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【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.14

1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 13:12:21 ID:fynQQv5/
アニメでも大活躍し、過去リプレイ作品で異世界慣れした我らが“下がる男”柊蓮司……
そんな彼や他の登場人物達がもしも○○の世界に飛ばされたらor○○キャラが第八世界にやって来たら…?
そんなナイトウィザードのifストーリーを語るスレです。

■ 注意事項 ■
・不要な荒れを防ぐ為に、sage進行で御願い致します。
・冥魔(荒らし)に反応するあなたも冥魔です、スルーしましょう。
・次スレは>>975を踏んだ方、若しくは475kbyteを超えたのを確認した方に御願い致します。
 また、重複防止の為に次スレを立てる人は立てる前に宣言を御願い致します。
・荒らし、カッコ悪い。
・Q.ナイトウィザードって○○のパクリ?
 A.とりあえずほぼ全て何かのパクりです。初版が2002年3月発売なのでそこから判断してください。

■ SSを投下する方へのお願い ■
・NWキャラをクロスさせたい作品世界に送り込むも良し、
 逆にクロスさせたい作品のキャラをファー=ジ=アースを中心とした
 きくたけワールドに招いてNWキャラ達と掛け合い活躍させるも良し、
 SS創作者の想像の赴く儘に楽しめる物語を書き込んで下さいませ。
 但し、NW関連スレと云う事で片方は「ナイトウィザード」で御願い致します。
・801等、特殊なものは好まない人も居るので投下する場合は投下前にその旨を伝えましょう。
・各作品の初投下時は、クロスする作品名を最初に御願い致します。
 そうすれば読者も読み易いでしょう。
・SSの内容が18禁の場合は地下スレ(検索ワードは「卓上ゲーム」)へ。
・NW側からのホストキャラはNW公式作品に登場しているキャラを主軸として、
 SS創作者オリジナルのキャラをストーリーに絡める場合はあくまで脇役としての
 立場で参加させて下さいませ。
・御互いの作品を尊重しましょう。一方的なクロスは荒れる原因ですよ。

■前スレ
【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.13
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1225649492/
■関連スレ
ナイトウィザード -Night Wizard!- セッション42
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1222441326/
【ネタバレ】ナイトウィザードその16【卓ゲ雑談】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1214298480/
菊池たけし セブンフォートレス ナイトウィザード78
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/cgame/1230536027/

■関連リンク
http://www.fear.co.jp/nw/(原作ナイトウィザード公式)
http://www.nightwizard.jp/(TVアニメ公式)
http://www42.atwiki.jp/nightwizard/(アニメ版まとめWiki)
http://www32.atwiki.jp/nwxss/(過去SS保管庫)

2 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 14:59:07 ID:h+uADJ8U
乙でござるよ。

3 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 19:55:23 ID:hxD10dVG
乙でーす

4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 01:32:59 ID:YSSTC3XH
>1乙。
エリスをなんとか活躍させたいなあと思う今日この頃。

5 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 13:15:11 ID:n3PXXlPR
>>1乙するのも
この書物に書いてある通り・・・

6 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 19:19:08 ID:2snv2ENQ
エルスゴ―ラのお陰でロボクロスがしやすくなったな。

7 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 19:45:32 ID:Utk99Fn9
ここで使えるキャラがまだおらんだろ

8 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 19:48:28 ID:kBIUJ/GX
>7
そうじゃなくて、たぶん巨大ロボのある作品を出したとして
エルスゴーラのデータを使うことにより、ルール的に説明がつく!ということかと。

そういうのにこだわりたい作者さんもいるってことさ。

9 名前: ◆6H85fs.r4o :2009/01/09(金) 23:27:17 ID:wVaIb9LO
 別に、柊を鋼機に乗せたっていいじゃないですか。某所のSSではアンゼ様を膝に載せてカーチェイスしてましたよ。
 ・・・柊の場合、使いこなせずに破壊されてからが本番とか、コクピットから身を乗り出して生身攻撃とかの方が似合いますが。

 「月と星と柊と」第8回を投下します。

 ナイトウィザードSS史上最強の敵を出したつもりでしたが、皆さんのレスを読むと、まだまだ、危機感の演出が足
りないようでしたので、書き直していました。
 小ネタは、まぁ、きくたけ作品のSSですから外せないかと。
 しかし、いくらアンゼ様を悲劇のヒロインに仕立て上げようとしても、中の人が障害になるんですね・・・

 では11時50分から投下します。


10 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 23:41:40 ID:8L3jbgnW
レスから危機感感じないとか言われてもなんだ、その・・・普通に困るんだが。

きくたけ世界だからこそ、どんなに風呂敷広げても「オイオイどーするんだよこれ(笑)」で済ます癖が染み付いてる人もいるだろうし。

11 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/09(金) 23:50:25 ID:wVaIb9LO
 ロンギヌス・コイズミは、冥魔王プリギュラの放った閃光に灼かれて霞む目を押して壁伝いに通路を進み、極めて幸運な事に罠にも
冥魔にも会うことなく、ベルと柊に打ち倒された冥魔の残骸に躓きながらもエンディヴィエ封印の間まで無事に辿りついた。
 そこは、壁と言わず、床と言わず、天井と言わず、びっしりと魔術文字が刻まれ、床一面に巨大な魔法陣が描かれた大広間だった。
 魔術文字が放つ仄かな光に照らされて、部屋の中央付近に立っている3人の人影がぼんやりと見えた。

「・・・・・・・柊様・・・・・・アンゼロット様・・・・・・・・」

 コイズミがそちらに駆け寄ろうとした、そのとき。
 突然、巨大な瘴気とプラーナが吹き上がり、あまりの圧迫感に耐え切れず、コイズミはその場に倒れ伏した。



 我は歓喜し、祝福しよう! おぞましき産声を上げる、新たなる冥魔王の生誕を!

 我は喝采し、謳い上げん! 我が大望の成就へと続く、大いなる一歩の踏み出されし喜びを!



 八大神に封印されてから今日に至るまで、此れ程の慶事が在っただろうか?

 我が本体の封印を解く鍵は、エルオースだけでは無い。
 エルンシャでも・・・・・・アンゼロットでも良いのだ!

 此れでアンゼロットを味方に付け、自分の封印を、自分の封印だけを解かせれば・・・・・・・・
 冥界の古代神達を出し抜き、私が全世界を支配出来る! 私が! 私が、主八界総てを!
 世界の総てを! 総ての世界を支配する事が出来る、出来るのだ!

 何と言う幸運! 何と言う僥倖!
 確かに、この展開も計算に入れては居た。だがしかし、此処までの高望みはしていなかった!
 一年間、アンゼロットを足止め出来れば充分であったのだ。それが、此れ程までに事態が好転するなどとは!

 ああ、しかし、そう浮かれてばかりも居られはせぬ。此処から先は、より一層気を引き締めて慎重に事を運ばねば。

 冥魔王となったとて、アンゼロットの力は僅か守護天使12人分。八大神の10分の1でしかない。

 八大神は、例え総ての人間界を犠牲にしてでも、全戦力をもって「堕ちたる守護者」を滅ぼそうとするだろう。
 かつてエルオースが堕ちた際、単独でエルオースの十倍の力を持つ八大神全員が一斉に飛びかかり、大慌てで八つ裂きにした様に。

 108の古代神の中でも上位の十六柱神の力は八大神に匹敵し、最上位の八柱神は白神黒神と同格。
 彼らの封印が解かれたならば、エルオースの8分の1たる冥魔七王と同程度と言われる悪徳の七王7680体分の戦力が復活する。
 天界は、今でも冥界に苦戦しているのだ。八柱神と十六柱神の誰か一人でも封印を破れば、主八界総てが冥界と成る。
 八大神は、あらゆる犠牲を払ってでも其れを防ごうとする筈だ。

 故に、我が本体の封印を解かせるまで、アンゼロットの身柄は厳重に保護しなければならぬ。
 だが、本体の封印さえ解いてしまえば後は何とでも成るのだ。

 まず、天界にエル=ネイシアの支配権を認めさせる代わりに中立を宣言し、堂々と第二次古代神戦争の表舞台を降りる。
 そして充分な戦力を蓄えながら天界と冥界が共倒れになるように計らい、戦争終結後、残党を一掃して総ての世界を征服するのだ。

 アンゼロットよ。総ての憎しみを吐き出すがいい。
 其の男を嬲れ。其の心をへし折れ。其の信念を傷付け、其の魂を砕け。
 お前と世界とを繋ぐ、最後の絆を断ち切るのだ。
 そして、お前の心は空(から)に成る。其の虚ろを、この私が満たして遣ろう。

 そういえば、エレナが気にしていたな。アンゼロットが、私の、娘なのではないか、と。

 アンゼロットを口説くとき、そう言ってみるのも悪くはないやもしれぬな。




12 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/09(金) 23:51:55 ID:wVaIb9LO
 柊蓮司の目の前に、一人の美女が立っていた。
 
 長身で、成熟した肢体を漆黒の鎧で包み込み、全身から凄まじい瘴気を立ち上らせて
 永き時の流れに鍛えられた、古ぶるしき支配者の威厳を纏いて
 麗しさと凛々しさと力強さを兼ね備えし暗黒の女王が其処に居た。

 波打つ髪は、夜闇の如き黒
 冥界の瘴気を導く右目は、金色の闇
 邪気に濁った左目は、深い湖の蒼

 大きな胸が、瘴気を凝り固めて作り上げた鎧の胸当てを押し上げて、その存在を誇示しているのが目を引いた。

 姿カタチは美しい。
 まさに、神の手になる芸術品。この世に権限せし美の化身。
 されど、その美が恋情を齎す事は無い。その美に慕情を感じる事は無い。その美が劣情を誘う事は無い。その美に肉欲を抱く事は無い。
 その身を包みし、膨大なる瘴気の故に。

 色の違う双眸が、憤怒と憎悪と妬みの篭った鋭い視線で柊を射抜く。

 それだけで。ただ、それだけで。

 魂の根底から、ただひとつの感情が吹き上がる。

 それは、畏怖ではなかった。
 それは、嫌悪ではなかった。
 それは・・・・・・恐怖。

 胸が締め付けられる。息が出来ない。目を逸らせない。瞬きも出来ない。意識が保てない。
 全身の産毛が逆立つ。身体の震えが止まらない。冷たい手が心臓を握り締める。背筋が凍る。
 魔剣を手から落としそうになる。膝を床に突きそうになる。頭が下がりそうになる。

 ソレは何もしていない。ただ、柊を睨んでいるだけだ。
 ソレは其処にいるだけだ。

 それだけで。ただ、それだけで。

 かつて感じた事のない強烈な気配が伝わってくる。

 それは、神気ではなかった。
 それは、鬼気ではなかった。
 それは・・・・・・・・・・殺気。

 ソレは神ではなかった。
 ソレは冥魔。その在り方がではなく、その力が人を超えたる者

 ソレは驚異ではなかった。
 ソレは脅威。その在り方がではなく、その力がこの世ならざる者。

 恐怖せよ! 悲嘆せよ! 哀願せよ! 絶望せよ!
 卑小なる、愚劣なる、愚昧なる、定命なる人間よ!!
  
 かの者が、かの者こそが冥魔王。
 この界を、この界のみならず主八界総ての滅びを渇望せし、冥魔の王の一柱なれば。
 
 ソレは無慈悲な夜の女王

 かの者こそが、“冥魔王”アンゼロット。主八界総てを滅ぼす冥魔の王の1柱たる、戦女神の成れの果てなり。




13 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 23:52:42 ID:n3PXXlPR
支援ですぜ

14 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/09(金) 23:52:50 ID:wVaIb9LO
「そ、そんな・・・・・アンゼロットが・・・」

 全身に瘴気を纏った、成熟した肢体を持つ外見年齢27歳の黒髪の美女を見上げ、柊は驚愕のあまり呻きを漏らした。

「・・・・・アンゼロットが・・・・・・・・・巨乳に!」
「驚くところは其処なのか?」

 漸く言葉を搾り出した柊に、エルヴィデンスがツッコミを入れた。

「はっ! んなコトよりも、だ。しっかりしろ、アンゼロット!
 世界を滅ぼしちまったら、それこそ、今まで払ってきた犠牲がみんな無駄になっちまうんだぞ!」
「貴様が! 貴様の行いが! 私の支払った代償を無駄にしたのだ! 世界を救うのに犠牲などいらぬと、宣伝した貴様が!」

 新たな冥魔王は柊を一喝し、憎悪を込めて睨み付けた。それだけで。たったそれだけで柊の心臓が止まりかけた。

「がッッ! あ・・・。はっぁぁ・・・・・・ぁあ・・・・・・」

 柊は必死に自分の胸を叩き、止まりかけた心臓を叱咤した。だが、冥魔王の凝視の前にはそれも虚しく、その鼓動は止ま―
る寸前、瘴気を孕んだ闇風が横から吹きつけ、不可避の死を齎す凝視を遮った。

「そんなに簡単に死なせてしまって良いのか、アンゼロット? この者には、色々と言いたい事も在るのだろう?」
「・・・・・・ああ、そうだ。こんな楽な死に方などさせては気が済まん」

 一度は邪魔立てした闇姫を疑わし気に見たものの、冥界の瘴気に理性を削り落とされた“世界の守護者”は、すぐに興味を失くして
柊へと向き直り・・・・・・エルヴィデンスは、その様子を満足そうに眺め、その顔に亀裂めいた笑みを浮かべた。

「憎い・・・・・・憎いぞ、柊蓮司。運命に贔屓され倒しながら、不幸面している貴様が・・・・・・」

 黒髪の冥魔王は、柊の心臓を止めぬように加減しながらも、溜め込んだ妬みを搾り出し、叩きつける。

「エルンシャ様に比べれば、貴様のどこが不幸なものか」
「・・・・・・ソコには同意するけどよ。だからって俺を恨むのはおかしいだろ! 思いっきり八つ当たりの逆恨みじゃねーか!!」
「まあ、冥魔王というのはそういうものだ」

 柊の抗議は、横から闇姫に一蹴された。
 他の冥魔王にしても、報復の対象は天界である筈なのに人間を襲う事の方が多いのだ。
 いや、直接天界に攻め込んでいる者もいるが。

 エルヴィデンスが余所事に思いを馳せている間にも、新たな冥魔王は柊を睨みつけ、瘴気で生み出した星の錫杖のレプリカ・・・闇の錫
杖を振るって、その肩を打ち、床に叩きつけ、苦鳴を上げる柊を踏みつけて無情に告げた。

「痛むか、苦しいか、柊蓮司! だが、この程度では済まさん! 貴様もエルンシャ様と同じ目に遭わせてやる!
腕をもいでやる! 脚を切り落としてやる! 体を砕いて、世界中にばら撒いてやる!
 だが、その前に! 愛する者達が、殺しあう様を見せ付けてやる!」
「・・・・・・アンゼロットよ。エルンシャの不幸の元凶は私達だという事は覚えているか?」

 闇姫と柊が見守る前で、冥魔王は更なる瘴気を呼び込み、形を与えた。人の姿を。少女の姿を。柊がよく知る二人の姿を。

『ひーらぎは渡さない!』『柊先輩は譲れません!』

 巫女装束の少女が破魔弓を構え。丸い白い帽子を被って白いブレザーを着た少女が、ブレスレットを巨大な剣状の形態に変形させた。

「おい、止せよ、何言ってんだよ、くれは! エリス!」
『ヴォーテックス・ランス!!』『総てを貫く、私の光』

 そして柊の目の前で。漆黒の槍と巨大な剣状の箒が、少女達の胸を貫いた。

「やめろ・・・・やめろよ、アンゼロット・・・・・なんだって・・・・なんだって、こんなもの見せんだよ!」
「この程度では済まさん! 貴様が自害するまで地獄を見せ続けてやる!」


15 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/09(金) 23:54:19 ID:wVaIb9LO
 冥魔王の宣言に応じて瘴気が渦巻き、人の姿を再現する。それらはいずれも、柊がよく知る人々の姿。
 彼等彼女らは口々に、或いは大義を、或いは柊への思いを叫びながら、互いに傷付け、殺し合う。

「やめろ・・・・やめろよ、やめてくれよ・・・・」
「苦しいか! 悲しいか! そうだ! 苦しめ! もっと悲しめ! もっと、もっとだ! もっと苦しめ、柊蓮司!」
「なんで、なんで、こんな事になってんだよ・・・・」

 柊は床に転がったまま、黒髪の冥魔王の顔を見上げた。その右目の邪眼が、妖しく金色に輝いていた。

   あれか? あれが原因なのか? あれが瘴気を呼び込むから、おかしくなっちまったのか? だったら・・・

 柊の右手が、魔剣を握り締める。神殺しの魔剣を。運命を絶つ魔剣を。進むべき道を、切り開く魔剣を!

「アンッ、ゼッ、ロットォォォォ!!」

 鋭い刺突が、完全な不意打ちで繰り出される。
 その一撃は狙い過たずアンゼロットの右目に突き込まれ・・・・その1cm手前で止められた。
 邪眼から噴き出す、瘴気に押されて。

「そん・・・な・・・・・・」

 神の世界における、自らの無力さを思い知らされて。呆然と呟く柊に、黒髪の冥魔王は酷く傷付いたような顔をして見せた。

「『そんなっ! 柊さんがわたくしを殺そうとするなんて!
 いつもいつも、馬鹿のひとつ覚えで全部守るって言ってたのは嘘だったんですか?!』」
「そこで元の口調に戻るんじゃねぇ! ざぁとらしいんだよ!」

 いつものノリでツッコミを入れて話を逸らす柊に、横で見ていた闇姫が呆れたように口を挟んだ。

「話の内容を無視して枝葉にツッコみ、論点を摩り替えて誤魔化す、か。お前は何時もそうして来たのだな、柊蓮司。
 そうやって、自分に都合の悪い事実からは目を背けて来たのだな」
「―んだと?」

 柊が闇姫に何か言い返そうとするより早く、黒髪の冥魔王が割り込んだ。

「柊蓮司。貴様はいつも言っていたな。誰も犠牲にしないと。その割には、随分と簡単に私を切り捨てるのだな」
「い、いや違う・・・俺は、邪眼だけを狙って・・・・・」
「どうだか―! ・・・・ああ! そうか!!」

 何かに思い当たった黒髪の冥魔王は大声を上げ、今度は侮蔑に満ちた目で柊を見下した。

「貴様は! 本当は! 世界も仲間もどうでも良いのだ!!
 貴様が本当に守りたいのは『仲間も世界も、どちらも見捨てない自分』という虚像だ!
 その虚像さえ守れれば、実際にはどれ程の犠牲が出ていようと構わぬのだ!
 貴様は、後輩を見殺しにした罪の意識から逃げ出したいだけなのだ!!」
「違う! 俺は! 俺はっ、もう誰も―」

「そう思い込みたいだけだろう! そのために貴様は、他の誰かが世界を守るのを何度も何度も邪魔して来たのだ!
 貴様はいつだって、不都合な事実から目を逸らし、自分勝手な願望を振り翳して何の代償も払わずに世界を救おうとし、悪戯に被害
を増やして自分が守りたいものだけを守って、貴様の所為で払わなくても良い犠牲を払わされた者達を一切省みないのだ!

 貴様が赤羽くれはを殺さなかった所為で、フレイスにあった街がひとつ、クレーターになった!
 貴様が緋室灯と真壁翠のどちらかを殺す代わりにルー=サイファーを倒した所為で、裏界は統制を失って無秩序に戦線が拡大し、人
手不足が加速したウィザード社会は小学生まで前線に投入しなければならなくなった!
 貴様が志宝エリスを殺さずにゲイザーを倒した事で冥界の封印が解け、自由になった冥魔が主八界中で大勢の人々を殺している!

 何が『俺は誰も犠牲にしない』だ! ふざけるな!!
 貴様が自分の守りたいもの“だけ”を守ろうとした所為で、とてもとても大勢の人々が殺されたのだ!
 貴様は、とてもとても大勢の人々を犠牲にして来たのだ! 貴様は屍の上に立ちながら、其処から目を逸らしているのだ!」


16 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/09(金) 23:55:19 ID:wVaIb9LO
「そこまで俺の所為かよ! つか、それ全部、お前も認めてたじゃねぇか!」
「そうは言うがな、柊蓮司。アンゼロットは自分が誰を犠牲にしたか自覚しているし、事後処理もしてきた。
 しかし、お前は実に大勢の人々を殺しておきながら、俺は誰も犠牲にしなかった、アンゼロットが誰かを犠牲にするのを止めたと吹
聴してきたのだろう?
 そして、アンゼロットが世界を守る為にロンギヌスや魔王の転生体を死なせている間、猫を抱いて昼寝をしていたのだろう?
 其れは腹に据えかねようさ」

 闇姫の言葉がまた柊の胸を抉り、更に、黒髪の冥魔王が追い討ちをかける。
 瘴気が蟠り、新たな人形を作り出す。輝明学園秋葉原分校高等部の女子制服を纏い、射撃型箒を構えた赤髪の少女の姿を作り出す。

「灯・・・・?」
「このッ、聖人面した大罪人めッッ!! 今日という今日こそは、思い知らせてくれる! さあ、やれ! “緋室灯”!」

 戸惑う柊に、緋室灯は ―その姿を模した瘴気の塊は― 武器を突きつけ、冷たく告げた。

「柊蓮司。貴方を、“世界滅亡の鍵”として・・・・抹殺する」
「待てよ、灯! なんで、なんで俺が世界滅亡の鍵なんだよ?!」

 それが偽物と分かっていても、尚、柊は反射的にそう叫んでいた。

「貴方は・・・・・犠牲を認めないから」
「それが・・・・・・それがなんで、世界の危機に繋がるんだよ?!」
「世界を守る為には・・・・時には、犠牲が必要。貴方はそれを認めず、犠牲を払わずに世界を救おうとする」
「それのどこが悪いってんだよ!」
「皆が・・・真似をするから。世界を救うのに、犠牲なんかいらないって、思い込んでしまうから。
 貴方が何もしなければ、たった一人の命で世界が救えたのに・・・・・・貴方の所為でロンギヌスが大勢、犠牲になったのに。
 実際には、大勢、大勢、犠牲が出ているのに、貴方の活躍に目が眩んで、犠牲者の存在を忘れるから。
 誰もが犠牲を出さそうとしなくなったら・・・もっと、もっと犠牲が増える。このままじゃ、世界を、守れなくなる。
 だから、柊蓮司。
 世界を守る為に・・・・犠牲に、なって」
「灯・・・・」

 床に横たわる柊にゆっくりと近付き、柊を踏みつけていた黒髪の冥魔王と位置を入れ替え、柊の胸に箒を押し当てる。
 ガンナーズブルームの砲口に魔法陣が生まれ・・・・砲弾が打ち出されるよりも早く、柊の魔剣が跳ね上がり、砲身を下から打ち払った。

「俺は! 間違った事はしていねぇ!」

 柊は力強く叫び、灯が箒を構えなおすより先に魔剣を振って、ガンナーズブルームを両断した。

「・・・・エンジェル・シード」

 柊の宣言を意に介さず、灯は左手に新たな箒を呼びだして―

「させねぇ!」

 柊に突きつけるより早く、柊の刺突が灯の左腕に刺さる― 直前、灯が足を滑らせ、魔剣の切っ先が左胸を刺し貫いた。
 肉を貫く、嫌な感触が腕に伝わる。緋室灯から ―その姿を模した瘴気の塊から― 熱い血が流れて手を濡らす。

「灯ぃっっ!」
「・・・・・・・気に・・しないで、柊・・・蓮・・司。どうせ、私の・・余命は・・・残り、半年だったから」
「ッッ?!」
「・・・・ただ・・・・み・・こ・と・に・・・・わ・・たし・のマド・・・レーヌ・・・食べ・て・・欲し・・・かった・・・・」

 最期にそう言って、一粒の涙を流し、緋室灯は ―その姿を模した瘴気の塊は― 倒れ伏し、崩れ去った。

「・・・・・・・・なんで・・・なんでこんなもの、こんなもの見せるんだよ・・・アンゼロットォォォォ!!」
「今のは偽物だが、ここから戻れば貴様を待っている現実でもある」

 友人の姿をしたモノを殺させられて叫ぶ柊に、冥魔王は冷たく応じた。


17 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/09(金) 23:56:32 ID:wVaIb9LO
「・・・・どういう事だよ?」
「絶滅社は緋室灯に、貴様の暗殺指令を出した。理由は、さっき偽物が言ったとおりだ。
 緋室灯の余命が半年というのは確実な話ではないが、可能性がない訳でもない。
 強化人間は18歳を過ぎた頃から、薬の副作用で心身が崩壊し始めるケースが珍しくないのだ。
 緋室灯もそうなるとは限らないが、そうならないとも言い切れない。
 柊蓮司。貴様は、知っていた筈だ。緋室灯が、数日おきに調整処置を受けている事を。
 当然、どこか身体の異常が見つかる可能性がある事ぐらい分かるだろう。
 だが、お前はそんな事よりも、自分が卒業できるかどうかの方が重要だったな。
 なんと身勝手で無慈悲な男だ。貴様を聖人呼ばわりしている者達の気が知れんわ」
「俺は・・・・俺は、そんな・・・・・・・・」

 衝撃のあまり言葉の出ない柊を、黒髪の冥魔王は亀裂めいた笑みを浮かべて見下した。
 その笑みは、その様子を離れて見守る闇姫の頬に浮かぶ笑みと同じ、他者の苦しみを悦ぶものだった。

「絶滅社は、随分前から貴様を殺したがっていたよ。
 星の巫女抹殺を妨害し、異世界人を呼び込み、ベルの息子を未来に逃がした貴様を。
 魔王と馴れ合い、何度も、何度も、世界の危機を起こす貴様を。
 最初に打診があったのは、貴様がシャノンの護衛をしていた時だったか。
 貴様の抹殺を決定したので、護衛を誰か別の者に替えてくれとの事だった。
 だが当時の私は、ルーの部下になったイクスィムとの再戦に備えて極秘にレベルダウン薬を開発していた。
 そして、柊蓮司。貴様は最高の被検体だった。ベルを誘き出す餌としての価値もあった。
 だから私は絶滅社に言ってやったよ。こっちで適当に使い潰すから心配するな、とな」

「! それじゃあ、何度も色んなものを下げたり、休みなく任務に狩り出したのは・・・・・・」

「実験と、処刑のためだ。今度こそ死ぬだろうと、そう思って何度も過酷な任務に送り込んだ。
 だが、貴様はありえないほどの幸運に味方され、いつも何事もなく帰って来た。
 絶滅社からは、月一ペースで催促されたよ。あの危険な裏切り者を、世界の敵を、何時まで生かしておくのか、とな
 決定的だったのは、貴様がシャイマールの殺害を妨害した件が漏れた事だ。
 絶滅社は、最早、貴様を一分でも生かしておきたくはないらしい」

「世界の・・・・・・敵・・・だって・・・・? 俺が? ・・・・・・なんでッ、なんでだよ!
 俺はただ、目の前で殺されそうになってた奴を助けてきただけじゃねぇか!」
「それがいかんのだ、柊蓮司。『小善は大悪に通じ、大善は非情に似たり』、というやつだ。
 不良品学生だった貴様は知るまいが、貴様と同じ愚行は大昔から繰り返され、そして批判されて来たのだ」
「不良品っていうな! 大体、俺を学校に行かせなかったのはお前だろうが!
 つか、なんで俺だけ任務で休んだ分が欠席扱いになるんだよ! 危うく卒業し損ねるとこだったんだぞ!」
「まだ、アンゼロットを信じて― 否、アンゼロットに甘えているのか、柊蓮司」

