衛に回ろう。せっかくの拠点。失うには惜しい」
指示を出し終え、会長はあらためて戦艦の主に頭を下げた。
「すみません、勝手に艦を固定してしまって」
「ノープロブレムッ、どちらにしても深くめり込みすぎて身動きトレマセーン。
白兵戦の準備くらいしかやることなかったデース。白兵戦の準備?
HAHAHAナイスジョーーーーーッ」
「ふふっ、ありがとうございます、気遣ってくださって」
一瞬だけ微笑んだ少女はすぐに指揮官の顔に戻る。
「私に出来るのはここまで。
後は頼みました、ウィザードの皆さん……」
- 603 名前:世界轟かす剣:2008/02/03(日) 03:33:20 ID:TgEZouCl
- というわけで、こちらはここで終りです。
今更と言う感じですが、城内部に回復ポイントを作って見ました。
拙いSSですが、にぎやかしにでもなれば幸いです。
- 604 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 03:33:27 ID:+Lx61aRx
- しえん
- 605 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 03:41:22 ID:hUHAAbNf
- 因みに、俺はメタルウルフカオスを直接は知らないので
これ以上は“らしく”は書けない。
後は他の人に委ねるから御願いします!><
- 606 名前:悪魔は悪魔らしく:2008/02/03(日) 03:43:20 ID:Mxo7c5gn
- 式神の城、外周にて
青の巨兵と風の精霊が道を切り開いた後、ラハールとエトナは溢れ出て来るモノ達の処理を
プリニー隊は負傷者の救助活動と輸送を。フロンはプリニー隊が連れて来た負傷者の治療を飽きる事も無くしていた
あの時彼女は補給線の確保をラハールに要求した。
彼等が召還(よ)ばれた目的が今だ解らない上に目の前の困っている人を見捨てられない彼女の性格によるものである
そんな訳でフロンの頼みとあっては断れず(エトナは後ほど請求するようだが)彼らはかれこれ三十分以上戦い続けている
溢れ出て来るモノ達に際限は無く、なるべく塵に帰してはいるがそれでも死骸が積み重なっている
「ぬるい!ぬるすぎるぞキサマら!オレ様に挑戦してくる愚かな勇者共に比べたらクズ同然だ!」
少年魔王は最前線にて獄炎の拳を振るいながら屍を築く作業にイライラしていた。
何故オレ様がこんな事をせねばならんのだ!そう叫びたい思いを堪え延々と目の前の有象無象を倒し続ける。
だが、やはり飽きる。
まだ執務室で悪魔連中の自分勝手な要望書とにらめっこをしていた方が幾らかマシだと思う程にこれは単純作業だった
「殿下ー、良く飽きませんね?やっぱりフロンちゃんへの愛って奴ですかー?」
少し後方から魔法と愛槍ロンギヌスによる追撃をしているエトナが暇つぶしに冷やかした。彼女もいい加減飽き始めているのだ
「ええい、喋ってる暇があったらさっさと殺さんかエトナ!」
「そう言う殿下はこれ始めた時から延々喋ってるじゃないですか」
「オレ様のは独り言だから良いのだ!……くそ、本当にキリが無いぞ」
いい加減元を断つ為にここを放棄して進軍しようかと考えていたその時ラハールは空気が変わるのを感じた。
―――聞いてください。
「この声は・・・?」
フロンは呼ばれるように顔を上げた。世界が呼応する様に空気が鼓動するように動いている様に感じたからだ
「赤羽・・・くれ、は・・・さん」
「え?」
フロンが治療しているロンギヌスの一人が呟いた
「前にお世話になった人なんです・・・」
- 607 名前:悪魔は悪魔らしく:2008/02/03(日) 03:51:01 ID:Mxo7c5gn
- ―――今、みんなの住んでる世界を守るために戦ってるやつらがいます。
「へー、綺麗な声してますね殿下ー」
「ええい、働かんかエトナ!」
「負けかと思うから嫌でーす」
「クソ、やはり最初から城に飛び込んで行けば良かっ」
―――けど、世界を守るためにはみんなの助けが必要なんです。
ぴくり、と魔王と魔神の耳が動く。いい加減飽きていた彼等がこの機(フレーズ)を逃すはず等無かった。
「殿下殿下、ここは」
「解っている。・・・どうやらお前がこの世界へやって来たのは今この時の為だったらしいぞ、フロン!」
「え?私ですか?」
後方に叫んだラハールに近寄りながらフロンは頭にハテナマークを幾つも浮かべた
「えーと・・・?何で私の出番なのですか?」
「愛マニアだろうが、お前は」
「???」
未だに良く解っていない堕天使に魔王は溜息をつくのだった
「この世界にもお前の愛マニアとしての情熱を知らしめる格好の場だと言う事がまだ解らんのか」
「え?・・・・・・ハッ!ここで私が英雄を助ければ更に私の知名度も上がって愛を知る人が増えるって事ですね!
あ、でもまだ負傷者の方々が・・・・・・」
「決戦が見たくないのか?」
「行きましょうラハールさん」
即答だった。それで良いのか愛の伝道師
「フン、やっと解ったようだな。そうと解ればこんな所で補給線を張ってる暇など無い!進軍するぞフロン!」
やっと退屈な作業から開放されると言う事にラハールは意気込みながら肩をコキコキと鳴らす
無論それだけの理由で彼は動いている訳ではない。
ゆくゆくはこの世界も侵略する場合その方がやりやすいだろうと判断した結果だった
(それにここまで面白そうな世界も中々無いからな。たっぷりと楽しんだ上で滅ぼしてくれるわ!)
「でも、こんなに敵さんホイホイなのにどうやって行くんです?」
「後から付いて来い。決戦には間に合わんかもしれんがオレ様が道を切り開いてやる」
先程からプリニーを延々投げているエトナに向けてラハールは直進しながら言い切る
「へーい」と短く答えるエトナ。ビデオの準備を入念に済ませるフロン。
彼女たちを背にラハールは眼前のモノ達に向かって告げたのだった
《メテオ・インパクト!》
「愚かな人間共よ!この世界の魔王よ!オレ様の力をしっかりとその目に焼き付けるがいい!ハァーッハッハッハッハァッ!!」
一筋の流れ星が……いや、何故か普段の数倍の大きさとなった巨大隕石が、何かに惹かれる様に城の内部を逆さまに落ちていったのだった
- 608 名前:次弾装填中……:2008/02/03(日) 04:02:40 ID:07JPIIPc
- 次にアンゼロットとエリスを使いたいのですが、問題ないですか?
ないならサクサク書いちゃいます。
- 609 名前:空族たち:2008/02/03(日) 04:02:42 ID:M3GZAnwR
- ここは、ある飛行船の上
それに乗っているのは、かつて伝説の浮遊大陸を盗掘したという大空族『ドーラ一家』
しかし、その舟はかのタイガーモス号ではない。カバラ船と呼ばれる、異世界の技術で造られた舟。
「全く、備えあれば憂い無しとはよく言ったものだな。まさかこうも唐突にこのような規模の空中戦に対応することになるとは想定外だったが。」
「備えという割には随分人手不足だったじゃないか?」
胸を張るグラーフ・シュペーに、空族ドーラ一家の長、ドーラが半眼でぼそりとうめいた。
「そこは、現地調達で優秀な人員が入ったのだ。今更気にすることでもあるまい」
そうニヒルに答えるグラーフから目を逸らし、焦点を別の空族に結ぶ。
「さあ、敵の旗艦、いや、城に乗り込むぞお前ら!」
「わかったよパパ〜」「へいお頭!」「突撃ですぜ!」
そこにいたのはドヴェルグ。がっちりとした体型に低い背丈だが、貫禄は十二分に備えている、その名をシドと言った。
そして、部下が四人ほどぴょいんぴょいんと軽やかに跳ねている。しかも、一時的にシドの下に入れたドーラの部下も、釣られてぴょいんぴょいんと跳ねる。
ドーラはやはり半眼で、
「……大丈夫なのかい? 本当に」
「空族には空族の戦い方があるのだ。問題ない」
「違うっ! 空族?俺は超★空族だっ!!!」
ニヒルに答えるグラーフの発言に横槍を入れるシド、こんなものを見ては…
「……本当に大丈夫かねぇ? 主に性格面で……」
と、柄にも無い心配をしてしまうドーラだった。
そうして、突入の準備を整えていたときだった
―――聞いてください。
脳裏に直接響く少女の声
「この反応…まさかっ!」
―――今、みんなの住んでる世界を守るために戦ってるやつらがいます。
『柊蓮司!』
- 610 名前:空族:2008/02/03(日) 04:06:23 ID:M3GZAnwR
- グラーフの驚愕を継ぎ、全員が声を上げる。なお、ここでも全員フルネームだった。
―――けど、世界を守るためにはみんなの助けが必要なんです。
「いいだろう。そのくらいは当然だ」
グラーフはすぐに冷静さを取り戻す。
―――あ、助けっていっても簡単です。
「こんな空族でよければいくらでも助けになってやるさ!」
歴戦の女空族は豪気に笑い、
―――みんなには、信じる気持ちを持ってほしいだけなんです。
「俺たちは」「お頭が」「信じるのなら」
―――誰かと一緒にいたり、笑ったりするための
「共に信じるのが」『当然ですぜ!』
四人の部下が賛同し、
―――明日っていう、希望を。
「ああ当然だ、何だかんだとあのデカブツをなんとかしちまった柊蓮司がいるんだ!
希望が、俺たちの明日が消えるはずねえ!」
シドは怒鳴り、突撃用装備から、ギター型アックスを抜く。
「ドヴェルグの音楽は希望の音! この600万Gの賞金がかかった超★空族、シド様直々の希望だ!
―――ペイジ、プラント、ジョーンズ、ボーナム、準備はいいなっ!?」
『ヘイお頭っ!』
部下たちそれぞれも楽器を取り出し、構えた
「さあ、思いっきりいくぜ、
―――明日への希望の、魂のロックンロ―――――――――ッル!」
神の力の片鱗『シャード』の力を乗せて増幅、拡散された波動は、世界の核となった少女の助力も受け、世界中、あらゆる並行世界、全てに浸透してゆく
―――そして、その行く先々であらゆる音楽に共鳴、吸収し、人々に希望をもたらす
後に『福音』と呼ばれることになるこの『存在を揺さぶる音波』は、反響でもたらした希望を拾い上げ、その力を柊蓮司へと過剰に供給する
そう、柊の魔剣に宿るは神殺しの業とこの世の全ての希望、相手取るは世界
―――どこに負ける要素があろうか
- 611 名前:空族:2008/02/03(日) 04:10:20 ID:M3GZAnwR
- もう少しNW側の活躍が欲しいと思って書きました
しかし、
書いてから気づいたことが
柊サーガ関連ですっかり忘れてたけど、こいつらアルシャードじゃね?
なおドーラはラピュタからのクロスです宮崎バンザイ
- 612 名前:次弾装填中…:2008/02/03(日) 04:15:59 ID:07JPIIPc
- >>611さん
いえっ!ナイスですっ!
福音、使わせていただきますが宜しいですか?
というか、エリスとアンゼはいただきます。
- 613 名前:装填完了:2008/02/03(日) 07:42:51 ID:07JPIIPc
- 誰か居ませんか〜?
けっこう長めなので支援していただけるとありがたいのですが…。
レスに反応ないの悲しい……。
- 614 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 07:45:53 ID:3+mI5O14
- >>613
善し、なれば某が支援仕るろうぞ。
- 615 名前:七色の宝石1:2008/02/03(日) 07:51:14 ID:07JPIIPc
- ありがとうございますっ(感涙)
アンゼロット城…跡地。僅かに残った機材やらを集めて何とかごまかし、この城の主は今も懸命に指揮を続けていた。
『うわー、だめだー』
「第五から二百六十一方面部隊壊滅!」
「三百四十二方面部隊をフォローに回しなさい!」
「敵戦力、尚も増大…十万、二十万…数え切れません!」
「ガッテム!統率力を欠いたというのにこの戦力差…」
この城の主、アンゼロットは焦っていた。主戦場は城に移ったがゆえ、城外の戦力は圧倒的不利に陥っていたのだった。
無論、彼女は城に突入した者たちを信頼していないわけではない。
おそらく、この戦いはもうすぐ終わる──だが、それとこれとは話が別。なんだかんだで忘れられてしまっている敵さん方を、主力の居ない現存戦力で押し留めなければいけないのだから。
「何か…何か…この状況を打開する策は」
周囲を見回したアンゼロットの視界に、二人の少女が横切った。
ひとりは真壁翠、ちょっとアレな自称・清純派のウィザード☆
そして、もうひとりは…、
「エリスさん、翠さん。そう言えばお二人には救護役をお願いしていたのでしたね」
輝明学園の制服を着た、かつての"シャイマール"志宝エリスだった。
- 616 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 07:54:50 ID:3+mI5O14
- むぅ、満を持して清純派コンビ登場か支援
- 617 名前:支援:2008/02/03(日) 07:55:18 ID:PHtpTvFb
- しっえーん!
- 618 名前:七色の宝石2:2008/02/03(日) 07:56:03 ID:07JPIIPc
- 「はい、今の私に出来ることを精一杯やってます!」
「エリスちゃん、すっごく手際がいいんですよ。さすが嫁スキル持ちっ」
───聞いてください
「「「!!!」」」
その時、世界に言葉が降り注いだ。彼女らの知る、親しい友人の声が。
「くれは、さん?」
──今、みんなの住んでいる世界を守るために戦っているやつらがいます。
「これは…」
──けど、世界を守るためにはみんなの助けが必要なんです。
「世界が震えてる?」
──みんなには、信じる気持ちを持って欲しいだけなんです。
「これは、喜び…?世界が喜びに震えていると言うのですか…」
──誰かと一緒にいたり、笑ったりするための
三人は、いや、くれはの声が届いたすべてのものが彼女の言葉に聞き入っていた。
──明日っていう、希望を。
「…私っ!信じます!」
「え、エリスちゃん?」
唐突に声を上げたエリスにアンゼロットと翠はぽかんとしている。
「柊さんはぜっっったい負けないって信じてますから!」
そんなエリスの決意に呼び出されたのか、突然光輝く二枚のカードが彼女の前に現れた。
「カード?エリスちゃん、なんか危なそうだから触っちゃ…ってちょっと!?」
- 619 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 07:58:37 ID:3+mI5O14
- 遂にアレが拾われたかw支援
- 620 名前:七色の宝石3:2008/02/03(日) 07:58:54 ID:07JPIIPc
- 翠の忠告を無視してエリスは左手を伸ばした。
左手が触れた瞬間、二枚のカードから眩い閃光がほとばしる。
「きゃ」
閃光は七色だった。
そう、それは──
「ほう、き?」
エリスの失った翼、"無限光"の名を冠すエリスだけの箒──ゲイザー=キリヒトとの戦いで消滅したはずの"アイン・ソフ・オウル"そのものだった。
「……私にまた力を貸してくれるの?」
七枚の箒は光跡を残しながらエリスの周りを嬉しそうに飛び回る。
「奇跡…だとでもいうのですか。ご丁寧に七徳の宝玉まで付いて」
「あっ、宝玉の力を使えば全部丸く収まるんじゃないですか?」
「そうですね…いえ、駄目でしょう。それでは"人"の勝利にはならない。問題の先送りでは意味がありません」
「じゃあ、どうして、箒と宝玉が…」
エリスが言いかけたとき、箒が、いや宝玉が突然輝き始めた。
希望を乗せた"音"を受けて。
「音楽…?そういうことでしたか…!エリスさん、はいか…以下省略!わたくしと一緒に来て下さい!」
「え、えー」
「アンゼロットさん、私は…?」
「翠さんは、時雨とてきとーな隊員を二人ほど連れて来て下さい!時間がありません、早くっ」
「は、はいぃぃっ!」
- 621 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 07:59:23 ID:hKjk8GDG
- 色々と設定拾いまくるのも面白そうだなあw
- 622 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:00:52 ID:3+mI5O14
- まさか、覚えていますか!?支援
- 623 名前:七色の宝石3:2008/02/03(日) 08:03:33 ID:07JPIIPc
- アンゼロット宮殿の奥深く。なぜだか唯一壊滅を逃れた巨大なホール。
側面はガラス張りでファー・ジ・アースがよく見える。
「あの、本当にやるんですか?」
「もちろんです。諸々の理由で"これ"が実に効果的だということは、すでに実証済みです」
ホールの中心、壇上には以前着ていた制服を思わせる白いふりふりドレス姿のエリスと、指揮用の制服ではなく普段着ている黒いドレスを、これでもかとふりふりにしたようなものを纏うアンゼロットの姿があった。
「ともかく、がんばって下さい、エリスさん。あなたの歌声に、世界の命運はかかっているのですから」
二人の前にはマイクスタンドが二本。
「そうですよね。私、がんばります!」
後ろ控えるには、ベースの翠、ギターの時雨、ドラムのロンギヌス・コイズミに、キーボードのロンギヌス・コジマメ。
……そこ、同じのが二人居るとか言うな。ロンギヌスは現在激しく人手不足なのです。
- 624 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:04:48 ID:hKjk8GDG
- ちょwww おまwww まて、早まるなwwww
- 625 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:05:49 ID:3+mI5O14
- 否、答えてくれ七つの月か!?支援
- 626 名前:七色の宝石4:2008/02/03(日) 08:07:29 ID:07JPIIPc
- 「えーとー、アンゼロットさん」
「何です?翠さん」
「ボーカルはともかく、私たち楽器の経験ないですよ」
「問題ありません。宝玉の力を使ってどうとでもできます」
「それって反則…っていうかただ歌いたいだけじゃ…」
「だまらっしゃい」
「は、はいぃぃぃっ!」
彼らの周囲には"アイン・ソフ・オウル"が、まるでスポットライトのように配置されている。
要するに…ここはライブ会場なのだった。
これから起こる、とびっきり、最大級の"奇跡"を盛り上げる一夜限りのスペシャルステージ。
特別参加は異世界からの飛び入り、超★空賊シドとゆかいな仲間たち。
「準備はいいですか?エリスさん」
「はい!」
エリスが答えたと同時に、世界中に張り巡らされた通常回線、霊界経路さらにその他諸々はジャック…というか、ワイプがが画面端に出て、戦域には無数の専用魔道モニターが姿を現した。
モニターにはエリスのアップが映し出されている。
「みなさん、はじめまして。志宝エリスです」
続いてアンゼロット。
「みなさん、ごきげんよう。わたくしはアンゼロットです」
- 627 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:09:03 ID:hKjk8GDG
- うわああああああああっっ!? か、かれんさま自重wwwwww
- 628 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:09:41 ID:3+mI5O14
- 勿論DNNもイチオシでプッシュだ!byピーター・マクドナルド支援
- 629 名前:支援:2008/02/03(日) 08:10:43 ID:PHtpTvFb
- ある意味超時空戦艦ポイのもいるしな〜>レーヴァティン
しっえーん。
- 630 名前:七色の宝石5:2008/02/03(日) 08:16:40 ID:07JPIIPc
- 律儀に頭を下げるエリスと優雅に会釈するアンゼロット。
「"音"を宝玉で増幅、広域展開させることでこの戦いに挑むすべての人に"希望"を届ける──それがこの"ミンメイ"作戦の趣旨です」
冗談のような話だが、アンゼロットの目は本気だ。無論、彼女も確信あってのこの作戦だ。
シドたちが発した"福音"が柊蓮司に集中・収束するのなら、彼女らの"宝玉"の音は世界すべてを包み込み、無限にも近い意志の力を与える。
「この戦いの勝敗を決めるのは、物量でも圧倒的な力でもありません」
未だ戦火の続くファー・ジ・アースを睨み、世界の守護者は高らかに宣言した。
「勝利の鍵…それは、ひとりひとりの心の力。逆境において、なお折れない強い心の力なのです!!」
アンゼロットの言葉を受け、一歩前に出たエリスが続ける。
「私はいままでたくさんの人たちに助けられてきました。柊さん、くれはさん、灯ちゃん…みんなみんな、大切です」
箒に取り付けられた"希望"の宝玉の光がエリスを照らす。
「大切な人たちのために、大切な人たちに教えてもらった"諦めない"こと、"希望"を忘れないこと、それをこの歌に込めて歌います──"Satisfaction"!!」
ポップな前奏とともに七色の光が弾けた。
- 631 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:21:14 ID:3+mI5O14
- キタ━━(≧□≦)━━!!支援
- 632 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:22:08 ID:PHtpTvFb
- あ、アンゼロット様、ミン〇イ言っちゃったーWWW
さらにしっえーん
- 633 名前:七(以下略を書いた人です。:2008/02/03(日) 08:28:18 ID:07JPIIPc
- み、みなさん、ありがとうございますっ(泣)
雪降るなか、かじかむ思いで書き上げたかいがあります。
お察しの通りマク○スだったり、密かに某ピンクの歌姫だったりその他諸々。
エリス→あかりんの呼び方がかなり怪しいですがorz
この後は、アンゼソロ「FLY INTO THE NIGHT」→ふたりで「KURENAI」となりますよ。
ラストバトルはKURENAIですネ!www
- 634 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:28:57 ID:6JeSDtWF
- 宇宙
「どうやら、このまま押し切れそうじゃの、スカリエッティ」
青い惑星へと押し寄せる、機械と異形の群れを見下ろしながら、Dr.ワイリーがつぶやく。
複雑な思いである。人を憎み、機械の星を望んだ自分の意思が整えた異形の群れが
母なる星を押し潰す。だが、これで本当に自分の望みはかなうのか。
「この世界」が滅んだ後で機械の群れを借り受け、こんどこそ「自分の世界」であのロック
マンを打ち倒し、自分の理想を叶える。
そのための共闘であった。だが
「希望ナド無意味。スベテヲクライツクセ」
既に人の意思など残っていないスカリエッティの姿を見て思う。
以下に自分といえどもこの群れの狂気に支配されないでいられるのか?
だが既に……DCヒーロー、マーブルヒーロー、パステリオン。世界屈指の戦闘力・異能
をもった集団が屈そうとしている。絶対的な物量の前に。
地上はあの者たちの思い通りにいっていないようだが、この群れが降り立てば全ては
終わる。
もはや、悩む時間はないだろう。この群れの中には天才Dr.ワイリーのチップが仕込ん
であるのだ。必ず自分の意思で支配できると考えるしかなかろう。無論警戒は怠れないが。
目の前の愚か者の轍を踏むつもりはない。
- 635 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:32:27 ID:3+mI5O14
- 宇宙(そら)も動いたか支援継続
- 636 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:38:41 ID:3+mI5O14
- >>633
エリス→あかりんへの呼び名に間違いは無し、GJ!
っつか、降雪地域住まいから参戦有難う!戦友(とも)よ!
- 637 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:41:17 ID:hKjk8GDG
- >636
何故か脳裏をディスガイアがよぎった
- 638 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:42:03 ID:PHtpTvFb
- >633
ぐっじょぶ!
エリス好きにはたまらないご褒美だったぜ!
>634
ワクワクッ! しっえーん
- 639 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:43:42 ID:3+mI5O14
- Σっつか関東も雪降ってるーっ!?支援
- 640 名前:な(以下略を書いたものです。:2008/02/03(日) 08:52:03 ID:07JPIIPc
- >>639さん
自分は関東住まいですよ、先輩♪
当否発表ドキワクで待ってる口です。
あとは舞ーHiME組のラストを書いて残弾終了ネタ切れです。
まあ、ライブ映像ネタはやるかもですがwww
皆々様、後はよろしくお願いしますっ!
- 641 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 08:55:36 ID:6JeSDtWF
- 群れが消し飛んでいく。切り刻まれ、打ち砕かれ、石に変えられ、原子の炎に焼かれ。
ヒーローや魔法少女のそれとは規模が違う。言うなれば神の御業。
「な、何が起こっておるのじゃ?」
その中心を慌ててサーチ。まず目に付いたのは巨大なロボット。おそろしく古めかしい
デザイン。胸に輝く原子力マーク。宇宙の絶対真空に響き渡る荘厳極まりない革命歌
インターナショナル。機体に記された赤い星はソ連軍機のマーキング。
データを検索する。冷戦当時、北極海でパトロール任務についていた5カ年計画号と
回答が出た。とうの昔に原子炉は燃え尽き、シベリアに廃棄された、とある。
では、あれはなんだ。「こいつはいったい何者じゃ?」おもわず呟く。呟いただけだ。
あんな非常識なものと通信する手段など考え付かない。だが
「何者かと聞かれれば答えてやろう。闇のソビエト中央委員会!」
宇宙空間を貫いて回答が帰ってくる。
「そ、ソビエト中央委員会???」
あらゆる想定を覆す回答に、混乱するしかない。
「90年で滅んだと思ったのかね?いいや、違う。より深く潜ったのだよ。」
楽しそうに笑う少女。少女だ。ツインテールにメガネ属性のセーラー服少女。
5カ年計画号の方で笑っている。
- 642 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 09:01:17 ID:3+mI5O14
- 此処に来て新ヒーロー参戦!?♪支援
>>640
うむ、こちらも関東棲まいで今降雪に気付いた;
まぁ、この分ならそちらの合格は確実だろう、根拠は無いが!
なぁに、柊だって無事に高校卒業出来たんだ、努力及んで叶わぬ奇跡など無い!!
- 643 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 09:04:28 ID:PHtpTvFb
- だっ誰ぇぇぇぇぇぇっ!?WWW
しっえーん
- 644 名前:その頃の二人:2008/02/03(日) 09:06:08 ID:tq494d7p
- その声を聞き、彼女は思わず笑みを漏らした。
「まったく……それで正解です。
世界なんて重いもの、一人で背負おうとする必要はないんです。
あなたを助けようって人間は、あなたが思うよりずっと多いんですよ?」
「ま、マユリっ!今の声、なんでありますかっ!?」
「さぁ。とりあえず―――救援要請じゃないですか?」
笑って言う彼女に、ノーチェは一瞬言葉を失った。
「随分余裕でありますな。なにかいいことでもあったでありますか?」
「秘密です。
そんなことより、私たちもお祈りしておきましょうか。
明日は、アンゼロットさんのところで派手に騒ぐ予定なんです。来なきゃ困りますからね」
そしてまた二つ、遠く太平洋の上空から、光が加わった。
- 645 名前:支援:2008/02/03(日) 09:06:28 ID:07JPIIPc
- >>642
マジすか!兄貴と呼ばせて下さいorz
思想神?
ちょっwwもしそうなら出てこないで下さいwww
よーし、破壊創造神呼んじゃうぞー!
(奴らを呼んだ張本人)
- 646 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 09:19:09 ID:6JeSDtWF
- 「補足いたしますと、彼女はヴィーカ・ソビエツカヤ。思想神ですわ、Dr.ワイリー。」
少女の横の和装の女性が説明を追加してくれる。その全身を覆う蛇のオーラには
見覚えがあった。<世界秩序>の配下の一人であったはずだ。
「ついでなので、説明を続けましょう。私は<世界>の一部、人を愛する蛇神、大上
由紀代。そしてこれは古き神、都怒我阿羅斯等」
彼女の傍らで機械の群れを引き裂き続ける角を持った鬼を指し示す。
「僕は九鬼蓮夜。光太郎の友人の少年探偵にして経営神。ついでにいうと、これは
僕の古代ナノマシン式神アラハバキ。天地開闢からこっち、僕に仕えている」
説明しながらも機械の群れを打ち砕き続ける少年のコートが一瞬遮光土偶ににた
姿をとる。
「最後に俺は光太郎の友人、和泉剛人。創造破壊神だ。……最近はあんまり破壊
してないぞ。収録時間が延びるだけだと気づいたからな!」
周囲の機械の群れを瞬時に石化させながら、魔眼の少年が笑う。
「か、神々がなぜワシらを阻む?ワシらを呼んだのはお前たちであろうが!」
「ええ、その通り。あなた方は大変役に立ってくれました。あなた方への備えで世界
最大の異能集団2つが釘付けになってくれたおかげで、東京の状況を制御できまし
たし。ただ、光太郎様が晋太郎様の所へたどり着いた今、あなた方はもう不要なの
です。過ぎたる力、過ぎたる滅びを私たちは望みません」
- 647 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 09:21:46 ID:6JeSDtWF
- あー、すいません、直撃ちで書いてますので時間かかってます。
>>645さんに断らずにやって申し訳ありません。が、最初にネタ振りをしたのは
自分ですので責任を取らせていただこうかと。(5カ年計画号かもーんとか書いた)
もう一回ぐらいで終わります。
- 648 名前:645:2008/02/03(日) 09:28:14 ID:07JPIIPc
- >>647さん
いえいえ、そういう意味ではそちらがオリジナルですww
存分に暴れて下さいませ。楽しみwww
あと、ネタ思いついたんでベル様とリオン様に退場していだきたいのですがいいですか?
反応がない場合は、誠に勝手ながら倒させていただきます。
- 649 名前:NW!群雄譚 ラスボス候補、登場?:2008/02/03(日) 09:28:14 ID:3+mI5O14
- と、1レスで済むから此処でラスボス候補投下。
――玖珂晋太郎は愛おしい実弟・光太郎と相対しながら
思考の中でと或るモノに語り掛けていた。
(……〈世界の秩序〉としての僕だけの力ならコウ、今の君なら
僕と良い勝負が出来るかも知れない……しかし、僕もコウに似て
案外負けず嫌いでね。
……世界の律は陰と陽の組み合わせでも在る。
今在る〈世界〉が、等しく世界を消滅させられる力も
相反するそれを同居させられていたとしたらどうなるかな?)
晋太郎の思考に呼応するかの様に、ダイソードの剣撃をその存在感だけで
密かに受け止め且つ相手にそれを悟らせていない――今の式神の城の
核たる眼球の様な――否、眼球そのものの巨大な球体がその瞳孔を僅かに絞める。
(……次元の果てで偶然見付けて持ち込むのには難儀したし、
今も僕との同調は完全では無いけれど……何、ワールドゲートが
開けばその〈多次元世界の律〉を利用して完全に取り込んであげるよ。
その爪先の欠片から生じた分身だけで一世界を滅ぼす寸前にまで追い込んだ存在、
その破壊神の――あらゆる知性体の器官の中でも端的に神秘の力を象徴する箇所
――エンディヴィエの眼。さぁ、僕に力を得させて貰うよ)
……式神の城の真奥に鎮座するエンディヴィエの眼は
今は只静かに脈動するのみ………
- 650 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 09:35:05 ID:LiyZ0lFt
- >>648
良いだろうよ。彼女等、本来はその為の存在だし。
- 651 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 09:37:01 ID:6JeSDtWF
- 「ふ、ふざけるな。ワシらを利用しただけだというのか」
「はい、そのとおりです。あなた達のような方々は人の成長を促すための試練として
利用しやすいですので、有効に活用させていただきました。」
「君らみたいなコンプレックスの塊は利用しやすいしね」
「だが、もう終わりだ。地上がどう決着するにせよ、貴様らが地上に降りることはない」
「ちゃんと元の世界に戻してさしあげますからご心配なく。お土産も差し上げますわ」
「な」思わず絶句する。こいつらは晋太郎と同じだ。上位存在。人とは心が違う。
「シンリャクセヨ シンリャクセヨ シンリャクセヨ」
もはや状況を理解できないスカリエッティが命じる。要塞が地球へと突進する。
異形の群れが密度を増して突き進む。
ワイリーは脱出カプセルへと急ぐ。あの者たちが「制御可能な力」として自分たちを
呼び込んだ以上、我々に勝ち目はないと「わかっている」のだ、あいつらは最初から。
「ワイリーが脱出するのを待ってやる暇はないかな?」
「どうせスカリエッティも一度滅ぼしてから、再生しなければいけませんし。
一緒にやっちゃってかまいませんわよ」
「では片付けるか。紹介していなかったな。これが俺の式神、三千世界級世界演算機
天空の劫火だ」
太陽の中から現れた惑星サイズの存在が引き起こした重力震が、全てをなぎ払った。
4大神の介入で宇宙部隊ほぼ消滅。
- 652 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 09:40:39 ID:07JPIIPc
- まさか、ノリで出してみただけだったのにw
>>650さん
はーい、では、さっさと巣に帰って書き上げますっ。
- 653 名前:644:2008/02/03(日) 09:42:48 ID:tq494d7p
- >>647さん
こちらこそごめんなさい(汗)
リロードしろよ自分……
- 654 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 09:44:34 ID:hKjk8GDG
- う……ベルとリオン倒されるのか……(修正中
- 655 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 09:45:21 ID:LiyZ0lFt
- 因みに、エンディヴィエの眼は
最後で独自に覚醒してラストバトルを演じさせても良いし、
グラディウスやなのはA'sのラスボスみたいに無抵抗フルボッコ標的にしても良いですからねw
- 656 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 09:54:45 ID:07JPIIPc
- >>654さん
まだほんの冒頭ですけど出来れば譲っていただきたく。自分が敵でうまく動かせるの彼女らぐらいなので。
まあ、ダメならダメで案はありますが。
ばっちり見せ場作って魔王コンビも舞ーHiME組もお役ごめんしてもらいます。
- 657 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 10:03:35 ID:LiyZ0lFt
- そう言えば、リレータイムリミットの今夜21時まで
後残り12時間切って残り11時間なんだよなぁ……。
- 658 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 10:13:08 ID:6JeSDtWF
- U-1どもがごっそり残ってるのが問題ですよね。
あいつら片付ければ、あとは柊がくれは助けて、光太郎が晋太郎を原作どおり
倒してほぼケリがつくのに。
- 659 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 10:18:19 ID:d0AI/ipz
- アバター組に和麻が増る話を書きつつ、場合によってはU−1はどうでもいいかと考えてる
ワールド・オーダーを倒してU−1達は負けたとばかりに帰っていってもいいかな、と
- 660 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 10:21:18 ID:07JPIIPc
- なんか、アーカイバがなんたらってなかったでしたっけ?
増殖装置兼制御装置ってことでベル共々落としちゃダメ?ww
- 661 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 10:25:56 ID:Lgce4DBj
- >>660
それ、ゲットバッカーズの裏新宿に有る奴だろ<アーカイバ
まぁ、あんな厨データまで包括して収めてそうなのは彼処か
後はゼーガペインの量子コンピュータサーバ位っしょ。
ま、壊しちまっても良いんじゃね?
- 662 名前:誘惑する世界:2008/02/03(日) 10:25:56 ID:d0AI/ipz
- 八神和麻は風の精霊王と契約した術者である。
故に、彼を前にして隠れることなど不可能なのだ。
「そろそろ出て来いよ」
「――ああ、バレバレなのか。流石は風の精霊王と契約した男だ」
姿を現したのは、紅き眼と漆黒を背負った少年。
強いオーラを感じる。が、威圧感はそれほどでもない。
「俺はシン… ああ、いや、違うな。SHINだ」
「名前なんぞどうでもいい。お前が俺達を襲ったのか?」
「俺は違うさ。ただ、俺の身内がやったことに対しては謝罪しよう」
意外にも、素直に頭を下げるSHIN。
だが、その言葉が意味するところは、つまり。
「俺と綾乃を襲ったのはお前の仲間か」
「そういうことになる。本当にすまないな、先走った奴は後で処分しておく」
「処分ねぇ? まあ、そんなのは俺にはどうでもいいんだ」
「どうでもいい、か。なるほど、そういうタイプなのか――ああ、適正があるハズだ」
「適正だと? …おい、まさか魔術師か」
「俺は違う。俺は魔術も魔法も法術も使わない。研究者じゃ、ないからな」
話しながらも、和麻は構える。殺意も敵意も感じないが、戦意はある。
それに、この男はどこか気に入らない。
「ともかく、俺の目的はお前の勧誘なんだ。一緒に来ないか、八神和麻」
「面倒だ。俺に関わるな」
「…過去に、後悔していることはないか?」
その一言は、何故か心の奥底を刺激した。
- 663 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 10:26:33 ID:6JeSDtWF
- ってすいません、U-1どもほとんど片付いてますな、あらためてチェックしてみると。
後はSINぐらいか。
となると、式神の城系ボスキャラを倒していくべきですが。
原作で普通に勝ってる相手だから助っ人があれば楽勝できそうだ。
- 664 名前:誘惑する世界:2008/02/03(日) 10:27:27 ID:d0AI/ipz
- 「過去、だと…? そいつはどういう意味だ」
「言葉通りの意味だ。過去をやり直したいと思ったことぐらい、あるだろ」
確かに、人間は生きている限り、そういったことを考える。
ちょっとしたミスでも、大きな失敗でも、人は悔いとして背負ってしまう。
「俺達は、そういった望みを叶える存在だ。具体的には――お前を過去に戻せる」
「俺を…過去に戻せる」
「そうだ。考えてみろ、お前の後悔を消し去れるんだ」
後悔したことはある。あの時、もっと強ければ。
俺が力を持っていさえすれば、と。何度も思い返した。
それは、愛する者を失った悲しみと、愛する人を守れなかった自分への憎悪。
だから、SHINにその先の言葉を促してしまう。
「俺に……何をしろって言うんだ」
「今回の戦いを手伝ってくれさえすればいい。この戦いが終れば、お前にも、お前の身内にも手は出さないさ」
八神和麻にとって自らと周囲はごく狭い世界でしかない。
自分自身と、自分が興味を持った者達、好意を持った者達。それだけが、彼の世界の全てである。
「…いい条件だが。金は?」
「望みの金額を言えばいい。現状はこちらが不利なようだからな」
言いながら、SHINは見上げる。白と蒼の機神を。
「サイバスターとグランゾンか… 門を開くとは、やってくれる」
「お前、あのロボットを知ってるのか?」
「ああ、十分に知っているさ。魔装機神と武装機甲士、異世界のロボットだ」
SHINの説明に、和麻は納得する。道理で感じた覚えのない風が多いわけだ。
- 665 名前:誘惑する世界:2008/02/03(日) 10:28:08 ID:d0AI/ipz
- 「異世界の存在が数多く流入している。俺達の目的の邪魔をする為にな」
「お前らの目的ってのは、そんなにヤバイのか?」
「この世界を壊すことさ。結果として、他の世界を救うことになる」
世界を壊して、他の世界を救う。理解に苦しむが、まあ、なんとなくわかる。
要するに、異世界とやらを救うために、この世界を壊すのか。だが、それでは話が違う。
「オイオイ、待てよ! この世界を壊しちまったら、俺達はどうなる?」
「安心しろ。壊すのはあくまでも世界だけだ、人々はそのままでな」
彼はこう説明する。人々の行為の結果として、いくつかの世界は崩壊する。
その前に世界のうちの一つを壊せば、他の世界は救われる、と。
「俺達は複数の世界に住む人々の想いから生み出された。究極の一、アルティメット・ワンだ」
アバターとも呼ばれる、世界をも上回る数多の世界の人間達の生存本能の結晶。
目的は人々の世界を守ることであり、結果として世界が崩壊しても許されるという。
「なあ、八神和麻。お前にとって、力を求めた理由はなんだ?」
「俺の理由なんぞどうでもいいだろう。お前らの目的にも興味はない」
「なんだよ、目的を聞いたのはお前だろ?」
確かに、それはそうなのだが。
「興味があったのは世界を壊した結果、俺達がどうなるかだ。世界がどうなろうと知らねぇよ」
「そうか。それじゃ、俺達に協力してくれるかどうか、言ってくれ」
「いや、本当に残念なんだがな。俺と契約してる精霊王が、あの白いのに敵対するなとさ」
風の精霊王と契約している以上、その意思も汲み取らねばならない。
それに、不利なのはSHINが所属している勢力なのだ。
「お前らが不利な状況にあるってんなら、なおさらだ。手伝う気はないね」
「そうか、残念だな。せっかく風の精霊王以上の力を手に入れられるってのに」
「ああ、残念だが手伝えない……待て、風の精霊王以上の力ってのは、どういうことだ?」
「食いついたか。そうだ、風の精霊王なんぞ問題にもならん力さ」
それは、その言葉は、八神和麻にとって、どんなに甘い毒だろうか。
「オマケに過去にも戻れる。その力を持ったままで、だ。どういう意味か、分かるだろ?」
あの時に、今の力があれば。いや、それ以上の力を持っていけるのならば。
俺は、今度こそ、あいつを守ってやれるのではないだろうか。
「そうだ、過去の選択肢をもう一度やり直せ。結果として、お前は最上の未来を手に入れる」
そうだ。それは、とても素敵なことに違いない。
- 666 名前:誘惑する世界:2008/02/03(日) 10:29:08 ID:d0AI/ipz
- だが、それほどのことができるのならば、何故?