 いつものノリで叫び返す柊に、闇姫が冷たい言葉を放つ。舌の上にたっぷりと毒を載せ、この愚かな若者の耳に注ぎ込む。

「成る程、絶滅社なら自分を殺そうとしても不思議は無い。色々下げられたのが、対魔王用の毒薬の実験だったというのも納得できる。
 実用化できるなら、それはそれで有益なものだろうからな。
 だがしかし。アンゼロットが、本当に、本気で自分を殺そうとしていた筈がない。きっと、絶滅社へのポーズでしかないに違いない。
 まだ、そう信じたがっているのだな、柊蓮司。全く、何と身勝手で尊大な男だ。世界は、自分の為に在るとでも思っているようだな。
 で、欠席扱いにしたのは何故なのだ、アンゼロット」
「ああ、それか」

 闇姫の問いを受けた冥魔王は、踵で柊を踏みつけ苦鳴を上げさせた。

 普段、恋愛フラグをへし折るときと同じように
 いつもどおりに不都合な事実から無意識に目を逸らし
 いつもどおりに物事を自分に都合よく解釈し
 いつもどおりに振舞う柊を眺めて

 世界の守護者だった冥魔王は
 いつもと違う亀裂めいた禍々しい笑みを浮かべ
 いつもと違う大人びた口調で
 いつもと違う残酷な台詞を口にした。


18 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/10(土) 00:00:34 ID:wVaIb9LO
「その件については、な。わざわざ学園と交渉をしなかったのだよ。どうせ、卒業までには殺すつもりだったから、な」
「!?」

 衝撃を受けた柊は危うく気を失いかけ・・・・・・呆然と、目の前に立つ黒髪の美女を見上げた。

   この・・・・女は・・・・・誰・・・だ? いくら・・・・アンゼロットが・・・根性のひん曲がった・・・厭らしい・・おばはんでも・・・・・・
   こんな・・・・・・事を・・・言う・・筈が・・・・・・・・

 視界の端に、黒い羽根が映る。そちらに顔を向ける。
 邪に満ちた瞳でこちらを観て、愉しそうに、亀裂めいた邪笑を浮かべる闇姫の姿が、見えた。

   アイツか? アイツに操られてんのか? そういやぁ、あの物好きな莫迦にも取り憑いて唆してたっけ。
   あの物好きな莫迦は、瘴気の浄化が得意だったそうだから・・・・
   トチ狂っても、まだ、アンゼ可愛いよアンゼで済んだが・・・・アンゼロットは・・・・そういうわけには・・・・
   瘴気を・・・・浄化すれば・・・きっと・・・・アンゼロットを・・・・正気・に・・・・戻せ・・・・・でも・・・・どうやって・・・・

 思考が、空転する。どうしたらいいのか、分からない。何も思いつかない。だが何か出来る事がある筈だ。
 何か。何か。何か。何か何か何か。なにかなにかなにかナニカナニカナニカ・・・・・・・・・



 床に転がったまま此方を向いて、その実、何も見ていない柊の瞳を見つめ返し、エルヴィデンスは心の中で語りかけた。

 苦しんでいるな、柊蓮司。だが、これは必然なのだ。お前の在り方とアンゼロットの在り方の違いが導く、当然の帰結なのだ。
 今迄、お前が世界を救って来れたのは、ただ単に運命がそう成っていたからに過ぎん。
 そして、第八世界における運命とは、即ち幻夢神の意思なのだ。

 幻夢神の夢の産物たる第八世界人は全員が幻夢神の端末であり、本体が特に注意を払った其の瞬間には八大神の力を、つまりは悪徳
七王の80倍の力を奮う事が出来る。これは、第八世界内ではほぼ万能と言って良い。
 お前は運命に選ばれていた。幻夢神に注目され、気に入られていた。だからこそ、総ての事象がお前に都合良く推移して来たのだ。
 笑える程度の不幸をスパイスにしながら、な。
 まあ、それも分からなくはない。傍で見ていて、此れほど愉快な奴はそうは居らんからな。

 しかし、今回はそうはいかん。この私の力は、本来ならば八大神に匹敵する。
 力の大半は未だ封じられたままとはいえ、幻夢神もまた、裏界の封印に力の大半を割いている。
 そして此処は狭界だ。世界結界の外側だ。此処でなら、幻夢神の影響も充分相殺出来る。

 柊蓮司よ。今日のお前に運命の加護は無い。お前は今回、世界を救う運命に無い。

 其れだけでは無い。
 お前の活躍は、アンゼロットを貶める。お前の存在は、アンゼロットを傷付ける。
 故に、お前はアンゼロットを冥魔王化させる為の最後の引き金に成りうるのだ。
 お前がこの件に関わったばかりに、世界は滅ぶのだ。

 今回は、お前こそが世界滅亡の鍵なのだ。

 礼を言うぞ、柊蓮司。お前の増長が、お前の傲慢が、私に総てを齎すのだ!



 黒髪の冥魔王は、打つべき手を思いつかない柊の顔を覗き込んで歪んだ喜悦を覚え、その美しい顔に裂けるような笑みを浮かべた。

「大分堪えたようだな、柊蓮司。さて、そろそろ腕の一本ぐらい落とすか」

 アンゼロットは柊の手から魔剣を?ぎ取り、その切っ先を柊の肩に当て・・・・・・思い直して柊の服の胸元を切り裂いて跳ね除け、九天玄女の血の暴走で女性となった、その豊かな胸を剥き出しにすると忌々しげに睨みながら自らの大きな胸を揺すった。

「ふん。やはり、まずはココから切り落とすとしよう」

 冥魔王の手に握られた柊の魔剣が、混濁した意識のまま横たわる柊の胸に突きつけられた。

19 名前: ◆6H85fs.r4o :2009/01/10(土) 00:02:35 ID:dWg++GEq
 今日はここまで。御支援有難う御座いました。

 ここまで! ここまでやれば! きっと、危機感が伝わるはず!!
 遣り過ぎた気もしなくは無いけれど! いや、もしかして、これでも足りない?
 でも、これ以上、ピンチにするにはどうしたら・・・

 読んだ人が不快になってはいけないし、匙加減が難しいですよ。


20 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 00:12:28 ID:yPGLcYH/
GJ!
柊にそう来ましたか!
でも他作品の世界でも頑張った柊ならやってくれると信じてる!
さあ芳香剤を呼ぶんだ!

21 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 01:02:14 ID:DEbBpymQ
アンゼ→柊なら「嫐れ」だと思うのですよ。
そしてきくたけ設定の数字はジャンプ漫画の戦闘力並の信頼度、むしろネタ。

なによりツッコミを入れずに絶望感を楽しめというのは、世界の危機を見慣れたきくたけ下僕達には難しい注文ですぜ旦那


ともあれ乙で

22 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 01:18:03 ID:7ABksCuO


個人的に危機感も最強感も伝わらないのは強さの演出してないからだと思うんだ
守護天使何人分とか悪徳の七王何千人分とか言われてもそれは単に設定解説してるだけな訳で

これだけ強い! こんなに強い! と何度も言うよりも
街一つボーンと吹っ飛ばしたり精鋭部隊を全滅させるとかした方が遥かに強さを語れると思う
きくたけ的演出は伊達ではない(使われすぎてネタ化してるけど)





23 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 01:38:28 ID:y1mZs47i
乙です。
危機感も最強感もないのは、時折挟まれる「喝采せよ」みたいな文章のせいかと。
なんか、萎えるので。アニメから入った人からすれば、柊のアンチものみたいにとらえられるし。


24 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 02:06:39 ID:DEbBpymQ
まーあれだ、
ドラクエの勇者が他人の家にどかどか上がりこんで勝手に箪笥開けて誰にも咎められないのはなんでだ?!になんとなく近そうな野暮さはあるわなw>とらえかたによっては柊アンチ

俺は氏の文章も小ネタもノリも嫌いじゃないんだが、危機感と言われると首を傾げたくなるわけで。
思うに23はそもそも好みに合わないだけなのではないかと。

25 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 02:50:21 ID:03IIaSYy
GJ!
これの危機感は世界や柊本人に対する危機っていうより
柊の人格への危機感って感じで何か違うような。。。w

いや、自分はこういう危機感は好きですよ。
もう読んでいてゾクゾクしてましたよ!

ここからアンゼロットをねじ伏せる柊という爽快感への
渇望がむくむくと湧き上がってきます ><

26 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 07:31:38 ID:RKCCRbxC
乙ですー
危機感、なぁ……思うに、地の文にネタ性が強すぎるのも問題かと。

小ネタが悪いと言うわけでなく、ネタが多すぎるせいでかえって単調に見え、メリハリがありません
強調したい場面では極力除いて、ネタの部分では思うさま突っ込む、その落差があってこそシーンごとの印象はより強くなるのではないでしょうか

なんつーか……きくたけリプレイをそのまま小説の文に持ってくるイメージよりも、
小説っぽい書き方にフォーマットするイメージの方がいいのでは?

27 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 16:49:10 ID:bZak1+un
>アンゼ様を膝に載せてカーチェイス
これについてkwsk

28 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 17:17:37 ID:n35cDb6r
>>27
地下の作品じゃなかった?

29 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 17:21:57 ID:vbm08Vgf
NT系のサイトにあった「彼の日常」シリーズだな
女トウガのと同じとこにあったはずだが、あのサイトもう封鎖したんだっけかなぁ?

30 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 23:07:04 ID:yJar18bV
なんか最初になぜ柊とくれは以外のキャラをくっつけようとするのかとか
そういう前置きがあったせいで柊に対して壁を用意してるというよりアンチっぽく見える
アンゼのキャラに不自然さがあるというか

31 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 01:54:46 ID:t/xU6hFH
既に書き込まれているが、それぞれの強さが○○神の何分の何とか設定だけを語られても、というかあまりに数字ばかりを羅列されるので頭の中を滑ってしまって入ってこない。
物語の緩急に小ネタを詰め込まれすぎた結果単調な感じになってしまってメリハリを感じない。

柊アンチっぽいという意見もあるけど……そもそもちょっと前にキャラスレで騒いだことがあってな
単純に柊ファンといっても、柊を(ある種の)完璧超人のように見る人から、単純に我を通してるだけの我侭、でもだからこそそこがいいっていうファンもいる
そういう意味ではこのSSは英雄柊像アンチではあるかもしれない。でも柊が嫌いだったらこんなに長くSS書いてはこないと思うんだ作者さん

32 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 02:47:16 ID:WpIo5IR/
あー……月と星との人は卓上板の手紙の人なのかな?だとすればあれが本音なんだろうけど
違ったら失礼。


なんにせよ、だ。
物書きをしてる以上は文で「自分」を表現してるわけで。意見だったり主張だったり生き様だったりがどうしても滲むもんですわ。
だからどうしたって読者との間にズレが生じるもんです。
特に、自分の価値観を強く色づければ色づけるほど、その価値観を理解できない読者ができる。信者が出来ればアンチが生まれるように。

それを理解した上で、それでも自分の主張を貫きたいってんなら作者様の好きになさればよろしいと思うですわ。
万人に愛されるものは難しいけど、作者様が書こうとしてるのはかなり厳密に、かつ上手くまとめないと、たくさんの人が反発したくなる内容だと思われ。
ふぁいと。


あ、話のメリハリとか数値ばっかでスカウター見てるみたいとかは他の人が言ってるからいいや。
今更だし。

33 名前:青き薔薇の巫女 ◆1IXdmMAgHc :2009/01/11(日) 10:00:36 ID:pTD4yfgx
10時から投下します。

34 名前:青き薔薇の巫女 ◆1IXdmMAgHc :2009/01/11(日) 10:01:09 ID:pTD4yfgx
新米らしきロンギヌスが仲間を抱えて逃げ出すのを確認し、ナイトメアは再び冥魔の方に向きなおる。
「…ふん。まだまだやる気は十分、と言ったところか」
仮面がひび割れ、右手を失ってなお立ちあがってくる冥魔。
それを一瞥してナイトメアが言う。
「…しぶとい」
それに答えるのは、巨大な銃を抱えた、紅い髪の少女。
「攻撃力に優れる姫宮空の攻撃に耐えきるとなると、少し厄介」
緋室灯がナイトメアの横に立ち、無表情のまま言う。
「うむ。パワーアップのペースを考えると、いずれお前の射撃でも撃破が困難になりかねんな、どりぃ〜む」
灯の言葉にナイトメアが頷く。
ここ最近、世界各地で出現している仮面をつけた冥魔。
目的も何も無く暴れまわる彼らを撃退し、元を断つと言う依頼を受けて編成された、絶滅社の精鋭部隊。
若手ながら魔王クラスとの戦闘経験もある実力あるウィザードのみで編成された彼らは、すでに相当数の仮面の冥魔を撃退している。
だからこそ、分かる。この冥魔が、段々強くなっていること。このままではいずれ彼らの手にも負えなくなると言う事が。
「やはり一刻も早く元を断つ必要があるか…だが今は目の前の冥魔を…うん?あれは?」
再び意識を冥魔の方に戻して、ナイトメアは気づいた。

コワイナアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!

起き上がった冥魔の攻撃対象が、いつの間にか部隊のメンバー以外になっていることに。


35 名前:青き薔薇の巫女 ◆1IXdmMAgHc :2009/01/11(日) 10:03:10 ID:pTD4yfgx


「うおおお!?なんでコワイナーが!?」
羽音を響かせながらブンビーは必死に攻撃を避ける。
「待て待て!大体何で私に攻撃してくる!」

コワイナアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!

だがコワイナーの方は意に介さず、ブンビーに対しての攻撃を続ける。
「お前の敵はプリキュア!私は違うの!結局リーダーにはならなかったの!OK!?」
ブンビーの必死の説得。だが、それに対する返答は。

コワイナアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!

更に苛烈になった攻撃にて返された。
「ええい、いい加減にしろ!温厚な私にも我慢の限度ってものが…」
ブンビーは冥魔の仮面の方へとその腕を向ける。正確に狙いをつけ…
「…あるんだよ!」
その腕から巨大な針が発射された次々と仮面に突き刺さる。的確な一撃に冥魔が苦しみもだえた。
「いくら落ちぶれたと言ってもね、たかがコワイナーごときに負けるほど、私は弱くないんだよ!」
だが、ブンビーの活躍もそこまでだった。
「ははははは…うぷ…」
がくんと。
ブンビーの高度が落ちる。
「やばい…」
急激に動いたせいでさっきまで浴びるように飲んでいた酒が、一気に回ったのだ。
「ぎぼぢわるい…」
胃からこみあげてくるものを必死に戻さないように口を押さえるブンビー。
とてもじゃないが戦うどころじゃない。
だが、こんな所で逃げ出すわけには…と考えたところでブンビーは気がついた。
「ぐぇ…考えてみたら戦う必要、まっだぐないじゃないか…」
襲われたのでつい応戦したが、いつものように瞬間移動で逃げれば良いことに。別に街が壊れたからって困らないし。
「ぞうとわがれば…」
いつものように逃げ出そう、そう考えたときだった。
「ガンナーズブルーム」
すぐ横から囁くような少女の声と同時にコワイナーの仮面が完全に砕け散る。

アアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!

仮面を砕かれ、断末魔の悲鳴を上げて、コワイナーが消滅する様子を、ブンビーは呆然と見ていた。
「…あれ?」
この世界にはプリキュアはいないはず。なのになんでコワイナーが倒されているんだ?
っていうか誰が?
そんなことを考えながら辺りを見回したブンビーは気づく。
自分がいつの間にか、囲まれていることに。

36 名前:青き薔薇の巫女 ◆1IXdmMAgHc :2009/01/11(日) 10:06:17 ID:pTD4yfgx
「な、なんだお前ら?」
周りを見回したブンビーが困惑して問いかける。
怪しい集団だった。
プリキュアたちより少しだけ年上の、紫色の制服を着た少女が2人と地味な少年、そして…1人の怪しい男。
「その姿…人狼?魔物使い?」
2人のうちの1人、紅い髪の少女が人間離れした姿のブンビーに驚くことも無く無表情に淡々と謎の質問を投げかける。
その手には少女が持つには似つかわしくない、巨大な銃を抱えている。
その様子からすると先ほどコワイナーを倒したのは、この少女なのだろう。
「え〜っと…大丈夫ですか?」
それとは対照的に、にこやかに笑いながら声をかけてくるのは、茶色い髪の少女。
紅い髪の少女と違い、手ぶらである。何故か服の右腕の袖だけが破けていたが、それ以外は特に変わったところは無い。
「鈴木さん、この人です。さっき、冥魔に襲われてた人」
地味目な少年がこちらをうかがいながら男と話している。その手には小さめのナイフのようなもの。
確かプリキュアと時代劇村で戦ったときに見た、クナイとか言う奴だ。
「ふむ…たまたまここを歩いていたウィザードか…すまない、少し話を聞かせてもらえないだろうか、どりぃ〜む」
ブンビーの顔を観察しながら渋い声で呟く、男。
今までの彼らの会話からすると、この集団のリーダーかも知れない。だが。
「な、なんだその変な格好!?」
ファッションセンスがぶっ飛んでいるせいで色々台無しであった。

37 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 10:09:57 ID:ZrS4IHOT
おおっと、支援だ

38 名前:青き薔薇の巫女 ◆1IXdmMAgHc :2009/01/11(日) 10:11:53 ID:pTD4yfgx
「変?どこがだ?これは妻の愛の詰まった、夢使いのフォーマルなコスチュームだが?」
「嘘つけ!そんなもん贈る妻がいてたまるか!大体お前らは一体…」
思わず突っ込みを入れながら、ブンビーははっと気づいた。
「まさかお前ら…エターナルの追手か!?」
そう考えれば説明はつく。基本的にエターナルは服装に縛りが無い分、変わった格好をした連中も多かったから。
「…何の話だ?聞いたことのない組織だが。それと我が妻の選んだこの服の侮辱はやめてもらおうか」
一方の男はブンビーの出したエターナルと言う名にむっとしながらも答える。
「僕たちは絶滅社の傭兵です」
リーダーらしき男のそばに立つ少年がフォローするように答える。
「絶滅社?」
「うむ。今回の冥魔事件を追っている。少なくともエターナルとやらでは無い」
その答えにブンビーは内心安堵する。奴らが追ってこないように逃げ込んだ先なのだ。
速効で見つかったら、来た意味が無い。
「そ、そうか…いや、分かった。ブンビーだ。よろしく頼むよ」
とりあえずエターナルでないのなら、仲良くしておいて損は無い。
瞬時にそう判断し、人間の姿に戻り笑顔で握手を求める。
「うむ、俺の名はナイトメア。クラスは夢使いだ…うん?どうした変な顔をして」
名前を名乗った瞬間、なんとも言えず微妙そうな表情を浮かべたブンビーに怪訝そうな表情で問いかける。
「…いや。何でも無い。ただちょっと昔を思い出しただけだ。気にしないでくれ」
それを慌てて誤魔化す。
自分が昔いた組織と同じ名前を名乗った男に対して。
「そうか?まあいい。それと彼らが」
「斉堂一狼です。忍者をやってます。よろしくお願いします」
「姫宮空です。人造人間です」
「…緋室灯。強化人間」
3人の少年少女がそれぞれの名前とクラスを名乗る。
「ああ、分かった。そちらも、よろしく頼む」
正直人造人間だの強化人間だのの意味はさっぱりだったが、とにかくプリキュアのように戦う力を持っているんだろうってことで納得する。
「さて、お互い名乗ったところで、今度はこちらの質問に答えてくれないか?」
頃合いを見計らい、ナイトメアが切り出す。
「お前が先ほど戦った冥魔についてな」
「冥魔?…ああ、コワイナーのことか」
「そう、ブンビー、君がコワイナーと呼んでいるものについてだ」
ブンビーがポンと手を叩いて納得したのを見て、ナイトメアはやはりと確信する。
「どうやらその様子だと我々がまだ知らぬ何かを知っているとみた。情報の提供を頼みたい。相応の礼はする」
相手は情よりも利でもって動く人間であると判断したナイトメアが交渉を行う。
「礼、か…」
ブンビーはしげしげと目の前の男を観察する。
無表情の男。その身から漂うのは張り詰めてはいないが決して油断はしていない、程よい緊張感。
元々戦闘任務が主体の組織に在籍していたブンビーには分かった。この男は、場慣れした、本物の“プロ”だと。
「…分かった。私が知っていることならば教えてやろう。その代り、条件がある」
自然と自らも真面目な表情となり、承諾する。
「条件?」
つられるようにナイトメアが聞き返す。
そして、ブンビーはその条件を口にする。
「…宿泊先を用意してくれ。酒が抜けるまで休めるようなところを」
逃亡者ブンビー。現在の地位は…住所不定無職。
手もちも寂しい彼には、非常に重要なことだった。

39 名前:青き薔薇の巫女 ◆1IXdmMAgHc :2009/01/11(日) 10:12:32 ID:pTD4yfgx
今日はここまで。おっさんコンビの話が続いたので次回は美少女コンビの方に戻る予定。
…ん?ナイトメアはああ見えて20代だったりするのか?

こっから前スレへの返答
>>584
いやあ甲斐甲斐しく世話を焼いてたりすると自然と…

>>585
街にあふれるカップル的なものです。>>586,>>588の人が正解。
ウィザードのカップル率の高さは結構なものです。

>>586
良いですよね。そう言うのやってくれる家族って。

>>587
…やっぱり中の人の問題があったんでしょうか?

>>588
その通りっす。ちなみにあの後グランギニョル組と一緒になってパーティーやってたって設定があったり。

>>589
ちょいと長かったかもしれませんね。いつもの数倍の分量でした。
とはいえ季節ものは時期ずらしも聞かないですからねえ…



40 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 13:32:41 ID:9FV5ImNq
GJ!
ブンビーさん、やっぱホームレスだったのねww

41 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 16:06:25 ID:DoGcQUau
GJです。
ナイトメアは子持ちだから、三十前半じゃね?

ところで灯の寿命が短いって、公式ソース?

42 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 16:08:54 ID:ff6rkUsM
名言はされてないけど、あってもおかしくはない設定だね。
PC版のヒロインの一人の強化人間が、まさにそう言われてたりもした。

43 名前: ◆6H85fs.r4o :2009/01/11(日) 16:46:19 ID:LGXRIRKU
 青薔薇の方、GJです! 待ってましたよ。ただ、俺が言うのもなんですが、もうちょっと纏めて読みたい気も。

 「月と星と柊と」第9回を投下します。

 貴重なご意見の数々を戴き、真に感謝しております。
 お陰で筆が進みましたよ。

 何々の○分の1という表現が多いのはクロス先の雰囲気再現のつもりでしたが、ずいぶんと不評ですね。
 あっちじゃ、運命も主役補正もなくて、強敵を倒したかったら下僕を集めるかリミッター外すか融合するしか。
 その一方で、女王様方だけはNPC補正でイイトコなしだったという。

 それにしても、「嫐れ」という字があったんですね。うちのパソでは出ないもので。
 しかし、今の柊は女性化しているので正確には「女女女」になるのではないでしょうか?
 小ネタの入れすぎには気をつけます。その他の言い訳は作中で。

 あ、寿命が短い云々については、根拠はPC版です。灯もそうだとは限りませんけど。

 では16時50分から投下します。


44 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/11(日) 17:34:36 ID:LGXRIRKU
「流石は古女王陛下。ボクら裏界の魔王が束になっても敵わなかったアンゼロットを、こんなにも簡単に捕らえてしまうなんてね」
「何せ、エルヴィデンス様は裏界に封じられなかったくらいやからなぁ。八大神がわざわざ別個に封じただけの事はあるっちゅうか」

 忘却世界・ラグシア城跡を眺めつつ、詐術長官カミーユ=カイムンと告発の男爵ファルファルロウは言葉を交わす。
 彼女らの周囲には、盟友の魔王が数人と、最近開発した侵魔天使が数十体、そして数千体の侵魔が控えていた。

「エルヴィデンス様は、あまりにも有能過ぎた。だからこそ、八大神が直々に、極めて強固な封印を施した」
「そんでも、敵から手駒を分捕ってアンゼロットとイクスィムを第三世界から追い出したり、エルンシャを倒して世界を奪ったんやか
らトンでもない方や。ルー様はイクスィムを部下にしても、そんでも、こっちの世界を奪えへんかったっちゅうのにな」
「でもさ、ボクらに何の話も無く、コッチの事に手を出すのはあんまりだと思わないか? これじゃ、裏界の面目は丸潰れだよ」

 ベルの元に潜ませていた密偵から、エルヴィデンスの計画を聞いたカミーユ=カイムンの動きは素早かった。
 数名の盟友とともに即座に軍備を整え、アンゼロットの捕らえられている忘却世界に向かったのだ。
 そして、新たな冥魔王が柊を打ち据えている間に忘却世界を完全に包囲した。蟻の這い出る隙間もない、完璧な布陣で。

「そんで、エルヴィデンス様がお越しになられたら、どないすんでっか、カミーユはん? 
 今のエルヴィデンス様ご本人の戦闘能力は本来の0.7%未満に制限されてるっつー話でっけど、そんでも公爵並みの力はあるやろ
ーし、魔王級の部下だって、ぎょうーさんおるやろーし。そもそも、こんだけの戦力じゃプリギュラ一体にだって勝てまへんで?」
「なんで、ボクらがエルヴィデンス様と戦わなきゃいけないのさ? あの方は味方じゃないか」
「ほな、どーするおつもりで?」
「頭を下げて、手柄を売ってもらうのさ」
「は?」

 困惑する告発の男爵に、詐術長官は滔々と語る。

「エルヴィデンス様は本来なら、他人の助けなど不要な方だ。本来なら、本来ならば、ね。
 けど、今は違う。
 第三世界で、ボクら裏界の魔王のソレとは比べ物に成らないほど強力な封印に縛られてる今のエルヴィデンス様は、自分一人で総て
を行う事は出来ないし、手駒だって足りはしない。
 だから、今のエルヴィデンス様は、有能な手駒をとてもとても欲しがっている筈なのさ。
 そこでボクらが共闘を申し出れば、そして、ボクらが有能だと見せてやれば、きっと厚遇してくれるだろうさ。
 つまり、この戦力は、アンゼロットを取り返しに来たウィザード達を、ボクらが撃退するためのものなのさ」
「けど、エルヴィデンス様には、そんな手助けは不要やないやろか?
 さっき、ダンジョンの奥から、瘴気の混ざった、ごっつぅでっかいプラーナを感じましたで?」
「今回は不要だろうね。今回は。だけど、ボクらがそこそこ使えると思ってもらえさえすればいいのさ。
 ボクはエルヴィデンス様に、アンゼロットを捕らえたのはボクらだって、宣伝させてくれるように頼むつもりさ。
 そうすれば、あの蝿の権威は地に堕ちる。最早、取り返しがつかないくらいにね。もう誰も、あのぽんこつに従ったりするもんか。
 そして、ボクらが、エルヴィデンス様の代理人として、ボクらが裏界を支配するのさ!」


45 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/11(日) 17:35:17 ID:LGXRIRKU
 両手を広げて胸を張り、陶酔した様子で宣言する詐術長官に、告発の男爵は困ったような笑みを浮かべて水を差した。

「けど、相手はベルはんやからなー。例えバックにエルヴィデンス様がついてても、まったく気にせんで後先考えずに目の前の気に食
わん相手を潰そうとするんやないやろか?」
「だろーね」