「……なんで、俺に協力を求めるんだ」
「簡単さ。お前が俺達と同じく、U−1になりえる存在だからだ」
U−1。それはつまり、究極の一であるところの、アルティメット・ワンとやらか。
俺が、それになりえると、その素質がある、ということか。
「究極の一を受け入れる器としては、お前はかなり上質だからな。どうだ?」
それを受け入れれば、過去に戻れる。精霊王すら凌駕する力を持ったままで。
そしてその力を振るい、今度こそ彼女を守るのだ。
ああ、場合によっては故郷に戻って、風牙衆の相手をするのもいいだろう。
煉や綾乃だけじゃ心配になるし。知ってしまったからには手伝うことも考えちまう。
ああ、ああ。次から次へと湧き出てくる。俺が理想とする道筋が。
過去の後悔を消し去り、大切だと思える人と明るい未来を作っていく。
そんな日々を、手に入れられるというのならば、俺は。
こいつの言葉を、受け入れちまってもいいのかもしれない。
そして、この世界を壊してでも。自分が理想とする世界を手に入れる。
それができるだけの力を、今まで求めてきたようにさえ、思える。
「決めるなら早くしてくれよ。こっちも時間がないんだ」
「時間がないってのは、どういうことだ」
「さっきも言ったが状況は不利でな。そろそろ門番役も兼ねなきゃならなくなりそうなんだ」
いや、苦労するよ。とSHINは愚痴る。
「そうか。そりゃ悪かったな。それじゃ、俺は――」
その先の言葉を口にする前に、横から炎が飛んできた。
「危なかったわね、和麻! そいつは敵よ!!」
「いや、お前はもうちょっと空気読んでくれ」
神凪綾乃。今回の仕事のパートナーであり、八神和麻の身内の一人だ。
- 667 名前:誘惑する世界:2008/02/03(日) 10:29:40 ID:d0AI/ipz
- 「おい、そこの赤いのを止めてくれないか。そろそろ門もやばそうだ」
「悪いが、こいつを止める気はないぞ。こいつの無理無茶無謀を見るのも楽しいんだ」
「なにを言ってんのよアンタは!? そもそも敵とくっちゃべってんじゃない!!」
相変わらず沸点が低い奴だ。いや、悪いとは言わんが。
「ああ、綾乃。そいつは敵じゃないぞ、新しい仕事の依頼人だ。条件もなかなかよくてな」
「やっぱそういうこと!? また乗り換えるわけ!?」
「…ぐだぐだしてないで、急いでくれよ。お前も過去に後悔はあるだろう」
SHINはなんだか疲れてるみたいだ。まあ、あのタイミングじゃなあ。
だが、おかげで俺は冷静になれた。よく考えるとあんな話はいかにも怪しい。
「さっきの話か。ああ、悪いが受け入れることはできないな」
「おいしい話には裏がある、か。それは事実だ、お前にもデメリットはあるさ」
やっぱりな、そのデメリットを隠されてたんじゃ受け入れるつもりにはなれない。
「さっさと言ってくれ。じゃなきゃお前の依頼は受けられない。」
言っても受けないかもしれないが。まあ、一応聞くだけ聞いておこう。
「たまに呼び出されて今回みたいな戦いをするだけだ、頻度は低い」
「今回みたいな戦い? そりゃ、どういう意味だ」
「だから、世界が崩壊するだとか、人々が死に絶えるだのがあった時に呼び出される」
非常勤の掃除屋ってことか。まあ、そのぐらいなら許容範囲。
さっきの話が本当なら、かなりおいしい話にはなるな。
「お前が風の精霊王以上の力を手に入れることができる。これも本当だ」
「具体的にはどういう力なんだよ。うさんくさいぞ」
まあ、気にはなるから聞いてみるか。背後で綾乃がうるさいが、BGMだ。
「数多の世界の精霊達から加護を受けられる、と言えばわかるか?」
「精霊王以上とは言えないんじゃないのか」
「お前の全力を、手加減していても常時発揮できる程度にはなるさ」
「その言葉、本当だろうな?」
「だーから和麻! そんな奴の話を聞いちゃ駄目だって言ってるでしょ!?」
「…いいのか?」
「いい、本当なら受け入れるつもりでいるからな」
「だから駄目ーっ!!」
綾乃はうるさい。別に人間さえ助かれば、世界がどうなろうがいいってのに。
まあいい、世界が壊れても人間は無事でいられると教えてやらないと。
流石にそれを聞けば、こいつも少しは大人しくなるだろう。
「イヤよ! だいたい、過去に戻るってなによ!?」
「文字通りだ。お前だってなかったことにしたい過去ぐらいあるだろう」
「む…? それって、あの娘のことよね?」
「ああ、そうだ」
知ってるくせにいちいち聞くな。本当に馬鹿だなこいつは。
- 668 名前:誘惑する世界:2008/02/03(日) 10:30:22 ID:d0AI/ipz
- 「じゃあ聞くけど、そういうことして、あの翠鈴って子が喜ぶと思うの?」
「前にも言ったが、死んだ人間はどうも思わんだろう」
「違うわ! さっきの話が本当なら、過去に戻れば生きてるじゃないの!!」
「そりゃまあ、そうだが」
けど今は生きてるわけじゃないだろう。なにが問題だと言うんだ。
生きていない以上、何も感じることはない。少なくとも、今は生きていないんだ。
「過去に戻るって、いつに戻るのかは知らないけどね。そんなのは否定すべきことだわ!」
「だから、何を言ってるんだお前は」
「だって和麻、アンタは世界を生贄に自分の望みを果たそうとしているもの。気に入らないわ!」
「生贄…? どういう意味だ、綾乃」
「だってそうじゃない、そいつの話を受け入れれば世界を壊すのに加担することになる。
なら、それは力を手に入れる為に世界を壊さなきゃならないってことでしょ?
それは、自分が力を得る為に世界を生贄に捧げるってことよ!」
確かにそうだ。だが、世界が滅んだとしても、人さえ生きていれば俺はどうでもいい。
世界と人間じゃ、俺にとっての価値が違いすぎる。
「生贄にするってのは大げさだな。どうせ壊れるんだ、被害は最小限にすべきだろ」
「そうだけど…納得いかないじゃないのよ、そんなの!」
だが実際、世界が軋みを上げている。何故だか、そう感じ取ることができる。
これは、SHINの言うU−1としての素養がそうさせているのだろうか。
「おい、早くしてくれ。せめて力を受け取るか受け取らないかぐらいは」
「力を受け取ったらアンタらに協力しなきゃならないんでしょ? そんなのは…!」
「ふん、なるほどね。それじゃ、そろそろ行かせてもらうぜ」
「おい、俺はまだ答えを出してないんだが?」
「受け入れるつもりにはなってるようだが、そっちの赤いのが邪魔するだろ」
「当然よ!」
ああ、もう。本当にいつもいつも考えなしに言ってくれる。
「そういうわけだ。これだけ渡しておく」
と言って、SHINは蒼い結晶を放り投げ、和麻はそれを受け取った。
「なんだよこれは?」
「俺達の存在を受け入れるなら、それを使え。使う気になればいつでも、な」
言いながらも、SHINは去っていく。状況が不利なのは、本当だろう。
- 669 名前:誘惑する世界:2008/02/03(日) 10:31:06 ID:d0AI/ipz
- 「待て。最後に一つだけ聞かせてくれるか?」
「いいぜ。なんだ?」
「お前は――U−1になってどう思った」
その言葉で、SHINは立ち止まる。その表情は見えない。
「最初は望んで手に入れた。俺は力が欲しかったから。大切な人達を助けられるだけの力が。
次は当然、戦った。力を手に入れたなら、それを振るい、弱者を助けるのが当然だ。
今は少しばかり飽きてきた。最初の想いはともかくとして、その為の義務がうざったい。
だが、今回の戦いが終ればまた戻れる。労働に対する報酬としては十分過ぎる世界へな」
「なるほどな。そりゃ、納得だ」
道理で、俺がこいつに共感してしまったわけだ。
SHINは大切な人達を助ける力を欲した。それは、守れなかったからだ。
ならば、今は、どうなのか。力を手に入れ、結果として守れたのかどうか。
「当然、守れたさ。俺は少なくともあの世界では最強となり、究極となった。
たまに呼び出される以外は、軽く力を振るっただけで英雄扱いだ。
心苦しいと思わなくもないが、それは贅沢な悩みだろう?」
圧倒的な力を振るって弱者を助け続けたのならば、そうもなろう。
英雄扱いを嫌う気持ちもわからないでもない。
だが、それは楽そうで、とても魅力的な世界だ。
「もう話は終わりだ。俺は行くが、お前はどうする?」
「ああ、お前らを受け入れることにした」
「ちょ、ちょっと和麻!?」
話を聞いてわかった。それは俺の望みに限りなく近い世界だ。
望んだ世界と同一というわけじゃないが、その程度は割り切ろう。
煉や綾乃、なにより翠鈴がいる世界。その世界が手に入るのなら、俺はそれだけでいい。
「考え直したんじゃなかったの!? ちょっと和麻ーっ!!」
「うるさいぞ、綾乃。別にお前らを裏切るわけじゃないだろうに」
「裏切りよ裏切りーっ! アンタが嫌うやり方にしか思えないっ!!」
俺が嫌うやり方か。だが、世界そのものを壊したとしても、俺にはどうでもいいことだ。
だから、俺はU−1を――――アバターの力を、受け入れた。
- 670 名前:誘惑する世界:2008/02/03(日) 10:31:38 ID:d0AI/ipz
- それは禍々しき漆黒の風。それは聖浄なる純白の風。
相反するふたつの風が、八神和麻によって統一される。
「ハ、ハハハ……ハハハハハハハハッ!!」
愉悦、歓喜、そして――自分を見失うほどの快感。
圧倒的な力を得た。そう自覚する。この力さえあれば、もはや自分に敵などいない。
物理法則をも超越する精霊術を、更に超越し、世界の理も何もかもを無視できる力。
それが『俺達』の――U−1・アバターの力!
「最高だ! ああ、最高の気分じゃないか! いつかより、もっと喜ばしい!!」
自分が壊れていくのがわかる。だが、それもどうでもいいことだ。
弱い自分など必要ない。自分の身内を守れればどうにでもなるだろう。
そう、身内さえ守れれば、他はどうなろうが知ったことじゃない。
世界が壊れても、俺が幸せになれさえすればどうでもいいのだ。
「これが、アバターの力か…! クハハハ! いいぜ、SHIN。手伝ってやるよ」
いや、最早それは手伝う、などというものではない。
アバターとなり、U−1として存在する以上、それは当然の義務だ。
「この八神和麻が……いや、KAZUMAが風の帝王として君臨する!
この世界すべてに風が存在するならば、世界そのものが俺の領域となった!!」
風の精霊達に協力を願うのではない。風の精霊達を屈服させ、服従させる。
精霊王さえ超越した今ならば、それも不可能ではないのだ。
「綾乃、お前はどうする? 一緒に来るか?」
「…嫌よ、そんなの。今のアンタにはついていけない」
「そうか、残念だ… 本当に残念だ、綾乃」
言いながらも、その目は笑っている。嘲笑っている。
本当に馬鹿だ、と。どうせ同じことなのに、と。
「まあいいさ。終った後で、素直にしてやろう。
いや、少しばかり気が強い方が好みではあるんだがな。ハハハッ!」
その言葉は、まるでいつでも素直にさせることができると言っているようだ。
「概念としての俺達はそういう存在だからな。おい、急いでくれKAZUMA。
神々もどうやらそろそろ終焉を望んでいるようだからな。ああ、負けるかもしれないがそれも務めだ」
「理解はしているさ、当然な。だが、俺に負けるつもりはない」
去り行く二人を、綾乃はただ見つめるしかなかった。
- 671 名前:誘惑する世界:2008/02/03(日) 10:32:27 ID:d0AI/ipz
- ――和麻はKAZUMAとなり、SHINと共にこの世界を壊そうとしている。
ならば、自分にできることはないのか? 和麻が更なる力を得たなら、自分では到底及ばない。
そんな自分には、なにもできないのか。そう、綾乃は絶望した。
だが、その時だった。歌が、聞こえたのは。
――――紅い月が昇る、満ちたる闇の象徴。月門は開かれた、贄求めて。
それは、その歌は。どこから聞こえているのか。
――――心の深遠に、喰らいつく邪悪な影。儚く消える夢、つなぎとめて。
――――真実が、揺らいでる。WAKE UP!
――――さだめ超えて。今、解き放て。
――――求めて、秘めたる力。信じて、思いの強さ。
――――開いて。希望への道。伝えて。明日への祈り。
――――夜の闇まといて。FLY IN TO THE NIGHT!
それは希望の歌。世界を侵食する、絶望への反抗。
歌に乗せられた願いが、祈りが、神凪綾乃をつなぎとめる。
まだ絶望するには早い。まだ諦めるには早すぎる!
綾乃は立ち上がる。手にするのは、古から神凪家に伝わる炎雷覇。
自分の中に、まだ力があると確信する。なら、できることはあるはずだ。
心にあった諦めという絶望を燃やし尽くす。概念さえも、焼き払う。
そう。神凪の炎は、もとより形のないモノを燃やす為にあった!
ならば、自分はまだ戦える。絶望なんて、もうどこにもない。
私がこうも簡単に自分を取り戻せたのだ。和麻なら、もっと簡単なはずだ。
その為に、私があいつを取り戻す! 過去ではなく、確かな未来を見つめさせる為に!
「過去は大切でしょうよ、ええ! でもね… 人間にとって大事なのは、明日であり、未来よ!」
そのことを、あいつに教えてやるんだ。この決意を、和麻に叩きつけてやる!
だから、受け取って欲しい。私の決意を、私の希望を、祈りを、八神和麻という風に託したい!
- 672 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 10:33:54 ID:tq494d7p
- しえん
- 673 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 10:37:38 ID:8sLv5m+E
- 支援
- 674 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 10:39:59 ID:z7j4u2xC
- 支援さ!(今起きた)
- 675 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 10:42:40 ID:07JPIIPc
- 新展開っ!!かっこいいですっ!
あー…なんか重要施設ぶち壊すネタもったいないんで、雑魚を産む魔道炉かなんかって事でどうでしょうか?
- 676 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 10:42:52 ID:hKjk8GDG
- 外周と世界結界周りに着手中。間に合うかな……。
- 677 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 10:44:16 ID:XUYXZSeF
- サイバスターの開いた橋頭堡。
異世界の参戦者とともに、ウィザードたちもそこから城の内部へと進出していた。
しかし内部に入ったところでも、やはり多量の自律機動兵器や異形の化け物が立ちはだかる。
それらを駆逐しつつの進軍は、次第にその足を遅くさせていった。
駄目か。そう思いかけた瞬間だった。
――光が舞い降りる。
その光は小さなカードの形を成していた。
「琴理ちゃんセンパイ!」
「風音さま!」
互いの名を叫び、ふたりは頷きあった。
己の肖像が描かれたカードを、手に取る。手に触れた瞬間、それは光の粒子となって弾け、その手に吸い込まれていった。
するとどうだろう。琴理と、風音の体から、溢れるように。
プラーナの、光が。
「……結局ボクたち」
「優さまにご迷惑かけてばかりですわね」
更には。
聞こえてくるのだ。世界を諦めまいとする声が。希望を信じ、叫ぶ声が。
それは錯覚かもしれない。だがそれで十分だった。
「ボクたちだけじゃない」
突入からともに行動していたウィザードたち――フリーの者もロンギヌスの制服姿のものもいた――の元にもその声は届いているようだった。
そして小さな、そう、本当に【小さな奇跡】も、届いていた。
「こ、このカードは……」
ロンギヌス制服を着込んだ仮面の男が、自らの肖像を留めるカードに手を伸ばす。
それは琴理や風音のときと同じように弾け――
「ぬあああああああっ!? この力はッ!?」
急激に上がっていくレベルを実感しながら、仮面の男は叫んだ。
力を手にした今の自分を。脇役であっても、それ故に主役の脇を護ることの出来る自分を。
だから、今この瞬間、名乗りを上げるのだ。
「超★ウルトラスーパーヘヴィミラクルスペシャルハイパーグレートワンダフルビューティフルマーヴェラスストロングマッシヴ・ロンギヌス・コイズミ!
ここに新生いいいいいいいいいいいッッッ!!!!!!!!!!!」
超★(略)コイズミは怒涛の勢いで迫り来る機動兵器を薙ぎ倒していく。
それを見やり、我も我もとカードに手を伸ばすその他ウィザード。
この瞬間、皆の想いは一つだった
――自分にももっと出ばn
違うだろ。
――聞こえ来る、全ての希望の声に、応えられるだけの力を!
**********
以上、PC−NW勢とその他名も無き参戦者の方々の雑魚を駆逐する模様の実況でした。
名前アリの方々は後ろ任せて心置きなく戦ってください。
- 678 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 11:00:40 ID:8XmbWJxq
- >>671
しまった!使おうと思ってたFLY INTO THE NIGHTを先に使われてしまったか!!
- 679 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 11:04:48 ID:07JPIIPc
- >>678さん
被ってもいいんじゃないですか?
むしろ同一時間軸感が出てかっこよいかとww
- 680 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 11:10:09 ID:8XmbWJxq
- >>679
いや〜SSじゃなくただの小ネタ程度のもんで、EDにでも使おうと思ってたんですが
まぁいっそ今公開してしまうか
- 681 名前:FLY INTO THE "KURENAI" NIGHT COME'S ON BULE ERATH!:2008/02/03(日) 11:10:37 ID:8XmbWJxq
- 空に浮かんだ 月の誘い あやしく光る
壊れた窓からのぞく摩天楼 墓石みたいだねと誰かが言う
思えば生きてる証って誰から貰えるんだろうね?
繰り返すアキラメの日々のなか 誰よりも君を求める理由が
打算じゃなくて愛という本能だと信じさせて
その笑顔を その涙を 胸に抱いて歩いていく
まだ知らないその向こうにたとえ何が待っていても
この世界がこの全てがたとえ明日消え去っても
想いは消せはしないから
A Night Come's!
紅い月が昇る 満ちたる闇の象徴
月門は開かれた 贄求めて
心の深淵に 喰らいつく邪悪な影
儚く消える夢 繋ぎとめて
真実が揺らいでる
WAKE UP さだめ越えて 今 解き放て
僕たちをやわらかく包む
終わらないこの世から目を逸らさない
青ざめた光遮って
偽りに満ちている 時の流れ止めよう
繰り返す嘘も
繰り返す苦しみも
終わらずに廻り続ける
青い星の上でずっと
空に浮かんだ紅き印が導く時のなか
出会えた仲間たち なくせない未来を
たとえこの身が傷ついたって絶望に負けないから
散りゆく この世界と生まれ変わろう
凍てついた青い時のなか 求め合う繋がりは刹那の焔
抱き締めた君の眼差しが 哀しみに濡れてても解きはしない
絡みつく定説の鎖(ALL HAIL TRUE MOON & MOON)
解き放ち風の指す路へ(ALL HAIL TO THEE)
その笑顔を その涙を 胸に抱いて歩いていく
まだ知らないその向こうにたとえ何が待っていても
この世界がこの全てがたとえ明日消え去っても
想いは消せはしないから
見つめて 確かな未来
探して なくしたカケラ
感じて 古の技
与えて 生み出す言葉
求めて 秘めたる力
信じて 想いの強さ
開いて 希望への道
伝えて 明日への祈り
夜の闇まといて FLY INTO THE NIGHT
- 682 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 11:14:59 ID:6JeSDtWF
- さあ、泣いても笑っても後10時間。
みなさん、Hurry Hurry
- 683 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 11:37:55 ID:kINW0d20
- The World Is Critical!
NightWizard!
- 684 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 11:40:05 ID:7NNWQpmd
- U‐1全消滅法を思いついた
だが今模試中なんだよなぁ
- 685 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 11:47:13 ID:Lgce4DBj
- >>684
対模試勉強優先させろよっ!? いやマジでw
- 686 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 11:50:21 ID:07JPIIPc
- >>684さん
U-1は今二人くらいしかいないそうですよ。
(自分は把握してませんが消滅っぽい)
とりあえず、対模試戦争をくぐり抜けて下さいw
- 687 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:00:17 ID:Lgce4DBj
- それにしても、U-1系キャラの有り様と
その存在命題を此処迄正面から見据えて
検証して物語に練り込んだSSが曾て有ったろうか?w
- 688 名前:誘惑する世界:2008/02/03(日) 12:01:25 ID:d0AI/ipz
- 「だから――私の全力で、根性叩きなおしてあげるから!!」
「流石です、綾乃様」
「俺達も手伝いますよ」
「誰…!?」
果たして、そこにいた。少女の決意を見て取って。
風牙衆の生き残り、風巻美琴と。神凪宗家の一人、神凪燎。
「あんた達… いたの!?」
「はい、偶然にもこの街で仕事がありまして」
「そういうわけです、綾乃様。八神和麻には借りがある。
今回は、それを返すことにしますよ」
彼らの気持ちは嬉しい。だが、それでも、彼らと和麻を戦わせるわけにはいかない。
今の和麻に手加減など期待できないからだ。この二人と和麻には、自分以上の差がある。
だから、戦わせるわけにはいかない。そう思った。
「駄目よ。和麻は、私一人で引き戻すわ」
「ですが!」
「駄目と言ったら駄目なの。アンタ達も、結構ボロボロじゃないの」
そう、二人は多くの敵と戦っていたようだった。
この街中にあふれたあしきゆめと、戦って、戦って、戦った。
「だから、後は私に任せなさい。これでも神凪宗家、次期当主よ?」
「いえ、我々でもやれることはあります」
「そうさ、俺達は露払いに徹します。だから、一緒に行きましょう」
「……そう。ありがとうね、二人とも」
迷いはない。今こそ、神凪綾乃の全力を出し切る時だ。
――――だから待っていて、和麻。私がアンタの目を覚まさせるから!
その手の力は、確かな未来を手にする力。悪夢に染まった世界に、決意を与える言葉。
祈りが力を生み、希望への道を切り開く。それこそが、本当の強さなのだと。
これは、希望を受け取った者達のうちの、一組の話だ。
彼らの顛末は語るまでもないだろう。希望という概念も人々が望んだもの。
U−1、アバター、最強という幻想。その概念を打ち砕くのは、希望という幻想である。
- 689 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:03:06 ID:8XmbWJxq
- >>687
いや、ない!(反語)
少なくとも俺は見たことがない!
・・・セッションでそういうキャラの命題をやった奴はみたことがあるが
- 690 名前:誘惑する世界:2008/02/03(日) 12:04:15 ID:d0AI/ipz
- ぶっちゃけリプレイキャラを出したかっただけです
このままフェードアウトでもいいんじゃなかろうか
- 691 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:08:44 ID:Lgce4DBj
- >>690
柊と光太郎周り以外は書き捨て上等!が
当初から一貫した覚悟だからな、このリレーはw
ま、詳しく顛末の語られ纏められなかった登場キャラ達も
舞台裏でそれぞれのエンディングを迎えるだろうさ。
- 692 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 12:12:52 ID:z7j4u2xC
- >>690
誘惑する世界のねたを回収してもOK?
魔装機神組のエンディングも兼ねてるんですがw
駄目なら自重します。
- 693 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:15:35 ID:d0AI/ipz
- >>692
OKです、魔装組がんばってください
- 694 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:16:15 ID:hKjk8GDG
- この世に「ダメ」なんてルールは無いはずだぜw
- 695 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 12:16:19 ID:z7j4u2xC
- よっしゃ、ちょっくら書き上げるか。
これでU−1組全滅かな?
- 696 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:31:09 ID:Sp7vHXE3
- やはり、SHINを相手にするにはロボット系かな?
とは言えダイガードや特車二課呼び戻すのもあれだし……
- 697 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 12:33:03 ID:z7j4u2xC
- >>696
すまん、SHINも使うつもりなんだw
ロボット系で戦ってもOK?
- 698 名前:laststageの中の者:2008/02/03(日) 12:34:06 ID:zNLoEID2
- な、なんとか書きあがったです(汗)
……そんなわけで、ちと長いので支援をお願いしたいのですけど、どなたかいらっしゃいますかね?
3分後、投下開始しますー。
- 699 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:34:24 ID:Lgce4DBj
- >>696
何、対メカ戦のエキスパートがほぼノータッチではないか!
そう、パロディウス組とトリガーハート組が……。
- 700 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:36:20 ID:Lgce4DBj
- >>698
なれば我が支援しよう!
- 701 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:36:31 ID:Sp7vHXE3
- >697
あ、ちゃんと決まっているならいいんです。
ちょっと、知恵と勇気で“最強、無敵、絶対”に挑みたかったの。
>698
支援。
- 702 名前:laststageの中の者:2008/02/03(日) 12:36:54 ID:zNLoEID2
- この世界のどこか―――
「―――対象、『選択の言葉(メイキング・ワード)』の選び出しに成功しましたっ!」
報告とともににわかに騒がしくなるオフィス。
一人の少年が可能性を掴み取ったのだ。
その確率は砂漠で一粒の砂を拾うことと同じとすら言われた低確率。けれど彼は「正解」を掴み取ることに成功した。
だから―――たった一度のチャンスが、今こそここにめぐりくる。
オフィスでマイクをもった男が、マイクの向こうに向けてあらん限りの声を張り上げ叫んだ。
「矢野君、今だっ!」
『わかってます!』
モニターの一つに映し出されている若い男が、城に向けて手を伸ばす。
その先にいるのは、剣を手に世界の危機に一歩も引かぬ少年。
マイクを持つ男―――須田は、部下の芝村の立てた計画の成功に快哉を叫んだ。
セプテントリオンの介入によって多数の世界の地続き現象が起き
そこに式神の城を落とすことによって最も強い可能性を神と立ててゲートを開くという陰謀の舞台となった第八世界ファー・ジ・アース。
彼らアルファ・システムの人間達の住まう世界とはまったく世界形態を持ち、ありとあらゆる無茶のせいで不安定になった時空には一人が送れて限界だった。
けれど、崩壊寸前のファー・ジ・アースに必要な力は一人では足りない。
だからこそ、彼らが選んだたった一人の援軍こそがこの男だった。
彼と少年の間には細いながらも魂のつながりがある。原典を同じくするもの同士、最も同調する可能性が高い。
同位存在に近い存在である彼らが同調することにより少年の可能性の力を引き上げ
またアルファ・システム側からのリューンの送りだしの中継ポイントとして選ばれた男は、その一瞬のチャンスを絶対にその手に掴み取る―――!
「接続―――成功です!」
歓声が、オフィス中に響き渡った。
- 703 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:37:45 ID:d0AI/ipz
- 支援
- 704 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 12:39:05 ID:z7j4u2xC
- 支援!
……しないわけがないだろう?
- 705 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:39:54 ID:Lgce4DBj
- どうなる!?支援
- 706 名前:laststage-final まっすぐにしていだいなるバカ:2008/02/03(日) 12:40:27 ID:zNLoEID2
- ***
それを見る者がいれば、まるで魔法のようだと言っただろう。
見る者を安心させる、優しく淡い光が世界中から立ち上っていくのだ。
やがてその輝きは、この世界だけのものではなくなり、空からも大量に降り注いだ。
それは、人の希望。
明日を呼ぶ呼び声。
存在の意思の輝き。
それはあるところではプラーナと呼ばれ、あるところではよきゆめとも呼ばれ、リューンを伴ったもの。
そしてその立ち上る光は、いつからか重なるように響く歌声に乗るように様々な軌道を描き、一点に収束していく。
―――今、世界の趨勢を決める戦いを行っている式神の城へと。
***
唐突に、蜘蛛の動きが止まった。
それもそのはず、蜘蛛を動かしていたのは「世界」より供給される力。
その供給を果たしていたはずの赤い水晶が、供給をストップしたことが原因だ。
ぎちりぎちり、とぎこちない動きになる蜘蛛。力の供給がなければ、それはただの塊にすぎない。
そして―――水晶の中の少女は力の供給をやめたのではない。対象を自らの意思によって変えただけだ。
ざり、と。この場に立つ蜘蛛の敵が、靴の底をこすらせて音を立てた。
そこにいるのは傷だらけの少年―――柊蓮司。
彼は、どう見ても立てるのが不思議なだけの傷を負っていた。
その証拠に、息は整えるのを諦めたかのように荒れきっていて、なおかつ素人が見ても今にも倒れそうだとわかるほどの状態だった。
それでも。
足はしっかりと床をとらえ、剣先はただ一点をさし、視線はただただ前を見る。
彼は、不思議な光を纏っていた。
その光は。結界をすり抜けて現れた、あしきゆめには痛いほどのその輝きは。
まるで空より降りた梯子のごとく、空へ羽ばたく翼のごとく、天を衝く柱のごとくに柊へと伸びる。
そして―――彼は、駆ける。
振り返らず、躊躇わず、ただただ望む一撃を与えるために。そのあり方はまるで―――風のように。
「おおおぉぉぉぉぉっ!」
剣の先より、光が放たれる。
それは明日を望む光輝。それは希望をもたらす一撃。すべての希望を背負った者が放つ、「人間」の一撃。
その輝きに、あしきゆめごときが抗えるはずもない。
闇に包まれた空間を結界ごと消し飛ばす一撃にたまらず蜘蛛は消滅する。
光に包まれた空間の中、柊は駆け出そうとし―――やはり振り返ることなく、それでも一言だけ後ろに立つ者に告げる。
- 707 名前:laststage-final まっすぐにしていだいなるバカ:2008/02/03(日) 12:41:04 ID:zNLoEID2
- 「ついて来てくれ。今の俺が一人行ったところで足手まといだろうし―――なにより、あいつに教えてやらねーとな。
―――俺達は一人で戦ってるんじゃないってこと」
彼自身もしかけた勘違い。それは間違いなんだということを、この光と一緒に届けよう。
正義の味方は一人じゃない。正義の味方は孤独じゃない。
後ろに立つ人が、守りたいものがあるからこそ戦っている。人々の幻想(ねがい)を背負い、そして―――その願い(げんそう)によって支えてもらっていることを。
だから、と彼は続けた。
「手伝ってくれるよな」
背後に立つ者は、いつもの調子で答える。
「当ったり前じゃない。あんたがめったにしないわがままだもん、叶えてやるのがあたしの務めってもんでしょう!」
その声に思わず苦笑し、今度こそ駆け出す。
もう一人の一人で戦っている少年のもとへと、ただまっすぐに。
***
「もうおしまいかい?コウ」
<世界の秩序>はそう言った。
呼ばれた光太郎は、まなざしだけは敵を見るものの、もはや立ち上がるのすら難しい。
「世界」そのものの力が凄まじいこともあるが、一番の原因は精神的な疲労だ。
言うまでもなく、家族であったものと戦う葛藤が自己矛盾を生み、ダメージ以上の疲労を刻んでいるわけだ。
彼の式神も、心配そうに彼を降り注ぐ光の雨から守りながら見ている。
「僕がしたいのは本気の兄弟喧嘩なんだ、お前が立たないと今度は……っ!?」
その時だ。
凄まじい轟音と共に、すでに座に座る者によってめちゃくちゃに破壊されている玉座の間が「吹き払われた」。
その場に張ってあったテクスチャを剥ぎ取られ、残るのは<世界の秩序>と光太郎、そして―――広大な神殿の丸い天守閣。
あまりのことに、今まで笑みを消さなかった<世界の秩序>に、はじめて驚愕の色が刻まれる。
そして、光太郎は見た。
ここまで一緒に走ってきた相手が、こちらに駆け寄ってくるのを。
- 708 名前:laststage-final まっすぐにしていだいなるバカ:2008/02/03(日) 12:42:48 ID:zNLoEID2
- 自分と変わらないほどぼろぼろの、剣を持った少年が声をかけてくる。
「おい、生きてるか玖珂っ!?」
その必死な様子に、どうしてか力が沸き上がった。
力の入らない手で何とか体を支え、立ち上がる。
「柊。その言葉、そっくりお前に返してやる」
言われ、どうやら大丈夫そうだと判断した柊は、敵に向けて剣を構えた。
「よぅ、<世界の秩序>さんよ。約束、果たしに来てやったぜ」
「柊、蓮司。どうやってここに、「世界(ぼく)」の張った結界を消す力など君にはないはず―――」
その時、さらにこの場への侵入を果たした者が現れる。
「はわっ、まってよひーらぎー。あんた、自分の足の速さ考えなさいよねー?」
「星の巫女―――バカな、なぜここに!?」
「はわ?なぜって、決まってるじゃない。
バカの願いを叶えるために、ちょっと力を貸しに来てやったのよ」
「バカ呼ばわりすんじゃねぇよっ!?緊張感ねぇな、お前は!」
「うるっさいわねー、バカの分際で。ばーろー」
世界は、混乱していた。
ありえないことが起きている。柊蓮司はあの場で勝つことはできない。
彼は死に、世界は絶望へと堕ちるはずだった。
それを光太郎に見せ、更なる絶望に力を引き出させるつもりだった。
その目論見は、今目の前の本人達に木っ端微塵に破壊されていた。
けれど、彼の望みはただ一つ。混乱しながらも<世界の秩序>は告げる。
「えぇ。約束は確かにしましたが、少し待っていただけませんか。僕は弟との兄弟喧嘩を―――」
「うるせぇよ。なんで俺がお前の言うことを聞いてやらなくちゃなんねーんだ」
その「世界」の願いを、たった一言の下に斬り捨てる。それは彼の持つ刃のように。
そして、その存在を無視してかたわらの光太郎へと話しかけた。
「おい玖珂。お前は忘れたわけじゃねぇだろう、今この瞬間一緒に戦ってくれてる奴らを」
その声は、朗々と響いた。
「この城の下にたくさんの奴らがいて、一生懸命生きてることを」
言葉をさえぎる者はなく、ただただ流れる。
「だからお前は戦ってるってことを、忘れたわけじゃねぇだろう」
「当たり前だ」
その瞳は真摯なまま。
当たり前だ。正義の味方が戦う理由は、誰かが困っているからでしかないのだから。
それに柊はにやりと笑って、一言だけ告げた。
「そいつらの『想い』、連れてきてやったぞ」
- 709 名前:laststage-final まっすぐにしていだいなるバカ:2008/02/03(日) 12:43:58 ID:zNLoEID2
- 同時に現れるのは真っ白な光。
それは「世界」の回路を伝い、この世界の―――いや、これまで彼らに協力し、彼らとひと時でもともにあった全ての世界から届けられし光。
今この世界を襲う絶望を、ともに晴らそうと集う光。
それは願いにして希望にして夢。
これを、とある世界の住人達はこう呼んだ。
『明日』、と。
「世界」は、今こそ驚愕をあらわにする。
「そうかっ、世界の力を引き出す回路の逆利用―――これをやっているのはお前か、星の巫女っ!」
「そーだよ。あんまり、人をなめないでくれる?これでもわたし、次期当主なんだよ?」
ぎり、と歯噛みして世界は言う。
「なぜだっ!わかるだろう、いまのままがいいのだ!人間中心で、人間のためにある世界が!
すべては人間に支配され、神々も精霊も付き従う!それでいいはずなんだ!
なのに、なぜだ!なぜ部品であるべき人間が、全体である世界に反逆するっ!?」
それに答えるのは、変わらぬ眼光を放ち前を見据える二人の少年。
「わけのわかんねぇこと言ってんじゃねぇっ!
時代は先に進んでんだ、立ち止まってる奴が前を向く奴に勝てるわけがねぇだろう!」
「人間中心の世界云々は俺にはよくわかんねぇが、お前に反逆する理由なら簡単だろ。
お前は自分のわがままで人間を殺そうとしてんだ。そんな世界を人間が必要としないのは当然っつーもんだろう?」
稲妻のような叫びとともに、怒りをあらわに叫ぶ少年は、希望の声を聞き自分とともにあるものを再認して拳を握る。
涼風のように慟哭を受け流し、世界に当然を突きつける少年は、各地より集った仲間の声とともに威風堂々剣を握る。
もはや、秩序という名の理性を失った<世界>は、その光を纏い、<世界の意思>と共にある者たちを見て
―――奥の手を引き出した。
<世界>は城の奥に眠る<星降る夜の眼>とのリンクを活性化、<世界の外側>の力すら動員する。
声は、静かだった。
「―――いいだろう。人間が、人が僕を否定するというのなら、否定する人間を全て殺して僕の世界を取り戻す」
「そんなことはさせねぇっ!」
声に対する返事は、光が迸るように。
「いいか悪党よく聞きやがれ!
俺の名前は玖珂光太郎!悪をぶっ飛ばす少年探偵!
お前なんかにこれだけの夢を、壊させたりなんか絶対させねぇ!ぶっ飛ばされて反省しろっ!」
「俺の名前は柊蓮司!斬るしかできないただの人間!
毎回毎回世界救ってきてるんだ!この程度のことで諦められるほど、俺は聞きわけよくねぇぞっ!」
風が踊り、光が舞い、ただただ明日を望む光輝達は、この二人にそれを託した。
世界に選ばれる者としてでなく。ただその場にいて、諦めることのない二人のバカに、明日への希望は託された。
<世界>が、叫ぶ。
「消えろ―――<人間>っ!」
- 710 名前:laststage-final まっすぐにしていだいなるバカ:2008/02/03(日) 12:47:06 ID:zNLoEID2
- ***
最後の突貫が始まった。
同時に、<星降る夜の眼>から引き出された光の奔流と、<世界>の持つ力の弾幕が同時に展開される。
彼らは、拳に輝きを溜め、魔剣を振りかぶり、<人間>の希望の光を解き放つ。
超越者と人間。その間にあるのはけして超えられぬはずの壁。
普通に考えるのなら、いくつ数が集おうとその壁は越えられるはずがない絶壁だ。
しかし―――この世界の人間は。世界を滅ぼそうとした神に打ち勝てるほどの力をつけるため、古きより力を積み重ねた続けた人間達は。
―――けして届かぬとかつて言われた超越者との壁を。今。集い束ねることで、越えられるほどになっていた。
二筋の光の柱が、光の奔流をなぎ払う。
<世界>は驚愕するが―――いまだ、弾幕は突破されていない。
さらに壁を厚くするために注がれた光の弾の分厚い壁は、今力を放出した二人に次弾の装填を許さないタイミングで襲いかかっていく。
壁の先端が彼らに触れる、その瞬間。
天井をぶち抜いて現れた空飛ぶ者達が、光をもってその壁を撃ち抜く。
入り口から入ってきた地を駆ける者達が、炎をもってその壁をつらぬく。
突如出現した『扉』から現れた者達が、弾丸をもってその壁を撃ち砕く。
世界中より、いや、世界の外からすら現れて、この世界を救うためにともに戦っていた者達が、彼らの前にある壁を取り払った。
<世界>が、声にならない悲鳴をあげる。
すでに少年達はあと3歩で彼を間合いに取り込めるだけの位置に来ている。
3、
彼らへの希望の声を届けるため、後ろに立つ巫女がその身に降りた全ての人々の願いを全力で送り届ける。
2、
それを感じて、二人の少年が叫びを上げながらさらに力強く踏み出す。
1、
「ぶっ飛べ―――」
「<魔器―――」
声が唱和し、最後の一歩を同時に踏み切り、希望を背負い、そこに彼ら自身の想いを込めて、全力で拳を、剣を突き出し―――
0。
「悪党ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおっ!」
「開放>ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおっ!」
二人のバカは、突き抜けた。
- 711 名前:えぴろーぐ・そのいち:2008/02/03(日) 12:50:25 ID:zNLoEID2
- 大騒ぎの式神の城の最奥。
一撃の下に消し飛んだ<世界>を見て、はじめは静まり返っていた。
しかし、やがて悪夢の終わりを実感するにつれて、騒ぎは広まっていく。
そこに、無粋な電子音が響いた。
それは光太郎の携帯電話からだった。彼はそれをとると、電話の相手に話しかける。
「おう、ふみこたん。終わったぜ」
『よくやったわ光太郎。それでこそ私の見込んだ男。
―――けどいいの?』
「なにがだ?」
不思議そうに聞く彼に、空色の魔女は爆弾の一言を投下した。
『城の主が消えたんだから、その城はもうすぐ消滅するわよ?』
空気が、凍りついた。
今まで騒いでいた人々が出口をもとめて逃げようとしたのと同時。
―――今までの激戦でぼろぼろになっていた城の床が、まず消滅した。
- 712 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:54:19 ID:8XmbWJxq
- 見入ってた。支援
- 713 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 12:54:44 ID:Lgce4DBj
- よし!ラストスパート支援!
- 714 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 12:56:17 ID:z7j4u2xC
- 鳥肌もんだ!
支援!!
- 715 名前:laststageの中の者:2008/02/03(日) 12:57:35 ID:zNLoEID2
- と、まぁそんなわけで式神の城の大騒動、自分はここで筆を置こうと思います。
可能なかぎり拾えるものは拾ってみました。
貧乏性なもんで落ちてるものがあるとひろいたくなるんです(笑)。
(以下チラシの裏)
エピローグもなー、書きたいもんいろいろあったのになー……。
なーんで今日バイト入ってんのかなー?しかも終了九時だから間にあわねーっつの。
(チラシの裏終了)
勝手にラストバトルはじめて勝手に終わらせちまってごめんなさい。
あと、本当に「明日」への希望を書いてくださった多くの方、とてもうれしかったです。
誰にも手助けしてもらえない可能性もあるなぐらいに思ってました。
さて、そろそろ名無しに戻ろうと思います。
長文をここまで読んでくださりありがとうございました。
- 716 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:01:50 ID:Lgce4DBj
- >>715
応、此方こそ燃えたぜ!
それにまぁ、DNN&アンゼロット放送局のカメラは未だ生きている!
他の勇士達のスポットも絶対に拾って同時多層生中継してくれている筈だ!w
【と、スポット別エンディング導入を焚き付けてみる】
- 717 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:02:28 ID:07JPIIPc
- ちょっとかんどーしましたww
ちょうどKURENAIを聞いてたからかもです。
はうぅ、つかれたorz
- 718 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:03:24 ID:4qCfUDOO
- >>711
最期はやっぱり下がるオチなのか。
- 719 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:09:19 ID:07JPIIPc
- >>716さん
お?それはつまりタイムアップまでは投稿可ということですか?
わっかりました〜!個別エンドもがんばりますよーっ!
(徹夜でテンション崩壊中)
- 720 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:09:22 ID:uI9SIA12
- >>715
GJ!こっから順次エピローグに入りますか。
- 721 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:10:59 ID:TgE05woa
- >>715
なぁ。決戦の終了は、制限時間以内にしないとまずいよな。
そうしないと世界が滅ぶわけだし。
でも、後日談は、制限時間の後でもいいんじゃないか?
だってほら、”後日"談だし! 後日でも良いような気がするだろう?!
- 722 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 13:11:55 ID:z7j4u2xC
- ふ、俺は既にエピローグの執筆に入ってるぜ!(気が早い)
個別ENDをやって、タイムリミット前に後日談でも小ネタで投下していくかね?
- 723 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:14:31 ID:hKjk8GDG
- げ。エピローグ?
- 724 名前:みなさんお疲れさまでしたorz:2008/02/03(日) 13:20:27 ID:07JPIIPc
- >>ALL
まあ、エピローグ云々はおいといて。
とりあえず、「柊と光太郎お疲れさまー」って事にしときません?
自分は自分の仕事は完遂する所存ですがwww
- 725 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:20:59 ID:iNgdy+SZ
- おお、終わったのか
てっきり最期はやられた悪役やU−1の怨念やらなにやらの集合体
『この世の全ての悪』よりすごい「もはや形容しがたいナニカ」に
今まで登場したヒーローたちの全力全開フルボッコと言う展開を
見てみたかったんだが
- 726 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:25:12 ID:Lgce4DBj
- >>721
まぁ、核となる事件は決着を見たから
後は随時スポット別エンディングで締めを迎えてれば
後夜祭的な楽しみでタイムアップ後でもエピローグ投下
してても大丈夫っしょ。エピローグまで辿り着ければ、
後は自然解散的に終息して行くだろうし。
……さて、自分は柊×プリキュア5の続き話の推敲に戻るか。
- 727 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:28:34 ID:Lgce4DBj
- >>725
いや、あの床抜け落下からそれ続けても良いんじゃね?