 盟友の懸念をあっさりと肯定した詐術長官は、しかし、自信に満ちた態度で対策を説明した。

「表向きにはプリギュラか、エルヴィデンス様の直属の配下の誰かをトップに据えて実権だけもらうつもりさ。
 それに、ボクは第五世界の冥魔王ヘルクストーとも手を組んでる。いくら、あの蝿がぽんこつでも、正面切ってルー様に喧嘩を売る
のは控えてたんだし、世界征服を済ませた古代神と冥魔王を同時に敵に回したがるほどバカじゃないだろ? 
 もしも、本当にあの蝿が、本当に、もう目も当てられないくらいぽんこつだっていうのなら、エルヴィデンス様かヘルクストーに討
ち取ってもらえばいいさ。アイツはもう、裏界だけじゃなく、古代神陣営全体にとって有害無益な存在なんだ。
 それが今まで切り捨てられていなかったのは、ただ、相手にするのも面倒臭かっただけさ。
 でもね、あの蝿が身の程知らずにも噛み付いてくるようなら、エルヴィデンス様やヘルクストーだって容赦はしないだろうさ」
「なるほどー。ほんなら、まずはエルヴィデンス様にウチらが役に立つってところをお見せせなあきまへんなー。
 お。ウィザード達も来たみたいやで」
「ボクの軍勢相手にカワタナ級三隻とレーヴァテイン級一隻か。舐めてくれるじゃないか、ロンギヌス」




46 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/11(日) 17:36:53 ID:LGXRIRKU
「赤羽代表代行。アンゼロット様救出部隊、裏界軍と交戦に入りました」
「はわ。分かったわ」

 ロンギヌス・コジマメの報告を受け、くれはは重々しく頷いた。
 モニターで忘却世界の様子を覗っていたくれはは、カミーユ=カイムンの軍勢が忘却世界を包囲したのを見て第三世界救出部隊の一
部を派遣した。
 アンゼロットもコイズミもいない今、ロンギヌスの指揮能力は大きく落ちている。部隊の編成も途中だった。
 苦戦は免れないだろう。
 それでも、これを見過ごす訳にはいかなかった。
 忘却世界内で何が起きているかは分からない。救援に駆けつけようにも、今から百階ダンジョンを踏破して間に合う筈もない。
 自分に出来る事は少ない。だが、何も出来ない訳じゃない。なら、出来る事をするだけだ。

 だがしかし・・・・・・

「完全に忘れてたわ。裏界の魔王は全部が全部、ベルみたいな奴じゃないってこと・・・」
「ええ。ですが、それこそがベール=ゼファーの真に恐ろしいところです」

 臍を噛むくれはに、コジマメが自分の見解を述べた。

「彼女はウィザードから、裏界への危機感を奪ってしまいます。
 彼女と戦っていると、裏界と戦う必要を感じなくなってしまいます。
 どうせ勝手に自滅するんだから、ほっといてもいいじゃないかと思ってしまうのです。
 そして、それこそが、裏界第二位の魔王“蝿の女王”ベール=ゼファーの遠大な計画なのでしょう」



「お待ちください、アンゼロット様!」

 エンディヴィエ封印の間に、ロンギヌス・コイズミの声が響く。一度は昏倒したものの、どうにか意識を取り戻して床に倒れたまま
状況を覗っていたのだが、流石にこれを見過ごす訳には行かなかったのだ。アンゼロットに、柊を傷付けさせる訳にはいかないのだ。
 まだ、目がよく見えないまま、コイズミは手探りでアンゼロットに近付きつつ必死で訴えかけた。
 アンゼロットの動機は嫉妬だ。自分は家族を救えないのに、柊は救える。それが、許せないのだ。

 ならば、家族を救えばいい。

 冥界の瘴気に理性を削られたアンゼロットは失念しているが、情報共有魔法により膨大な知識を得たコイズミは、まだエルンシャを
救える事を知っていた。

「お忘れですか、アンゼロット様? エルンシャ様は、どれ程細かく砕かれようと欠片を集めれば復活するという事を!」
「! そうであった!」

 気付かれたか、と。古女王は胸の内で呟いた。

 此れだから人間は油断出来ん。
 単独では酷く脆弱で愚かで非力な存在だが、仕えるべき主を(其れは自分の信念である場合も在りうる)、従うに足る指導者を見つけ
た人間は、其の微力の限りを尽くして如何なる存在にも立ち向かう。
 そして、在る時は塵を集めて山と成し、また在る時は蟻の一穴を持って巨大な堤防を壊すのだ。

(エルンシャにアンゼロットを攫わせたとき、アンゼロットはこの者に自分の記憶の一部を分け与えておったが・・・・・・まさか、あのと
き打った一手が、このようなところで実を結ぶとはな。つくづく、油断の成らん奴よ・・・・・・)

 折角、此処まで追い詰めたというのに。

 エルンシャに逢わせて罪悪感を煽り、其の心の隙を付いて、其の精神に干渉したのに。

 幻夢神から切り離し。
 砕けた心に付け込んで。
 冥界の瘴気で理性を削り。
 柊蓮司との違いを突きつけて。


47 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/11(日) 17:38:25 ID:LGXRIRKU
 漸く此処まで、其の精神を侵食したというのに。
 あと少しでアンゼロットを、冥魔王に変える事が出来たのに。
 古代神の精神破壊能力によって、完全な操り人形に出来た筈だったのに。

 どうやら、賭けをしなければ成らないようだ。

 古女王は覚悟を決めた。尤も、2回賭けて、どちらかに勝てば充分だが。

「アンゼロット。エルンシャは余りにも細かく砕かれ過ぎた。其の侭では復活出来んぞ。
 誰か、適当な依り代が必要だが、守護者の器に成れる者などそうは居らん。
 守護者の力に耐え切れず、魂は消し飛び、体が破裂して終わるだけだ。誰を器にする?」
「俺がなる」

 闇姫の予想通り、柊が即答して床から起き上がった身を起こした。

「・・・・・・アンゼロット。俺が・・・・お前に、してやれる事は・・・・・・これだけだ・・・・・・・」
「自惚れるな、柊蓮司! 貴様などに、守護者の依り代が務まるものか! 思い上がりも大概にしろ!!」

 罵倒する黒髪の冥魔王の色の違う双眸を。瘴気と憎悪に濁った瞳を。
 柊は真っ直ぐに見つめ、静かに、穏やかに言葉を継いだ。

「さっき、あっちの黒羽根女にも言ったんだが・・・・・・俺は、自分が守りたいものしか守らねぇ、その為なら世界中を振り回しても一切
気にしねぇ、身勝手な男だ。んで、俺が守りたいものってぇのは『世界』と『仲間』だ。
 俺はお前が大嫌いだけどよ。それでも、性格のひん曲がった憎たらしいお前も、そんなお前なんかに惚れ込んだあの物好きな莫迦も。
 俺が守りたい、大事な、大切な仲間なんだよ」
「ふん! そんなに死にたいなら死なせてやる。エルンシャ様が蘇るなら、貴様の事など最早どうでも良いからな」

 優しい笑みを浮かべる柊から、黒髪の冥魔王は不愉快そうに顔を背けて毒ついた。

「柊様! 生贄になら私が!」
「まあ、待てよ、コイズミ。俺だって、別に死ぬつもりなんかねぇよ。
 それに、依り代ってのは穢れ無き乙女がなるもんだろ?
 ちょうど今、龍之介に貰った九天玄女の血が暴走して、女になっててな。
 俺はガキんときから神社に入り浸ってるコトもあるし、お前よりも、俺の方が適任だと思うぜ?」
「柊様・・・・・・・・」
「俺がダメだったら、そんときは頼むわ」
「・・・・・・・畏まりました」

 未だに霞んだままの目では、穏やかに微笑む柊の澄み切った瞳を見る事こそ適わなかったものの、その声に強い意志を、固い決意を
感じ取り、コイズミは自らの敬愛する英雄を信じた。

「・・・・・柊様。私は、柊様の行いが間違っていたとは思いません。柊様は、人として当然の事をしたいとお思いになられていただけの事。
 その為に、柊様は、他人には真似の出来ない事をしてきたのです。
 誇りを持ってください。総てを救う事は誰にも出来ませんが、柊様は、人間の中では、誰よりも多くの命を救ってきたのです」
「人である事を捨てていれば、より多くの命を救えていたのだがな」

 柊を励ますコイズミの横から闇姫が口を挟み、柊の生き様を否定した。

「柊蓮司。お前には、神になる道も在ったのだ。比喩的な意味でも、言葉どおりの意味でも、な。
 若いウィザード達は、お前の実績を崇拝している。
 アルティメット柊と手を組んでいれば、世界の守護者すら超える力が手に入った筈だった。
 お前が持っている力を存分に活用していれば、ウィザード社会を統一し、裏界を滅ぼし、もっと大勢の命を救えた筈だったのだ。
 なのに、お前は自分が人である事に拘り、救える筈の命を見捨ててきた。
 お前は神ではなく人でありたいと願っていようが、お前の犠牲者の遺族はお前をこう呼ぶのではないかな? 『人でなし』、と」

 闇姫の放つ言葉の刃が柊の胸を貫いた。

「お前の敵は裏界の魔王。本来ならば、人の身で抗するなど不可能な相手だ。奴等から世界を守るには、人のままでは務まらん。
 本当に、少しでも多くの命を救いたいと願うなら、まず最初に、何らかの意味で人である事を捨てねばならん。
 そうではないか、ロンギヌス? お前達は、そうやって世界を救って来たのではなかったか?」

48 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/11(日) 17:44:01 ID:LGXRIRKU
「それは―」

 闇姫の舌鋒が、今度はコイズミに向けられた。

「お前達ロンギヌスは、世界を守る為に何らかの意味で、人である事を捨てた筈だ。
 或る者は、肉体的な意味で人である事を捨て、強化処置を受けた。
 或る者は、精神的な意味で人である事を捨て、魔王の転生体を覚醒前に手にかけた。
 或る者は、社会的な意味で人である事を捨て、神として振る舞い、人々を導こうとしている。
 人のままでは、世界を守れぬ。世界を守る為には、人間である事を止める必要があるのだ。だが、この男は―」
「柊様は・・・・・『人間』です。良い意味でも。悪い意味でも。何処までも『人間』です。『人間』のままで、戦い抜いてきました」

 闇姫の弁舌を遮り、コイズミが後を引き取った。

「柊様は、どんなに困難な時でも、常に『人間』である事を貫いてきました。だからこそ、私は柊様を―」
「いや、いいんだよ、コイズミ」

 コイズミの反論を、今度は柊が遮った。

「世辞でも、褒めてくれて嬉しいぜ、コイズミ。けどな。俺は『少しでも多くの命を救いたい』なんて、そんな大それた事はちっとも
考えちゃいなかったんだ。ただ、目の前にいる奴だけを救えりゃ、他の事はどうだって良かったのさ」
「・・・・・・それでも、我が身を省みず、常にそうしてきた柊様の行いは、到底真似の出来るものではありませんよ」
「くすぐってぇなぁ。・・・・・・ところで、コイズミ。さっきのガキはどうしたんだ?」
「はっ! 申し訳ありません、柊様。あの者は、仲間が来て攫っていきました」
「そっか。仲間が連れてったんなら安心だな」

 一言もコイズミを責めることなく、柊はただ、幼子の身だけを思い、安堵して。
 コイズミもまた、幼子を刃にかけずに済んだ幸運に感謝した。

「もういいか? 儀式を始めるぞ」

 柊達が話している間に広間の魔法陣を書き換えた黒髪の冥魔王が、何の感慨も含まぬ声をかけた。



「我が元に集え、六星の力よ・・・・エミュ、ルクセクト、ネイ、シェイクリ、イクストラ、アーハルト・・・・」

 書き換えた巨大魔法陣の中心に柊を立たせて儀式を始めた冥魔王を、闇姫とコイズミは息を飲んで見守った。
 エルヴィデンスにとって、これは一回目の賭けだ。儀式を妨害するのは簡単だが、それではアンゼロットを味方に付けられなくなる。
 柊蓮司が、エルンシャの力に耐えかねて破裂するのを期待するしかないのだ。
 尤も、仮にエルンシャが復活したとしても、まず最初にアンゼロットの心身を侵食する瘴気を浄化し尽くし、其処で力を使い果たす
事だろう。だから、其の隙を狙えば良いのだが・・・・・弱体化しているとはいえ、世界の守護者二人を同時に相手取るのは危険過ぎる。

(認めねば成るまいな。今回の計画は、余りにも杜撰過ぎたと)

 だが、より確実な作戦を行うには時間も手駒も足りなさ過ぎた。
 よもや、4億の侵魔を従えるベルがアンゼロットの足止めも出来ないなどとは思いも寄らなかったのだ。
 遣るべき事はやった。今迄の遣り取りで、柊蓮司の心は打ちのめされている。そのダメージが、儀式の失敗に繋がれば良いのだが。

 アンゼロットの呼びかけに応え、広間中に飛散った星の欠片が柊の身体に集まっていく。
 圧倒的な力が心身に流れ込み、意識を押し流し、身体が弾けそうになる。

   ここまでか? ここまでなのか? ここで・・・・俺は・・消える・・の・か?

 柊が覚悟を決めたとき、不意に、暖かく優しく力強い誰かが、その魂を掬い上げた。

   父・・・さ・・ん・・・・?

 包容力に満ちた、その感じは・・・・・・・・幼い頃、父親に抱き上げられたときの記憶を蘇らせた。
 目を開けた。黒髪の美女となったアンゼロットの歓喜に咽ぶ泣き顔が見えた。
 魔剣を投げ捨てて、抱きついてきた。

49 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/11(日) 17:44:56 ID:LGXRIRKU
 自分の口が勝手に動き、歯の浮くような台詞を言った。
 アンゼロットが泣きながら頷き、目を閉じて、少し、顔を上に上げる。
 彼女を抱きしめて、その顔に、自分の顔が近づいて行き・・・・・・・・右の瞼に、口付けた。
 白く淡い光が放たれて、アンゼロットの身を包む瘴気を浄化していき―
 気がつくと、柊は男に戻り、少女の姿に戻ったアンゼロットを抱きしめていた。

「もとに・・・・戻ったんだな、アンゼロッ―」
「いつまで抱き締めているんですか! さっさと放しなさい!」
「うおっ!?」

 ホッとした途端、アンゼロットに乱暴に突き飛ばされ、倒れこんだ柊は声を荒げて抗議した。

「おい、アンゼロット! もっと他に言うことがあるんじゃねーのかよ!」
『すまなかったな、柊君。私の所為で、君には大変な苦痛を与えてしまった』
「いや、アンタの所為じゃねーよ。悪いのは全部アイツだろ?」

 柊は魔剣を拾い上げながら頭の中に響く声に返事をして立ち上がり、黒翼の戦姫を睨みつけた。

『柊君。どうか、アンゼロットを責めないでやってくれないか。エルヴィデンスは、他者の精神への干渉を得意とするのだよ。
 その技量は、時間をかければ守護天使ですら耐えられぬほどなのだ。
 私がアンゼロットを幻夢神から切り離してしまったために、アンゼロットの霊的な防御力が一時的に下がってしまい、その隙を付か
れて操られてしまったのだ。
 悪いのは私だ。総て私の責任だ。だから、アンゼロットを―』
「よせって。アンタだって、アイツに半分操られかけてたんだろ? 悪いのは全部、アイツだ。アンタでも、アンゼロットでもねえよ」
『・・・・・・すまない。そのように言ってもらえると助かる』
「とにかく、総て上手く行きましたね!」
『ああ、コイズミ君。君の目も治さなければならないな』

 柊に駆け寄ったコイズミに、エルンシャから暖かいプラーナが流れ込み、プリギュラに灼かれた目を癒す。
 一方、エルヴィデンスは失望を押し隠しつつ、慈愛に満ちた笑みを浮かべてアンゼロットとエルンシャを祝福した。

「どうやら復活出来たようだな、エルンシャよ。どれ、お前達に新居を用意してやろう。
 我が夢の織り成す月匣の中に来るがよい。そして其処で、永遠に、二人仲良く、穏やかに暮らせ。
 天界には私から、お前達は私に討ち取られたと伝えてやろう。さすれば、最早、誰にも邪魔をされる事は無い」

 その甘い誘惑を。

『世界を見捨てて、心安らげるはずがなかろう!』「誰が貴女をベッド代わりにしたいものですか!」

 冥界の瘴気から開放された二人の“世界の守護者”は、声を揃えて断った。

「では、恋は諦めるのか?」
『それは、この第二次古代神戦争が終ってから考える』
「おい!」

 一瞬の躊躇もなく、決断を先送りにする決断を下した異世界の“世界の守護者”に、柊は思わずツッコんだ。

「つか、お前の夢ん中に逃げ込めって、寝るたんびにこいつ等がイチャつくのを見せ付けられるんだろう? それでいいのかよ?」
「私は古代神だが、魔王ではない。愛と安らぎに満ちたプラーナもまた、私にとっては大変な美味なのだよ。
 なあ、柊蓮司。お前は不思議に思ったことはないか? 
 裏界の魔王達の中で、本来の古代神の性質を最も色濃く残す魔王が何故フール=ムールなのか」
「とにかく、お断りします! わたくし達は“世界の守護者”なのです! 自分達の幸せよりも、世界の方が大切なんです!」
「やれやれ。結局こうなるのか。では力押しと行くか。
 アンゼロット、エルンシャ。今一度お前達を打ち倒し、共に取り込んでくれよう。
 我が内にて、永遠に睦みあうがいい」
「お、やっと、いつものパターンに戻ってきたな! さあ、戦うか!」

 柊は晴々とした気持ちで敵に向きあい・・・・・・今まで忘れていた『仲間』の事を思い出した。

「おい、アンゼロット。なんとか、ベルを助けられないのか?」

50 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/11(日) 17:46:14 ID:LGXRIRKU
「何を馬鹿な事を言っているのですか! アイツは敵なんですよ、敵! 助ける必要なんかありません!
 寧ろ見かけ次第殺しなさい! 見蝿殺虫! サーチアンドデストロイ! サーチアンドデストロイです!」

 アンゼロットの金切り声が耳に突き刺さり、柊は思わず顔を顰めた。

「・・・・・・なあ、アンタ。こんな奴のどこに惚れたんだ?」
『ベール=ゼファーは敵なのだろう? アンゼロットの意見は当然の事だと思うのだが。
 まあ、我が力を持ってすれば、君の魔剣に魔王だけを切り裂く力を与える事も―」
「いや、ベルも魔王なんだが」

 暫しの沈黙の後、温和で寛大で父性愛に満ちた神の、困惑に満ちた思念が返ってきた。

『・・・・・柊君。冷静に、もう一度よく考えてみてくれないか。本当に、ベルを助けたいのかどうか』
「そんな、子供を諭すように言うんじゃねぇよ!」
「子供ですよ、子供! というか、あの闇姫はベルの写し身を奪っただけなんです!
 例えるなら、ベルのポンチョを剥ぎ取って纏っているようなもの!
 あいつを倒したって、ベルには何のダメージも入りません! 気にせず倒しなさい!」
「おし! それなら、なんの遠慮もいらねぇな!」
「クックククッ! クハッハッハッハッ! 遠慮はいらぬだと! 笑わせる!」

 柊の力強い宣言を聞き、闇姫が堪えきれぬといった風情で哄笑を放つ。

「先程、渾身の一撃を素の防御力で弾かれたのをもう忘れたか! この神々の戦場で、お前に何が出来るというのだ!」
『ふっ、エルヴィデンスよ。今の柊君は私の依り代だ。
 いくら魔王の写し身を乗っ取ったとて、この星王神エルンシャと月女王アンゼロットを、世界の守護者二人を同時に相手取るなど出
来よう筈があるまい。柊君の要望どおり、ベルを解放してエル=ネイシアに帰るがいい。わざわざ、痛い思いをすることもなかろう』
「いやいや、今日は久しぶりに『痛い目』とやらに遭ってみたい気分なのだよ。どうせ、負けたとて壊れるのはベルの写し身だしな。
 其れに、アンゼロットは未だ地神から充分な力を受け取って居らず、此処に居るお前も何百分の1の欠片か分からん。
 試してみる価値は、充分に在ると思うぞ」

 言って闇風姫(シャドウ★ゼピュロス)は翼を広げ、其の神気を解き放った。



 大気が震える。広大な大広間に、絶大なる神気が満ちる。
 時間が。空間が。因果律が。物理法則が。
 その威厳の前に屈服する。

 彼女は、ただ其処にいるだけだった。
 女神は、ただ気配を消すのを止めだたけだった。
 それだけで、ただそれだけで。
 この忘却世界のほぼ総ての存在が、生物・非生物の区別無く発狂した。

 通路を徘徊する冥魔が。落とし穴の底の水槽の人食い鰻が。壁の中の鼠が。
 平伏し、狂乱し、自滅した。
 機械仕掛けのトラップが。様々な術式の込められた魔法陣が。
 誤作動し、書き換わり、自壊した。



「―! なんだ?! この強大なプラーナはっ!!」

 忘却世界周辺で交戦中の、ナイトメア率いるウィザード軍とカミーユ=カイムン率いる侵魔軍は、突如、忘却世界内部から吹き上が
った強烈な神気に戦慄した。魔王も、ウィザードも区別無く、その神威に慄然とした。

 ある侵魔は、全身のプラーナの配列を掻き乱されて消滅した。
 あるウィザードは、その圧力に耐えかねて鼓動を停止した。
 ある侵魔は、絶叫し、自らの胸を引き裂いて、死の静寂の中に逃げ込んだ。
 あるウィザードは泣きながら、その存在にその身のプラーナの総てを捧げ尽くして消え去った。


51 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/01/11(日) 17:47:13 ID:LGXRIRKU
 彼女が気配を消すのを止めただけで、ウィザード軍と侵魔軍は、共に大きな混乱に見舞われ、瓦解した。
 魂を預けるに足る主と共になく、自らの脆弱な魂のみにて神の権限に立ち会った卑小なる者たちは。
 神の威容に耐えかねて、その精神を塗りつぶされ、魂を打ち砕かれ、永遠の安息を求めて暗黒の淵へと己が心を投げ込んだ。

「くっ! これは・・・・エルヴィデンス様の神気かッッ!!」
「うわっぁ・・・これは・・・・ごっつ、きっついですわ・・・」

 魔王達もまた、其の神威に打ちのめされ、本体と写し身の接続を保つのが困難になっていた。

「・・・・・・・すんまへんな、カミーユはん。ウチ・・・・・・ここで帰られてもらいまっせ」
「あッ! 待ってくれ、ファルファルロ― あれ? 他の皆は?」

 写し身を放棄するファルファルロウを呼びとめようとして、気付けば、他の魔王達は既に一人もいなかった。
 さては、ファルファルロウと同様に写し身を放棄し、部下も何もかも見捨てて裏界に帰ったか。
 或いは、錯乱したところを、辛うじて意識を保っていたウィザードに討ち取られたか。

「・・・・そんな・・・ここまで・・・・ここまで差があるのか? 裏界の侵魔と・・・・裏界に封じられなかった古代神とじゃ・・・・ここまで・・・・・」
「悪夢を見ているようだな、魔王。だが、安心しろ。今、この俺が楽にしてやる」

 聞き慣れぬ声に振り向けば、一人の夢使いがそこにいた。苛烈なる神気の中、荒い息をつきながらも、その瞳に意志の光を滾らせて。

「・・・・何故だ? ・・・・・・何故、お前は・・・この・・神気の中で、動ける? ただの人間が・・・魔王ですら耐えかねる神威の前で、何故ッ!!」
「人間だからだッッ!! 俺には家族がいる! 守りたい者がいる! 家族を守る為なら、敵が神だろうが魔王だろうが同じ事だ!!」

 夢使い、ナイトメアは魔王に向けて右手を翳し、全身からプラーナを放出し― そして、勢いよくその場から跳び退いた。
 一瞬前まで立っていた場所を、超高密度の巨大な瘴気の塊が通りすぎ、遥か背後でレーヴァテイン級の戦艦に当たり、撃沈した。

「ぐふふふふ。今のを避けるか。なるほど、なるほど。これが実体化せし幻夢神の夢、ウィザードか。なるほど」
「誰だッ!」

 声のした方を振り向くと、でっぷりと太った身体に豪奢な服を纏った、禿頭の中年男性の姿をした“ナニカ”が其処に居た。

「ぐふふふ。わしは、冥蛙王ヘルクストー。冥魔王だ。わしは最近、その女から色々とマナーを習っておるのでな。
 居なくなられると困るのじゃよ」

 荒れ狂う強大な神気の中で、冥魔王は涼しげな顔で名乗りを上げ、詐術長官は絞り出しすように問いかけた。

「・・・・・・ヘルクストー・・・? どうして、ここに・・・?」
「何、プリギュラから知らせがあってな。エルヴィデンスの婆さんが悪戯を仕掛けたから見に来いというので見物に来たのだが・・・
 どうやら、それどころではないようじゃな。さて、ウィザードよ。仲間を連れてさっさと帰るがいい。さすれば、見逃してやるぞ。
 侵魔軍は既に壊滅した。お前の仕事は終ったじゃろう。それに、今から百階ダンジョンを踏破しても間に合うまいて」
「見逃してやる、だと。それはこっちの台詞だ、蛙魔王!」

 威圧するように瘴気を漲らせる冥魔王に、ナイトメアは傲然と言い返す。震える拳をマントに隠し、冷や汗を押さえながら。

「確かに、俺の仕事は終った。ここにいるお前達は所詮写し身、倒しても逃がしても同じ事だ。その抱き枕を担いで、とっとと帰れ」
「ぐふふふ。では、お言葉に甘えさせてもらうかな。さあ、逃げ帰ろうか、カミーユ=カイムン。
 何、エルヴィデンスの婆さんには助けなどいらんよ。何せ、わしより格上なのじゃからな」
「・・・・・・・・・・・・・ああ、そうしようか、ヘルクストー」

 冥魔王は、神気に萎縮した裏界魔王を肩に担ぎ上げると、悠然と戦場を後にした。

「―――あれが、冥魔王か・・・・・・だが、この神気を放っているエルヴィデンスとやらは、あれ以上だと?」
 
 魔王と冥魔王を見送って、ナイトメアは身震いした。

 この神威は、知覚するだけで精神を魂を侵食する。一刻も早く、生き残った仲間を集めて、この忘却世界から離れなければならない。
 今の第八世界に、この神気に耐えられる者などいないだろう。

 その神の面前に立つ、二人の“世界の守護者”達と、その加護に守られし者達を除いては。

52 名前: ◆6H85fs.r4o :2009/01/11(日) 17:50:07 ID:LGXRIRKU
 今日はここまで。ちゃんと字数を計算した筈なのに、何故か「本文が長すぎます」の表示が出て手間取ってました。
 柊がアンゼ様をねじ伏せる展開を期待してた方、ごめんなさい。
 でも、柊の力は、戦闘力とは別のところにあると思うんですよ。
 詐術長官の扱いは……ノベライズ読む限り、ねぇ。
 ではまた次回。

53 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 18:04:48 ID:6oCcbOXZ
コジマメは、いい奴だなw

54 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 19:21:50 ID:CuPw6k5y
ここまで変わるもんか。
無茶苦茶読みづれぇなぁとか思ってたけど今回は普通にGJを言いたい。

あと>>51の2行目、権限→顕現かな

55 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 05:09:39 ID:qOqDwVYB
三人称書きなのに地の文の心情が一人称視点なのもよくないのかな……
誰かの心情は描かれてるのに行動原理が見えてこないというか。

あと基本的に説明文が足りてないとも思ったり。
クロスな以上はきちんと読者がついてこれるだけの説明文は必要だと思います。

えーとつまり、「○○したいから××する」という動機があるはずなんだけど、「○○したい」があまり描かれてない、
もしくは思考から行動にいたる道筋がつながってない。その間の説明がなされていない、というのがまだ違和感としてあります。

地の文は台詞と同量以上ないと、伝えたいこともうまく伝わらないのでは?
俺的には力が誰々と比べてどうとかは本気でどうでもよくて、
これだけいるキャラたちがどう絡んでどんな考えを持つのかの方が見てみたいなと思ったり


……いやまぁもう遅いんでしょうけどね。執筆頑張ってください

56 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 12:42:38 ID:ez1lya24
>>55
「このキャラならこう考えて、あのキャラにこう絡むからこういう展開になるだろうな」って考えて書いてなくて
「こういう展開にしたいから、このキャラはこう動いてもらって、あのキャラにはこう絡んでもらおう」という書き方に見えてしまうって事か?
作者さんは実際には一番目のようにきちんと道筋立ててるんだけど、それを文章にせずにすっ飛ばしちゃってるから二番目のように見えてしまうという

なんかこの作品は小説というよりもよりリプレイ……いやセッションログに近いんじゃないかと思った
小説ならその中の登場人物にとって展開される物語は現実で、ソレに対してリアルなリアクションを返す
セッションではPLからすればあくまで「セッションを成功させる」というメタな目的があるからPCとしての「○○したい」がある程度おざなりになることがある
それまでの経緯はともかくフラグ立ててクライマックス突入したからよーしボス倒すかーみたいなノリになったりもする

57 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 12:51:35 ID:sRck3fgj
>55
三人称視点で心情が一人称っていう表現自体は珍しくないよ?