まぁ、残り時間少ないから一度きりの一斉投下で
決着着けさせて城脱出中に繋げて締めれば
後に拾いたい人が拾えて無難だろうけれど。
- 728 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:31:12 ID:uI9SIA12
- 落下しながらみんなでフルボッコという電波を受信した。
- 729 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:33:47 ID:/utrUspt
- 矢野王子の指揮能力発揮マダー?
- 730 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:34:58 ID:3rV83u+0
- >>725
ゲームには隠しステージがあってもいいんだぜ?(爽やかな笑みを浮かべながら)
現在頭に浮かんでいる妄想
いつものように自己紹介したあかりんに対して、普通にあかりん呼ばわりする光太郎
(初めて会った女性をあかりんって……わたしのことはアンタって呼ぶくせに……)と黒いオーラを発する小夜たん
その状況をよくわかってない柊を半眼でみるくれはと、「若いやつはいいねえ」とおっさんムードを共有する日向&鈴木
一人真面目に後方組と連絡を取る金先生とかそんな感じ
ちなみに数十秒後にふみこたんの衛星レーザーで城に穴を開けて突入するんだが、そのときの衝撃でばらばらのチームに分かれるというそんなオープニング
というかクライマックスが終わってるのにオープニングを妄想するとかそんな度し難い状況
- 731 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:40:20 ID:XpRTeR3f
- つーか、考えられるスポット別エンディングのパターンとしては
1)自分等の相手との決着着けて晋太郎と対峙している
柊と光太郎の許に飛び込んで“壁”を打ち砕く
エクセレントアタック放った所でEND。
2)自分等の相手と決着着けた後にそのまま息切れ倒れて
柊と光太郎が居るで在ろう辺りに視線向けて
「自分の想い、御前等に託す!」って感じて心の力送って
御疲れ様END。(アレンジとしては高見の見物モードに入る)
って所位かな?
- 732 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:43:24 ID:8XmbWJxq
- >>730
問題ない!「城」を「なぜかすぐ傍に出現した異世界のなんたら」というふうに変えて、
「まだまだ俺たちの戦いは終わらないぜ!」という打ち切り風エンディングにすれば万事解決!
- 733 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:45:33 ID:XpRTeR3f
- ……ってーか気付いたけど、
〈星降る夜の眼〉ことエンディヴィエの眼って
実は未だ健在だったりする?!
――まぁ提供者がフルボッコ標的OKの御墨付き出してくれてたけど。
- 734 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:46:59 ID:07JPIIPc
- >>731さん
他にも
1別の場所で生き残っているボスの討伐(居るのか?)。
2外or中で雑魚相手に無双→敵が消えていく。
3ゴーイングマイウェイつまりギャグエンド。
4目的を達成→撤退。
なんかもありだと思いますよ。
- 735 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 13:47:37 ID:z7j4u2xC
- >>733
もうぼこされたよ?
- 736 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:53:01 ID:XpRTeR3f
- >>730
と言うか、改めてNW!×式神の城のSS書いて
投下してみたら如何?
因みに、今回のリレーSSの個人的収穫として
改めて各々の独立したクロスSSで読みたくなったのは
NW!×舞Hime NW!×新☆感覚癒し系魔法少女ベホイミちゃん
NW!×東方 NW!×メタルウルフカオス
って所ですねw
- 737 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:55:12 ID:3rV83u+0
- >>732、736
妄想したのは「今回の事件の」オープニングだからなあw
まあリミットまで時間はまだあるし、ちょっと書いてみようかな
- 738 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:55:35 ID:XpRTeR3f
- >>735
あ、そうか。そりゃ此方が勘違いしてたわw
- 739 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:57:17 ID:8+6mNlXv
- そういえば、横島ってどうしたんだろう?
- 740 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:58:41 ID:XpRTeR3f
- >>739
……無駄召喚?w
- 741 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:59:33 ID:tq494d7p
- 一昨日の時点でまとめにはベルとリアル鬼ごっこだったはずだが……>横島
- 742 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:59:38 ID:07JPIIPc
- >>736さん
舞ーHiMEクロスは落ち着いたら書くつもりです。まあ、自分だけのじゃないんで他の方のOKが出ればですが。
- 743 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 14:01:30 ID:XpRTeR3f
- >>742
了解。少なくとも自分は気長に待ちますよ♪
- 744 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 14:01:36 ID:d0AI/ipz
- いつのまにかフルボッコされて帰ったんじゃね?>横島
- 745 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 14:10:15 ID:z7j4u2xC
- >>742
楽しみにしてますよ〜 ←(最初に出して、決着を書いた奴)
- 746 名前:大統領&OVERSネタ振った人:2008/02/03(日) 14:13:07 ID:vqV7OLN/
- >>736
クソ寒い中、仕事で召集が来たとです……
多分リミットまでに投下困難とです……
リレーSS投下予定してた分は、スレでおK出たら
後で補足かフォロー分書いて
時系列に合わせて誤字訂正と一緒に
まとめに投下しとくです……
- 747 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 14:13:40 ID:Sp7vHXE3
- 時に、アンゼロット様宮殿内特設ステージは、
正面向かって右にマーダーズ・ステージ、
左にダークネス・ステージがある。
二つのバンドが対立した場合、中央のバトル・ステージで決着を付けるのだ!
「というわけで、この特設会場では参加者募集中ですわ。歌に覚えのある方は、是非参加して下さいませ。
以上現場から、エリーゼ・サツキ・ソーンダイクがお送りしました」
……<世界>と<人々>の、或いは<運命>と<希望>の戦いは、ひとまずの決着を見た。
歪められた因果律もやがて修復され、世界は元の姿に戻るだろう。
だが、それは完全な復元に在らず。
また、そうであってはこの戦いの意味は無い。
今、サツキがここにいるのは、少しでも多くの希望の種(よきゆめ)を、少しでも多くの世界に届ける為の手伝い。
それは、淡雪の如き、一炊の夢の、そのまた欠片。
願わくば、遠く離れた世界にいる、同じ名を持つ掛け替えのない少女と、同じ血を持つ離れ難き少女にもその種を……
「……って、何故ここに船長がっ!?」
サツキの驚愕する顔を皆さんにお見せ出来ないのが残念です。
- 748 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 14:14:30 ID:07JPIIPc
- >>745さん
あら、そうだったんですか?じゃあ任されましたww
まったりな空気を読まずに書いてるラスト(?)でSSへの伏線張るんでよろしくです。
- 749 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 14:22:47 ID:XpRTeR3f
- そりゃそうと、前スレで最初に式神ネタ投下した人と
それに便乗してなのはネタ繋げた人は、ここまで雪だるま式に
大事に成長したリレーSSを見て、今頃はどんな事思ってるんだろうね?w
- 750 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 15:15:33 ID:07JPIIPc
- できたー。
長文なので支援いただけるとありがたいです。
ベル様の魔王っぷり、うまく書けたかなぁ。
- 751 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 15:18:48 ID:8XmbWJxq
- とりあえず支援
- 752 名前:継ぐもの、継がれるもの1:2008/02/03(日) 15:21:11 ID:07JPIIPc
- 突き抜けたバカたちの戦いから時は遡り──"天使の言葉"の少し前。
「ん〜…?」
楯祐一が微睡みから目覚めると、そこには見慣れない…いや、"忘れていた"というべきか…つまり、あり得ない光景が広がっていた。
「楯ー、授業終わるまで居眠りかよ?」
「え…俺、たしか東京市で…なんだっけ」
「なーに寝ぼけてんだよ、ちゃんと部活に出れんのか?」
「あ、ああ」
「じゃあ、またな」
ここは学校──しかし、風華学園に来る前に通っていたところだった。
「夢…なんか大事もんを忘れてる気がする…痛ッ!」
不意に襲う頭痛に纏まり欠けていた記憶は四散した。
「もっと楽しめると思ったんだけど…」
黒き炎が燃え盛る広間。無数の魑魅魍魎を吐き出す魔道炉の一つ、その前に鎮座していたのは二人の魔王だった。
「"高次元物質化能力"…だったっけ。意外に大したことないのね」
「く…デュランさえ、"チャイルド"さえ呼べれば……」
「祐一!祐一っ!?」
鴇羽舞衣と久我なつきは今までに相対したことのない、超常の敵を前に苦戦を強いられていた。
無理もない、相手はあの"蠅の女王"ベール=ゼファーなのだから。
- 753 名前:継ぐもの、継がれるもの2:2008/02/03(日) 15:24:36 ID:07JPIIPc
- 身に纏うは漆黒の戦闘服──本気も本気、最大出力に近い大魔王そのものである。
「まあ、リオンのおかげで無様な姿を見れたのはよかったかしら。愛だのなんだのって…ほんと、下らないわ」
ベルは魔道炉の上に妖艶に座っている。その様子はまさに下界の愚民を見下す神。
「なにっ!!」
ふたりの鍵、楯祐一は魔王の罠にかかり、鏡を模した異空間に閉じこめられている。
近くにいるが近くではない。これでは"チャイルド"を喚ぶこともかなわない。
「下らないから下らないって言ったのよ。そんなもの…何の役にも立たないわ。見なさい、あなたたちの"大切な人"とやらはあなたたちの事を忘れても楽しそうじゃない」
「貴様ッ!」
なつきの放った弾丸はベルの纏った黒い炎に難なく防がれる。
「あははっ、無様ね。…あー、いいこと思いついたわ。リオン」
"蠅の女王"の側に控えていた"秘密侯爵"リオン=グンタは表情を変えない。
「このふたりを戦わせるのよ。勝った方にそこの男をやるの…どう、おもしろいでしょう?」
「ええ…」
ベルの言葉にもリオンは表情を変えない、しかし、ベルは自分の名案の出来に愉悦に浸っているようだ。
「さあ、聞いてたでしょう?殺し合いなさい」
- 754 名前:継ぐもの、継がれるもの3:2008/02/03(日) 15:28:16 ID:07JPIIPc
- 一瞬の空白──
そして、舞衣となつきは同時に口を開いた。
「嫌よ!」
「断る!」
ベルの表情が強ばる。
まるで自分のオモチャを奪われた子供のように。
「あなたたち、そこの男を"愛してる"んじゃないの?」
魔王の言葉になつきがシニカルな笑みをこぼした。
「ああ、愛してる!大好きだ!」
なつきに後れを取るまいと舞衣も声高に叫ぶ。
「あ、あたしだって!祐一のこと大好きよ!」
「ならば、なおのこと…」
「それとこれとは!」
「話は別よ!誰があんたなんかの言うことを聞くもんですか!」
「そう言うわけだ、さっさと巣穴に帰るんだな、年増!!」
天輪と拳銃、己の武器──"エレメント"を構え、二人は言いはなった。
「とし…っ!?」
未だ余裕綽々だったベルの表情が見る見るうちに消えていく。
「…もーいいわ、さっさと消えなさい…!!」
降りあげたベルの両手に魔力が集う。天属の純粋な魔力──それが膨大な熱量を持ってさらに集束される。
「ディヴァイン…ッ!コロナッ!!!」
天属最大魔法が殆ど無防備のふたりを襲った。
- 755 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 15:30:03 ID:ujJGvHvJ
- わくわくw支援
- 756 名前:継ぐもの、継がれるもの3:2008/02/03(日) 15:32:21 ID:07JPIIPc
- 「痛ッ!!」
夕方、道場の一角。
楯祐一は不快な違和感を感じていた。
「何なんだ、クソッ!」
ひどい頭痛と目眩。
何かが足りないという喪失感──
ふわり──天使の羽が舞う。
ふと、人の気配に気づき振り返ると銀髪の少年が防具を付けて待っていた──何故だろう、彼は少年と言うには華奢すぎで、顔立ちなんて少女そのものだ。
なのに、自分は"男"だとすぐさまわかった。
少年は防具を被ると近づいてくる。
どうしても、試合をしなければいけない気がして、竹刀を手に取る。
結果は完勝。
祐一とてそれなりの使い手だ、素人同然の彼が敵うはずもない。
だが、彼は何度でも立ち上がり、何度でも挑んでくる。
まるで──何かを伝えたいようかのに。
「はぁ、はぁ…君は、どうしてそんなに俺に向かってくるんだ?」
少年は答えず、ただ悲しそうな瞳を祐一に向けるだけ。
いや、祐一には彼が言わんとすることがわかる。
──あなたが教えてくれたんです。
──僕が誰なのかを。自分が何者なのかを。
──思い出して。あなたは誰ですか。
「お、俺は…」
狼狽の隙を突き、少年の竹刀が──いや、"刃"が祐一の左側から竹刀を弾き飛ばした。
- 757 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 15:32:56 ID:TgE05woa
- 1・2を読んで「ものすごく魔王っぽい! ベルなのに!(驚愕)」
3を読んで「あ、やっぱりベルはぽんこつだ(安堵)」
そんな支援。
- 758 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 15:34:36 ID:d0AI/ipz
- 逆舞オトメ! 漫画版逆舞オトメじゃないか!!
- 759 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 15:34:43 ID:z7j4u2xC
- 支援だね
- 760 名前:継ぐもの、継がれるもの4:2008/02/03(日) 15:39:35 ID:07JPIIPc
- 「あっ…」
腕の怪我──今までもあったはずのそれを見て、祐一は唐突に理解した。これは偽りなのだと、真実は別にあるのだと。
少年はやっぱり少女に見える愛らしい微笑みを浮かべた。
そう、初めて何かで父親に勝った息子、のような顔を。
──あなたは誰ですか?
「俺は…俺は楯祐一!……鴇羽舞衣と久我なつきの────!!」
ピシリ。
世界にひびが入る。偽りの日常。偽りの平穏が音を立てて崩れさる。
「君は…」
少年は笑みを浮かべるだけ。
「そうか、ありがとう。腑抜けの俺を叱りに来てくれたんだな──」
「!!!バカなっ、そんなはずっ。あたしの月匣をただの人間風情が破ったですって!」
ディヴァイン・コロナの爆光を遮る紅と銀の光。
「カグツチ!?」
「デュラン…お前どうして」
理由は一つしかない。
ふたりが同時に振り返る、その顔にはふたりとも安堵と喜びに満ちていた。
「「祐一!」」
「ちょ、お前らっ、くっ苦しいって」
ふたりに抱きつかれ若干狼狽する祐一。
が、すぐに立ち直りふたりに言う。
「…とりあえず、あいつらを何とかしないとな」
「ああ、お前の言うとおりだ」
「今までの分、百倍にして返してあげるわ」
- 761 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 15:43:45 ID:z7j4u2xC
- 支援するぜ?
あとデュランはマックスハートじゃないのか? それなら黄金のはずだが?
まあいいや支援!!
- 762 名前:継ぐもの、継がれるもの5:2008/02/03(日) 15:44:06 ID:07JPIIPc
- 前にもまして鬼気とした…そう、言うなれば怒髪天をつくと形容すべき様相のベル。
当然だ。たかが人間に。たかが人間ごときに、自分の遊びを邪魔されて、自分のテリトリーまで壊された。
この混沌とした戦場で、たまりにたまったストレスの果て、彼女は我を忘れていた。
「リオン、手を出すんじゃないわよ」
「ええ」
「あんたたち虫螻に、こんな大技見せることになるなんてね…あたしの最強魔法で消し飛ぶことを光栄に思いなさい!」
集中し始める虚無の魔力──それは渦となって巨大な塊を形作る。
「ヴァニティー・ワールド・ジ・アンリミテッド…さあ、もうまぐれなんてものありはしないわッ!!」
あれは、マズい。
祐一は直感した──そして、今の自分ならあれを打倒できるという事を。
そりゃそうだ、何せ今は世界中──いや、遠い異世界の果ての果てから"希望"って名前の力強い援軍が来てるんだから。
「舞衣!なつき!力を貸してくれ!!」
「──わかったわ。カグツチッ!!」
「任せろ!デュラン、ロード・ダイヤモンドカートリッジッ!!」
ふたりの"舞ーHiME"に"小さな奇跡"が舞い降りた。
カグツチが剣と化し、デュランが金色の光を帯びる。
- 763 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 15:49:53 ID:ujJGvHvJ
- ベル様、本気モードか。
支援
- 764 名前:継ぐもの、継がれるもの6:2008/02/03(日) 15:56:26 ID:07JPIIPc
- が、まだ足りない。
自分のも合わせれば全部で六つ──チートもチート、最悪だ。
だが、まあ、あんな化け物にただの人間が勝つんなら、同じ"ありえないもの"をぶつけるしかない。
デュランが吼える。
カグツチの刀身が焼ける。
「無駄よ、これで…終わりなさい!!」
"無限の虚無の世界"が辺り一帯を襲った。
それで、終わりのはずだった。少なくともベルはそう思った。
しかし、事実は彼女の思惑を大きくそれ、彼女の最大魔法は一刀の元に叩ききられた。二度目のまぐれ──だが普段のベルなら冷静に対処しただろう。
が、今日の彼女は有り体に言えばキレていた。
だから…、
「おおぉぉぉッ!!」
祐一の動きに反応できなかった。
彼が携えるのは、金剛石を柄に抱いた"貴石"の剣──"カグツチ"と"デュラン"を触媒にして呼び寄せた、ここにあるはずのない"真白なる金剛石"──六つの"奇跡"をつぎ込んで、この一瞬のためだけに呼び出された"希望"の剣。
「ぐ…ッ…は……!」
腹を横薙ぎに一閃。胴体と脚が見事にまっぷたつ。
「…はっ、あたしがそれぐらいで死ぬと思う?」
- 765 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 15:57:24 ID:TgE05woa
- 祐一頑張れ支援
- 766 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 15:58:40 ID:z7j4u2xC
- 祐一かっこいいぜ!
支援!!
- 767 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 16:01:02 ID:ujJGvHvJ
- ザーフィのおっさんを越えろ!
支援
- 768 名前:継ぐもの、継がれるもの7:2008/02/03(日) 16:02:22 ID:07JPIIPc
- 「だろうな」
祐一がすっと射線を開けた。
ベルの表情が凍る。
そこには"エレメント"の最大出力で待機していたふたりの"舞ーHiME"。アイコンタクトなんて要らない──次に誰がどう動くのかなんて手に取るようにわかるんだから──
紅蓮の爆炎が、無数の弾丸が上半身だけのベルをなぶる。
「ガ……ッ!?」
「終わりだ!」
そして、逆袈裟斬り、鏡の中で少年から喰らった手痛い一撃。
「…さすがの魔王もこれだけ喰らえばただじゃすまないだろ?」
「あたしたちを、人間をなめるんじゃないわよ。ま、百倍返しは出来たから許したげるわ」
「祐一の剣で受けたこと、光栄に思うんだな。年増」
ボロボロと崩れゆくベルにリオンは本を読みこう告げる。
「あなたはここで彼らに倒される。この本にあるとおり」
「…リオ、ン…?」
「だって……聞かれなかったしぃ…」
ベルは自嘲めいた笑みを浮かべる。
「ふふ…ま、いいわ…楯、祐一…あんたの名前……覚えたから……」
「覚えなくていいよ」
そうして、ベルの体はかき消えた。
- 769 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 16:08:15 ID:z7j4u2xC
- ベルに憶えられたー!ww
しかし、守護者よりはマシかw
支援!!
- 770 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 16:08:53 ID:d0AI/ipz
- いつものうっかりっぷりを発揮しすぎですベル様
つーか、どんだけの数の人間の名前を覚えてるんだろうか
- 771 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 16:08:56 ID:/utrUspt
- だって聞かれなかったしぃ
- 772 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 16:09:49 ID:ujJGvHvJ
- >>770
漫画で忘れることはないって言ってたから、トレーズ様並に覚えているんだろ。
- 773 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 16:14:07 ID:z7j4u2xC
- この投下終わったら次よろしいですか?
魔装機神組と風の聖痕組のラストエンドパートなのですが。
ううーん、昨日から書きすぎて自重したほうがいいのかしら?
- 774 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 16:14:08 ID:d0AI/ipz
- >>772
いや、多分全部覚えてるとは思うんだけど
どれだけの人間に負けてるんだろうって意味で言ったんだ
- 775 名前:継ぐもの、継がれるもの8:2008/02/03(日) 16:14:51 ID:07JPIIPc
- 「で、あんたはどうする?」
祐一の問いにリオンは静かに答えた。
「ここは落とさせない…それに…あなた達はここで終わりって、この本に書いてあるもの」
「は?…えっ?」
その瞬間、剣の重さがすっと消えた。
足元を見る祐一。そこにはちんまりとした白い猫と青い犬が二匹じゃれ合っていた。
「は、はいぃぃぃ!?」
「デュラン!?ちっちゃい…か、かわいい」
"真白なる金剛石"を喚んだリバウンドというべきか──"小さな奇跡"の六枚重ねはさすがにやりすぎだったらしい。
要するに、無茶はやるなと言うことである。
「ね、この本にあるとおり」
リオンの後ろから無数の魑魅魍魎が現れた。
「あなた達はここでゲームオーバー、コンテニューはないわ。さようなら」
- 776 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 16:16:43 ID:z7j4u2xC
- きゃー!
ピーンチ!! 支援!!
- 777 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 16:19:12 ID:hKjk8GDG
- バトル書いてたんだが……超むずい。
書かなきゃ良かった……
- 778 名前:継ぐ(以下略(以下略:2008/02/03(日) 16:21:04 ID:07JPIIPc
- はい。以上です。
完全出オチ、漫画版舞姫舞乙をパロってみました。
マックスハートがダイヤモンドなんで案外公式もかも?