>56
別人だが、僕もセッションログのノリで書いてるなあ。

58 名前:55:2009/01/12(月) 13:38:48 ID:qOqDwVYB
>>56
大体そんな感じ。

作者さんの中ではちゃんとあるんだろうけど、読者には伝わってこないというか
キャラの行動原理を理解できてること前提で書かれてるというか
前にも誰かがきくたけリプをそのまま小説形式にした感じと言ってたけど、そんな感じに見える。
なんつーか、一見さんには厳しい仕様?
キャラ把握が作者と同じレベル、同じ方向性でないと全体の把握ができないみたいな。

>>57
表現としては確かにあるんだけど、地の文一人称のキャラが結構入れ代わり立ち代わりするってのはちょっと。

キャラのストレートな感情があらわれるのはいいんだけど、
それをすることによってキャラへの感情移入を促す効果もあって、キャラクターに沿った視点が入るから
短くまとめておかないとそのキャラの話になるんだ。全体が一人称ならそれはそれで一人称の話になるからまとまるんだけどね。

で、その一人称視点が色んな人にわたると色んなキャラの内面が出る。その代わりまとまりが薄れる。
感情移入の効果も中途半端なまま終わるから、キャラに対してうまく愛着が持てない。
うまく締めてあれば確かに面白く感じる表現。まぁ難しいんですけどねー
未だにパワーバランス表現はいっぱい見るし。
何事も乱発すると新鮮味がなくなるのと、パワーバランス表現も演出の仕方を変えれば単なる不等号から話の魅力になるのにな、と。


長文失礼。
これだけ長く続けられる熱意があるんだから、もっと直す点を考えさえすれば面白くなるのに惜しいなーと思って。

59 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 14:10:35 ID:PmyRaap7
手厳しいな

60 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 14:24:15 ID:ez1lya24
>>57
セッションログのノリで書くのはぜんぜんいいと思うんだ、ギャグっぽくなるのもNWらしさだと思うし
ただ、他の作品だとそういうメタ的な笑いの部分と、作品内部世界のシリアス差の割合は丁度良くなってたのに対して
この作者さんの場合は後者描写が足りず、そのぶん前者を多くしすぎてるように思えるんだ
これがコメディ前回のギャグSSとかだとそういうのでも気にならないんだろうけど、仮にも「世界の危機」なわけで……

まぁこの作者さんが嫌いなわけでも、この作品が嫌いなわけでもないし
自分は作文も書けない人間なんでこうやってちゃんと書けるのはマジ尊敬
ラストまでどうなるか期待してます

61 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 16:27:54 ID:zGR0jEj0
本スレ42の964からの流れを思い出した。が違う気もする

62 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 21:10:01 ID:zViCxNwa
>>青き薔薇の巫女の作者様

 楽しく拝見させていただいております。
実は、本日ちょっと質問があるのですが…。
エリスの前に現れた老人ってもしかして…ブラッディさんではないでしょうか?
そして「あの男」と言うのは、もしやカワリーノさんでは…?

63 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 14:43:01 ID:gz2zZJuF
おいおい、作者さんが作中で言及してないものを直接訪ねるのは野暮ってもんだぜ、セニョリータ。

【天ボイスで】

64 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 22:10:31 ID:Jb249TXB
ちょ、今月のふぃあ通の星を継がない者第62話。
世界の狭間の酒場が!

矢薙声のマスターのビジュアルがかつてディアボロスと呼ばれた男に確定

65 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 22:24:05 ID:uaXM9Kvu
恐るべきシンクロニシティだな

66 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:13:55 ID:U2ar1LWT
>>64-65
き、きくたけ、貴様見ているなっ!wwwww
よると(ryさーん! 出番ですよー!ww

しかし、相変わらずアレな艦名だw

67 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:18:25 ID:3TmQPFpN
きくたけの場合本気で見ている可能性が否定できないから困る

68 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:21:16 ID:muzDHZ0k
未来からパクるスキルとはこういう事を言うのか
どんなコスト支払えばいいんだか

69 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 00:46:46 ID:cznUJFBh
水道管とか大学の単位とか。

70 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 04:40:57 ID:Tw4CxPdW
声優さんを養う為の外食費とか

71 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 14:13:49 ID:cznUJFBh
独身を貫くとか

72 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 14:40:51 ID:aDQwFpzr
20年くらい一線でリプレイ書くといいんじゃないか

73 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 15:37:38 ID:HIdCR31q
てか、「おーはた」のネタを振ったのはネタばれスレだったんだよな
そしたら「やすだ」だの「すずぶき」だの
果てには「ガイギャックス」まで・・・w

74 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 21:57:52 ID:iAkqFQiD
まあ「たくさんの異世界と繋がってる酒場」ってネタは卓ゲで前例がなくもないんだが
どうしてもこのスレを思い出すよなー

75 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/16(金) 22:01:18 ID:SQQfYrQS
フローティング・バガボンなんて実際にやったことがある奴がどれだけいるのかと

…いや、うちのサークルに持ってる奴いて卓立ててたけど

76 名前:みつやん:2009/01/17(土) 16:50:44 ID:aTbXwNAJ
ご無沙汰しました&明けましておめでとうございます(<今更)

年末にパソ子が反抗してデータを放棄しました。書き掛けのLOMクロス消えました(泣)
現在消えたところまで書き直し、続きをしたためているところです。量がやばいことになりつつあります(汗)
早ければ明日にも投下できるかもしれません。

ところで、クロス執筆のためにテンション上げようと、某笑顔動画の某異能者様の歌うNWアニメ組曲聴いていたら、歌詞が下りて来てしまいました。
柊サーガ+αのネタでの歌詞です。柊サーガなのに柊の出番少ないです。ほぼオールキャラです。しかも微妙に柊くれは(汗)
動画が作れれば某笑顔サイトに直接上げるんですが、パソ子の性能的にも、自分の技倆的にも不可能で……
「某笑顔動画サイトとのクロス!」とか言い張ってここに投下したりするのは流石にアウトですかね?(汗)

……最初、柊スレに投降しようとして反応がグレイだったからこっちに来たのは内緒です(ぉ)

77 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 17:39:28 ID:m6CI7jFG
>>76
それは避けたほうがいいぜよ!!
笑顔動画は避けたほうがいい。

78 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 17:54:43 ID:lBFg4wN7
もし投下するならテキストにしてロダに。んでアドをh抜きだと当たり障りないんじゃないかな
あと場所はメロンのネタバレスレだとなお宜しいかと

79 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 18:12:36 ID:WsBoPHbF
>>76
メロンには確か某笑顔で1シリーズ仕上げた猛者がいたはずだ。
多分他のNW系動画作った香具師もいるだろうから、あすこで振った方がいいんじゃね?
ただ、依頼とかそういう形では書かない方が良いだろうけど。

動画制作自体は俺もやったが、全然別物だからなぁアレ・・・・

80 名前:みつやん:2009/01/17(土) 18:13:22 ID:aTbXwNAJ
>>77様、>>78
やっぱ、ここはやめといたほうがいいのですね(汗)
なんか色々複雑そうなので、いつか頑張って動画作って直接あのサイトに投下すると、叶いそうもない決意を胸に、今はお蔵入りにします(ぉ)

そんでもって、LOMクロスの方はこの調子なら明日には投下できそうです。
うまくすれば、今夜の日付が変わる頃に……まだ不確定ですが(汗)

81 名前:みつやん:2009/01/17(土) 18:18:12 ID:aTbXwNAJ
>>79
リロードしないで読み漏らしました(汗)
まあ……動画製作、気長に精進します(汗) その前に文字書きの精進しろって言われそうですが……
……リアルの友達に頼んで作ってもらったほうが早い気もするなぁ……(ぉ)

82 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 21:48:36 ID:mE6ShxMz
そういえば、前スレの東京月匣の話って自然消滅?

個人的には、ヴァンパイア十字界の赤バラ王、ローズレット・ストラウスが絡んだらどうなるのか興味があります。

83 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 21:59:31 ID:O1oDHK7V
リレーSSはやる気のある人が複数いないと続かないからな
一人で書き続けるのもなんか違うし

84 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 23:16:10 ID:qW1lnzAm
寿司を食うことで無限行動するトレジャーハンターもやってきて冥魔を材料にした料理を食うんですね?

85 名前:みつやん:2009/01/18(日) 16:44:02 ID:Sxm2vlw2
リレー……楽しそうだな、とか思いつつ、東京を舞台にした話は、あんまり持ちネタがない子です。
絡められそうなのは、ドラよけくらいしか思いつかない(汗) 絶対、彼女のクラスは大いなるものだと思う。

何とか、『LOM〜異邦人の〜』の2章目、書きあがりました。
2つのエピソードを一章分に詰め込んだら、なんかバカみたいな長さになった。
「これ、エピソードごとに二つに分けるべき?」とか自分でも思ったんですが、章のタイトルが思いつかないのでまとめて投下しようと思います(ぉ)
何かスレをものごっつ消費しそうな予感です(汗)

この量は支援必須なんで、人が多く来そうな22時頃に投下するつもりです。
支援してやってもいいぜ! って方は、よろしくお願いします〜。

86 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 17:00:09 ID:1wXJR53t
>章のタイトルが思いつかないので
章のタイトルに「(上)」「(下)」って付ければ良いと思うよ!!

まあお好きにするがよろし。22時ごろPCの前にいれば支援しまっせ

87 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 20:38:42 ID:u0mKlcrZ
自分も支援いたしやすぜ♪♪♪
22時を楽しみにしています。

88 名前:みつやん:2009/01/18(日) 21:49:47 ID:Sxm2vlw2
>>86様のアドバイスに分けようかどうしようか迷ったけど、次いつ投下にこれるかわからないので結局一度に(汗)
>>87様も、支援待機ありがとうございます♪

ちょっと早いけど、投下始めたいと思います〜。
何かキャラ紹介とか、『柊らしく』を心がけてるうちに、ゲームの進み方と違う展開の仕方になってる部分が多くなってしまいました(汗)
どうかご寛恕くださいませ(汗)

89 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 21:52:56 ID:Sxm2vlw2
《セキ持つ者達 〜Jewels/Obligation〜》

「いい町だな、ここは」
 暖かな町並みと安穏な空気、道行く人々の明るい顔を見て、柊はそう独り言(ご)ちた。
 あの不思議な草人という生き物と話した後、柊はざっとユウの家の敷地内を見て回ってから、晴れた霧の先に現れた丘の下の町に向かった。ユウの家には家財道具の類は一通りそろっていたが、食料などは全くなかったため、買出しに来る必要があったのだ。
 買出しの軍資金は、サボテンが教えてくれたユウの隠し金庫から拝借したものである。最初は気が咎めたのだが、開けた先に金と一緒に入っていた『どうぞご自由にお使い下さい♪』とのメモ紙に脱力して、遠慮なく使わせてもらうことにしたのだった。
 ユウの家から町までは、柊の足で歩いて約二時間半と、それなりに距離があった。『ドミナ』と町の名を記したアーチをくぐった今、丁度町の店が動き始める時間帯だった。
 入ってすぐには、宿屋や酒場、道具屋など、旅人向けの店が立ち並んでいた。道行く旅人や店員達の表情は穏やかだが、彼らの殆どは、柊の目から見て“人間”とは称しにくい姿をしていた。
 動物の耳や尻尾を持つ獣人、植物と人が混じったような姿の者、昆虫を思わせる殻や翅(はね)を持つ者など、様々な姿が町並みを飾っている。彼らは互いの姿を奇異に見たり、差別するような素振りもない。その様子に、この世界の住人の姿は実に多種多様なのだと柊は察した。
 そもそも、喋るサボテンや草木の精のような姿の生き物もいる世界である。これぐらいでは、今更驚くに値しない。
 柊はまず、布を巻きつけて背に負ってきた魔剣の鞘をどうにかしなければならないと、武具を扱う店を探し――
「――おい!」
 響いた怒鳴り声に足を止め、声の方を振り返った。
「……タマネギ?」
 思わず、そんな呟きが柊の口から漏れる。
 そこにいたのは、大きなタマネギのような……というか紛うことなくタマネギ以外の何にも見えない頭部に、小柄な人の身体を持つ生き物。
「名前くらい名乗れよ!」
 そのタマネギ人間とでも称すべきその生き物は、自身の目の前で背を向けた相手にそう怒鳴る。
 怒鳴られた相手は、長身痩躯の青年。柊とそう年は変わらないように見える。ざらりとした素材の帽子とマント。端整な面立ちの半ばを隠す、緑がかった黒の前髪。マントに隠れているが、その腰には剣を帯びているようだった。
 青年は一瞥するように相手を振り返る。その胸元に、陽光を照り返す蒼い輝き。
 握り拳ほどもあろうかという蒼い宝石。襟元が大きく開いた服の胸元、直接素肌に張り付いているか、埋まっているかのように見えた。
 その宝石と同じ色の眼差しを剣呑に細め、青年は一言、
「――瑠璃だ」
 そう名を告げて、すぐ脇の店の中へと姿を消した。
「……ちっ、気分悪ぃなぁ……」
 残されたタマネギ人間は、短く舌打ちして踵を返し――その拍子に柊と目が合う。途端、纏っていた怒気が霧散した。
「おー、見ない顔だね? 旅の人?」
「あ? あ、ああ……まあ……」
 さっきまで怒鳴り散らしていた相手にいきなりフレンドリーな口調で話しかけられ、柊は思わず面食らう。まあ、絡まれるよりはよほどいいのだが。
 タマネギ人間は、腰に帯びていた簡素な作りの剣を示して、
「おれはタマネギ剣士のドゥエルさー! キミは、えーと、チャボくんかい?」
「誰だよチャボって!? 思いっきり初対面なのにあてずっぽで変な名前付けんな!?」
 思わずツッコめば、ドゥエルは楽しげな声で笑う。
「あっはっはー、キミ、ノリいいねー。そういうのは大好きさー!」
 名前は? と改めて名を問われ、柊は疲れた声で答える。
「俺は柊。柊蓮司」
「柊くんかー。よろしくさー!」
 あまりに懐っこく友好的なドゥエルの様子に、柊は釈然としない気分だった。こちらが地だとすれば、先程の怒鳴りっぷりは、よほど腹に据えかねることがあったのだろうか。
「なぁ、さっき、何か怒鳴ってたけど……」
 思わずそう問えば、ドゥエルは途端にむすっとした声で、
「そーなんだよ、失礼なやつがいてさー! 話すとちょっと長いんだけど……って、立ち話もなんだね」
 と、怒気を収めて首を傾ける。
「これから、道具屋にいる茶飲み友達のとこに行くんだけれど、一緒にどうだい? そこ、日用雑貨だけじゃなくて武具も扱ってるから、旅に役立つものもあるかもしれないさー!」
 その言葉に、柊は軽く身を乗り出す。
「武具……ってことは、鞘もあるよな?」
「当然さー!」
 でも、鞘だけ? と首を傾げるドゥエルに、柊は苦笑しつつ、
「それなら一緒させてもらうぜ。案内してくれよ」
 そう、誤魔化すように、先導を促した。

90 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 21:55:17 ID:Sxm2vlw2

  ◇ ◆ ◇

「はー、ついにドゥエルはんも、あのストーカー男の被害にあってしもたんやねー」
 ずずっ、と茶を啜りつつ、ドゥエルの茶飲み友達は、しみじみとそう呟いた。
 ティーポットとハトを足して二で割ったような、人間大の丸っこい容姿。笑みの形に細まった目のため表情はわかりにくいが、オーバーリアクションなために感情の動きはわかりやすい。名をティーポ――魔法で作られた人工的な生き物、量産型の“魔法生物”だという。
 道具屋を併設した主人一家の住居。その居間で、柊はドゥエルと共に、ティーポにお茶を振舞われていた。
「うちも、あの兄ちゃんには追っかけまわされたり脅されたりして、エライ目ぇあわされたわー」
 言いながら、その時のことを思い出したかのように、一つ身震いする。
「はー……災難だったなー、あんた」
「うぅ、ありがとーなぁ……あんたはエエ人で安心したわー。これ以上変なヤツ増えたらたまらんわー」
 柊の同情の言葉に、ティーポはうんうん、と大きな身体を揺らして一人頷く。
 ドゥエルとティーポの話では、先程の瑠璃という青年は、つい最近この町に現れた厄介者らしい。
 誰彼構わず詰め寄って、訳のわからない質問をした挙句、知らないと答えれば「隠すつもりか!」と怒鳴り、「言うまで離れない」と尾(つ)け回す。本当に相手が知らないとわかると、「時間を無駄にした!」と怒鳴って立ち去っていくというのだから、理不尽極まりない。
「しっかし、柊はん、立派な剣持ってはるなー」
 お茶と菓子が並んだテーブルに、場違いに置かれた一振りの長剣。それを見つめてティーポが呟く。
 先程まで居間にいた店の主人・マークに鞘を頼むため、柊が魔剣の布を解いて出したのだ。そのマークは店に鞘を取りに行って、まだ戻っていない。
「特に、この赤と青の宝石! この輝き、この大きさ! かなりの値打ちもんやろ! うち、剣のことはようわからんけど、宝石はちょぉ目利きなんや」
 柄に嵌った核の宝玉と、刃の柄元に嵌ったユウの宝玉を示して言うティーポの目に、若干危ないものを感じて、柊は慌てて剣を抱え込んだ。
「や、やらねぇぞ!?」
「そ、そんな警戒せんでも〜。刳り抜いて盗(と)ろなんて思てへんて〜」
「誰もそんなこと言ってないさ〜。そう思ってたの?」
 残念そうな声音で呟くティーポに、ドゥエルがツッコむ。
「なにゆーてはるのドゥエルはん! う、うちは別に……!」
 慌てるティーポを無視して、ドゥエルはお茶を一口。そして、溜息混じりに呟く。
「けど、いい加減、あいつをどーにかしないと困るのさー。ユウがいたら、宥めるなりおだてるなり叩きのめすなりして、どうにかしてくれただろうに……」
「――ユウ!?」
 ドゥエルの口から突然出てきたユウの名前に、柊は思わず立ち上がりながら叫んだ。
「ユウって、この町から見える丘にある一軒家の、金髪に青い目で、ちょっと小柄な……」
「え!? まさかユウ、帰ってきてるのか!?」
 驚いた風にドゥエルも椅子を蹴って立ち上がる。
「い、いや……ちょっと、ここに来る前に会って……あいつの家、今俺が借りてるんだけど……」
 言葉を選びつつ、しかし、嘘にならない程度に答えれば、ドゥエルは少し残念そうに席に着きつつ、しかし安堵のこもった声で、
「そうなのかー……でも、ユウ、無事だったんだな。長いこと音信不通だったから、旅先で何かあったのかと思って心配だったさー」
「……そうか……」
 柊も、席に着き直りながら、呟く。
「あいつは、ちゃんと帰ってくるよ。――絶対」
 必ず、人の姿に戻してみせる――その、決意を込めて。
「うちは会(お)うたことあらへんけど、そのユウって人、レイチェルはんとも友達なんやろ? その人帰ってきたら、レイチェルはんの引っ込み思案も直るかもしれへんねぇ」
 柊の決意など知る由もなく、ティーポがのほほんと呟く。新しく出てきた名前に柊は首を傾げた。
「レイチェル?」
「うちの娘でして!」
 勢いよく答えたのは、丁度店から戻ってきたマークだった。
 クワガタを思わせる角に、肩や背を覆う硬そうな殻。なかなかの偉丈夫で、彫りが深く渋い顔立ちの持ち主だが、今はでれでれと相好を崩して、自らそれらを台無しにしていた。
「十六になる一人娘でしてねぇ、もう可愛くて可愛くて。小さい頃はおてんばだったんですけど、最近はめっきり話さなくなってしまって。おてんばなのも心配なんですけど、あまり人見知りするのもやっぱり心配だし」
「は、はあ……? あ、あの、鞘……」
 持ってきた鞘を抱えたまま、流れるように語りだすマークに、柊は面食らいつつ声をかけた。

91 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 21:56:54 ID:Sxm2vlw2
 しかし、マークはその声が耳に入っていないのか、滔々と語り続ける。
「それが治るといいなぁ、なんて思って最近外でバイトさせてるんです。あ、“アマンダ&パロット亭”っていう酒場なんですけどね。けど、そうすると一緒にいる時間が――」
「――えぇっ!?」
 と、マークの言葉を遮る勢いで、ドゥエルが声を上げた。
「どうしはったんや、ドゥエルはん!?」
「“アマンダ&パロット亭”!? まずいのさー!」
 おろおろとうろたえた様子で、ティーポの言葉にドゥエルは答える。
「あのストーカー男がさっきその店に入っていったのさー!」
「えええぇぇぇぇぇッ!?」
 マークがこれ以上ないほど目を見開いて叫ぶ。
「どどどどどどうしようどうすれば!? レ、レイチェルに何かあったら……!」
「――何よー、うるさいわねぇ! どうしたのよ?」
 と、威勢のいい声と共に店の方からひょっこりと顔を出したのは、一人の女性。
 明るい桃色のロングワンピースを着込み、明るい茶の髪を大きく結い上げた、華やかな美人。背に負う大きな蝶の翅が、より華美な印象を与えていた。
「た、大変だジェニファー! レイチェ――」
「あら! あらあらあらあら!」
 声を上げたマークの言葉を最後まで聞かず、ジェニファーと呼ばれたその女性は、柊へと駆け寄る。
 椅子に座った柊の顔を覗き込むようにしながら、上機嫌な声を上げた。
「カッコいい子じゃないの〜♪ あなた、お名前は? あ、もしかしてレイチェルがバイト先でゲットした彼氏君!?」
「えぇっ!? そうなのかッ!?」
「んな訳あるかッ!? 俺はそのレイチェルって娘(こ)に会ったこともねぇよ! っていうか今それどころじゃねぇだろ!」
 ジェニファーの言葉に反応して詰め寄ってくるマークに、柊は全力でツッコむ。
「そ、そうだ! 大変だジェニファー! レイチェルが!」
「またぁ?」
 我に返って声を張り上げるマークに、ジェニファーが顔をしかめた。
「あなた、『レイチェルがレイチェルが』って騒ぎすぎよ〜。いい加減子離れしなさいな」
「お、お前は娘が可愛くないのか……!?」
「そんな訳ないでしょ! でももうあの子も子供じゃないんだから。あなたが過保護なの」
「まだ十六じゃないか!」
「もう十六よ! 大人とは言わないけれど、自分のことは自分でできる年でしょう」
「けど……!」
「――夫婦喧嘩しとる場合かいな!」
 口論し始めた二人の言葉を遮るように、ティーポが怒鳴る。
「ジェニファーはん、今回はマークはんの空騒ぎとちゃうで! あのストーカー男がレイチェルはんのバイト先に行ってもうたらしいんや!」
「それってティーポちゃんのことも追い掛け回したっていうあの男? まあ大変!」
 ティーポの言葉にジェニファーも顔色を変える。
「そんな変な男にレイチェルが絡まれたら、確かに心配だわ! どうしましょう!」
 困ったように頬に手を当てて、うろたえたように辺りを見回し――柊と目が合った。
「そうだわ! あなた!」
「……へ?」
 ぱっ、と顔を明るくして、ジェニファーは柊の抱えた剣を指し示す。
「そんな立派な剣を持ってるなら、それなりに腕も立つでしょう? うちの娘を助けてくれないかしら?」
「ああ、そうか!」
 マークも喜色を浮かべて柊に顔を向ける。
「鞘のお代は結構ですから、どうかレイチェルを例の変態から守ってやってください! お願いします!」
「わ、わかったから! 落ち着けって!」
 なんだか土下座でもしそうな勢いで言われて、柊は慌てて答える。
 どの道、ここまで話を聞いて放っておくつもりもなかったし、手持ちの金銭でいつまでやりくりすることになるかわからない現状で、マークの申し出はかなり助かる。断る理由はない。
「お願いします……!」
 頭を下げるマークから鞘を受け取って、抱えていた剣を収める。サイズは合っていたが、やはり合わせて拵えたものではないためにしっくりと収まるとまではいかない。
「すみません、うちは問屋から仕入れた既製品しか扱ってないもので……オーダーメイドはやってなくて」
「どっちみち、やってたとしてもすぐには無理だろ? ま、とりあえず背負えりゃいいさ」
 マークの言葉に答えながら、柊は鞘についたベルトを肩にかけて背負う。無理やり布と紐で背に括り付けているよりは収まりがいいし、すぐに抜ける。
「んじゃ、ちょっと行って来るわ」
 縋るような視線を背に受けながら、軽い調子でそう告げて、柊は道具屋一家の家を後にした。