銀→金は完全に個人の趣味です、ごめんなさい。
……投げっぱし?あれは拾う人が居ればそれでいいし、いないならクロスSSのネタにするんであれは仕様ですww
- 779 名前:道を切り開く者たちを書いてる人:2008/02/03(日) 16:23:13 ID:z7j4u2xC
- >>778
GJ!! やはり銀色から金色へのマックスハートはガチでしょうw
さて、次に投下したいのですが、よろしいですかな?
かなり長いので、支援が必要なのですが。
- 780 名前:支援:2008/02/03(日) 16:27:27 ID:07JPIIPc
- 時間一杯までライブネタをいじり倒そうと思うので、あまり支援はできませんが。
- 781 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド:2008/02/03(日) 16:29:03 ID:z7j4u2xC
- 支援感謝! これで俺の仕事は終わりだぁあああ!
狂う。
燃え上がる。
それは恋焦がれるような気持ち。
渦巻く、魂を灼く激情にも似た力。
「アーハハハッハハハ!!!」
風よ纏え。
力を呼応せよ。
あらゆる幻想が、あらゆる願望が、あらゆる希望が、あらゆり理不尽が。
集う。
集う。
集うのだ。
――蒼く輝く瞳。
本来ならば魂を焼き焦がし、脳神経のシナプスを粉々に砕き、肉体を崩壊させるほど
の馬鹿げた“力”。
だがしかし、それを八神和麻は――否、【KAZUMA】は制御する。
何故ならば、彼は最強の幻想。
力を欲し、理不尽に狂い、最強を求める人々の幻想に編み上げられたアバター。
……それは形が違えども人々の夢の一つ。
願望であり、希望であり、熱望であり、欲望の結晶。
力なき者達が追い求めた【悲劇を変えるための歪んだ幻想】
「U−1の力を理解し始めたか?」
傍を併走するSHINが薄く微笑みながら、KAZUMAにそう語りかける。
「ああ。これはまさしく――“最強だ”」
歪に歪んだ笑み。
狂った笑顔。
ありとあらゆることが許せそうだった。
寛大に、傲慢に、理不尽に、何もかも手に入れられそうだった。
“彼女を救える力がそこにあった”
「んで、これからどうするんだ? 空を舞う羽虫どもを切り刻むか? それとも、城の中の
下らない希望を振りまく連中を叩き潰すか?」
「慌てるなよ、まずは――“門”を潰す」
SHINの言葉に、彼は0.1セカンドの時間すら必要なく理解した。
「ああ、なるほどな」
目を向ける必要も無く、知覚する。
そう、それはどこまでも彼の中に燻っていた違和感。異物。あってはならないもの。
己の思い通りにならない“異世界の風”。
自らの従える風の精霊とも異なる烈風なる風。
不愉快だ。
許せるわけがない。
己に従わない愚物を許すわけが無い。
「潰そうか、ガラクタの人形を」
- 782 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド:2008/02/03(日) 16:29:46 ID:z7j4u2xC
-
門を形成する。
それを行えるものは数少ない。
地底世界ラ・ギアスから地上への転移を行えるのも、魔装機神が他の魔装機とは
比べ物にならないポテンシャルと精密な魔術理論で構築されているためである。
魔力――すなわちプラーナ。
魔術師ではないマサキが、魔力を伴い、異界へのゲートを構築する転移魔術を形成
しているのは、サイバスターに組み込まれた魔術回路のお陰である。
そして、魔力はプラーナコンバーターで変質させたマサキのプラーナが原動力と
なっている。
生み出すための媒体をサイバスターに、生み出すための燃料はマサキのプラーナそのものだった。
「っ!」
光の翼を発し、未だに門を開き続けているが、そろそろ限界だった。
プラーナも枯渇しかけ、それに伴い肉体も悲鳴を上げている。
そろそろ限界が近い。
『おや?』
その時だった。
傍で空間を安定させていたグランゾンから、声が届いたのは。
「なんだよ?」
『気付かないのですか? マサキ――風が変わりました』
「なっ?!」
その声に、マサキは悲鳴を上げる肉体を無視して、意識をサイフィスに接続する。
―― !
そして、気付いた。
何故己が気付かなかったと悔いるほどの風の異常を。
周囲を埋め尽くし、圧倒する“壊れた風の精霊たちの気配”。
戦場の全てを埋め尽くす膨大な力を。
泣き叫ぶサイフィスの悲鳴が感じられた。
「こ、れは!?」
サイバスターが光の翼を羽ばたかせ、風の不和に空を見上げた時。
「ようっ、ガラクタ」
“ソレ”はそこに浮かんでいた。
蒼き瞳を両眼に称え、おぞましいほどに風を従えた一人の男が。
- 783 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド:2008/02/03(日) 16:30:25 ID:z7j4u2xC
-
マサキは知らない、彼がKAZUKIと呼ばれる最強の幻想たるアバターなのだと。
KAZUKIは知っている、サイバスターが己に従わない唯一の風なのだと。
「壊れろよ、異世界の風よ」
指がゆっくりと振り下ろされ。
――空が墜ちた。
ダウンバースト。
空から降り注ぐ高密度の大気の土石流。
だがしかし、世界の風すらも掌握するアバターのそれはあらゆる比ではなかった。
まさしく空が墜ちる。
万物を踏み砕き、粉砕し、滅殺する巨人の大槌にも等しい馬鹿げた風。
それが風の魔装機神たるサイバスターを襲った。
「ウォオオオッ!?」
オリハルコン製の装甲が悲鳴を上げる。
風に舞う白き翼が悲鳴を上げる。
ミシミシと翼を広げ、雄雄しく立っていた機械仕掛けの神が膝を屈し、周囲が陥没してく。
「まだ壊れないのか? 頑丈だな」
さらに指を振り下ろす。
加速度的に増す圧力に、大地が、魔装機神の装甲が悲鳴を上げる。
「テ、メエエエエエエエエエエ!」
圧力の増す大気の中でマサキの咆哮が轟き、風を支配する精霊使いの狂笑が轟いた。
- 784 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド:2008/02/03(日) 16:31:05 ID:z7j4u2xC
-
マサキの元にKAZUKIが襲い掛かってきた時、蒼の破壊神の前にも敵が現れた。
「アンタが、シュウ・シラカワだな?」
『おやおや。私に一体なんの用ですか?』
本来ならばそんな能力はないはずなのに空に佇むSHINの言葉に、シュウは薄く笑って答える。
「とぼけるなよ。かなり消耗しているとはいえ――機械仕掛けの神にして、異界の扉を開くことを可能とした武装機甲士。これ以上なにかされるまえに――」
そう告げるSHINの声が少しずつ変わっていく。
そうなのだ。
彼は本来空など飛べるはずもないのだ。
あるのは時空跳躍、スーパーコーディネーターを超えたイレギュラーのポテンシャル。
空など飛べるはずもない。そんな幻想はない。
けれども――たった一つの力があった。
『俺の【運命】でお前を破壊する』
幻想が編み上げられる。
虚空に浮かぶSHINを中心に、歯車が、鉄の腕が、コクピットが、トリコロールの装甲が生み出される。
そして、そこに浮かんでいたのは【運命】と名づけられた自由と正義を打ち破った
SHINの翼。
下らない妄言に引きずられ、本来ならば負けるはずなどなかった真なる翼。
それが光の翼を広げ、光り輝く巨剣――アロンダイトを構えた。
『しょうがないですね』
翼を広げ、襲い来る最強の幻想に、蒼き破壊神は虚空を歪めて応えた。
理不尽を打ち破る幻想と理不尽と称えられた破壊神が激突する。
- 785 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド:2008/02/03(日) 16:32:00 ID:z7j4u2xC
-
走る。
疾る。
跳ぶ。
「もっと速くっ!!」
神凪綾乃は焔を撒き散らしながら、アスファルトの大地を駆けていた。
それも爆音を上げて、大地を蹴り飛ばしていた。
火の精霊に呼びかけて、瞬間的に足裏に炎熱を凝縮し、大地との接触に解放。
爆音と衝撃を引き換えに、ロケットのような加速を齎す技巧。
本来ならばここまでの制御能力は綾乃にはない。
されども、様々な世界が混入し、奇しくも“バーストジャンプ”と呼ばれる夜闇の魔法
使いたちが使う魔法を再現していた。
「綾乃様、あれを!」
風を制御し、少しでも速度を上げようと風を操りながら走っていた風巻 美琴が声を
上げた。
「あの白いロボット――それに八神 和麻?!」
美琴の操る風に乗って、なんとか綾乃の走る速度に併走していた神凪 燎が目を
見開いた。
精霊使いならば歯をかち鳴らし、恐怖に身を竦めるほどの膨大な風の精霊を制御した
KAZUMA。
そして、それに押し潰されかけている白いロボット――サイバスターの姿。
「あのままじゃ、潰される!?」
風の精霊使いである美琴には見えていた。
力ずくで従えられた風の精霊たちの悲哀とそれに抗う“異なる風の精霊”の嘆き。
そして、それが圧倒的なまでの力の差で押し潰されていくのが解る。解ってしまう。
「させないっ!」
綾乃が空中から大地に着地する。
心の底から力を欲し、希望を欲し、全身全霊の願いを篭めて火の精霊たちに願う。
「お願い! 私に和麻のところへ行かせて!!」
火の精霊王の祝福を受けし、神凪一族。
その宗家の姫である綾乃の声に――精霊は応えた。
地面すら燃え上がり、その身を焦がすほどの膨大な火炎。
それが渦巻き、吼え猛り、そして――
「かずまぁああああああああああ!」
あらゆるものの速度を凌駕するほどの爆音を上げて、綾乃は跳んだ。
彼女が認める、たった一人の憎たらしい男の下へと。
- 786 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 16:32:37 ID:d0AI/ipz
- なんというスパシン、これは間違いなくアバター・SHIN
- 787 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド:2008/02/03(日) 16:33:30 ID:z7j4u2xC
- ミシミシと悲鳴が上がる。
心が砕けそうな絶望に満ちた音が轟く。
「ま、まずいニャ!」
「やばいニャ〜!!!?」
「……堪えてくれ、サイバスター!」
クロとシロの慌てふためく声を聞きながら、マサキは歯を食いしばって、操縦桿を握っていた。
「アイツは……」
奴に負けるわけにはいかない。
「アイツには――」
絶対に負けるわけにはいかない。
何故?
――門を切り開いたから? その結末を見届けたいからか。
――世界を救いたいからか? 魔装機神操者としての使命か。
違う。
それだけじゃない。
奴を認めるわけにはいかない。
目の前の狂笑を上げる人間を認めるわけにはいかない。
「この悲鳴を上げさせる奴は、ぶっ飛ばさないと気がすまねえ!!!」
泣いているのだ。
サイフィスが泣いているのだ。
異世界とはいえ、同じ風の精霊たちが嘆き、蹂躙し、力ずくで行使されているのを
見ていられないのだ。
風の魔装機神・サイバスター。
彼の魔装機神たる由縁は風の高位精霊【サイフィス】と契約したからである。
そして、その操者たるマサキもまた直感的だが、風の精霊の気持ちが理解出来る、
心で繋がるサイフィスの悲鳴が聞き取れる。
そう、泣いている。
涙を流している。
それを止めなければならない。
世界を救う奴が、目の前の泣いている奴を救えない道理はない。
- 788 名前:支援:2008/02/03(日) 16:37:41 ID:07JPIIPc
- マサキけっこう貧乏くじwww
- 789 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 16:46:38 ID:CUy6H5Y3
- 支援復帰!……ふぅ、少し寝落ちてたぜ;
- 790 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 16:47:18 ID:ujJGvHvJ
- <イドゥン>が使えたら……支援
- 791 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 16:52:34 ID:Sp7vHXE3
- >790
グラーフがいるなら行動を共にするエリーちゃんも一緒ですわ。
- 792 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 16:59:05 ID:AN4xmIJz
- >>790
芳香剤も作成時からホワメイ持ってるぞ
- 793 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 17:22:01 ID:aj0ZliMM
- スレの容量的にそろそろ次スレの時期だな。何時頃立てる?
しっかし、現スレはリレーに始まりリレーに終わりそうだなw
- 794 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 17:27:26 ID:3rV83u+0
- 一応475kBらしいけど、SSの投下で一気に埋まりそうだもんなw
19時くらいに様子見て立てればいいんじゃないか?
- 795 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 17:42:24 ID:/utrUspt
- 和麻、途中から名前変わってっぞw
- 796 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 17:45:59 ID:8sLv5m+E
- カズキになってらw
- 797 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 17:55:23 ID:CUy6H5Y3
- >>795-796
きっと邪気眼化する際に
KAZUKIのオタ的厨パワーも混じったのだろうてw
- 798 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 17:57:34 ID:/lZPR+hT
- カズキカズキいうから、ヴィクターとヴィクター化したカズキが月で戦ってる時に>>117の「アレ」が飛んできて迎え撃つっていうネタを受信した
- 799 名前:幻想の果てに 風と焔のロンドの人:2008/02/03(日) 18:05:05 ID:z7j4u2xC
- 規制解除されたかな? 途中で規制喰らってた
- 800 名前:幻想の果てに 風と焔のロンドの人:2008/02/03(日) 18:06:06 ID:z7j4u2xC
- 規制解除された!!
投下してもOK? マジで支援頼む!!
規制されたら終わる!!
- 801 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 18:09:21 ID:8sLv5m+E
- クライマックス支援
- 802 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 18:10:08 ID:07JPIIPc
- 支援〜。
眠すぎてタイムアップまで起きてられそうもないorz
- 803 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド /続き:2008/02/03(日) 18:10:13 ID:z7j4u2xC
- ありがとう! そして、支援頼む!
「ぁあああああああああああ!」
プラーナを供給する。
己の生命力を、存在力を振り絞る。
肉体が悲鳴を上げる、心が磨耗していく、されども決してやめない。
大地に屈服するサイバスターの光の翼が輝いていく。
「まだ抵抗するか?」
だがしかし。
最強の幻想は――理不尽である。
残しておいた小指を、ゆっくりと引き下げた。
圧力が爆発的に増す。
「がっ!」
壊れる。
砕ける。
大地が空に潰されて、風の翼が風に潰されていく。
白い装甲はひび割れて、雄雄しき翼は力を失い、大地に墜ちた小鳥の如く無様に
のたうつ。
希望が、理不尽に潰されていく。
願いが砕かれていく。
それもまた現実。圧倒的な現実の残酷。
「そろそろ終いか――ッ?!」
されど、希望は途絶えず。
世界を駆ける人々は願いを紡ぎ続ける。
故に、彼女は間に合った。
「かずまぁあああああああああ!」
神凪 綾乃。
火の神器たる炎雷覇が、太陽の如き灼熱を得てKAZUMAに振り下ろされた。
「はっ! 綾乃かよ!!」
「和麻ぁあああああああ」
燃え上がる焔に、それを受け止める圧倒的な大気の壁。
もはやダイヤモンドの如き硬度を持つ凝縮され尽くした風の壁を、突き刺さる炎雷覇
の炎が舐めていく。
このままであれば、いずれ炎雷覇の刃が突破するのも時間の問題だろう。
- 804 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 18:10:47 ID:M3GZAnwR
- しぇーん!
- 805 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 18:11:29 ID:07JPIIPc
- 支援♪支援♪
- 806 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド /続き:2008/02/03(日) 18:11:52 ID:z7j4u2xC
-
「あめえよ」
そう、時間があれば。
高密度に凝縮された大気の一部を解除し、その隙間を通ってKAZUMAの蹴りが綾乃の胸に直撃する。
「きゃあっ!」
「お前じゃ、俺に勝てないって分かりきってるだろうが?」
蹴り飛ばされ、無様に落下していく綾乃に対してKAZUMAが嗤う。
普段浮かべている皮肉げな笑みに、より狂った妄執を乗せて。
「綾乃様!」
「くっ!」
そして、落下していく綾乃を受け止める影が二人。
「美琴に、燎……か。わざわざ殺されに来たのか?」
KAZUMAはクックックと嗤う。
愚かしいと嗤う。
「違います!」
「俺たちは、お前を止めるために来た!」
「――出来んのか?」
勇気を振り絞り叫ぶ二人に、風の精霊王すらも超えた幻想を纏う男が告げる。
風の精霊が集う。
蒼く輝き、同時にどす黒く輝く不浄とも清浄とも呼べる風。
世界全ての風を集わせたような、理不尽で馬鹿げてありえない密度の風を掲げ、
アバターは告げる。
「力が無い奴なんて吼える言葉なんて、所詮負け犬の遠吠えなんだよ」
だから、消えちまえ。
大地で戦う全ての人間もろとも、KAZUMAは消し飛ばそうと手を振り上げて。
「――させねえよ」
背部より振り下ろされた巨剣が、その体を吹き飛ばした。
- 807 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 18:12:04 ID:oA+zsEGi
- 僕は死にま支援!
- 808 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド /続き:2008/02/03(日) 18:13:19 ID:z7j4u2xC
-
一瞬、何が起きたのか理解出来なかった。
体に走ったのは激痛。
疾風のような感覚。
一瞬前までの光景とは違う、景色。
「なっ?!」
高速度で滑空する中で、KAZUMAは風の精霊を制御し、自身の動きを制御する。
続いて、ボディチェック。
常時展開していた大気の壁によって大部分の衝撃が軽減されたが、圧倒的なまでに
人間とは違う大質量の打撃は、最強の幻想たるアバターの肉体にもダメージを与えていた。
「腕がやられたか……しかし、何故一体誰が――ッ!!」
顔を振り上げ、先ほどまで自分が居た方角に目を向ける。
それで全て理解した。
何故襲撃を感知出来なかったのかも、そして何故そいつがそこにいるのかも。
「サイ、バスタァアアアアアアアアア!」
“異世界の風の精霊の化身”
この世界のあらゆる風の精霊を掌握下に置いたKAZUMAでも、異世界の風の精霊には
――その身に宿る“サイフィス”だけは制御化に置いていない。
故に、感知出来なかった。
そして、彼は認められないことがあった。
サイバスターの周囲に渦巻く風の精霊、それが“彼の手を離れていることに”。
『サイフィスが説得してくれた……テメエの元から離れることを』
「ふざけるな! 俺は、俺は風の精霊王すら超えたんだぞ!? 救えるんだよ、
誰だって救えるような力を持っているんだよ、俺はぁあああ!」
認められない。
決して認めるわけにはいかない。
全ては思い通りにいかなければならない。
あらゆる抵抗を、理不尽に踏み潰さなければならない。
それがKAZUMA。
U−1に編みこまれた幻想。
だがしかし、その幻想を。
『しらねえよ』
風の魔装機神は切って捨てた。
『風の精霊王? 誰だって救える? そんなのは俺は知らないし、そんなことがありえる
わけがねえ』
幾度となく人々が争う戦争の渦中に居た。
その身に背負わされた使命に、心が折れかけた。
何度も、何度も、仲間を失ったこともある。
目の前で救いたかった奴が、救えなかったこともある。
絶望しかけたこともある。
- 809 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 18:13:44 ID:d0AI/ipz
- 拾ってくれて感謝、支援する
- 810 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド /続き:2008/02/03(日) 18:14:52 ID:z7j4u2xC
- けれども。
『力が必要なんじゃない、諦めねえことが必要なんだ』
それはあるヒーローと戦い続けた戦闘員が発した言葉。
壊れた正義の味方を打ち砕いた、誇り有る悪の言葉。
彼のことを、マサキは知らない。
けれども、彼は知っている。
ヒーローが、ヒーローである資格を。
『誰かを傷つけんな、誰かを泣かすな、何かを諦めんな。それが出来ないなら、お前は
誰も救えねえ』
風の魔装機神の握る剣――ディスカッターが大地に突き刺さる。
地面を中心に走る六芒星の魔法陣。
燃え上がる炎の鳥の輝き。
『だから、俺がお前を止めてやる』
「やってみせろぉおおおお!!」
渦巻く風。
全てを蹂躙する最強の風。
集え、集え、集え。
目の前の綺麗ごとを発す馬鹿を消し飛ばせ。
『アァアアアカシック、バスタァアアアアアアアアアア!!!』
「らぁああああああああああああああ!!!!!」
飛翔する炎の不死鳥。
切り刻む暴虐の嵐。
その二つが衝突し合い――
風が吼え猛った。
「ァアハハハア! この程度かよぉおおおお!!」
迫る炎の不死鳥を、繰り出す嵐の壁で受け止めながらKAZUMAが嗤う。
この程度か。
綺麗ごとを抜かす奴の力はこの程度か。
“剣を突き刺したまま動かないサイバスター”を見て、KAZUMAが狂笑の笑みで
目の前の炎を押し潰そうとする。
『馬鹿ね』
「なっ!?」
KAZUMAが伸ばした手が握られる瞬間、炎の鳥の中に誰かが飛び込んだ。
消えることの知らない太陽のような娘。
火の精霊王より授かった神の炎雷覇
それを携えた神凪 綾乃が炎の中に飛び込んだ。
- 811 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド /続き:2008/02/03(日) 18:16:51 ID:z7j4u2xC
-
「ば」
ばっかやろうと思わず、KAZUMAは口走りかけた。
いかに精霊王の祝福があろうとも、あの炎はそれだけ耐えられるような生易しいものじゃない。
アバター化しているKAZUMAでなかったら危ういほどの業火。
それを、綾乃程度が飛び込めば――
「くぅううううう!!!」
燃える。
焦げる。
熱い、熱い、熱い。
火に焼かれることがこれほど痛いとは知らなかった。
燃え上がる皮膚がこれほどまでに苦痛を伴うとは知らなかった。
けれど、これは――かつて彼が味わった苦痛の一部。
「かぁ」
超えるのだ。
追いつくのだ。
背を並べるのだ。
あの憎たらしい男の横で、当然のような笑みで笑ってやるのだ。
それが、綾乃の夢であり、願望であり、目標。
だから――
「ずまぁあああああああああああ!」
燃え上がる不死鳥の炎すらも喰らいて、炎雷覇が“朱金“の輝きを帯びる。
「なっ!?」
それは『神炎』
選ばれし高潔なる神凪一族の者しか使えぬ黄金の炎を超えた力。
それは空間すらも焼き尽くす炎。
KAZUMAの風すらも超える――願いの力。
「ぁああああああああああああ!!」
「おぉおおおおおおおおおお!!!」
KAZUMAの蒼銀の風と綾乃の朱金の炎が鬩ぎ合う。
圧倒的な力の差のはずだった。
どうやってもKAZUMAに勝てるなんかわけなかった。
一人一人の力は彼の四分の一にも満たなかった。
けれども、KAZUMAは……一人だった。
- 812 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 18:18:29 ID:07JPIIPc
- サポート♪
しかし、台詞が熱いなぁ。
とても真似できません。
- 813 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド /続き:2008/02/03(日) 18:18:53 ID:z7j4u2xC
-
「綾乃様ぁ!」
炎の舞い上げるのは風。
弱々しくとも、気高き祈りの風。
「いけぇええ!」
風を生み出すのは炎。
誇り有る血統の黄金。
「貫けええええ!!」
二つをもって、風炎とする。
異世界の、されども世界を護る意思の力。
三人の力に支えられて、綾乃は――最強に迫る。
幻想を砕く、想いとなる。
「和麻」
覆いつくす風炎の光景。
燃え上がる爆炎と渦巻く轟音の中。
KAZUMAは、綾乃の声を聞いた。
「私はアナタは好きじゃない」
それは嫌悪。
真っ正直な本音。
「でも、アンタは嫌いになれない」
囁くような言葉。
輝く炎の中で、女神のような燃え上がる少女の言葉。
「理不尽で、あくどくて、汚くて――でも強い奴だって知ってる」
見惚れるような笑みを浮かべて、綾乃は告げた。
「だから、帰ってきなさいよ。いつもの憎らしいアンタに」
そして。
「それも、いいかもな」
ゆっくりとKAZUMAは――否、幻想を纏わぬ和麻は笑った。
純粋な清々しい年齢相応の笑みを。
そうして、幻想は壊れ、現実が帰ってくる。
誰もが望んだ明日へと続く現実が。
――風の聖跡組 WIN?
- 814 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド /続き:2008/02/03(日) 18:21:27 ID:z7j4u2xC
-
最後に残りしアバターの一角が終わりを告げた時、もう一体の戦いも終わりを告げよう
としていた。
『オォオオオオオ!』
『あはあぁああ!』
アロンダイトとグランワームソードが激突し合う。
運命を背負いし翼と、破壊神は場所を変え、位置を変え、あらゆる空間の破砕を
撒き散らしながら戦っていた。
『くそぉ! なんでだ、なんで倒せない!?』
SHINが叫ぶ。
幾度も砲撃を直撃させ、大剣を刻みつけ、その武器を持って破壊神を傷つけた。
けれども、いかにひび割れようとも、いかに傷つこうとも、破壊神から感じられる威圧感
は止まらない。
勝ってる気がしない。
『おやおや? どうしたのですか』
それを裏付けるように、響くシュウの声には余裕があった。
『あなたは最強なのでしょう? 理不尽を踏み砕く最強なのでしょう? ならば、私を
超えて見せてください』
『ァァアアアアアアアアアア!!』
光の翼が瞬く。
常人の速度を超え、コーディネーターでも追いきれぬ加速。
音速を超えて、ソニックブームを撒き散らしながらディスティニーが空を舞った。
『これでぇ!!』
その馬鹿げた速度は、破壊神の反応すらも超えていた。
理不尽な加速、理不尽な機動、最強を打ち砕いた翼は真正面から破壊神の胸部に迫り。
『終わりだぁ!!』
――パルマ・フィオキーナ。
ディスティニーの掌底部に備え付けられた特殊兵装。
本来ならばビーム砲を放つだけ光の掌は、最強の幻想を纏いて全てを消し飛ばす
閃光と化していた。
至近距離からの接触。
歪曲フィールドも及ばぬ場所からの、胸部への直撃。
それに破壊神の装甲が砕けた。
- 815 名前:幻想の果てに 風と焔のロンド /続き:2008/02/03(日) 18:25:23 ID:z7j4u2xC
-
『ハァ、ハァ……やったか?』
沈黙。
世界が止まったような静寂。
そして、不気味な沈黙は。
『なるほど』
『?!』
蠢く破壊神の腕によって、砕け散らされた。
『な、なんでまだ生きてる?!』
『簡単なことです。あなたの攻撃はコクピットに届かなかった……いや、“一次装甲”を
砕けただけということです』
蠢く。
輝く。
唸り声が漏れ出す。
蒼き破壊神が、その全身から光を発しながら告げる。
『何故あなたが勝てないのか教えてあげましょう』
蒼き装甲の全身がパージされ、新たな装甲が生み出され、蠢くように変形していく
破壊神を見ながら、SHINは絶望を教えられた。
『あなたは“理不尽を打ち破る最強なのですよ”』
神の如き光輪。
『“理不尽を打ち破る英雄ではなく”、“理不尽を踏み潰す最強”』
圧倒的なまでの最強の力。
『それではあなたは私を破る律にありません。
私を倒せるとしたら――“最強ではないヒーロー”なのですから』
生半可な幻想では届かない圧倒的な理不尽。
全てを叩き潰す、悪夢の象徴。
『力しか誇れぬものはより大きな力に踏み潰される。故に、あなたは私という力に
叩き潰されるのみ』
そして、圧倒的な力が周囲を掌握した。
『消えなさい、幻想の産物よ。理不尽に、理不尽でしか立ち向かえない哀れな人形よ』
漆黒が。
世界を滅ぼす漆黒が。
最後の幻想を力で叩き潰した。
――魔装機神組 WIN?
- 816 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 18:25:49 ID:07JPIIPc
- 支援〜。
- 817 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 18:27:42 ID:d0AI/ipz
- まあSHINも負けるのは覚悟してたっぽいし、理解はしてたのかもな
とにもかくにも支援
- 818 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 18:28:27 ID:/utrUspt
- シンが負けるとなんか可哀想に思えてならないw
- 819 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 18:47:23 ID:D8S1OAqR
- 原作のシンはある程度可哀想と思うが、二次創作のシンにはどうしてもそうは思えない。
- 820 名前:ダイソード組書いていた人:2008/02/03(日) 19:08:40 ID:TgEZouCl
- ところで>>711みたいな事態を想定して、レイヴァーテインとダイソード組を突入させておいたって言ったら、信じてくれる?
絶対誰かが城を落とすと思っていたから、脱出艇を用意しておかなきゃって。
- 821 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 19:11:03 ID:M+ZiBbll
- なんつうかこのスレに終わりが見えてきた件について
- 822 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 19:40:59 ID:oA+zsEGi
- 一昨日くらいから書き始めてたのが書き終わったぜ!
でもだいぶ物語が進んじゃってる! 超☆どうしよう!(笑)
- 823 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 19:42:35 ID:3rV83u+0
- いいか、世の中には二つしか道はないんだ
投下する事を選択する道か、投下しない事を選択しない道かだ
- 824 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 19:44:28 ID:slZB+3Wd
- なにそのはいかイエスwww
- 825 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 19:45:16 ID:oA+zsEGi
- 計算してみたら6レスくらいになりそう。長すぎ。
- 826 名前:822-1:2008/02/03(日) 19:48:08 ID:oA+zsEGi
-
コツン、コツン ――
深夜の路地裏。
普段からそれほど人通りの多い場所・時間ではないとはいえ、異常なまでの静けさが辺りを包みこんでいる。
物音一つしない世界に、ただ、ブーツの音だけが鳴り響く。
時間は少しだけ遡る。
東京を中心として観測された次元の歪みに対して、多くの“魔法使い”たちがそれを隠匿せんと奔走した。
その試みの1つが、この辺りに展開された広域魔法結界である。
イノセントと呼ばれる力を持たぬ人々が、非日常の世界に触れてしまうのを防ぐ予防線と言ってもいい。
前線から少し離れたこの場所に、1人の少女がじっと身構えていた。
ここはあくまでも予防線。
しかし裏を返せば、世界結界の損傷へダイレクトに繋がるデッドラインということだ。
グレーテル「(お兄さまの予想が正しければ、必ず誰かがやってくるはず……っ!)」
彼女の名はグレーテル。
中学生くらいだろうか。年端も行かぬ幼い顔とは裏腹に、その瞳には決意の炎が宿っていた。
ツーテールにまとめた青い髪がふわりと風に揺れるたび、きらきらと月の光を反射する。
* * *
- 827 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 19:49:53 ID:kWd8VRoH
- はいかイエスなら月城が断ったという前例があるがな
- 828 名前:822-2:2008/02/03(日) 19:50:58 ID:oA+zsEGi
-
都心では戦況が少しずつ変化していた頃。
ただひたすら境界線を監視していたグレーテルの前に、1人の来客があった。
パール「見つけたわ! これで煩わしい世界結界もお仕舞いよねっ☆」
すっと降り立ったのは、巫女服を来た金髪少女・パール=クール。
十代前半という見た目に決して騙されてはいけない。これでも裏界最強を自称する魔王なのである。
パール「このパールちゃんの秘策により、戦況は大きくこちら側に傾くことになるわ!
誰が最強で、いっちばん可愛いの魔王なのか、分からせてあげなきゃ♪」
へへん、とパールは得意げに胸を張る。
どこぞの世界の守護者や蝿の女王よりは幾分マシとはいえ、平らで薄っぺらい身体で主張されても余り迫力は無い。
* * *
ここは少しだけ世界から位相をズラされた空間 ―― 月匣。
普段なら彼女たちが自ら力を振るうための結界である。
しかし今は、突如出現した「式神の城」を世界から隔離するために、ウィザードたちが展開しているのだ。
なら ―― いつもとは逆のことをやればいい。それだけだ。
多くの月匣と同様、この広域魔法結界にも存在を維持するための「コア」があるはずである。
暴走を始めた式神の城は、もはや世界結界だけでは止められない。
月匣の中で十分に加速した「非日常」の因子は、たやすく世界の常識を貫く飛礫(つぶて)となるのである。
パール「月匣のコアを叩けば、式神の城が世界に露出することになる。天才よねっ!」
グレーテル「けれどそれも全てお兄さまの計画の通り。アンタはそこにのこのことやってきた。
ここをアタシが守りきれば、お兄さまの素晴らしさが証明される……っ!」
そんなことはさせない、とパールの行く手を塞ぐグレーテル。
月匣自体を解除しようする者が現れるだろうと予想し、待ち構えていたのだ。
グレーテル「アンタはアタシが相手よ! ……《ミッシンググレイヴ》っ!」
両手にはめたミトンの手袋に、彼女の身長ほどもある巨大な剣 ―― 魔剣ミッシング・グレイヴが現れる。
明らかに不釣合いな得物だが、少女は軽々とそれを振りかざす。
パール「なっ……何よっ! ちょっと予想が当たったからってイイ気にならないことねっ!
たかがウィザード1人くらい、この超強くて超かっこいいパールちゃんが、一捻りでやっつけてあげる♪」
* * *
- 829 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 19:52:51 ID:oA+zsEGi
-
最初に動いたのは魔王パール=クール。
右手を天に掲げ、その掌の上に漆黒の球体を生み出すと、相手の足元へと投げつけた。
パール「さっさと消えなさいよっ! 《ディストーションブラスト》っ!」
しかしグレーテルには命中しない。
軽いステップで、魔法攻撃を回避したつもりだったが……
キィーーーーーーーン!
着弾点を中心につんざくような金属音が響き渡り、周囲の空間がぐにゃりと歪む。
その歪みは、路地にひしめく無人の雑居ビルにまで至った。
パール「そのまま、つぶれちゃいなさいっ!」
柱砕かれて支えを失ったビルが次々と倒壊し、歪みの中心近くにいたグレーテルを襲う。
データ的には、ビルというオブジェクトにリンクしていたトリガー型のダメージトラップと言ったところか。
単に魔法攻撃を放つだけでなく、周囲の状況までをも利用する。
見た目や言動と違い、なかなかクレバーな戦い方をするパールちゃんであった。
グレーテル「《ドール・オブ・グラビティ》!」
しかしグレーテルも負けていない。
倒壊するビルの下敷きになる直前、魔剣ミッシンググレイヴをそのビルに向かって突き刺した。
その瞬間、倒壊するはずだった雑居ビルは巨大なドラゴンへと変形し、少女を《カバーリング》する。
グレーテルが作り上げたドラゴン型のゴーレムが咆哮をあげ、そのまま魔王を噛み殺さんとする。
しかしパール=クールは余裕の笑みを浮かべたままだ。
そんなオモチャであたしを倒せるなんて思わないようにね、と言わんばかりに。
パールがそっと両手を前に出すと、その先の空中に赤い光を放つ魔法陣が描かれた。
ドラゴンの牙は、その魔法の盾に阻まれ有効なヒットを与えることが出来ない。
運動エネルギーは、受け止められたことでそっくりそのままドラゴン自身へと返される。
グシャアアアアアアアアアッッ!!!
壁に投げつけたトマトを見るかのように、その身体を支えきることが出来ず崩壊していく。
そこに、一瞬だけパールに隙が生まれた。
グレーテル「《ハウス・オブ・グラビティ》―― やぁぁぁっ!!」
轟音と煙に紛れ、魔法により加速したグレーテルが一気に叩き込む。
彼女の唱えた《ハウス・オブ・グラビティ》は、正確には重力を操作する魔法である。
自身のそれを巧みにコントロールすることで、ロケットのような加速を実現させたのだ。
詳細については2ndルールブックP.144右上を参照のこと。
グレーテル「お兄さまのためにも、倒れなさいっ!」
パール「くぅ ―― っ!」
インパクトの瞬間に再び重力を操作し、加速を保ったまま強力な一撃を与える。
タイミングを合わせるのは困難だが、上手く当たればその効果は大きい。それがバロール・シンドロームのエフェクト《巨人の斧》だ。
パール「……って何よっ!? ゲームが違うわよっ!」
考えてみれば、グレーテルの魔法はバロールやモルフェウスの能力で表現可能なものが多い。
それはともかく、パールにはかなりのダメージを与えているはずだが、流石は魔王。まだまだ倒れない。
パール「もう怒ったんだからっ! 死んじゃえ死んじゃえっ!
あんたなんか、チョコレート持って命乞いしても、ぜぇったい許してあげないんだからっ!」
- 830 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 19:56:48 ID:TgE05woa
- 支援。
- 831 名前:822-4:2008/02/03(日) 19:59:00 ID:oA+zsEGi
-
* * *
あれからしばし ―― まだ魔王とエプロン少女(グレ子)の戦いは続いていた。
戦況は明らかにパール=クールの優勢。
幾らグレーテルがかつて世界を救った英雄であるとはいえ、今は1人。
支援が期待できないこの状況では墜ちるのも時間の問題と言えよう。
せめてあと1人、あと1人一緒に戦ってくれる仲間がいれば……!
パール「もう終わり? 最初の威勢はどうしたのかしら?
早く命乞いをしなさいよ! この超公パールちゃん様のげぼくになるって誓いなさいっ!
もちろん許してなんてあげない。ふふん、いっしょーこきつかってあげる♪」
ボロボロになりながらも、グレーテルは決して首を縦に振らない。
グレーテル「お兄さまと誓ったから……! それと一応三銃士のみんなも……だから……アタシは……っ!」
パール「……!? さっきからお兄さまお兄さまって! もういいわよっ!」
パールは静かに右手を向けた。
真っ赤な〈火〉のプラーナがその先に集中するのがグレーテルにも分かる。
パール「地獄の業火で灰になってわびるといいわ!
《ブラストフレア》―― 相当の《ファイアー・ボール》っっ!」
見た目にはただの変哲の無い火球。
しかしその温度はおよそ1兆度(誇大広告)! 全てが一瞬で蒸発する最凶の炎である。
パール「これがあたしのメラ……じゃなくて《ファイアー・ボール》よ!」
ゴォォォォオオオォォォッッ!
神すら想像できぬ熱の塊が辺りを焼き尽くす。
その瞬間、パールは勝利を確信した。
謎の少女「――《プテリュクス》!!」
ただ1つ、最後にそんな声(C/V山本麻里安)が聞こえたような気がしたが、勝敗には関係ないだろう。
この炎に耐えられる者などこの世に存在しないのだから。
* * *
- 832 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:00:07 ID:TgE05woa
- 紫炎。
- 833 名前:822-5:2008/02/03(日) 20:00:31 ID:oA+zsEGi
-
パール=クールの放った業火は、辺り一面を焼け野原へと変貌させた。
原形を残すものなど何も無い。道路も、かろうじて残っていた雑居ビルも、そして瓦礫の山も。
膨大な魔力より生み出された圧倒的な熱量がもたらした、無残な姿。
魔王を怒らせたのだ。当然の結果と言える。
パール「これがあたし、パールちゃんの力よ。
これでも手加減してあげたんだから、感謝しなさ……」
パールの目が大きく見開く。
視線の先に佇んでいたのは、黒コゲになった巨大な鋼鉄の盾。
謎の少女「ほっ……なんとか、間に合いました」
人をすっぽりと覆い隠すほどの大きな盾の陰から出てきたのは、茶色の髪をお下げにしたメイド服姿の少女。
普通のメイドさんと少し違うのは、鋼鉄製らしきグローブとブーツ、それと背負った大きな剣くらい。
歳はグレーテルと同じくらいだろうか。よく見ればヨーロッパ系の顔立ちをしているのが分かる。
パール「あんた、邪魔する気!?」
メイド服の少女の後ろには、グレーテルの無事な姿も確認できた。
あの炎を、鋼鉄の盾が護り通したとでもいうのか。簡単には信じられない。
グレーテル「助かった……ありが、とう……。アンタの名前は……?」
フィオナ「私の姿が見えるんですね、嬉しいです! あっ、えっと、私はフィオナ・メイフィールドっていいますっ」
グレーテル「フィオナ……あの、メイフィールド事件の……?」
こくり、とフィオナを名乗る少女はうなずいた。
数年前、今回と同じようにイギリスで次元の歪みが発生し、2人の少女がそれ巻き込まれたという事件。
1人は後日保護されたが、もう一方は未だ行方不明だと聞いたことがあった。
その時に消えた少女の名が ―― 確か、フィオナ・メイフィールド。
パール=クールは苛立ちを隠せない。
けれどここで気を荒げるのも、魔王としてのプライドが許せるものでもなかった。
パール「ふぅん、まあいいわよっ!」
フィオナ「はう……ごめんなさい」
何故か魔王に謝るフィオナ。
フィオナ「でも、この世界を見捨てるなんてできません……私は、戦いますっ!」
そう誓うと、フィオナはグレーテルのミッシンググレイヴにも負けないほどの巨大な剣を構える。
異世界の腕利きの刀鍛冶に鍛えてもらったというフィオナの愛剣。
まだ完全に使いこなせてはいないけれども、彼女は剣にキャメロットという名前を付け、可愛がっていた。
パール「こうなったら2人まとめて消してあげるんだからっ!」
第2ラウンドの開始である。
* * *
- 834 名前:822-6:2008/02/03(日) 20:01:13 ID:oA+zsEGi
-
さすがに実力ある剣士2人となると、さすがのパールにも焦りの色が見えてくる。
連戦な上に、やはり手数が違うのが致命的だ。
フィオナ「えーいっ! やーっ! それーっ! 《エクスカリバー》っっ! 《クリオドゥース》っ!」
パール「《リアクティブ・ガード》っ!!」
グレーテル「《ミッシングブレイド》っ!」
パール「くぅっ!!」
フィオナが牽制し、グレーテルが一撃を加える。
かと思えば、その逆も。
巨大な剣を抱えた2人の少女は、まるで長年のパートナーかのように完璧な連携で攻め込んでいる。
パール「《ファイアー・ボール》!」
フィオナ「《プテリュクス》! 私たちを護って!