92 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 21:58:43 ID:Sxm2vlw2

  ◇ ◆ ◇

「お前、何か知ってるのか! 答えろ!」
 店に入るなり、柊を出迎えたのは盛大な怒声だった。
 朝早いためか、店内は閑散としていた。客の姿も、店員の姿も一人ずつ。
 唯一の客は、今の怒声の主。先程、ドゥエルとやりあっていた青年――例のストーカー男、瑠璃。きつい眦を更に吊り上げ、目の前の少女を怒鳴りつけていた。
 唯一の店員は、怒鳴られているウェイトレス。紫がかった長い黒髪に、翡翠の瞳。端整な面立ちだが、無表情なために人形めいた印象がある。背中の透き通った薄い翅も相俟って、妖精のようにも見えた。
 その面立ちには、微かにジェニファーに似た面影があった。おそらく、彼女がレイチェルだろう、と柊が思った時、
「オレを怒らせるな……」
 瑠璃が押し殺したような声と共に、レイチェルへと歩を進めた。
「――待て!」
 剣すら抜きかねないような剣呑な様子に、慌てて駆け寄り、柊は二人の間に割って入る。
「うるさい、取り込み中だ」
「武器持った人間が素手の人間脅してるのを見過ごせるか!」
 怒気も露わに睨みつけてくる蒼い瞳を睨み返して、柊は怒鳴り返す。
 柊の言葉に瑠璃はむっとしたような表情で、
「誰が脅している! オレは連れの行方を尋ねていただけだ!」
「……連れ?」
 意外な言葉に、柊は目を瞬く。横目でレイチェルを振り返り、確認する。
「……そうなのか?」
 こくり、と小さくレイチェルは頷いた。
「で、何か知っているのか! お前は!」
 怒鳴る瑠璃に、レイチェルはびくりと身を震わせて後退る。無表情な面の中で、翡翠の瞳が怯えた色を宿した。
 柊はレイチェルを庇うように立ちながら、瑠璃を呆れたように見遣って、
「あのなぁ、んな風に聞かれたら、怯えて答えられるもんも答えられねぇだろうが。ちっとは落ち着けよ」
 ぐっ、と詰まったように瑠璃は言葉を飲み込む。次いで、気まずそうな、戸惑ったような表情を浮かべた。
 その様子に、柊は軽く目を見開く。この青年は皆が言うほど悪い人間ではないような気がしたのだ。
 青年の蒼い瞳には濃い焦燥の色。彼はただ話すのが下手で、焦りから粗暴な言動になってしまっているだけなのかもしれない。
「で、あんたは連れを探してるんだな?」
 柊はそう問えば、青年は目の色を変えて身を乗り出す。
「お前、何か知ってるのか!?」
「だから落ち着け! 俺はお前の連れがどんなやつだか知らないんだから、答えようがないだろうが!?」
 額がぶつかりそうな勢いで詰め寄ってくるのを手で制しながら、柊は瑠璃の早計さを咎める。おそらくは今までもこのように、誰かの何気ない言動を自身の連れにまつわることだと思い違えて、相手に付きまとったのだろう。
 柊の言葉に、瑠璃は言葉を呑むように身を引いて、自身を落ち着かせるように息を吐く。それから、静かな声で答えた。
「長い茶の髪で、白いドレスを着ている。妹みたいなものなんだが……」
「あんた、ここ最近この町で訊いて回ってたそうだけど、いつはぐれたんだ?」
「三日前、この町に来る途中だ。あいつには身を守る術がない。もし何かあったら……」
 答える言葉の端々に、不安と焦燥が滲んでいる。
 妹、と言うからには、その相手は瑠璃より年下なのだろう。無力な十代以下の少女が知らない場所で一人になったとすれば、やや過剰なほどの瑠璃の態度もわかる。
「そりゃ、ほっとけねぇな。……よし、俺も一緒に捜してやるよ」
「――え?」
 柊の言葉に、瑠璃は目をまん丸に見開いた。目つきの悪さが緩和されて、どこか幼い表情になる。
「オレと一緒に、か……?」
「当たり前だろ。俺、あんたの連れの顔知らねぇし」
 柊の言葉に、瑠璃はますます戸惑った表情になる。まるで、彼が幼い迷子のようにも見えた。
「でも、オレ達に関わると……」
 逡巡するような言葉。迷うように視線を彷徨わせ――ややあって、決意するように柊の目を見返す。
「いや、助かるよ! 頼む」
 その言葉に柊は、にっ、と不敵な笑みを返して、
「うし! じゃあ、とりあえず訊き込みしてみるか。……あ、さっきみたいに怒鳴って問い詰めんじゃねぇぞ」
「う、うるさい! 言われなくともそんなことはわかってる!」
 そう答える傍から怒鳴っている。こんなので大丈夫か、と柊は不安を覚え――くん、と服を引かれる感覚に後ろを振り返った。

93 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 21:59:41 ID:C+1x7PuX
そういや柊の魔剣の宝石ってシャードなのかな 支援

94 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 22:00:03 ID:Sxm2vlw2
 庇っていたレイチェルがおずおずと柊を見上げ、蚊の泣くような小さな声で、
「……これを……」
 呟き、手に持ったものを差し出した。
 それは、レイチェルの瞳と同じ色をした石だった。大きさといい、形といい、鶏卵を思わせる。
「……これは?」
 呟きながら、柊は差し出されるままにその翡翠の卵を受け取り――刹那、

 ──碧く、淡い光を宿した岩壁の洞窟が、脳裏を掠めた。

「……今の……?」
「……どうした?」
 唐突に駆け抜けたイメージに立ち尽くして呟く柊に、瑠璃が訝しむように声をかけ、
「それ……!」
 柊の手の中にあるものに気づいて、顔色を変える。
「真珠姫の香りがする……!」
 瑠璃のあまりといえばあまりな発言に、柊はすっ転びそうになった。
「香りって……犬かお前は!?」
「う、うるさい! 匂いって意味じゃない! 何かこう、真珠に……オレの連れに関わる感じがするんだ!」
 本人も、言葉を選び違えたとは感じたらしい。柊のツッコみに顔を赤らめて怒鳴る。
「つまり、気配ってことか?」
「そう……そう、気配だ!」
 柊の言葉に、我が意を得たりと頷いた。
「レイチェル、これ、どうしたんだ?」
 柊が問えば、レイチェルは瞳に不思議そうな色を宿して見上げてきた。
「……名前……?」
「――ああ。あんたの両親がやってる道具屋で、あんたのこと聞いたんだ。『うちの娘のレイチェルが酒場でバイトしてる』って」
 初対面の相手が自身の名を知っていることを訝しんだらしいレイチェルの様子に、柊は簡潔に答える。――瑠璃から守るよう頼まれた、という事実は、敢えて告げなかった。ここでそれを口にすれば、瑠璃を刺激するだけだろう。
 柊の答えに、納得したような色を瞳に宿すと、レイチェルは先程の柊の問いに答えてくれた。
「……おととい、町の外れで……白いドレスを着た、わたしと同じくらいの年の女の子が、落していったの」
「――真珠姫だ!」
 瑠璃が身を乗り出して叫ぶ。柊を突き飛ばすような勢いでレイチェルに詰め寄ると、
「そいつはどっちに行った!? どこに行ったんだ!」
「……だから落ち着けって!?」
 今にもレイチェルの襟首掴んで揺さぶりかねない瑠璃の様子に、柊は慌ててブレーキをかける。
「えーと、その娘(こ)がどこ行ったかわかるか?」
 瑠璃を制しながら問う柊に、レイチェルはただ首を横に振って答える。
「だよなぁ……」
 はあ、と溜息を吐きながら、柊は頭を掻く。結局手がかりなしか、と思いかけて、
「……洞窟……」
 先程、脳裏に浮かんだ光景を思い出して、我知らず呟きが漏れた。
「……洞窟って……メキブの洞窟……?」
 その、柊の呟きに反応したように、レイチェルが言った。
「メキブ?」
 瑠璃が、片眉を跳ね上げて彼女に問う。
「この町からちょっと離れたところにある、鍾乳洞です……昔は、翡翠が採れることで有名だったそうですけど……」
「翡翠……!?」
 レイチェルの説明に、瑠璃は声を上げる。その視線は、柊の手にした卵形の翡翠に。
「間違いない! 真珠がいるのはそこだ!」
 その洞窟はどこだ! と叫ぶ瑠璃に、レイチェルはおずおずと、
「……けど、そこは今、モンスターが棲みつく危ない場所で……」
「モンスター!? 真珠が危ない! 急がないと……!」
 止めるつもりで言っただろうつもりの言葉は、完全に逆効果だったようだ。瑠璃は血相を変えて叫ぶ。
 レイチェルは、助けを求めるように柊を見遣る。しかし、
「んなとこに女の子が一人でいるとしたら、確かにやべぇな」
 柊としても、瑠璃の意見の方に賛成だった。
 腰に携えた剣や立ち振る舞いから察するに、瑠璃はそれなりに遣える方だろう。その洞窟に棲むというモンスターというのがどれほどのものかはわからないが、少なくとも自分の身は自分で守れるはずだ。柊自身も、大抵の危機を切り抜けられる技倆はあると自負している。
「道、教えてくれねぇか? その娘が危ねぇんだ」
 言外に、止めても無駄だという意志のこもった柊の言葉に、レイチェルは折れたように、小さな声でその洞窟への道順を告げた。

95 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 22:03:08 ID:Sxm2vlw2

  ◇ ◆ ◇

「で、こっからどうするよ?」
 苔生す湿気た空気の中、柊は後ろに立つ瑠璃に声をかけた。
 あの後、すぐにドミナの町を出て、目的の洞窟についたのは昼過ぎだった。
 洞窟に着いたはいいが、入って早々分かれ道に出くわして、柊は瑠璃にそう声をかけたのだ。
 しかし、瑠璃は柊の言葉など耳に届いていないかのように、どこか遠い眼差しで、
「――煌きを感じる……」
 その呟きと共に、きぃん、と高く澄んだ音を発して、胸の蒼い宝石が煌いた。
「間違いない! 真珠姫はここにいる!」
 叫んで、分かれ道の一方へと駆けて行く。
「おい、待てよ! わかるのか!?」
「ああ! 共鳴はこちらからだ」
 追い駆けながらの柊の問いに、瑠璃は迷いなく即答する。
 共鳴とは、先程の宝石の煌きのことだろうか、柊がそう思った時。
 耳障りな甲高い鳴き声と共に、十数の気配が二人を取り囲んだ。
「――バットムか!」
 己達を取り囲んだ異形の蝙蝠のようなその姿を目にして、瑠璃が忌々しそうに叫ぶ。同時に、腰の剣を抜き放った。
「なるほど、これがモンスターか」
 柊も呟いて、背の剣を抜き放ち、刹那、
 一閃――岩壁が放つ碧い燐光を照り返し、白銀が赤と青の線を伴って弧を描く。
 ぎぎゃっ、という聞き苦しい悲鳴と共に、数匹の異形が一振りの刃になぎ払われ、地に落ちた。
「――な……」
 抜刀と共に敵の半数近くを散らした早業に、瑠璃が呻いて柊を振り返る。
 それに柊は不敵な笑みで答えた。
「余所見すんな、相手はまだいるぜ!」
 残ったバットム達は、一撃で仲間を散らされたことで警戒したのか、洞窟の高い天井すれすれまで飛び上がり、こちらを窺っている。
「ったく……面倒だな、おい」
 剣を肩に当てて、柊はぼやく。月衣を展開して飛び上がるか、と腰を落した時。
「……オレがやる」
 言って、瑠璃が剣を腰元に構える。そこで、柊は初めて気づいた。
 剣を取る彼の右腕は人のものではなかった。肩から指先にかけてまで、ごつごつとした青みがかった岩の肌。鈍い輝きを放つ不揃いの小さな石が、ぽつぽつと埋まりこんでいる。
 その小さな石達が、岩壁の燐光を取り込むように輝きを増していく。輝きは、見る間に右腕全体に広がり、その先の刃まで伸びていき――
「――レーザーブレード!」
 裂帛の気合を込めた声と共に、剣を包んだ輝きは巨大な閃光の刃となって伸び上がり、頭上に留まっていた異形達を一掃した。
 へえ、と思わず柊の口から感嘆の声が漏れる。と、その声に反応するように、瑠璃が柊を見遣った。
「……あんたの方こそ、半端じゃない技倆(うで)だろう。何者だ?」
 その声には、警戒の響き。一閃でモンスターを散らした柊の業に、疑心が首をもたげたらしい。
「そういや、まだ名乗ってなかったな。俺は柊蓮司。魔剣使いだ」
 その問いに、柊は敢えて軽く答えてみせた。その態度に毒気を抜かれたのか、瑠璃は溜息と共に名乗り返す。
「……オレは瑠璃。真珠姫の騎士だ」
「……ひ、姫の騎士ぃ?」
 小恥ずかしいその名乗りに、柊は思わず素っ頓狂な声で繰り返した。

96 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 22:04:27 ID:Sxm2vlw2
 と、それが呼び水になったように、一人の男の声が脳裏に響く。

『さすがは、こちらの世界の“――の守護騎士”、といったところか』

 それは、かつて刃を合わせた異界の騎士が、柊へと向けた言葉。しかし、その一部にかかる妙なノイズに、柊は眉をしかめる。
(……あいつは、俺を誰の騎士と呼んだ?)
 いや、それ以前に、そもそも――
(どうして、俺は、あいつと刃を交えた?)
 守らなければ、取り返さなければ――その思いで剣を振るっていたのは覚えているのに、何を守ろうとしていたのかが思い出せない。
 脳裏に、ぼんやりとした輪郭で浮かぶ、誰かの影――
(誰だ――?)
 思い出さなければいけない。そんな焦燥に駆られて、柊は思考の内に沈みかけ――
「……おい、どうした!?」
 焦ったような声に、意識を外へと戻された。
「……瑠璃……?」
「いきなり、頭抱えて立ち尽くして……どうしたんだ」
 案じるような視線で問われ、柊は頭を振る。
「いや……何でもねぇ。急ごう、次はどっちだ?」
「あ、ああ……こっちだ」
 先導する瑠璃の背を追いながら、今はともかく、彼の連れをここから助け出す方が先だと、柊は意識を切り替えた。

 ──脳裏に浮かぶ、誰かの影と、それが齎す焦燥を振り切って。

  ◇ ◆ ◇

(なんなんだ、この男は)
 後についてくる男をちらりと視線だけで見遣りながら、瑠璃はそう思わずにはいられなかった。
 見慣れぬ衣装を着た、生粋の“人間”らしいこの男。
 獣人のような速さや力のないただの“人間”相手ならば、例え剣を帯びていようと、何か思惑があってもあしらえる。最初は、そう思って協力の申し出を受けた。しかし――
(とんでもない剣士だ、この男)
 剣に手をかけた、と思ったら、次の瞬間にはモンスター達が地に這っていた。あれが自身に向けられていたら、と思うとぞっとする。
 手にした剣も気になった。正確には、剣に嵌った二つの宝玉。どうにもただの石にはない、強い力を感じる。男が自身を“魔剣使い”と称したのは、この宝玉を抱いた剣故だろう。
 共鳴がないから、あの二つの宝玉は“核”ではない。しかし、この男が力ある石を欲する者だとすれば、自身や姫の“核”も狙わないとは言い切れない。
 こいつが“核”を狙う狩人ならば、みすみす己の姫に会わせる前に、相打ち覚悟で倒さねば。そうとまで思った。しかし、どうも、こちらの“核”に興味を示す素振りも無い。
 思惑が見えない。巧妙に隠しているのか、そもそもそんなものなどなく、単におめでたいだけか。
 言動だけ見れば、無償で協力を申し出たり、目の前で隙だらけで立ち尽くしたりと、後者に思える。しかし、徒者(ただもの)には思えない技倆の高さと、剣に嵌った二つの宝玉が、信じることを躊躇わせる。
 瑠璃が今まで会った人間は、簡単に三種類に分けることができた。無関係の他人、こちらのことに無知で無害な利用できる相手、こちらのことを知って寄ってくる倒すべき敵。
 しかし、この男はどこに分類していいのかわからない。
 姫捜しに手を貸してもらっている時点で、既に無関係とはいえないほど関わった。
 敵意がなく、こちらのことに無知らしい、という部分では利用すべき相手だ。しかし、その技倆は到底無害とはいえない。
 ならば、害になる前に倒すべきか。しかし、相手に敵意がない。挑んで藪蛇になるのも馬鹿馬鹿しい。しかも、そうなった場合、勝てるかどうか怪しい。
(なんなんだ、この男は)
 どうにもペースを崩される、初めて会うタイプの相手に、瑠璃はただ困惑するしかなかった。

  ◇ ◆ ◇


97 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 22:06:06 ID:Sxm2vlw2
 蜜に群がる蜂のように寄ってくるモンスター達を蹴散らしながら、柊と瑠璃は洞窟の奥へと進んでいく。
 途中、バットムだけではなく、歩くキノコやら、ウサギとカエルを足して二で割ったような妙な生物やら、様々なモンスターが現れたが、どれも二人の敵ではなかった。瞬く間に散らして、先を急ぐ。
「……近いな」
 ふと、瑠璃が足を止めて呟いた。その胸元で、再び閃く蒼い煌き。
 どの辺だ? と、柊が声をかけるより早く、
「――遅かったじゃないか」
 第三の声が、唐突に響いた。
 瑠璃と共に、はっとなって振り返った先に―― 一人の女がいた。
 匂い立つような色香を漂わせる、妙齢の女。均整の取れた肢体をチャイナドレスのような衣装に包み、結った茶の髪を大きな赤い花で飾っている。
 一瞬、柊は彼女が真珠姫かと思ったが、すぐに違うと気づいた。彼女はどう見ても柊達より年上に見えるし、服の色も緑を基調としたものだ。瑠璃やレイチェルの話では、真珠姫はレイチェルと同じ年頃の、白いドレスを着た少女のはずだ。
 そして、柊のその判断が正しいことは、その女の言葉によって証明された。
「真珠姫ならこの奥だ。早く助けにいってやれ」
「……なんだと?」
 瑠璃が、警戒も露わに、険のある声を紡ぐ。
「何者だ? なぜ、真珠の名を知っている?」
 抜いたままの刃を今にも向けかねないような剣呑な声音を、女は悠然とした笑みで受け流す。
 流れるような優美な動作で瑠璃から柊に視線を移すと、僅かに笑みを消して告げる。
「それと……君、あまりコイツらに関わらない方がいい」
「は……?」
 意味がわからず呻く横で、瑠璃の気配が強張る。
「アンタ……オレ達の何を知っている……?」
 どこか怯えすら含んだようなその声に答えるように、女は嫣然と微笑んで柊へと告げた。

「――君が石にならないといいけど」

「……っ!」
 その言葉に、瑠璃が大きく息を呑むのがはっきりとわかった。尋常でないその様子に、柊が案じる言葉を投げるより早く、
 絹を裂くような悲鳴が、洞窟の奥から響き渡った。
「……真珠!」
 瑠璃が我に返ったように叫んで、血相を変えて駆け出す。
「おい、瑠璃!」
 慌ててその背を追って駆け出しながら――奥の様子を隠す岩陰の向こうに行く寸前、一度、あの女を振り返った。
 女は、変わらず嫣然と微笑んだまま、どこか冷ややかなその翠色の眼差しで、こちらを静かに見つめていた――

  ◇ ◆ ◇

「……って、なんじゃこりゃぁぁぁ!?」
 瑠璃を追って飛び込んだ先にいたものを見て、柊は思わず絶叫した。
 それは、猿だった。どこからどう見ても、猿以外の何者でもなかった。縦にも横にも柊の倍はありそうな大猿が、巨大な斧を振り回し、瑠璃を追い掛け回していた。
「おい! 暢気に驚いてる場合か!」
 瑠璃が、必死に大猿の攻撃を躱しつつ叫ぶ。
 予備動作が大きいので、斧そのものを避けるのは容易いが、問題は斧に砕かれて飛び散る岩の破片の方だ。破片といっても、瑠璃の頭ほどの大きさがある。まともに食らえば致命傷になるだろう。
「真珠姫は!?」
「わからん! けどここにいるのは確かだ! 多分、その辺の岩の陰に……!」
 柊の問いに答えながらも、瑠璃は再び繰り出された斧の一撃と、岩の欠片を躱す。
 ここは洞窟の行き止まりらしかった。真珠姫のものと思しき悲鳴は奥から聞こえたのだから、瑠璃の言う通り、ここにいるのは間違いない。
 ついで、大猿を観察する。これだけの図体、大斧を振り回すこの体力。半端な攻撃では、動きを止めるどころか、ただ怒りを煽って暴れ方が酷くなるだけだ。そうなれば、物陰に隠れている真珠姫も危ない。柊はそう読んで、
「……俺が動きを止める! 瑠璃、さっきの大技ぶつけてやれ!」
 言うが早いか、柊は碧の燐光を放つ地を蹴って大猿へと迫る。
「風よ、踊れ――《エア・ダンス》!」
 言霊に従い、巻き起こる風が柊の背を押した。瞬く間に大猿の懐に飛び込む。
 大猿は、目の前に飛び込んできた新手に、むっとしたように足を振り上げた。蹴り飛ばすつもりらしい。
 柊は、ぎりぎりまで引きつけて、蹴りが放たれた瞬間、相手の脇に跳んで蹴りを躱す。同時に、目の前の軸足に思い切り刃を突き立てた。

98 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 22:08:06 ID:Sxm2vlw2
 形容し難い耳障りな悲鳴と共に、大猿がバランスを崩して膝を突く。下敷きにならないよう、剣を引き抜いて飛び退きながら、柊は叫んだ。
「やれ!」
「――レーザーブレード!」
 気合の声と共に、振り下ろされた閃光の刃が大猿の肩を捉える。そのまま深々と切り裂かれ、握力を失ったその手から斧が離れて落ちた。
「……やったか!?」
「……まだだ!」
 片足を貫かれ、片腕を使えなくされても、猿はまだ動いていた。残った二肢で、忌々しい小さな生き物を葬ってやろうと腕を振り上げ――
「これで――」
 その頭上に、柊は足場として展開した月衣を蹴って飛び上がる。
「――終わりだッ!」
 叫んで、手にした刃を、柊は水平に振るった。
 自身の眼前、大猿の真上。そこにある巨大な鍾乳石の付け根に向けて。
 天井から切り離されたつらら状の石は重力に従い、片足の機能を失って動けない大猿の上へと落下し――
 けたたましい破砕音と土煙が晴れた後、砕けた岩の下で、大猿はもはや、ぴくりとも動かなかった。
「……やったか」
「今度こそ、な」
 剣を収めながら言う瑠璃に、柊も刃を収めて答える。
 一つ息を吐いて、瑠璃は大きく声を張り上げた。
「真珠姫!」
 辺りを見回しながら、更に声を張り上げる。
「どこだ!」
「……瑠璃くん?」
 その声に答えて、どこか頼りなげな声が響いた。
 声と共に奥の岩陰から現れたのは、十六、七の少女。
 ふんわりとした茶の髪に、夢見るように潤んだ翡翠の瞳。小柄な体躯、愛らしい顔立ち。穢れない白のドレスがよく似合う、なよやかなしぐさ。その姿も、雰囲気も、ほんの少し目を放せば消えてしまいそうなほど、儚い印象がある。
 もじもじと頼りなげに合わせる両手の下、その胸元には純白の輝き。瑠璃と同じように、彼女の胸元もまた、大きな宝石に飾られている。
 きぃん、と澄んだ音と共に、蒼と白の煌きが、二人の胸に閃いた。
 この娘(こ)が真珠姫か、と柊が納得するのと同時に、瑠璃が飛ぶような勢いで少女に駆け寄る。その両の肩を掴むように抱きながら、血相を変えて訊いた。
「核は傷ついてないか?」
(……核?)
 瑠璃の言葉に、柊は眉を寄せる。瑠璃の視線からして胸の宝石のことのようだが、彼女自身の安否より、宝石の方が大事だというのだろうか。
「ええ……だいじょうぶ」
 小さく頷いて、少女は答える。その声も、まるで綿菓子のようにふわふわと頼りない。
 その言葉に、安堵の息を吐くと、瑠璃は一転して怒りの色を瞳に浮かべた。
「一人でウロツクなと、あれほどいったじゃないか。どうしてこんな所に?」
「考えことをしていたの……いろいろ……」
 頼りなげに答えるその声は、まるで夢想の中をただようかのよう。その瞳はどこか遠く、夢見るように虚空を見つめている。
 その瞳を覗き込むようにして、瑠璃は強く頭を振った。
「今は何も考えなくていい。今はおとなしく、オレに守られていればいい……」
「でも……」
 戸惑うように声を上げる少女の様子に、ついに瑠璃は声を荒げた。
「いい加減にしろ!」
 洞窟内にこだまするような怒声に、びくり、と身を震わせて、少女は縮こまる。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
 怯えたように謝り続ける少女の様子に堪りかねて、柊は思わず二人の間に割って入った。
「おい、瑠璃! 心配だったのはわかるが、いくらなんでも言い過ぎだろ」
「アンタは黙っててくれないか」
 ぎろり、と射殺せそうな眼差しで瑠璃は睨んでくる。それを睨み返して、柊が答えるより早く、
「……このひとは……?」
 不思議そうに首を傾け、柊に視線を向けた真珠姫が訊いた。
 柊が自己紹介しようと視線を合わせると、ぽっ、と頬を朱で染めて、顔を俯けてしまう。柊が戸惑っている間に、瑠璃の後ろへと隠れてしまった。
 瑠璃は、自身の背に隠れた少女を溜息混じりに振り返る。その様子からして、彼女のこの態度はいつものことらしい。
「柊蓮司。お前を捜すのを、手伝ってくれた。変わったヤツさ」
「そ、そうなんだ……」
 瑠璃の答えに、真珠姫はおずおずと柊の方へと歩み寄る。

99 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 22:09:13 ID:Sxm2vlw2
 柊と視線が合うとまた頬を染めて俯いてしまうが、もじもじと手を合わせ、懸命に顔をあげて、
「――そろそろ行くぞ」
 その彼女の言葉を待たず、瑠璃が告げた。真珠姫は、戸惑ったように彼を振り返る。
「でも……」
「じゃあな」
 その言葉を遮るように、柊へと別れの言葉を告げて、瑠璃は出口の方へと歩み出した。
 真珠姫は戸惑ったようにその背を目で追う。それから柊に視線を戻して、意を決したように口を開いた。
「あの……あ、ありがとう……」
 蚊の鳴くような声でそう告げて、ぽっ、と耳まで赤くなる。
 岩陰から出ようとしていた瑠璃が、振り返って声を上げた。
「行くぞ」
「ごめんなさい。いま、いくわ」
 そう返してから、真珠姫はもう一度柊を見上げて、
「蓮司おにいさま。あの……これ、お礼です……」
 言って、腰に下げていた小さな荷袋から取り出したものを差し出した。
 真珠姫が差し出したものを見て、柊は思わず固まる。
 彼女のお礼の品は二つ。一つは、淡い紫色の、スズランのように俯いて咲く花を模した小さなランプ。スズランにしては花の形が少し違うので、別の花かもしれないが。まあ、これはいい。
 問題はもう一つの品。表面がざらりとした、まん丸の白い石。その中心には黒丸が描かれ、ぎろりとこちらを睨んでいる。――どこからどう見ても、目玉のようにしか見えない。かなり不気味である。
「蛍袋のランプと、石の目玉です……どうぞ」
 なるほど、スズランではなくホタルブクロだったか。けどやっぱりこっちは目玉なのか。お礼に目玉の置物ってどうなんだ、嫌がらせか――そんな言葉が胸を渦巻くものの、何の裏も悪意も見えない、夢見るような翡翠の瞳を前に、そんなことを言えるわけもなく。
「あ、ありがとぉな……」
 引きつった笑みで受け取って、引きつった声で礼を告げる。
 その言葉に、少女ははにかんだような笑みを浮かべると、急いで騎士の後を追って行った。
 二人は寄り添って、岩陰の向こうへと消える。その姿を見送って、
「……どうしろってんだ、これ」
 どう扱ったものかわかりかねる品を手に、一人呟いた柊の言葉は、聞く者のいない洞窟内で、虚しくこだました。

  ◇ ◆ ◇

 ちなみに。
 洞窟内で散々迷って、やっとこさ抜け出た頃には既に夜更けだった。町よりも家が近かったために買出しを諦め、空きっ腹を抱えて家へと帰り着いた柊に、サボテンが一言。
「迷子も楽し」
「楽しくねぇよッ! 他人事だと思ってテキトー言いやがってこのサボテンがーッ!?」
 返して叫ぶ柊が涙目だったりしたのは、まあ余談である。

100 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 22:10:33 ID:Sxm2vlw2
《メイワクな子供達 〜Trouble makers/Lost children〜》

 目が覚めれば、窓から差し込む日は既に高かった。
「……腹減った」
 ぐぅぅぅ〜〜〜、と自己主張する胃袋を押さえてベッドの上に身を起こし、柊は情けない声を上げる。
「ちょっとうるさい、ですよ」
「しょーがねぇだろ! 腹減ってんだよ! いいよな、お前は水で済むから……」
 サボテンの言葉に返す声も、空腹のあまり尻すぼみになる。
 結局、昨日は瑠璃に付き合って洞窟に行ったため、買出しもできず、きちんとした食事を取ることもなかった。せいぜい口にしたのは、ティーポに出してもらった茶菓子くらいである。
 間の悪いことに、月衣に持ち歩いている非常食は、この間の任務の最中に食べ尽くしてしまっていた。無いとわかっているのに月衣の中を漁るのも虚しく、昨日は着替えだけを出して着替え、力尽きるようにベッドに倒れて寝入ったのだった。
「しゃーねぇ、動けるうちに買出し行くか」
 ぼやいて、勢いよく立ち上がる。このままだと空腹のあまり動くのも億劫になりかねない、と手早く身支度を整え、
「サボテン、ちょっと出かけてくるから、留守頼むな」
「おみやげ話、よろしく。ですよ」
 サボテンとそんなやり取りを交わしてから、階段を下りて、玄関を開けた。
 途端、
「――大変よぉ〜〜〜〜〜ッ!」
「どぅわ!?」
 開けた先にいた相手からドアップで甲高い絶叫攻撃を受けて、思わず仰け反った。
「な、なんだぁ……?」
 呻きつつ、一歩引いて、絶叫の主を観察する。
 それは、人間大のペリカンだった。洋画などで見覚えのある円筒型ポスト、その蓋のような帽子を被り、くちばしの袋には“〒”のマーク。その高い声や話し方からして、どうやら女性(メス?)らしい。
「大変よ! 大変!」
「何がだ!? つか、お前誰だよ!? うちに何の用だ!?」
 ばたばたと羽を動かしながらひたすら喚き続けるのに、柊が堪らずツッコむと、相手はぴたりと動きを止めて、
「ミーはキュートな郵便ペリカン♪ トウディもバリバリ、配達配達♪」
 何故か、変な歌を歌いながら答えた。
「やっぱペリカンなのか! ……って、郵便屋ってことはうちに何か届けんもんか?」
「そ〜よ〜♪ はい、お手紙〜♪」
 柊の言葉に頷くと、ペリカンは自身のくちばしの袋に羽を突っ込んで、器用に中から一枚の葉書を取り出した。
「……な、なんか微妙にヤな感じだな……」
 柊は思わずボソリと呟く。ヒトの口(というか、ペリカンのくちばし)から出されたものを受け取るのは、ちょっと抵抗がある。人として。
「ん? どうかしたの?」
「い、いや……なんでもねぇ……」
 不思議そうに首を傾げて葉書を差し出してくるペリカンに、柊は力なく頭を振って答える。そうして、恐る恐る、といった手つきで葉書を受け取った。
 葉書は、特に汚れもなく、綺麗な状態だった。これでなんか濡れてたりしたら、という内心の不安が杞憂に終わって、柊はとりあえず安堵の息を吐いた。そうして、改めて葉書を見る。
 葉書の宛名には、柊の名前。差出人の名の部分には――
「……レイチェル?」
 目を瞬いて柊は呟く。てっきり、家の主であるユウに宛てられたものだと思っていたので、自身宛というだけでも驚いたのに、更に意外な差出人に戸惑わずにいられなかった。
 ひっくり返して、文面に目を通す。文章は三行、内容は実にシンプルだった。
 酒場で助けてもらってありがとうございました、という礼。両親が厄介ごとを無理に頼んだようですみませんでした、という謝罪。最後に、一度お礼とお詫びを兼ねて何かご馳走するので、是非近いうちにまた酒場に来てください、というお誘いで締められていた。
「……律儀だな、あの娘(こ)」
 口数は少ないがいい子だな、そう思って柊は呟き、
「で、大変なのよぉ〜〜〜っ!」
「だぁっ!? ……だ、だから何が大変なんだよ!?」
 思い出したようにまた喚きだしたペリカンの声に、再び身を仰け反らせた。

101 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 22:12:06 ID:Sxm2vlw2
 ペリカンは仰け反った柊に詰め寄るように身を乗り出すと、
「ドミナの町の西の方に、変なカボチャが大発生したの!」
「……はあ? カボチャ?」
 騒ぎ立てる割には危機感のない内容に、柊は思わず眉をしかめる。
(“変な”って、突然変異種か何かか?)
 しらけた様子の柊には構わず、ペリカンはおどろおどろしい声を作って言った。
「きっと、悪ぅーい、悪ぅーい魔法使いが、カボチャの大群でミー達をミナゴロシにする気よ! ミーは安心してお手紙配達できないじゃない!」
「いや、どんなカボチャだよ、それ。つか、あんた、ちゃんと配達してるじゃねぇか」
 柊のツッコミを華麗にスルーして、ペリカンはくるりと踵を返す。
「もう行かなきゃ! ミーはとっても怖くてドキドキしてるの!」
 最後に、怖がってるんだか楽しんでるんだかわからない声でそう言うなり、翼を広げて飛び立っていった。
「……なんだったんだ、今の……」
 空腹に加え、妙な脱力感と疲労感を与えられてへたり込みそうになりながら、柊は呻くようにそう呟いた。

  ◇ ◆ ◇

「うわ、結構混んでるな」
 訪れた酒場が昨日とは打って変わって賑わっているのに、柊は思わず呟いた。
 昼過ぎの半端な時刻でこれなのだから、おそらく、これから日が暮れれば、更に混みあうのだろう。
「えーと……」
 空いてる席を探して店内を見回し、その拍子にウェイトレスと目が合った。
「……いらっしゃいませ。来てくれたんですね」
 静かな口調で言ったそのウェイトレスは、レイチェルだった。
「おう、出かけに手紙受け取ったぜ。……当てにしているようでなんだが、ホントに奢ってもらってもいいのか?」
「お礼ですから……」
 相変わらずの無表情で淡々と言う。翡翠の瞳に、不快そうな色はない。
 それから、レイチェルは柊を空席に案内し、
「ご注文は?」
「あー……とりあえず、何かオススメの料理頼むわ。腹が膨れるようなやつ」
 メニューをちらりと見たものの、名前を見てもさっぱりどんな料理かわからない。柊はレイチェルに任せることにした。
「わかりました。少々お待ち下さい」
 事務的な調子で頷くと、レイチェルは厨房の方へと足早に向かっていった。
 料理が来るまでの間、手持ち無沙汰だな、と柊は深々と椅子の背もたれにもたれかかるが、
「しっかし、町外れのカボチャはなんなんだろうなー」
 隣の席から聞こえたその言葉に、思わず身を起こしてそちらを見遣った。
「……カボチャ?」
 思わず呟いたその声が聞こえたのか、隣の客達が柊の方を振り返った。
 獣人と植物人の二人連れはきょとんと柊を見遣ると、次いで観察するようにまじまじと見詰めて、
「きみ、もしかして何も混ざってない?」
 驚いたように、獣人が言った。質問の意味がうまくつかめず、柊は首を傾げる。
「……混ざってない?」
「えーと、言葉が悪かったかな? なんていうか、獣人とかじゃなくて、“純粋な人間”なのか、ってこと」
「おい、その言い方だと、私達が人間じゃないみたいだぞ」
 苦笑したように植物人がツッコむ。
「いや、もちろんぼくらも人間だけどさ。種族としての“純粋な人間”って意味だよ」
 やはり苦笑したように言う獣人の言葉に、柊は目を瞬いた。
 彼らの言い様からして、この世界では獣人も植物人も――おそらくは、マーク一家のような昆虫人も、まとめて人間と称されるらしい。そして、その呼称とは別に、純粋に種族としての“人間”も存在する、ということなのだろう。
「ああ、確かにそういう意味なら俺は“純粋な人間”だな」
「やっぱり! ガトなんかには古い血筋が結構残ってて割といるみたいだけど、こんな田舎ではあんまり見ないから、驚いたよ」
 柊の返答に、獣人は破顔した。物珍しがるような言葉だが、その口調に不快な響きはない。
「あ、もしかして昨日、町の厄介者を追い払った人間っていうのは君かい?」
 植物人が気がついたように言う。柊は思わず苦笑した。
「ああ、瑠璃か。別に、追っ払ったって訳じゃねぇよ。捜しものに付き合ってやっただけだぜ。町からいなくなったってんなら、もう用がなくなったからだろ」
「へぇ……あれ、捜し物してたのか。てっきり恫喝してるのかと思ってたぞ、私は」
 呆れたように言うのに、柊としては苦笑するしかない。フォローしてやりたくとも、言うべき言葉がなかった。
 と、獣人が微かに顔をしかめて言う。

102 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 22:13:07 ID:Sxm2vlw2
「でも、あの男にはもう関わらない方がいいと思うよ」
「いや、んな避けるほど悪いやつでもねぇぞ、あいつ」
 ただちょっとテンパっちまってただけで、という柊に、獣人は首を振る。
「そういうことじゃなくて……彼は、珠魅みたいだから」
「……ジュミ?」
 聞き覚えのない単語に、柊は鸚鵡返しに呟いて眉を寄せた。
 獣人は少々頼りなげな表情で、
「ぼくもよくは知らないんだけど……人間とは違う、排他的な種族らしいよ」
 この場合の人間とは、種族ではなく、大きな括りでの人間という意味だろう。
「詳しく知りたかったら、教会のヌヴェルさんに訊くといい。彼は博識だから。歴史や伝説、あらゆる種族について、たいていのことは知ってるよ」
「へぇ……」
 呟きながら、柊は昨日の瑠璃の様子を思い出していた。
 柊の技倆を知った直後のあの警戒。あの時の瑠璃には、柊の対応次第で即座に斬りかかってきそうな敵意があった。排他的、というのは、ああいうことなのだろうか。
 と、そこで、レイチェルが料理を持って戻ってきて、獣人達との会話はそこで切れた。
「お待たせしました」
「……パイ?」
 レイチェルが持ってきたのは、ボリュームのあるパイだった。ほのかに漂う甘い香り。
「はい、パンプキンボムのパイです。……お嫌いでしたか?」
 ほんの僅かに彼女の無表情が崩れて、不安げな色が覗く。
「いや……嫌いって言うか、食ったことないって言うか……えと、ようはカボチャなんだよな?」
 ボム、という不穏当な名前に、柊は思わずそう訊かずにはいられなかった。レイチェルが頷くのに、とりあえず安堵して、かぶりつく。
「――お、うめぇ」
 味は、普通のパンプキンパイだった。いや、普通より上等なくらいだろう。表面はカリッと、中はホクホク。カボチャの甘みがしっかり生きている。
「うまいな、これ。サンキューな、レイチェル」
 柊が忙しく口と手を動かす合間にそう告げれば、レイチェルは一瞬、ほのかに口許をほころばせたように見えた。すぐに無表情に戻ってしまったが。
「うちの店長の十八番で……ただ、ここはお酒の席ですから、普段はあんまり注文されないんだけど……今日は売れてるみたい」
 いつもの淡々とした調子での言葉に、柊は首を傾げる。口の中のものを嚥下して、
「もしかして……町外れのカボチャ、とかいうやつのせいか?」
 その言葉にレイチェルは小さく頷く。
「みんな、空き地に突然現れたカボチャ畑を見て、無性にカボチャが食べたくなったみたいで……」
「……ちょ、ちょっと待て。突然現れたカボチャ畑?」
 訳のわからない言葉に、柊は思わず顔をしかめた。
「ええ、今朝起きたら突然、町外れの空き地がカボチャに占拠されてて……」
 告げるレイチェルは淡々としているが、それはかなりの異常事態ではなかろうか。
(なるほど、それであのペリカン、あんな騒いでたのか)
 たかがカボチャ、されど、その出現の唐突さは、確かに騒ぐに値する。
「パンプキンボムに見た目は似てるんだけど……ずっと大きいし、どうも食用じゃないらしくて味は良くないみたい」
「って、食ったやついるのかよ! んな得体の知れねぇもん!?」
「……店長が。食用パンプキンボムなら儲けものだって」
 淡々とした調子で告げられて、柊は唖然と返す言葉を失った。
 その様子に、フォローするようにレイチェルは言葉を続ける。
「……普通のカボチャはともかく、パンプキンボムは、マナの強い土地でしか採れなくて……その分味もいいけど……この辺りでは取れないから、ドミナではガトの近くの農村から仕入れてて」
 でも、その分値が張ってしまう、と微かにレイチェルは顔を曇らせたようだった。
「昔は、ユウが自分の家で育てたやつを、よく安値で売ってくれたんだけど……パンプキンボムだけじゃなくて、マナの強いところでないと育たない野菜や果物を、色々……」
「……あの家、畑なんかあったのか?」
 敷地はざっと見回ったが、と思わず呟いた柊の言葉に、レイチェルは微かに目を見開いた。
「あ……そういえば、今、あなたがあそこに住んでるって……」
 柊が頷くと、レイチェルは軽く思い出すように虚空を見上げて、
「ユウがいなくなってしばらくして、町の皆が、果樹園だけでも維持しておこうとしたらしいんだけど……結局、駄目になってしまったって……」
 多分、ユウは特別な肥料か何かをあげていたんだと思う、と首を傾げた。
「ふぅん……」
 相槌を打ちつつも、もう一度きちんと敷地内を見て回るか、などと思って、柊はもう一口パイを口に運んだ。

  ◇ ◆ ◇


103 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 22:14:01 ID:Sxm2vlw2
「あら! あらあらあらあら! 柊くんじゃな〜い♪」
 食料を仕入れるなら、商店街よりバザールの方がいい、というレイチェルのアドバイスに従い、食事を終えてバザールを訪れた柊に、高い女性の声がかかった。
「え、えと……ジェニファー……さん、だっけ」
「あらぁ、覚えててくれたの〜! 嬉しいわー!」
 声に比例してテンションの高いレイチェルの母親は、抱きつきそうな勢いで柊に駆け寄ってきた。
「お買い物〜? 何買うの? いいお店教えるわよ〜!」
「――相変わらずメンクイだねー、アンタ」
 はしゃぐジェニファーに冷めた声をかけたのは、すぐ脇で露天を開いていた女性だった。
 柊よりいくつか年上だろう。葡萄を思わせる型と色をした髪の、植物人。色とりどりのフルーツを放り込んだ編み籠の中に立っているため、彼女もフルーツに紛れてしまいそうだった。
 彼女はすらりと均整の取れた肢体を前かがみにして、柊の顔を覗き込む。
「ふぅん、でもまあ、騒ぐのもわかるけどね。なかなかいい男だし。けど、まだまだ子供って感じ」
 面と向かってずけずけと物言う。物言いのはっきりした目つきのきつい美人、というのに、柊は思わず姉を連想した。苦手な感じだ。いや、ジェニファーも得意なタイプではないのだが。
「あ、アタシはメイメイ。占い屋。一回やってく? カッコいいオニイサン」
 お兄さん、の部分が思いっきり棒読みである。さっきの言葉通り、子供、と思っているのが丸わかりだ。
「いや、俺は……」
 柊がしどろもどろに後退ると、メイメイはあっさり身を引いて、
「あ、そ。ま、大して当たんないしね。賢いよ、アンタ」
「あら〜、そんなことないわよ〜。メイメイちゃんの占いはよく当たるもの〜」
 対称的にジェニファーがそう食い下がった。
「わたしが一回奢るから、占ってみてもらいなさいよ、ね?」
「いや、でも、悪ぃし……」
 さっき娘に食事を奢ってもらって、すぐ後にその母親に占いを奢ってもらう、というのも気が引ける。
「まあまあまあ、大した金額でもないし、どうしても気になるって言うなら、レイチェルを助けてもらったお礼ってことにするから。――あ、もうお礼貰ったっていうのはなしよ? わたしはお礼してないもの」
 言おうとした台詞を先回りされ、柊は言葉を詰まらせた。
(このおばさん、苦手だ……)
 『得意ではない』どころではなかった。冷めてる分あっさり引いてくれるメイメイより、余程難敵である。
「じゃ、話がまとまったところで。はい♪」
 柊の沈黙を了承と勝手に受け取って、ジェニファーがメイメイに小銭を手渡した。
 受け取ったメイメイは疲れたような柊に目をやって、軽く嘆息する。
「ま、払ってくれるってんなら、誰が出した金でもいいけどね。老後の蓄えだからね」
 まだ若いのに、妙にババクサイことを言う。
「じゃ、ま、やりますか」
 受け取った小銭をしまうと、彼女は軽く言って両手を天に掲げた。
「……ビタミン、カロチン、カリウム、ファイバー……ポリフェノォ〜〜〜ルッ!」
 掛け声と共に、籠ごとぐるんぐるん身体を回転させる。
 ドン引く柊の前で、やがて、ぴたっ、と動きを止めると、自身の真ん前に回って来たフルーツを手にとって掲げ、
「ふ〜む、これは……『カボチャがきっかけで新しい家族が』? なんじゃこりゃ」
 自分で自分の占いの結果に首を傾げた。
「……カボチャ?」
「それって、空き地のカボチャのことかしら?」
 眉をしかめる柊に、首を傾げるジェニファー。
「つか、『新しい家族』ってなんだ」
「もしかしてお嫁さんのことかもしれないわ! 素敵〜!」
 柊の疑問に答え、ジェニファーが黄色い悲鳴を上げる。
「とりあえず、空き地に行ってみましょうよ! 運命の相手がお待ちかねかも知れないわ!」
「いや、得体の知れないカボチャ畑にいる運命の相手ってどんなだよ!」
 張り切るジェニファーに柊は思わずツッコんだ。柊は別段ロマンチストではないが、それでも微妙にそんな運命は嫌だ。
「まあまあ、いいじゃない、いいじゃない! いきましょ〜!!」
「え、あ、おい!」
 強引に、その細腕のどこからそんな力が出るのか、とツッコみたくなる勢いで。
 ジェニファーに引きずられる形で、柊は結局そのカボチャ畑に向かう羽目となった。

  ◇ ◆ ◇


104 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 22:15:55 ID:Sxm2vlw2
 商店街を通って、脇にある噴水の広場を抜け、街の喧騒から離れた民家の立ち並ぶ田舎道へ。その更に向こうに、空き地だった場所はあった。
「……カボチャ……確かにカボチャだけど……」
 呆然と、柊は呻く。
 辺りを埋め尽くすように伸びるツタ。そこについた大量の実。子供の背丈ほどもありそうな直径の、オレンジ色のその実には、笑みの形をした目と口、鼻のような割れ目。
「ジャック・オ・ランタン……?」
 呻く柊の声を掻き消すように、不気味な笑い声が響き渡る。
 ケケケケケ、というその怪笑は、辺りに実る巨大なカボチャの口から。怪奇現象ここに極まれり、といった感じである。
「……え、えと……」
 やたらとテンションの高かったジェニファーも、この異様な雰囲気に怖気づいたような様子で、
「で、出会いの邪魔をしちゃ悪いし……わたしはここで! じゃあね、柊くん!」
 そう言い残すと、脱兎の如く、元来た方へ逃げ出した。
「あ、おい!」
 思わず叫んだ柊の声も、カボチャの嗤いに掻き消される。
 異様な空間に一人残され、柊は呆然と立ち尽くし、
(ここまで来て、ただ帰るのもなんだかなぁ……)
 そう思って、中へと歩を進めた。もしかしたらこの怪奇現象の原因も見つかるかもしれないしな、と、寧ろ自分に言い聞かせる風に思った時。
「――ケケケケケ!」
 響いた、一際高い笑い声に、そちらに視線を転じた。
 巨大なカボチャの向こう。一面、ツタと葉の緑と実のオレンジしかない空間で、目を引く深い葡萄色。
 覗きこんだ先にいたのは、年の頃六、七歳に見える子供。短い葡萄色の髪から覗く、少し尖った大きな耳。奇妙な笑いを顔に貼り付けているが、顔立ちそのものは整っている。年のせいも相俟って、男女の判断がつけづらい。服装も深緑のローブで、判断材料にはならなかった。
「バド〜、そういう笑い方やめてー」
 と、その子供に、別の声がかかる。少し離れたカボチャの上に腰掛ける、小さな人影。
 声の主は、バドと呼ばれた子供とよく似た容貌で、まるで鏡写しのようだった。年の頃も同じくらい、背丈にも差はない。
 違うのは、その葡萄色の髪を長く伸ばして頭の上で結わいていること、身に纏うものが深紅のワンピースだということ、あとはどこか呆れたようなその表情くらい。
「コロナ! お前も笑え! 支配者スマイルだッ!」
 ケケケケケケッ! という例の奇怪な笑い声を上げて、バドが鏡写しの少女に言う。
「カボチャで世界を支配するの? バッカみたい!」
 対照的に、コロナと呼ばれた少女はどこまでも冷めた様子だ。
(……って、おい)
 はた、と子供二人の会話の内容に、柊は眉をしかめる。
「このカボチャ、お前らの仕業かっ!?」
 思わず叫べば、二人は弾かれたように柊の方を振り返った。
「あっ! 怪しいやつ! 追い返すぞコロナ!」
 自身のことは棚に上げ、バドが勢い込んで叫ぶのに対し、コロナは冷ややかに一言。
「カボチャにやらせればいいじゃん」
「そーゆーのはこれからの課題だ!」
 バドがそう力強く即答するのに、思わず柊はボソリとツッコんだ。
「……出来ねぇんだな、ようは」
「う、うるさい! 行くぞコロナ!」
 耳聡く聞き止めていきり立つバド。その大きな耳はダテではないようだ。
 そんなバドの様子に、コロナは溜息混じりにカボチャから下りる。
「やれやれ……頭、冷やさなきゃダメね」
 一方バドは、どこから取り出したのか、巨大なフライパンで柊を指し示して叫んだ。
「侵入者よ! おとなしく投降するなら、見逃してやってもいいぞ!」
「いや、侵入者って……お前らの方が不法占拠だろ、これ」
「うるさい! あくまで反抗する気ならば……!」
 柊のツッコみに、バドはフライパンを大きく振りかぶり、
「……実力で排除するっ!」
 叫ぶのと同時に、間にあるカボチャを乗り越えて突っ込んで来た。
「――うおっ!?」
 飛び退いた鼻先で唸りをあげるフライパンに、柊は流石に声を荒げた。
「おい! 流石にガキの悪戯じゃすまねぇぞ、これは!」
 フライパンを振りきって、動きの止まったその子供のフードを、柊は引っ捕まえる。その手からフライパンを没収し、
「こら! 不気味なカボチャ植えるだけならともかく、鈍器で人に殴りかかるんじゃねぇよ! 相手が素人だったら避けられずに直撃してたぞ、今の!」
「うるせぇー! 返せ! はーなーせー!」
 うがー! と宙にぶら下げられたまま、手足をバタバタと振り回して暴れるバド。しかし、いかんせん七歳児のリーチである。襟首を掴んだ腕を伸ばしてぶら下げられれば、柊まで攻撃が届くはずもなかった。

105 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 22:41:53 ID:rQoj728v
支援

106 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 23:00:19 ID:Sxm2vlw2
 バドは暴れながら、後ろに視線を向けると、
「コロナ! 助けろよ!」
「今のはあんたが悪いでしょ、いきなり殴りかかって。それにその人、剣士じゃない。カウンターでばっさりやられててもおかしくなかったんだから。捕まえられるくらいですんでよかったじゃない」
 少女にそうツッコまれて、バドは初めて柊の背負った剣に気づいたらしい。さっ、と顔から血の気を引かせて動きを止めた。
 少女は脇に置いてあった古ぼけた竹箒を手に取ると、柊の前まで歩いてきて、頭を下げた。
「すいませーん。私たち双子の姉弟なんです。私はコロナ。そっちが弟のバド。あの……そのフライパン、大事なものなんで返して欲しいんですけど……」
「これか?」
 柊は没収したフライパンを改めて見る。火に掛ける裏側の部分には大きな星が描かれていた。古ぼけてはいるが、きちんと磨いてあって綺麗なものだ。
「確かに、大事にしてるみたいだな」
 弟の方に返すのは微妙に不安なので、姉の方に手渡す。コロナは手にしていた竹箒と一緒に、そのフライパンを大切に抱え込んだ。
「ありがとう。あと、ホントにごめんなさい。バドってば、イタズラばっかりしてるの」
 はあ、と深々と溜息をつく姉に、弟はぶら下げられた姿勢のまま猛然と講義する。
「イタズラじゃない! 偉大なる魔法実験だ!」
「空き地をカボチャで埋めて、なんの実験になるのよ。しかも、侵入者の排除もできない、ただ不気味に笑うだけのカボチャで」
 姉の冷たいツッコみに、うぐぐぐ、とバドは呻いた。姉は容赦なく言葉を続ける。
「そもそも、普段から『俺は大魔法使いになるんだ!』とかいってるくせに、いざとなったら直接殴りにかかってる時点で語るにおちてるわよ」
「い、いったな……なら!」
 むむむ、と眉間にしわを寄せて、バドは懐から小さな横笛を取り出した。
「これならどうだ!」
「あ、こら! やめなさい!」
 コロナの制止の声も聞かず、バドは笛を口許に運び、短い旋律を吹き鳴らす。
「んなっ!?」
 瞬間、足元から伸びて来た薔薇の茨に絡め取られそうになり、柊は咄嗟に後ろへ飛び退いた。しかし、茨は柊を追うように真っ直ぐ伸びて来る。しかも速い。
「……ちぃっ!」
 呻いて、少年を自身の後ろに放り出すと剣を抜き放ち、迫り来る茨を斬り払った。
 目の前で薔薇が溶けるように消えていくのを見て、柊は思わず叫ぶ。
「なんだこのバラ!?」
「魔法楽器も知らないのかよ! 田舎者だな!」
 振り返った先で、ふふん、と自慢げに胸を張るバドに、柊は眉を寄せる。
(つまり、あの楽器で魔法を使ってる、ってことか?)
 なら、次はあれを没収だな、と柊が思ったその時。
 がくんッ、と辺りが大きく揺れた。
「――な、なんだよ!?」
「なに!?」
 ごごごごご、と地鳴りを伴って辺りが揺れ続けるのに、バドとコロナが困惑の声を上げる。
(……こいつらの仕業じゃねぇのか)
 おろおろとうろたえる二人の姿に、柊はそう判断し――それに気づいた。
「――危ねぇッ!」
「わっ!?」
 叫ぶと同時に再びバドのフードを引っ掴み、自身の方へと引き寄せる。刹那、
 唸りを上げて、先程までバドがいた場所を、カボチャのツタが薙ぎ払った。
「……な、なんだよこれ!?」
「そりゃこっちのセリフだ! このカボチャ、お前の仕業なん――って、おわっ!?」
 驚愕の声を漏らすバドへツッコむ暇もなく、柊は彼を小脇に抱え直して迫り来るツタを躱す。
 もはや、空き地を埋めるカボチャは、ただ不気味に笑うだけの無害なものではなかった。ツタを手足のように使って動き回り、柊達を攻撃してくるモンスターと化していた。この揺れは、根付いたカボチャ達が動いたためのものだろう。
 と――
「きゃあっ!」
「――コロナ!?」
 少女の短い悲鳴に、バドも悲鳴のような声を上げる。
「ちょっとー! バド! これ、どうなってるのよー!」
 コロナは涙声で叫ぶ。ツタを足のように立ち上がったカボチャの上で、振り落とされそうになっていた。その高さは柊の身長の倍はある。落ちればただでは済まない。
 彼女は片手で必死に掴まりながらも、もう片方の手に抱えた箒とフライパンを放そうとはしなかった。余程大切なものなのだろう。
「おい! これ、止められねぇのか!?」
「そ、そんなこといったって! この『お化けカボチャ』はただ笑って人をおどかすだけの魔法植物のはず……」
 柊にそう答えながら、バドは懐から小さな冊子を取り出した。抱えられた姿勢のまま、器用にぱらぱらと中を読んでいく。