私の剣も盾も、そして心も! すっごく頑丈なんです! そう簡単には折れませんっ!」
生半可な攻撃では、パールの攻撃もマトモに通らない。
パール「ああもうっ! いい加減にしなさいよっ!!」
このままでは埒があかないと判断したパール=クールは、強力な技で一気に相手を崩そうと試みる。
パール「まとめて消してあげるっ! ありがたいと思いなさいよっ!」
その瞬間、グレーテルとフィオナは互いに目で合図を送る。
待っていたのだ。魔王が痺れを切らし、隙ができる大技を撃ってくるのを。
フィオナ「約束の地より来たれ、オレイカルコスっ!」
フィオナの言葉に従い、彼女を守護する〈鋼〉のアルカナ、エルダードラゴンが姿を現す。
グレーテル「やあぁぁぁっ!! 《ギガンティック ―― グレイヴ》ッッ!!」
パール「《ヴァニティワールド》―― 超☆アンリミテッドっっ!」
パールの呪に呼応して、周囲の空間そのものが悲鳴をあげる。
何もかもを消滅させる〈虚〉属性最強の攻撃魔法だ。
パール「これで終わりよっ!」
空間の歪みが、グレーテルを侵食する。しかしそれでもなお彼女は戦いを諦めない。
グレーテルの持つ魔剣ミッシンググレイヴが、先ほどまであった小さな雑居ビルくらいにまで巨大化する。
巨大な一薙ぎは、パールの身体を大きく切り裂き、さらにその衝撃は空中へと吹き飛ばす。
フィオナ「いきますっっ! ……《セイクリッドパニッシュ》っ! お願い、当たってーっ!!」
フィオナの背中に出現する光の翼。
その翼で吹き飛ばされたパールを追いかけ、そのまま最後の一撃を加える。
フィオナ「《セイクリッドパニッシュ》っ! ……お願い、当たってーっ!!」
通称・超メイ道とも呼ばれるフィオナの必殺技。
その一撃は、決まりさえすれば誰よりも重い一撃となる。
* * *
- 835 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:03:06 ID:/lZPR+hT
- リアルタイム遭遇支援
- 836 名前:822-7:2008/02/03(日) 20:04:26 ID:oA+zsEGi
-
グレーテルとフィオナの連携攻撃により、魔王パール=クールの写し身は消滅する。
だが、その代償も決して小さくは無い。
グレーテルが本来護るべきだったもの、パールが破壊しようとしていたもの。
式神の城を人々の目から隠すための月匣は破壊されてしまった。
これほどの戦いがあって、その程度で済んだのが奇跡とも言える状況ではあるのだが。
グレーテル「……ごめんなさい、お兄さま……」
フィオナ「グレーテルちゃん……」
見上げれば、遠くに「式神の城」が見える。
前線では今ごろ誰かが戦ってくれているのだろう。
大丈夫。きっと大丈夫。
信じよう、仲間を。
* * *
月匣が解除されたことにより、大衆の目に「式神の城」が触れることになる。
人々の常識は破壊され、人間側の敗色が濃厚となった。
しかし、それは奇跡の前触れ。
そしてこの愛と奇跡の物語の、クライマックスが語られることになる。
人々は空を見上げ、耳を澄ます。かすかに聞こえる少女の声。
―― 聞いてください。
今、みんなの住んでいる世界を守るために戦っているやつらがいます。
けど、世界を守るためにはみんなの助けが必要なんです。
みんなには、信じる気持ちを持って欲しいだけなんです。
誰かと一緒にいたり、笑ったりするための
明日っていう、希望を。
- 837 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:05:40 ID:/lZPR+hT
- おぉ! ソコに繋がってくるのかっ! GJ!
- 838 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:07:02 ID:iNgdy+SZ
- GJ!
しかし、時系列で整理するのも大変そうだな、こりゃ
- 839 名前:822:2008/02/03(日) 20:07:32 ID:oA+zsEGi
- 投下終了です。
支援してくださった皆さま、ありがとうございます。
元ネタは
グレーテル:おとぎ銃士赤ずきん
フィオナ・メイフィールド:アルカナハート
です。
アルカナ組は名前だけ出ててマトモに描写されてなかったので入れてみました。1人だけですが。
ちなみにグレ子は単なる趣味です。
フィギュアを見ながら書きました。この間、某所でチョココロネと戦ってたやつ。
- 840 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:09:39 ID:oA+zsEGi
- とりあえずバトルはむずい。もうやんない。
あとパールちゃん様は書いてて楽しい。
>837
状況が二転三転しまくりだ! 書き始めた時点と全く状況が違うよ!(笑)
マジでどう繋げようかと。
- 841 名前:幻想の果てに 風と焔のロンドの人:2008/02/03(日) 20:30:05 ID:z7j4u2xC
- >>840
規制解除されたかな?
「投下完了」の一言を入れるだけで何故規制 orz
色々と進行止めちゃってすみません。
しかし、前にも話題に出たけどU−1とか真剣に考えて戦っているSSって
ここだけじゃないだろうかw?
あとこのスレをリレーSSを知らずに見た人が、絶対に板間違えたと誤解するだろう件について。
- 842 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:31:27 ID:WMuSEi1S
- たまにナイトウィザードだって事忘れるよな
- 843 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:31:43 ID:oA+zsEGi
- そろそろタイムリミットですよー。
- 844 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:32:59 ID:O9fa1Ii4
- 確かに・・
だが、こんなスレがひとつくらいあったっていいじゃないかと思うんだ
- 845 名前:幻想の果てに 風と焔のロンドの人:2008/02/03(日) 20:36:05 ID:z7j4u2xC
- >>844
ふ! その答えはYESだね!(GPM参照)
しかし、このSS全部を保管庫に記録したら普通のSS何話分になるんだ?
と、それはともかく。
タイムリミットの怒涛ラッシュに期待している。
ライヴが楽しみだw
- 846 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:37:25 ID:3rV83u+0
- 昼間予告、ってわけでもないが言ってたOPのラストっぽいシーンが何とか書きあがった
なんとなくここまで来ると一番最後に投下したいくらいだが、流石に迷惑なので今から投下する
ちなみにssなんて初めて書くからできは期待するな
- 847 名前:ここまでオープニング:2008/02/03(日) 20:38:27 ID:3rV83u+0
- 「名前は……緋室灯」
少女は静かな声でそう告げた。
確か箒といっただろうか? 巨大な大砲を担いだ制服姿の少女は、静謐な雰囲気とあいまって神聖さすら感じられた。
「あかりん、ってよんでね」
(なんだ、そりゃあ……!?)
だからこそ続けて言われた言葉は、常識人を自認する日向の腰を砕けさせた。
ハードボイルド成分を振り絞って何とか耐える。ダンディな探偵は無様に膝をついてはいけないのだ。
「おー、よろしくな、あかりん」
……あまりにも平然とした弟子兼共同経営者の姿は、もしやおかしいのは自分ではないかという疑問を抱かせるに十分だった。
「おお、灯のボケをあんなに簡単にスルーするとは、アイツやるな!」
「はわー、あかりんもしかして動揺してない?」
「ふ、これが若さというものかでどり〜む」
(ふう、やはり俺がおかしいわけじゃないか)
軽く頭を振ったところで周囲の声が耳に入り、安心する。が、
(いやいや、そうじゃないだろう)
落ち着いて周りを見渡したところ、喋っているのは冬なのにブレザーの袖を捲り上げた青年、当然のように巫女服を着た少女。
そこまではまだいい。いや、よくはないが、もう一人と比べるとはるかにましだろう。
(流石にあんな格好をした男の言葉に常識を感じるわけにはいかん。それ以前に台詞の意味もわけがわからん……
やれやれ、いくら空飛ぶ城の上だからってこれ以上の非常識は止めてもらいたいもんだがね)
ふと眼下の東京の町並みを見下ろす。
今いるのははるか上空に浮かぶ城の上。
一文の得にもならない正義の味方稼業でやってきた自分達と違い、相手さん方はどうやら何者かに命令されて来たらしい。
「ウィザード、か」
「どうしたのだ日向。ため息などついてでどり〜む」
「その口調を聞いてるとさらにため息の数が増えそうだ。
……なあに、世界の守護者まで出てきたとなるといよいよ探偵の出番じゃなくなってきたのかと思ってね」
「何を言うのかでどり〜む。依然組んだときに見せた腕前。俺に勝るとも劣らぬものであったというに」
「最近転職したんでね。今の俺はペット探しの毎日を送るしがない探偵さ」
- 848 名前:ここまでオープニング:2008/02/03(日) 20:38:58 ID:3rV83u+0
- ふと目を向けてみると、ペット探しの相方はまだ少女との会話を続けていた。
「その髪と目って染めてたりするの?」
「これは、改造手術のせい」
「改造手術って、すげーなあかりん」
「……格好いい?」
「すげーかっこいいな!」
(そういえば、ニーギが光太郎は年下好みだと言ってたな)
最近拾った少女の言ったどうでもいいことを思い出した。
「誰にでも物怖じしないところは、あいつの美点ではあるんだがね」
苦笑しながら横を見ると、
「うお!?」
そこには、闇があった。
「……初めてあった人の事をあかりんって言うくせに、私のことはアンタ呼ばわり……
あかりんって言うくせに……
あかりんって……」
壬生谷の巫女は嫉妬深い。これは世界の選択である。
「ん? アンタ、どうしたんだ?」
そして主人公は鈍い。これも恐らく世界の選択である。
「何でもありません!」
「な、何怒ってんだよ?」
「怒ってなどいません!」
「怒ってるじゃねえか!」
すぐにヒートアップしてきた二人の口喧嘩。
いつものことではあるのだが、少しは場をわきまえて欲しいものだ。
「あの巫女さんどうしたんだ?」
「はわー。鈍いわねえ柊……」
巫女服の少女(赤羽家のお嬢様だそうだ。こんな所ではなく、事務所で会いたかった)が剣を持った青年を半眼で見ている。
幼馴染らしいが、その関係はどうやら複雑なようだ。
「……まさにラブコメ。萌え」
……流石に、二度目となるとそのギャップにも耐えることができる。
「若いというのはいいな。そうは思わんか、日向?」
「同意を求めるな。俺はまだ若いつもりなんでな」
「何を言うか、お前も俺と同じで……」
「俺はまだ29だ。……16ヶ月ばかし過ぎちまったがな」
「……どり〜む。全く無駄な足掻きを」
- 849 名前:ここまでオープニング:2008/02/03(日) 20:39:31 ID:3rV83u+0
- 「あの、皆さんどうかシマシタカ?」
そこへ電話を終えた金がやってきた。
「ふむ、話はまとまったのかな? どり〜む」
「ええ、アンゼロットさんは協力して事件の解決にあたってくれ、とのことデス。
ふみこさんが城への突破口を開けてくださるそうデスガ……」
その言葉を聞き、動きを止めたのが三人。
皆、ふみこという人物をよく知っている人間である。
「あー、それってやっぱり……」
「でしょうネ」
何かを受け入れたかの様な静かな笑みを浮かべる友人を見て、日向も静かに嘆息した。
「ああ、どうしたんだ?」
「あー、いや、そのな……」
「はわ?」
「何といいましょうか……」
「何が起こるというのだ?」
「……魔女が無茶をするんだよ」
そういって日向が帽子に手をやったのと同時に、その場に光が降り注いだ。
- 850 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:40:14 ID:ZL9HL/JU
- ―――まで、あと20分
しかし、本当に終わるんだろうか?ww
- 851 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:40:56 ID:3rV83u+0
- 以上投下完了
ふみこたんが問答無用で砲撃かましたのは光太郎がラブコメやってた事と関係ありません
- 852 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:41:41 ID:789TCYHJ
- 大哲「…という話はどうでしょう!?」
炎尾「面白いかもしれん…だがあまりに引用が多すぎるように感じるぞ、大哲。あとちゃんと風呂敷はたため!」
はダイナシだから禁止な。
- 853 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:49:36 ID:Sp7vHXE3
- タイムリミットまで後僅か……でも、諦めない!
「流石は、蠅の女王から“魔王”の二つ名を授けられただけの事はあるね。
でも、それももう終わり。
この、“U-1”が一柱、“U−NO”が君を倒し、不相応な“最強”の呪縛から解き放ってあげるよ……なのは」
「ユーノ君……それは思い上がりなの。
私が“最強”とか“冥王”とか“ペンペン草も残らない”とか言われるようになったのは、ただ守りたいから。
強さの為に強くなるような人達に負けるわけには……
後、魔王に魔王呼ばわりされたのはスレ違いなの」
例の、なのはクロスね。
「……君には、今でもすまなかったと思っている。無印の時点で今のような力が有れば、君はただの女の娘でいらr」
「話を、聞けーッ!!」
自分こそ話をさせてやれと思うが、フェイトの投げつけたアルフがU−NOを直撃。
「そんな事になったら……私となのははラブラブになれない!!」
それ地下スレだろ、と言うのは捨て置き、二人は杖を重ね、周囲に漂う魔力の残滓を収束する。
「ら、ラブラブの件はさておいて(置かないで!?)、私は、みんなを守りたいから……ブラストカラミティ!」
- 854 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:52:03 ID:3rV83u+0
- というかスレ用量がまずいな
支援しつつスレ建てしてくる
- 855 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 20:55:35 ID:3rV83u+0
- ぎゃあ、スレ建て失敗
誰か代わりに建ててー
テンプレの変更は前スレだけだね
というかこのスレ進行早すぎw
- 856 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:00:00 ID:vcteIgEI
- はーい、終了時刻でーす
- 857 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:00:00 ID:uSnnYkoz
- はい、終了〜♪
- 858 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:02:04 ID:O9fa1Ii4
- とりあえず〆に投下
・・・そして彼は帰ってきた
緊張がきれたせいなのか、彼はその場にへたりこんだ
「ははは・・・やったな!やってくれたな!」
親友が送り出した時と同じように不敵に笑いながら彼に肩を貸す
「ああ、やったよ・・・やっちまったよ・・・」
彼は自力で立てない自分に苦笑しつつ、彼は親友の肩を借りる
「よく頑張った。矢野君」上司でありいつも世界滅亡の危機ばかりに立ち向かわせる副社長が珍しく労う
「流石王子!僕も死んじゃいましたけどね」もう一人の柊の中の人が言う
「私の出番は〜!?一人で活躍するなんてズルイ!」柊の上司かつ強化人間の中の人は言う
「・・・交通事故にあってなければダイナシにできたんだがなぁ」先日事故にあった同僚は言う
「矢野」「矢野君」「矢野さん」「王子」「クレバー」「アンドロメダ」
Oはたが、こはまーが、しのさんが、社長が、かわたなが、――
みんなが彼を労った
―――
これで彼の活躍は終わった。
彼 矢野俊作は 柊蓮司の生みの親は――世界の救ったのだ
- 859 名前:オンステージ!のその後で:2008/02/03(日) 21:02:15 ID:07JPIIPc
- 終わりを狙ってエピローグ。
すべてがつつがなく終わ…ったかどうかは全く持って不明だが、とりあえずの危機も去り──
アンゼロット宮殿、特設会場控え室。
ライブを終えたボーカルふたりがまったりムードで語らっていた。
もちろん、紅茶にマドレーヌは完備済み。
ちなみに、何故ふたりがボーカルなのかは七色の宝石を参照だ!
「お疲れさまです、エリスさん」
「はい、人前で歌うなんて初めてで緊張しました〜」
「…その割に、ずいぶんノリノリでしたけど」
「アンゼロットさんこそ、歌は苦手じゃなかったんですか?」
「わたくしにそんな設定はありませんよ?おほほ……」
「そうだったんですか?ふふふ……」
女同士の牽制しあい──まっとうな神経の男が迷い込めば卒倒もののやりとりである。
「ゲフンゲフン、まあ、それはそれとして。エリスさん、やはり宝玉は…?」
「はい」
もう、ただのブレスレットでしかない箒を握りながらエリスは答えた。
柊蓮司と玖珂光太郎が"希望"をもって"運命"を突き破った、その瞬間、宝玉は光を失いタダのガラス玉になってしまった。
- 860 名前:オンステージ!のその後で:2008/02/03(日) 21:05:00 ID:07JPIIPc
- 「残念です。まるではかない夢のようなものですわね」
「でも"善い夢"でしたよ」
「なかなか上手いことをおっしゃいますね。無いものねだりしても仕方ない。それに──」
「それに?」
「みなさん、もっとたくさんの掛け替えのないものが手に入れたはずです…エリスさんも」
「えっ!」
「わたくしの目をごまかせると思いまして?」
エリスはちょっと恥ずかしそうにしている。
「それにわたくしも、いいものを見つけられましたし」
「いいもの、ですか?」
アンゼロットはにやりと笑った。柊蓮司ならこう思うだろう「何か企んでやがる!?」。
「……エリスさん。芸能活動などには興味ありません?」
「ええっ?」
「実はライブが思いの外好評で……」
エリスが何を手に入れたかだとか、アンゼロットの芸能界進出だとかは──また、別のお話。
- 861 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:08:54 ID:uI9SIA12
- >>853
スレ違い自重wwwwwwwww俺の恵方巻返せwwwwww
んじゃスレ立て逝てくるよノシ
- 862 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:11:33 ID:uI9SIA12
- げ、立てたら重複したよ。orz
どっち使いますか?
- 863 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:12:27 ID:EKBAoPvu
- 【柊】ナイトウィザード クロスSSスレ【NW!】 Vol.5
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1202040612/l50
ありゃ、被ったか
- 864 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:14:08 ID:3rV83u+0
- 15秒差とかw
一応先にたったのは>>863だから、そっちを先に使えばいいんじゃないかな
- 865 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:14:54 ID:oA+zsEGi
- お、終わった……なんか知らんけど終わった……!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::。:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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:.... .... .. . く / 三三三∠⌒>:.... .... .. .:.... .... ..
:.... .... ..:.... .... ..... .... .. .:.... .... .. ..... .... .. ..... ............. .. . ........ ......
:.... . ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ .... .... .. .:.... .... ..... .... .. .
... ..:( )ゝ ( )ゝ( )ゝ( )ゝ... 俺たちは今、.
.... i⌒ / i⌒ / i⌒ / i⌒ / .. アスガルドに立ってるんだ…
.. 三 | 三 | 三 | 三 | ... ............. ........... . .....
... ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ............. ............. .. ........ ...
三三 三三 三三 三三
三三 三三 三三 三三
- 866 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:16:24 ID:O9fa1Ii4
- >ALL
みんなお疲れ様〜!!
今はその身体を休めることだけを(ry
- 867 名前:節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2008/02/03(日) 21:17:13 ID:Sp7vHXE3
- 「く、中距離線滅コンビネーションか!
だが、その複合詠唱程度で僕の防御は破れず、逆に僕のSLBが先に決まる!」
U−NOが右手に構えた『レイジングハート』の先端に魔力が集積し……
「その前に、作者がハンドルとトリップを出した意味を考えなあかんで」
横合いから『塊魂』の王子が転がす塊が現れてU−NOの集めた魔力を持っていった。
「いくら主役級がカッコ付けてもな、それを虚仮にするのが我々狂言回しだ、覚えておけ。
因みに私はマジカル金剛機。以前この作者がこのトリップで、天羅スレでネタにしたキャラだ」
そう自己紹介した、単眼六腕の魔法機械一機。
パワーシールドを構えてもU−NOの砲撃は凌ぎきれなかったが、先の二人にはやても加えた三重唱の時間を稼ぐという役目はしっかりと果たし……
『完全滅殺!!! トリプルブレイカー!!!』
アバター・U−NO、撃破。
- 868 名前:幻想の果てに 風と焔のロンドを書き終わった人:2008/02/03(日) 21:19:04 ID:z7j4u2xC
- >>867
あなたかぁああああ!!?www(同じスレの住人)
- 869 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:20:52 ID:uI9SIA12
- >>867
ちょwwwww節制氏なにやってんすかwwwwwwww
- 870 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:21:44 ID:oA+zsEGi
- 節制さん何やってるんだwww
- 871 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:24:06 ID:Sp7vHXE3
- あ、時計見たら過ぎてた……ごめんなさい。
なお、言い訳させて貰うなら、今回のマジカル金剛機は『俺Tueee!』キャラへのアンチテーゼ、負ける事を前提としたキャラとして出しました。
だって、ゲーム的にはちっとも強くないキャラなんだもの、コイツ。
>868-870
ごめん、調子に乗ってた。
- 872 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:25:12 ID:uI9SIA12
- >>871
いや、ある意味非常に盛り上がったからおkおkwwww
- 873 名前:ライブなんて持ち出した馬鹿。:2008/02/03(日) 21:28:37 ID:07JPIIPc
- 残念ながら諸事情(寝落ち)によりライブシーンはカットです。
次回リレーSSを乞うご期待という事で。
……あるのか?www
- 874 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:31:05 ID:z7j4u2xC
- >>873
ないとは言い切れない。
これは壮大な今回予告から始まった。
いつ如何なる時に全員の卓ゲー魂を発火させるのか、解らない。
けれどもあえていおう。面白ければ、大抵許される!!
と、偉い人が言っていたYOw
- 875 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:35:48 ID:gLf24nRH
- >>873-874
まぁマジ話で打ち合わせるなら、
次の機会はゴールデンウィークが狙い目かと?
- 876 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:36:32 ID:uI9SIA12
- >>875
いやいや、3月後半も侮れない。学生はだいたいが休みだw
- 877 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:36:39 ID:O9fa1Ii4
- きくたけ万歳!
芝村万歳!
ついでに、卓ゲー魂万歳!!
- 878 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:41:58 ID:/lZPR+hT
- SS書き、支援した住民、そして暴れまわってくれた各キャラ達、全員乙!
なんか規制の巻き添えでずっと書き込めなくてROMだったが応援してた! 楽しかったぜ!
- 879 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:44:09 ID:07JPIIPc
- 今回もやり足りないといえばやり足りないですねぇ。
是空とおるとか大神清菜とかペンギンとか神の贈り物PTとかりゅういっちゃんとか…挙げだしたらキリがないwww
- 880 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 21:46:10 ID:O9fa1Ii4
- >>879
それはまぁ・・・次回への伏線(世界の謎)と言うことで
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