107 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 23:01:24 ID:Sxm2vlw2
「えーと……『お化けカボチャ、使用上の注意』……
『この魔法植物はドリアードの魔法で動いているため、近くでドリアードの魔法を使用すると、活性化して暴走する危険があります。一度暴走すると半日は動き回るため、植えた場所から半径200メートル以内でドリアードの魔法は使用しないで下さい』……!?」
「……おい! つまり、どういうことだ!?」
 何かに気づいたらしく固まったバドに、柊は足元を掬おうとするツタを飛んで躱してからツッコむ。
「こいつのそばでドリアードの魔法を使うと、暴走して半日は暴れ続けるってことだよ!」
「……つまり、さっきの魔法が原因で暴れだしたってことか!?」
 ちゃんと使う前に使用上の注意読んどけ! とツッコみながら、柊は頭を狙ってきたツタを屈んで躱した。
「なんでもいいから助けてよー!」
 泣きながら、コロナが叫ぶ。何とかまだしがみついているが、今にも振り落とされそうだ。
「コロナ!」
「……少し揺れるぞ!」
 バドが顔色を変えて声を上げるのに、柊は鋭く叫ぶ。
「え――」
「風よ、踊れ――《エア・ダンス》!」
 バドの声を遮って、柊は自身に風を纏わせた。そのままツタの間をすり抜けるように疾走する。
 速く、飛ぶように。まさに風の如く。振るわれるツタは、柊の走りぬけた空間を空しく薙いだ。
「なぁ、あぁあ、あぁああぁ、あ――っ!?」
 揺さぶられて変な悲鳴を上げる少年はとりあえず無視。柊はあっという間に少女のしがみついているカボチャの真下まで辿り着くと、
「舌噛むなよ!」
 抱えた少年に一言警告の声をかけ、勢いよく跳んだ。
 宙で月衣を足場として展開。虚空を蹴って更に上へ。二段跳びでカボチャの上に降り立つと、片手にぶら下げていた剣を収めて、少女を抱え込む。
「ひゃ!?」
「歯ぁ食いしばっとけ!」
 抱えられて声を上げる少女にそう声をかけて、一気に揺れるカボチャから飛び降りた。
 着地の瞬間、膝で衝撃を逃がす。月衣も相俟って殆どダメージはないが、それでも多少、じん、と両足が痺れた。だが、その痺れを無視して、再び駆け出す。
 二人を抱えたまま、再びツタの間を駆け抜けて、空き地の入り口の方へ。二人を道の方に降ろして、背後に庇うように立った。
「おい!これ、止める方法ねぇのか!?」
 柊は剣を抜き放ち、迫り来るツタを斬り払いながら、バドに問う。
「さっきも言ったとおり、一度暴れだしたら半日は……! 逃げたほうがいいよ!」
 バドは姉を抱きしめるように、もしくは姉にしがみつくようにして、悲鳴のように言う。
「でも……これ、追っかけてきそうだよ!?」
 コロナも弟を抱きしめ返しながら、泣きそうな声で言った。
 彼女の言う通り、カボチャは地に張った根を自ら引き抜こうとして、地は地響きと共に揺れ続けている。このまま放っておけば、この場から動いて街の方にまで行きそうな勢いだ。
「どの道、ここでどうにかしねぇとまずいか……!」
 歯軋りしながら、柊は呻く。しかし、斬っても斬っても、別のツタが迫ってきて、キリがない。
(きっと、どっかに本体があるはず……!)
 これだけ斬って何の痛手も受けた様子がないのは、斬られているのがただの端末だからだ。ならば、本体を叩けばいい。
(……何か変なところ、それっぽいもんは……!)
 柊は、そう思って視線を走らせ――
(……あれか!?)
 先程までコロナがしがみついていた、一際高いところに伸び上がったカボチャ。それだけ、他のカボチャと顔の目鼻の形が違う。
 あれが本体であるという確証はないが――
(―― 一か八か!)
 思って、柊は再びカボチャのツタの只中に突っ込んだ。
「炎よ、宿れ――《エンチャントフレイム》!」
 剣に炎を纏わせ、迫り来るツタを斬り払い、一直線にそのカボチャの元に。
「ハズレじゃないことを祈るぜ……!」
 地を蹴って宙に、虚空を蹴って更に上に。ツタで伸び上がったカボチャを、眼下に見下ろし、
「……《魔器》――」
 腰元で溜めるように引いた魔剣の核が、応えるように輝きを湛え――
「――《解放》ッ!」
 言葉と共に閃いた輝きは、刃に刻まれた紋様へと走りぬける。

 そして――輝き纏った刃は、突き出されるままに獲物を貫き、深々と斬り裂いた。

108 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 23:02:16 ID:Sxm2vlw2

  ◇ ◆ ◇

 暴れまわるカボチャの只中に突っ込んでいく、名も知らない青年をただ見送って、姉弟は抱きしめあう。互いに縋るように。
「ねぇ、あの人……死んじゃわないよね……?」
「縁起でもないこと言うなよ!」
 姉の涙声に、バドはきつい調子で返す。
「あの人、剣士だぞ! それも、俺とコロナを抱えて、あの中を無事に突っ切るような人なんだ! 大丈夫に決まってる!」
 姉に言い聞かせるようなその言葉は、その実、バド自身に言い聞かせるものだった。
(こんなくだらない魔法の失敗で……こんなことで……!)
 死ぬはずない――そう言い聞かせながらも、不安は消えない。
『今度こそ、この理論は完璧だ! 世紀の大発見だぞ!』
『やったわね、あなた! コロナ、バド! 今日はお祝いよ!』
 いつも子供のように目を輝かせて、両親は他愛もない魔法実験を繰り返しては、役に立つのかわからないような魔法道具を作っていた。
 そして、本当にくだらない、本当にしようもない魔法実験の失敗で、家ごと吹っ飛んで死んでしまったのだ。
 姉弟二人はその時、学校にいて無事だった。けれど、二人には他に誰も身寄りがなくて、誰も守ってくれる人がいなくなってしまった。学校の先生は親身になってくれたが、バドが悲しみを誤魔化すようにくだらない悪戯で校内を騒がすようになると、少々持て余し気味になった。
 どの道、両親の蓄えも家と一緒に殆ど吹っ飛んでしまったから、学費の高い魔法学校に通い続けるのは無理だった。奨学金制度はあったけれど、それを受けられるほど、二人の成績は良くなかった。
 都市(まち)を出よう――そう言いだしたのは、姉弟で殆ど同時だった。
 両親の思い出話でよく出てきた二人の故郷、ドミナへ。行ったこともない場所だけれど、そこに行ったら、何かあるような気がしたから――誰か助けてくれるような気がしたから。
 少ない蓄えをかき集めて、唯一手元に残った両親の形見であるフライパンと箒を持って。何とかこの町に辿り着いて――
 でも、何も変わらなかった。誰も彼も知らない人ばかりで、頼れる人なんかいなかった。――居場所なんかなかった。
 だから――
『ないなら、作ってやる!』
 そう言い出したのは、バドだった。殆ど自棄で、学園から持ち出してきた魔法植物を植えて、空き地を占拠した。いつもなら、無茶やる前に止める姉が止めなかったのは、姉も多分、自棄になりかけていたのだ。
 植物は一晩で根付いて育った。当然ながら、町の人々は突然現れたカボチャ畑に驚いて、戸惑ったようだった。殆どの人は気味悪がって遠巻きにしたし、稀に見に来る人も入ってすぐのところで引き返して行ってしまう。
 中まで入って来たのは、ただ一人――あの、剣士の青年だけ。

 彼はバドの悪戯に目くじらを立てながらも、バドとコロナを助けるために駆け回ってくれた。

『バド、ダメだろう? この薬品は危ないって言ったじゃないか』
 悪戯した自分を怪我しないように庇って、そして、優しく厳しく叱ってくれた父。

 彼は、今もその後始末のために奮闘してくれている。

『まったくもう……危ないから、下がってなさいね』
 困ったように溜息をついて、それでも無事でよかったと笑いながら、悪戯の後片付けをしてくれた母。

(……死なないで……!)
 どこか両親を思い出させるあの青年の無事を、バドはただひたすらに祈り――

 カボチャの群れの只中から、高く跳び上がる青年の姿が見えた。
 炎を纏った刃を、腰元に構えて。
「……《魔器》――」
 響き続ける不気味な哄笑を貫いて、不敵に強い声が耳に届く。剣に埋まった宝石が、きらりと輝いて、綺麗だと思った。
「――《解放》ッ!」
 声と共に、その輝きは刃へと広がり――

 繰り出された刃は、彼の眼下にあるその獲物を貫き、深々と斬り裂いた。

  ◇ ◆ ◇


109 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【02.マヨエルモノタチ】:2009/01/18(日) 23:04:00 ID:Sxm2vlw2
 ぼろぼろと崩れるように、空き地を占拠していたカボチャが朽ちていく。
「……当たりだったか……」
 着地し、その結末を見届けると、柊は深々と安堵の息をついた。そうして、空き地の入り口に立つ子供達を振り返る。
「大丈夫か?」
 抱きしめあった子供達は、しかし、柊の声が聞こえていない様子で、呆然と立ち尽くしていた。
「……おーい? 大丈夫か?」
 柊は二人の目の前まで歩み寄って、改めて声をかける。すると、
「……すげぇ!」
「どぉわ!?」
 声を上げたバドがいきなり飛びついてくるのに、引っくり返りそうになった。
「なに――」
「俺を弟子にしてくだせぇ!」
 文句を言おうと上げかけた声を遮ってのバドの言葉に、柊は目を見開いた。
「……は?」
「バド! なにいってるの!」
 コロナも慌てた様子で、弟の突拍子もない発言を咎める。
 しかし、バドは一向に引く様子を見せず、
「だって、あんなすげぇの見たことねぇよ! トドメの一撃もそうだけど、剣に纏った炎とか、ありえない速さで走ったりとか! あれ、魔法ですよね!?」
「いや、トドメはちょっと違うけど……他の二つは一応魔法だな」
 柊の答えに、バドはますます目を輝かせる。
「今の世で、魔法楽器なしに魔法を使える人なんてほとんどいないんだ! それこそ七賢人とか、伝説級の魔法使いくらいだよ!」
 ホントにすげぇ! と興奮した様子のバドに、柊としてはただ困惑するしかない。そもそも柊の使う魔法は、おそらくここの世界のものとはまったくの別物のはずだ。
「いや、でも、弟子っていわれてもよ……得体の知れない若造に弟子入りなんて、親御さんとか、反対するんじゃないか?」
「その心配はありません! 両親いませんから!」
 バドに力強く言い切られ、柊はぐっと言葉に詰まる。コロナに視線を向ければ、彼女も頷いた。本当のことらしい。
「が、学校とかは……?」
「バドのイタズラが過ぎて、いられなくなっちゃいました」
 コロナが答え、何故かバドが胸を張る。
「……家は?」
「ない!」
「学校の寮に住んでたんで。ちなみに実家も、両親が亡くなった事故で吹っ飛びました」
 即答するバドに、コロナが補足する。柊は思わず頭を抱えた。
「つまり……お前ら、行くあてがないのか?」
 二人に揃って頷かれ、柊は大きく息をつく。
 ようやっと、この子供達がこんな悪戯をしたのかわかった気がした。頼れる人が居なくて、誰かに見つけて欲しくて――それで、騒ぎを起こした。
 きらきらと輝く目で見つめてくるバドに、どこか縋るような不安げな目のコロナ。ここまで関わって、こんな目で見つめられて、放り出すなんてできるはずもない。
「……俺は柊。柊蓮司」
 唐突な名乗りに、え? と首を傾げる二人に柊は苦笑を向けて、
「金もなけりゃ学もない、いつまでここにいるかもわからないような、師匠とか保護者とかにはとことん不向きな人間だけどな。それでもいいか? 住むとこだけは、どうにかしてやれそうだからよ」
 その言葉に、ぱあっ、とバドは顔を輝かせた。
「ぃやったぁ!」
「あわわわわ。なんて心が広いというかなんというか……」
 コロナも申し訳なさそうにしつつ、顔を明るくする。
 そんな二人の顔を見ながら、柊はメイメイの占いを思い出した。
(なるほど、『新しい家族』ね。……確かに、当たるみたいだな、占い)
 柊はそんな風に思って苦笑しながら、町の方へと歩を進め、
「じゃ、行くか。バド、コロナ」
「行きましょうっ! 師匠!」
「はい! 柊さん」
 頷く双子を伴って、空き地に戻った空き地を後にした。

  ◇ ◆ ◇

 ちなみに。
「カボチャがケケケだったね」
「……土産話の甲斐がねぇな……」
 三人で買出しを済ませて家に帰り、土産話を聞かせたサボテンの感想に、柊が憮然と肩を落したのは余談である。

110 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 23:18:11 ID:yGBOQa3a
支援?

111 名前:みつやん:2009/01/18(日) 23:18:37 ID:Sxm2vlw2
長々とスレ消費、申し訳ありませんでした(汗)
支援してくださった方、ありがとうございました(深々一礼)

今回はLOMでの『迷子のプリンセス』と『小さな魔法使い』のイベントにあたるお話です。タイトル変えちゃってますが(汗)
瑠璃の「真珠姫の香りがする……!」はLOMの中でも屈指の迷言だと思う。最初プレイした時、何だこいつ、とか思った(笑)
本来、ゲームの『小さな魔性使い』(《メイワクな〜》のエピソード)では、本来バドとコロナ二人とバトルして勝つことがイベントクリア条件なのですが……
「柊にエミュレイターでもない子供をフルボッコするのは無理そうだし、話的にも美しくない!」とこの話ではカボチャとのバトルに変えさせていただきました(汗)
どうかその辺は見逃していただけると……(汗)

次はいつになるかわかりませんが、気長に待っていただけると嬉しいです。では〜

112 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 23:38:23 ID:hPxJLoC1
投下乙。
サボテン君と柊の組み合わせは妙にしっくりくるなぁ。

113 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 00:13:01 ID:mjiPFfH1
GJ。支援に来たはずが普通に読みふけってたのは秘密だw

114 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 00:23:49 ID:gTCaEd5B
乙乙。
懐かしいな。情景がよみがえるよ。
しかも柊違和感なく解け込んでるし。
というか、柊自身がプレイヤー視点なんだよな。
しかも、初回プレイの。

115 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 02:31:01 ID:fW98hnEZ
乙ですー。
LOMはやったことはないけど、なんというか、ツッコミなしの
ほんわかシュールな世界観のようですね。
柊のツッコミの冴えることと言ったらーw

116 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 03:21:01 ID:UaY0dDMd
乙なんだが…これ超大作になりそうだなぁ
宝石泥棒編がメインぽいけど
幼馴染三人もどうにかしてやってほしかったりもするし
そうなるとドラゴンバスター編も・・・となりかねんw

117 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 06:21:21 ID:UMDiR1bd
いやぁ〜面白いな
乙です。

118 名前:みつやん:2009/01/19(月) 07:42:37 ID:WQnh9xvs
おはようございます。沢山の感想に嬉しくてレス返しに参りました♪
前回ご指摘された、「読みにくい」というお言葉がなくなって、改善できたかなーと一安心だったりします。

>>112
自分も書いてて、すごい書きやすいです、この組み合わせ(笑) 多分、ボケとツッコミだからvv

>>113
読みふけっていただけたなら本望です! これからもご贔屓にvv

>>114
自分自身が初期プレイ時に思ったことを、柊に代わってツッコんでもらっていますvv
特に「真珠姫の香(ry

>>115
未プレイの方にこの世界の雰囲気が伝わったようで、ほっと胸をなでおろしました……
説明不足で置いてけぼりにしてしまうのでは、と不安だったので(汗)

>>116
ち、超大作……!?(汗) いや、長さだけなら無駄に長くなりそうですが(汗)
話を交錯させると(書き手が)混乱しそうなので、基本的にメインストーリーは分けて書いていくつもりです。
宝石>幼馴染>竜殺しの順番で書ければ、と思っています。

>>117
面白い……(感激) その一言で、エネルギー充電満タンですよ!

やる気はあれど時間がない状況で、次の投下がいつになるかわかりませんが、気長に待っていただけると……(汗)
では、またいつか〜

119 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 14:32:23 ID:2R7lYnAp
LOMプレイ当時クソゲーだと思ってたが、数年後プレイしたら短編連作の名作だと感じたな
あのゲームのテンションは柊のツッコミによく合うな

120 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 22:53:59 ID:dQfmK9zO
GJ!なんかまたLOMやりたくなってきた・・・。
でも昔と違って社会人だからなあ・・・時間が

121 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/21(水) 17:57:04 ID:uTDXeunF
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□■□□■□□□□□□■■□□□ 【保管】
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□■□□□■□□■■□□□■□□  ●月と星と柊と #08 #09
□■□□■■■■□□□□□■□□  ●LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 #02
□□■□□□□□□□□□■□□□  ●青き薔薇の巫女 #04
□■■□□□□□□■■■□□□□  ●要いのりのクリスマス 前スレ>571
□□■□□■■□□□■□□□□□  ●クリスマスネタ 前スレ>583
□■■□□□■□□□□■■■□□  ●東京ネタ 前スレ>652
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聖剣伝説シリーズってやったことないんだよなあ。
SS読んでるとやってみたくなる。

122 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/21(水) 19:16:12 ID:ifXr7BFQ
>>121
乙〜ってラビかよっ!? ってLOMだからか・・・・。

ここはPC1:ラビ、PC2:エリスの帽子なSSをですね(ry

123 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/21(水) 21:18:07 ID:fn1BvJc2
>>122
期待してるからな!すっごい期待してるからな!

124 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/21(水) 21:21:02 ID:ifXr7BFQ
>>123
NOだ!

っつか他所向けに書いてるのに、並行して書くスキルは未習得なんだぜ?
とりあえずノリスかわいいよノリス

125 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/22(木) 15:08:31 ID:icCLOuF2
エリスがどうしたって?

126 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/22(木) 17:43:26 ID:nQ723POj
ウェストイック家の長男がどうかしましたか?

127 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/23(金) 10:58:03 ID:hjRYhu+P
グフカスタムのパイロットがどうかしたのか?

128 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/23(金) 12:43:00 ID:B9rJ/mhN
ノエル×エリスと申したか

【馬鹿は存在しないはずの地下へと落ちていった】

129 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/23(金) 13:49:49 ID:PZt1vIBv
(シ)ェリス(エルネス)って言ったんだよ

130 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/23(金) 20:58:09 ID:QM2Y0xEf
>>129
さあ、地下へと帰ろうな?

131 名前:124:2009/01/23(金) 21:01:09 ID:a+VsaLzA
|;゚∀゚)   どうしてこんなことに・・・・

132 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/23(金) 21:21:31 ID:XBgyR7R9
魔王の陰謀だ

133 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/23(金) 22:58:23 ID:pkHq+u1C
ゲリラの仕業だ

134 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 01:56:11 ID:qhZ+9NvO
ゴルゴムの(ry

135 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 02:35:12 ID:TnXJTZbZ
イェマド文明の遺産の匂いがする…!

136 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 02:38:21 ID:ONR2Eeo2
魔王孔明の(ry

137 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 05:40:27 ID:5R6dLrPd
いや、(田中)天の思し召しだ!

138 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 14:17:35 ID:jky5kcne
何だかんだ言っても、最終的にはやっぱりきくたけの所為です。

139 名前:124:2009/01/24(土) 15:21:39 ID:smZPJLaJ
>>138
そーだったのか

140 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 16:09:24 ID:Nqaf9gJ3
>>139
わかったなら早くSSを書き上げ投下するんだ!

141 名前:青き薔薇の巫女 ◆1IXdmMAgHc :2009/01/25(日) 22:56:25 ID:Toup9UFf
とりあえず、ブンビーさんが幸せそうで安心した。
ってなわけで11時から、投下します。

142 名前:青き薔薇の巫女 ◆1IXdmMAgHc :2009/01/25(日) 23:00:28 ID:Toup9UFf
「…ミル!?」
ミルクは跳ね起きた。頭から濡れタオルが落ちる。
心臓がどきどき痛いほど跳ねている。
怖い夢だった。自分と同じくらいの女の子に襲われて…完膚無きまでに敗北する夢。
思わず辺りを見渡す。間違いない。ここは…
「…嫌な夢を…ミル!?」
知らない部屋だった。

真新しい畳の匂い、古びてはいるが趣味のよい家具。
寝ている場所もいつものベッドじゃない。ミルクの身体にはいささか大き過ぎる、羽毛布団。
「ここはいったいどこミル?」
パッと見た感じだとこまちの家に近い感じがする和風の部屋。だが、漂っている澄んだ空気はどう考えても、違う。
いつも起きる時間からはだいぶ遅いらしく、閉じられた障子からは温かい日差しが入ってくる。
「まさか、さっきの夢、本当のことだったミル?」
だとしたらあの後、あの女の子に自分は攫われたと言うことなのか。
だが、それにしては怪我をしていないのが不可解だった。あんだけボロボロにされたはずなのに、すり傷一つ残ってない。
「と、とにかく…」
混乱しているなりに結論を出し、ミルクは布団から出て、立ち上がる。

PON!

「ここが一体どこなのか確認しないと」
くるみの姿になって障子に手をかける。
一瞬、あの子に連れてこられたなら開かないかも、という嫌な考えを頭をよぎったが、そんなことも無く、障子はあっさり開く。
「ここって…」
障子を開けてすぐに目に飛び込んで来たのは、石のタイルを敷き詰められ、掃き清められた大きな庭。
その庭の入口には赤い木でできた門が立っている。
石のタイルを包むようにかなりの樹齢である古木が立ち並び、さわさわと風に揺れている。
こんな感じの場所には見覚えがある。前に似たような場所には行ったことがある。
「神社?」
その時にココが話してくれた。確か人間の世界に古くからある神様を祭る場所だったはずだ。
「でもなんで…あれ?」
状況が分からず辺りを障子から頭だけを出してきょろきょろと辺りを見ていたくるみは気づいた。
縁側の向こうから、誰か来る。くるみの顔を見て、小走りに近づいてくる。
「はわー。よかったあ。気がついたんだ」
その人は大人の女性だった。
見た感じ、くるみやプリキュアのみんなよりは年上に見えるが、ココやナッツほどでは無い。その間と言ったところの年頃だ。
普通の服では無く、人間の世界で見たキモノのような変わった服を着ている。
その女性はほほをぽりぽりと掻きながら柔和な笑みを浮かべくるみに言う。
「いやあ〜幸福の宝石が発動したときはどうしよ…はわ!?と、とにかく、無事で良かったよ!」
途中まで言った何かを誤魔化すようにあははと笑って女性はくるみに話しかける。
「えっと、じゃああなたが助けてくれた…んですか?」
目の前の女性の発言にかすかな違和感を感じながらも、くるみは確認を取る。
「そだよ。見つけたのはエリスちゃんだけどね。あ、ちなみにあたしはくれは。赤羽くれはって言うんだ。よろしくね」
そう言ってくれははにこやかに手を差し出す。
「あ、はい。私はミ…美々野くるみです。よろしくお願いします」
とりあえず目の前の女性からは嫌な気配は感じない。きっと大丈夫。
そう判断してくるみはギュッとその手を握り返す。

143 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/25(日) 23:00:29 ID:CTQgVy4R
キター!ブンビーさんの再就職支援

144 名前:青き薔薇の巫女 ◆1IXdmMAgHc :2009/01/25(日) 23:01:04 ID:Toup9UFf
そうしてしばし握手をした後、くれははくるみに問いかける。
「ところで、どっか痛いところとか無い?大丈夫?」
「えっと…はい。大丈夫です」
くれはの言葉に、しばし己の体調を確認し、くるみはくれはに返す。
「よっし。ちゃんとうまく行ったみたいだね。連発だったからちょっとやばいかな〜と思ってたけど」
それを聞いて、くれははその場で小さくガッツポーズを取る。
その様子を見て、くるみは怪訝そうに問い返した。
「えっと、何がですか?」
「へ!?あ、いや、そのね…」
くるみの問いに何故かくれはは顔を赤らめてくるみに言う。少しだけ、言いにくそうに。
「実はさ、ここだけの話、あたし回復魔法がちょっとだけ…ほんのちょっとだけ苦手でさ。たま〜に、ほんとにごくたま〜にだよ?失敗するんだよね〜」
んでもまだとどめさしちゃった〜ってことは無いから安心してねと一つもフォローになってないことを口走るくれは。
だが、対するくるみはくれはの最初に口に出した言葉が気になっていた。
「回復…魔法ですか?」
魔法。くれはが自ら口に出した言葉だが、くるみの知る限り、人間界の住人は魔法を使えない。
くるみたちの世界でもごく限られた王族たちのみがわずかに扱えるくらい。そういう力のはずだ。
「うん。一応神社の娘ってことで昔っから陰陽師の勉強させられてたから、一応そこそこ使える方だと思うよ?」
だが、目の前の女性はあっさりと肯定する。まるでそれが当たり前のことだとでも言うように。
「え?でもかれんもナッツ様も魔法が使える人間がいるなんて一言も…」
そのことにくるみは首をかしげる。
「…あ。もしかして、くるみちゃん、人間のウィザードの知り合いがいないんじゃない?」
その様子を見て、くれははくるみに尋ねる。
「え?あ、そう…なるのかな?」
確かに少なくとも自分のことをウィザード、魔法使いだと言う人間は見たことが無い。
…伝説の戦士なら5人ほど知ってるが。
「ああ。だからだよ。ウィザードは普通の人間には正体明かしちゃいけないって決まりがあるから」
周りにイノセントしかいなければそう誤解しちゃってもしょうがないよとうんうんと頷いて答える。
「そう言うものなの?」
くるみの問いに年上の余裕って奴をよそおいながら、にこやかにほほ笑んでくれはは頷く。
「そ。世界結界が修正しちゃったり、消しちゃったりするからね。ふつ〜の人たちが知っちゃうとさ」
ああ、この子はあんましウィザードのことを知らないんだな。もしかしたら覚醒したてなのかもと考えながら。
ちなみに目の前の少女がウィザードではない、という可能性は考えない。何故ならば…
くれははしげしげとくるみの方を見る。特に頭の上の部分と、お尻のあたり。
「な、なに?」
その様子に、ちょっとだけ後ずさりながらくるみは聞き返した。
「いや〜耳も尻尾も完全に隠れてるなあ〜と思って。変身、上手なんだね〜」
ピンクのウサギが変身した少女が普通の人間ってことも無いだろう。

145 名前:青き薔薇の巫女 ◆1IXdmMAgHc :2009/01/25(日) 23:04:32 ID:Toup9UFf
「え?…あ!」
くれはの言葉にくるみは先ほど感じた違和感の正体に気づき、息をのむ。
そうだ、この人は、面識のない自分がミルクの姿の自分を寝かせた部屋にいることに何の疑問も感じて無かった。
…まるで自分が変身できることを知っていたかのように。
「あの、えっと」
「ああ、大丈夫大丈夫」
困惑するくるみにくれははヒラヒラと手を振ってみせる。
「人狼の知り合いはいないけど、詳しいことは昔お母さんにみっちり教わったから」
他のウィザードのクラスの把握も必要だからってね〜とちょっとだけと昔を思い出し遠い目をして言う。
「人狼ですか?」
「そう人狼。くるみちゃんみたいに変身できる子たちのこと。知らない?」
「え、ああ、それならば…」
そうか。ココ様やナッツ様みたいに変身できるパルミエ王国の住人は人間の世界では人狼と呼ぶらしい。
聞いたこと無いけど、多分普通の人間じゃない、ウィザードたちの用語と言うことなのだろう。
持ち前の回転の速い頭でそう納得して、くるみはくれはに頷き返す。
「そっか。分かってもらえたみたいでよかったよ」
その言葉にくれはは顔をほころばせる。
その笑顔につられるようにくるみも笑顔になり…次の瞬間、その顔を強張らせる。
「何か出たっ!?」
くるみの鋭敏な感覚が的確にそれをとらえる。理屈は分からないけど…嫌な気配。
「ごめんなさい。私、行かなくちゃ!」
くれはに一言、そう伝えるとくるみは駆けだす。嫌な気配を感じた方向へ。
「え?ちょっと、ど〜したのくるみちゃん!?」
ただならぬ様子に戸惑いながら声をかけるくれはが、懐の振動に気づく。
「はい?あ、アンゼロットさん?今ちょっと急用が」
一言言って切ろうしたくれはの顔に、緊張が走る。
「…本当ですか?分りました。すぐに応援に行きます」
真面目な顔になり、くるみの走って行った方向を確認し、確信する。
「…すぐに追わないと」
くるみが向かって行った方向は、輝明学園。
そこに仮面の冥魔の冥魔が出現したと言う報告。
間違いない。くるみが気づいたのは、それだ。

不可思議な確信を持って輝明学園へと向かうくるみ。
彼女は未だ気づいていない。自分が今、どこにいるのかに。

146 名前:青き薔薇の巫女 ◆1IXdmMAgHc :2009/01/25(日) 23:05:10 ID:Toup9UFf
今日はここまで。
ところで、ジャスティスVvsプリキュア5と言う電波、どうしましょう?

>>40
逃亡者ですから。

>>41
結婚遅かったんですかね?戦場生活長かったとかで。

>>42
大体1シーンごとに切ってます。あんまし長く書けなくなってますね。
3月になったら少しは暇ができるんで、そんときには分量も増えるかも。

147 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/25(日) 23:05:21 ID:CTQgVy4R
支援

148 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/25(日) 23:23:13 ID:W+pYRKiM
戦闘前に幸運の宝石使い切ったwww

149 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/26(月) 00:05:18 ID:zLNmnuja
GJ!
ブンビーさん生き残って良かったよ〜

150 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/26(月) 00:14:33 ID:tClbPWNz
GJ!だがこれだけは言わせてもらおう。
「げげーい!お前は死んだはずのー!!!」

151 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/27(火) 16:32:15 ID:+aBopJpd
そういえば、白き異界の魔王の外伝の続きが来てたな。
1月17日に。

152 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/27(火) 17:01:23 ID:unLaeq14
マジ?
クリスマスのではなく?
さすがにもう流れているよな……

153 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/27(火) 17:19:05 ID:Lo6SPFOF
いや、90スレ目の73-77だな。いま丁度真下にあるw

154 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/27(火) 17:19:52 ID:JDQxA+8b
みてきたー。
まだ流れてない!読める!ティアナマジガンバレ!

155 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/27(火) 18:28:38 ID:h6bGUti3
余所の話題で盛り上がりすぎだw 興奮オサマンネェwww

156 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/27(火) 19:45:02 ID:GIpBnjfP
まとめに追加されたら見よう

157 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/28(水) 18:27:26 ID:yfe81RAC
>ティアナ
うーむ、かわいそうにw 
南無南無ww

158 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/29(木) 23:58:16 ID:eRpzLU8j
他所の話題ついでに報告。
卓上スレに手紙SS2編来てた。
あと、3mの魔剣の人が某所でデモべSS書いてた。やっぱ、そーゆー趣味だったか。


我は絶叫し、謳い上げよう!

フェイトという薪に、チャンスという火種を!

さあ、殺し愛おう、我が愛しき怨敵よ!


「柊vsにゃる」は、なのはクロスのイベントssでもうやってたっけ。


159 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 00:50:19 ID:j55CPlYJ
そういや宇宙的恐怖とのクロス見ないな


ここの住人だと変に本格的なのが来そうでちょっと怖いがw

160 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 02:13:04 ID:gSqHDCMs
宇宙的恐怖なのは方向性的に相性悪いからじゃない?
ダーレス的なのは既にNWに内包されててあんまり代わり映えがしないし
デモンベイン(笑)はクロスじゃなくて「デモンベイン」になっちゃうし

161 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 08:01:35 ID:GXcg5vHl
卓ゲ板的なクトゥルフだと象撃ち銃でショゴスを撃ち殺しに行ったり、+5・ヴォーパル・メルクリウス・グレートソードで
タコ頭を瞬殺したり、セービングスローを通してピッコロを演奏してショゴスを踊らせたり、ミ・ゴより犬の方が強かったり
する話になるしな。

162 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 09:12:40 ID:5TTALR0v
熊怖い熊怖い

163 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 09:39:35 ID:GZ99Nc4J
ヒトとなったデモンベインが柊蓮司です、とかw

164 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 09:44:02 ID:ywRbVtBN
神殺しの魔剣ってそういう意味だったのか

165 名前:124:2009/01/30(金) 11:42:18 ID:TvOB7/bS
>>161
とりあえず全員狩猟サークルでショットガン所持は基本ですよね

166 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 20:47:24 ID:wbkCfl5t
>>156
追加してきたぞ。

167 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 21:15:16 ID:ywRbVtBN
よそのまとめサイトに行って追加してきたのか

168 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 22:13:44 ID:j55CPlYJ
まあwikiはそういうもんだからな。無駄な情熱は感じるがw

169 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 22:30:53 ID:ywRbVtBN
情熱の無駄遣いはここいらの住人の得意技だろ

170 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 23:21:44 ID:IG20XJ0x
別にあっちの住人でもあるなら追加してもおかしくないと思うが

171 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 09:21:13 ID:xRrrRmmC
>168
おかげで助かってます。

172 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 09:23:21 ID:BbqdOvE5
レベル低いw

http://www24.atwiki.jp/rakirowa/pages/1.html

ここの方が100倍面白いな

173 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 09:29:41 ID:VHx8rwJb
>172
さすがですくーどーおー。

174 名前:124:2009/01/31(土) 11:02:22 ID:fqC3z/0A
>>172
おみごとでございますくーどーおーw

175 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 20:17:15 ID:Fg7dk/zF
>>172
素晴らしいです、くーどーおー


とりあえずノッテみたけど、なんでくーどーおーの流れなんだ?、煽りの褒め殺し?

176 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 20:30:39 ID:MYHFSKcu
>>172
よく分からないけどブラボーですくーどーおーw

177 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 20:33:35 ID:vNkDPJmI
ナイトウィザードというかセブンフォートレスというか主八界ではバトロワと言えばくーどーおーなのだよ

178 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 20:41:24 ID:fqC3z/0A
>>175
多分ねw

179 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 20:47:16 ID:+73v+Hiz
誰もアンブレァス・ガエアと言わないですくーどーおー

180 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 23:38:13 ID:2nhlygmr
アァァァァァンブゥゥゥゥゥレアァァス・ガァエェアァァァァァでぇぇぇぇぇす

181 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/01(日) 09:16:28 ID:+GSGHVQA
いまいち流れが分からんが素晴らしい叡知です、くーどーおー

182 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/01(日) 10:03:00 ID:VqIx/Ue0
新サプリメントのおかげで何人かの職人がストップしている間のネタをくれるとは
さすがですくーどーおー

183 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/01(日) 21:44:06 ID:bwC1tLKG
オペレーションケイオス読んで聞いてみたけど……
ネタ満載なのはいいとして、ここで見たネタが混じっている気がするのは気のせいか……

184 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/01(日) 21:45:58 ID:VqIx/Ue0
未来からネタをもってくる男を甘く見てはいけないと思う

185 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/01(日) 21:46:35 ID:mEbQNz1R
アンゼの「退かぬ(ry」はぽんこつ個人スレ
アゼルに関しちゃ地下スレ

ここらへんの住人も未来からパクってたな

186 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/01(日) 22:10:08 ID:sacteVPr
そういえばちょうど一年前は、ここリレーの真っ只中だったんだなぁと過去ログを漁ってみた

187 名前:183:2009/02/01(日) 22:31:00 ID:bwC1tLKG
うん、どうしても気になって過去ログ漁ってみたら
11スレ306に「魔王のみぞ知る世界」にちびっこがいた

……予言してしまった作者ってどんな気持ちなんだろうとは思ったが

188 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/01(日) 22:38:11 ID:fUTep4DR
今日の俺の行動
>>172の影響で漫画ロワを読み返したくなる
漫画ロワを読み返す
ここのリレーを読み返したくなる
過去ログ漁って読み返す←いまここ

うむ、やはり熱い展開は何者にも勝る事を再確認したぜ!

189 名前:みつやん:2009/02/03(火) 12:08:28 ID:3BXtqSiu
NWファンブック4弾目、まだ入手できてない子です(泣) くれはPC参戦気になる……!

LOMクロス続き書けました! 前回に引き続き、バカみたいに長い!(汗)
本日21時くらいに投下しようと思います! どうぞ暖かい支援をお願いいたします!

190 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 12:21:16 ID:n6T0dTh7
生暖かく全裸待機!

191 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 13:32:41 ID:CsAR5T4C
支援できたら支援しようでないか←なんか偉そう

192 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 13:53:47 ID:WiyqZGgd
まじでか。<LOMクロスの人
うっしゃあ、仕事やる気が出てきた!さっさと終わらせるてやるぜ!

193 名前:某所過去ログ保管庫の人 ◆lwdnNJFGXE :2009/02/03(火) 14:38:19 ID:08OuylKk
某所の過去ログ保管の中の人です。
諸般あってちょっと時間ができたので
過去ログ一覧を更新しました。
ttp://csx.jp/~yadorigi/index.htm

194 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 15:07:32 ID:wMKSRZtD
>189
その時間には居ないから念だけ送っておくぜ

>193
乙。なにげに魔王スレ保管されてたのかw

195 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 20:44:45 ID:wD7vKe9I
支援待機。

196 名前:みつやん:2009/02/03(火) 20:51:00 ID:3BXtqSiu
予告時間より少々早いですが、参りました〜。待機してくださっている方、ありがとうございます〜vv

では、今から投下させていただきます!

197 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 20:52:41 ID:3BXtqSiu
《シンタク 〜Trust/Oracle〜》

 目を覚ますと、そこは見慣れぬ寝台の上だった。
「……ここは……?」
 呟きは、答えを求めるものではなく、ただ疑問が漏れただけの声。けれど、それに答える声があった。
「私の部屋です」
 しっとりと耳に響く、それでいて澄んだ声。声の主を求めて視線を彷徨わせると、一人の少女が寝台へと歩み寄ってくるところだった。
「良かった目が覚めて」
 寝台の脇に立った少女は、そう柔らかく笑む。
 不思議な少女だった。顔立ちはまだあどけない。まだ十代の半ばほどに見える。しかし、その青い海のような眼差しは深い慈愛を湛え、さらりと長い澄んだ金の髪は、さながら聖女のベールのよう。
 変わった棒状の髪飾りに、赤と青を貴重とした少々露出の高いワンピース。それらすらも、彼女が纏えば、まるで精霊崇拝(アニミズム)の巫女(シャーマン)のような、神聖な気品を醸し出す衣装となっていた。
 どこまでも包み込むように優しく、それでいて気品を湛えた、聖母のような少女。
「ご気分は?」
「だ、大丈夫です」
 慌てて答えれば、少女は安堵したように笑った。
「良かった。……あなたの、お名前は?」
 小さく首を傾げて問われ、はた、と気づく。
(名前……あたしの、名前)
 自分は、誰だったか。誰だったのだろう。思い出せない。
 その時――不意に、誰かの声が聞こえた気がした。

『――………』

(知ってる……この、声――)
 小さい頃からずっと一緒で、辛い時や悲しい時、怖い時や危ない時に、必ず駆けつけてきてくれる彼の声だ。
(彼? 彼って誰?)
 駆け抜けたイメージに、疑問符が浮かぶ。

『――………!』

(ああ――柊だ)
 また聞こえた声に、答えが浮かぶ。幼馴染の柊蓮司。彼は、何をそんなに一生懸命叫んでいるのだろう?

『――くれは!』

(くれは――誰かの名前? 誰の名前?)
 とても懐かしい気がする。思い出さなきゃいけない。

『――くれは!』

(そうだ、あたしの名前だ)
 少女の質問の答えを見つけた。赤羽くれは。それが自分の名前。

 彼の声が、自分の名前を呼んでいる。

(行かなくちゃ――)
 身を起こそうと身体に力を込めると、そっと少女が手を貸してくれた。
 白磁のように白く滑らかなその手の甲に、碧く刻まれた紋様が目に付いた。葉脈を透かす葉のような、鳥が落した一片の羽のような、細長い涙滴形の模様。

198 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 20:53:06 ID:3BXtqSiu
「思い出しましたね?」
 助け起こしながらそう問う彼女に、頷く。
「あたしは……くれは。赤羽、くれは」
「くれは、さん」
 良い名前ですね、と彼女は微笑した。
「声が、聞こえるでしょう?」
 立ち上がるくれはの肩を支えながら、彼女は言う。その視線を追えば、質素な木製の扉が見えた。
 自分を呼ぶ、彼の声。それは、その扉の向こうから響いているのだと、わかった。
「さあ、行って」
 彼女はくれはの背を押す。その手は優しく、しかし不思議と抗えないと思わせる。
 けれど、くれはは足を止めて、彼女を振り返った。
「あなたは……?」
 その問いに、彼女はしっとりと笑んで、
「私は、メグ。本当の名前ではないけれど、友達はいつもそう呼んでいたの」
 そう、くれはの求める答えとは、違う答えを口にする。
 大きく頭を振って、くれはもう一度問う。くれはが訊きたかったのは、
「あなたは……メグは、行かないの?」
 その問いに、彼女は微笑む。その海の瞳に、静かな悲哀と深い慈愛を湛えて。
「ええ。私は、ここに」
「けど……」
 くれは戸惑う。彼女をここに置いて行っていいのか、その思いが消えない。
 だって、ここはとても寂しい所だ。どこまでも広いのに、何もない。ぽつんと、寝台と扉だけが、どこまでも続く白の中に浮かんでいる。
 こんな寂しい場所に、彼女ひとりを置き去りになんてできない。
「一緒に行こう?」
 そう手を差し伸べれば、少女は小さく首を振る。
「それはできないの」
「どうして?」
 重ねて問えば、彼女は微笑んで言った。
「それは、あなたの扉だから」
 よくわからない答え。ただ、その瞳に湛えた静かな悲哀が、共に行くことは許されないと告げている。
 けれど――ならば、
「あたしの扉だっていうなら、あたしが許すよ。一緒に行こう!」
 言って、少女の手を取った。
 初めて少女の顔から微笑みが消える。困惑で眉を垂らして、
「そんな、駄目です。前例がないわ。そんなことをしたら、あなたもどうなるか……」
 よくわからないが、今くれはがやろうとしていることが、とんでもない掟破りだということはわかった。けれど、
(それが、なにさ!)
 掟破り、上等だ。こんな寂しそうな子を置いていくなんて、できっこない。
 それに、きっと、彼ならこう言うんだ。
「前例がないなら、いいじゃない! 誰もやったことがないだけで、悪いことが起きるとは限らないでしょ?」
 そう、満面の笑みで告げれば、彼女は心底驚いたように目を見開いて、
「……そう……だから、あなた達だったのね……夢から生まれた、現の人達……」
 泣き笑いのような表情で呟いて、手を取るくれはの手を握り返した。
 呟きの意味はわからなかったけれど、握り合った手は、一緒に行くと言ってくれていたから。
「――行こう!」
 そう告げて、手を引いて――くれはは、その扉を開いた。

199 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 20:54:19 ID:3BXtqSiu
《ヨクなき者 〜Greed/Suppress〜》

「出稼ぎに行って、逆にぼったくられてどうするんですかー!?」
 その日、朝っぱらから、仮にとはいえ家主のはずの青年は、思いっきり居候の少女に怒鳴られていた。
 双子の姉弟が、柊が住む丘の家に来てから四日。家の中の力関係は、完全に『カカア天下』と化していた。
 器用なコロナは、ただお世話になるなんてできない、と来てすぐに家の家事全般を引き受けるようになった。気を使うことはない、という柊の言葉を受けてもやめようとはせず、それどころか。
 『気を使うな、って言うなら、バンバン手伝ってもらいますねー』と、自身で手の足りないことに柊を使う始末。今や、この家の文明的生活と台所事情はコロナによって完全に支配されていた。
「あー……その、悪ぃ……」
「『ワリィ』じゃないですよ! どうするんですか!? もうすぐ買い置きも尽きるんですよー!?」
 テーブルに着いて縮こまる柊に、対面の椅子の上で仁王立ちになったコロナは、おたまを持った手を硬く握り締める。その声は怒声というよりもはや悲鳴だ。
 ユウの残しておいてくれた金が心もとなくなってきたため、柊は昨日と一昨日、仕事を探しにドミナの町に行っていた。
 一昨日は町をぶらつくだけで終わってしまったが、昨日はバザールで出会った商人から盗賊退治の依頼を受け、つつがなく依頼内容を完遂したのだが――
「礼金代わりにこんなガラクタ押し付けられて、あげく残り少ない現金全部取られたって! どーゆーことですかー!?」
 ばんっ! とコロナが叩きつけた拳に、テーブルの上に置かれた品が揺れる。
 鉄鍋に、中に入った饅頭と変な虫。壊れた車輪。獣の顔が掘り込まれたメダルと、不思議と消えない炎を宿すランタン。
 最後の二つは、もしかしたら多少価値があるかもしれないが、その他は本当にただのガラクタにしか見えない。
 依頼人は、ニキータという、兎と猫を足して二で割ったような獣人だった。彼は柊に“お礼”と称してこれらの品々を押し付け、去っていったのだ。しかも、いつの間にやら、柊の財布の中身を代わりに掏り取って。
 ドミナで買い物をして帰ろうとした柊は、金の代わりに入っていた『アダマソナベ、ヘバタのタコムシ、草ムシまんじゅう、車輪、獣王のメダル、炎、以上六品の代金、確かにいただいたにゃ』のメモに、凍りついたものだ。
「いや、もう……ゴメンナサイ」
 コロナの言葉に、柊としては縮こまるしかない。柊自身としては金を盗られたこと自体より、掏られたことに気づけなかったことがショックだったりするのだが。
「『ゴメンナサイ』で済む問題じゃな――」
 言いかけたコロナの言葉を遮って、ずどん! と腹に響くような音が頭上から聞こえた。
「……バド!?」
 瞬間、しおたれていた柊は弾かれたように椅子を蹴って立ち上がり、階段を駆け上がる。
 二階の寝室、その天井の一角が一メートル四方に開いており、そこから梯子が伸びていた。双子達がやってきてからサボテンが教えてくれた屋根裏部屋。現在双子の部屋として使われているそこから、薄い煙が漏れてきている。
「おい! 大丈夫か!?」
 四肢を最速で動かして梯子を上り、屋根裏に顔を出して叫んだ柊が見たのは、ベッド脇で腰を抜かしてへたり込むバドの姿だった。
「……し、ししょー……」
「どうした、何があった!?」
 慌てて屋根裏に身体を引き上げ――その際、立ち上がった拍子に低い天井に頭をぶつけたりしながら、転(まろ)ぶようにバドへと駆け寄る。
「ケガは……ねぇか」
 助け起こすようにしながら、少年の身体状況を診て柊はほっと息をつく。服が所々煤けてはいるが、それだけのようだ。室内も、壁や家具が少々煤けているだけで、火事にはなっていない。まあ、リネン類の交換と部屋の大掃除は必須のようだが。
「……ったく、“今度は”なにしたんだよ?」
 安堵の後は、呆れが込み上げてきた。柊は、少年の向かいに胡坐を掻いて問う。
 バドはバツの悪そうな表情で、
「その……これ……」
 もごもごと口の中で呟きながら、手に握り締めていたものを示してみせた。
 何やら精緻な紋様の描かれた数枚の金貨。それに、柊は見覚えがあった。一昨日、ドミナの町をぶらついている時に手に入れたものだ。
 カボチャが消えた後の空き地の様子が気になり、町外れへ足を向けた際のことだ。
 真昼間だったというのに、人魂を思わせる赤い火の玉のようなものが柊に寄って来たのだ。脇から生える小さな両手に何か棒のようなものを持ち、中央にある顔にどこか楽しげな表情を浮かべて。
 ゆらゆらと寄ってきたそれは、柊の目の前まで来ると、すぅっ、と消えた。消えた後に残っていたのが、この金貨である。

200 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 20:55:16 ID:3BXtqSiu
 得体が知れないので放置していこうかとも思ったのだが、その人魂らしきものから感じたのが、悪意でも敵意でもなく、好意のような気配だったため、とりあえず拾って持って帰ってきておいたのである。
 バドとコロナには空き地で拾ったとだけ伝えて、寝室のテーブルの上に置いておいたのだが――
「……これが爆発したのか?」
「そう……ともいえるし、そうでもないともいうか……」
 もしや自分が危険物を持って帰ってきてしまったのかと眉を寄せる柊に、煮え切らない調子でバドは答えた。よく見ると、小さな身体の影に何やら隠している。
「……それは?」
 背後のそれ――古めかしい分厚い本を指し示して柊が言えば、バドは観念したように項垂れた。
「書庫で見つけた本です……」
「で? なにやったんだ?」
 もはやジト目になった柊から目を逸らしつつ、バドは小声で、
「この金貨……魔法学校で見た精霊のコインと似てるな、と思って……でも本物かわからないし、確かめてみようと……普通は、楽器に埋め込んで使うんだけど、この本に、楽器を使わずにコインの力を引き出す方法が書いてあったから……」
「……で、試してみたら、爆発したと?」
 はい……、と柊の確認にバドは答えた。柊は盛大に溜息をつく。
「得体の知れないことやる時は俺も呼べって言っただろうが。あと、外でやれ、とも」
 この家の敷地内には、開けた原っぱがある。家畜小屋らしい建物があるので、元々放牧地だったのかもしれない。実験の類をする時はそこでやるよう、双子のベッドを買い換える羽目になった“最初の”失敗の際に、くどいほど言い含めておいたのに。
「バカバド」
 項垂れる少年に冷たい声で言ったのは、柊ではなくコロナだ。いつの間にか、屋根裏の入り口からひょっこり顔を出して、半眼で弟を睨んでいる。
「あんた、何度やれば気が済むの。この家壊す気? ただでさえお金なくて困ってるのに……そもそも、誰がこの有様を片付けると思ってんの?」
 何かもう、周りに蜃気楼の如き怒りのオーラが見えるようである。
 バドはだらだらと脂汗を垂らしながら、必死に弁解するように叫ぶ。
「ちゃ、ちゃんと俺が全部片付けるから! お金の方も大丈夫だし!」
「どう大丈夫だっていうの!?」
 怒鳴る姉に、バドは手にしたコインを掲げて見せて、
「こ、これこれ! 精霊のコイン!」
 え!? とコロナは声を上げて、屋根裏に身体を上げてバドに駆け寄った。弟からそのコインをひったくって、食い入るように見つめる。
「ほ、本物!?」
「暴発したにせよ、発動したんだから本物だよ! 多分、サラマンダーの金貨だ!」
 弟の太鼓判に、コロナは嬉しそうに金貨を握り締めた。
「あぁ! 良かった! これを売ったら、しばらく生活できますね!」
 少女は満面の笑みで柊を振り返って言う。なんかもう、売ることが決定事項になっているようだ。まあこの状況で、売らない、という選択肢は柊の方にもないのだが。
 しっかりと金貨を握ったまま、コロナは満面の笑みで弟に向き直り、
「けど、今度なんかやらかしたら、あんたの恥ずかしい失敗ベスト10を柊さんに懇切丁寧に語って聴かせるからね」
「ワ、ワカリマシタ、モウシマセン……コロナオ姉サマ……」
 笑顔で凄む姉の異様な迫力に、バドは強張った表情で平伏した。
 バドのその様に、柊は深く同情を覚えた。秘密を握られて逆らえないその様は、とても他人とは思えない。
(――って、あれ……?)
 覚えたその感覚に、柊は眉をひそめる。

『なんなら、あんたの秘密、ばらしても――』

 そう、ことあるごとに言っていたのは、

(誰、だった……?)

 前にも感じた、記憶のノイズに、柊は立ちつくし――
「……師匠? どうしたんすか? 変な顔して」
 案じるバドの声に、はっと我に返った。
「いや……なんでもねぇ」
 この幼い双子に心配を掛けるわけにも行かない。柊は軽く頭を振って、誤魔化すように言った。
「しっかし、そのコイン、そんなに値打ちものだったのか」
「あったりまえじゃないですか師匠! 魔力(マナ)の塊みたいなものだぜ!?」
 バドが呆れたように言った。ぴっ、と人差し指を立てて、
「いいっすか、師匠? 精霊のコインは、滅多に手に入るもんじゃない。名の通り、精霊が授けるものなんだ。精霊は普通、人の多いところには出てこない。洞窟の最深部とか、森の奥とか、人から忘れられた遺跡の中とか……そういうとこでしか遇えないんだ」
 指をぴこぴこ振りながら、講義するように言う。どっちが師匠なのだか。

201 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 20:55:18 ID:CsAR5T4C
べ、べつにあんたのために支援してあげるんじゃないからねっ!

202 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 20:56:01 ID:3BXtqSiu
「しかも、遇えたからといって貰えるとも限らない。精霊は自分から人に近づかないんだ。シャイなのか、警戒心が強いのかはわからないけど。でも、精霊は音楽が好きだから、楽器で精霊が気に入るような曲を奏でてやれば、演奏のお礼にコインをくれるんだってさ」
 精霊のコインを得るために楽器を持って未踏の地を巡る人もいるくらいだ、というバドに、柊は素直に感心した。
「へぇ、そういうもんなのか。……でも、じゃあ俺が遇ったのはなんだったんだかな……」
 へ? と双子が柊の言葉に首を傾げる。
「これ、ドミナの空き地で拾ったんでしょう?」
「どう説明したもんかわかんねぇから、そう言ったけどな。正確には、もらったって感じなんだよな」
 コロナの言葉に、柊は頬を掻きながら、言葉を探す。
「空き地に行ったら妙な赤い火の玉みたいのが寄って来て、目の前で消えて。そしたら、足元にこの金貨が転がってたんだ」
 柊の説明に、双子はそろってぽかんと目と口をOの字に開いた。
「……それ、槍みたいなの、持ってなかった……?」
「……んー、棒みたいなのは持ってたけど、槍かどうかまではわかんねぇな」
 バドの質問に対する柊の返事は曖昧なものだったが、それで十分だったらしい。双子は声を揃えて叫んだ。
「サラマンダー!」
 へ!? とその勢いに柊は思わず身を引く。
「さ、さらまんだー?」
「火を司る精霊、サラマンダーですよ! 知らないわけじゃないでしょう!?」
 鸚鵡返しにする柊に、コロナが叫ぶ。バドが続けた。
「曜日にもなってるじゃないすか! 火金土風木水――サラマンダー、アウラ、ノーム、ジン、ドリアード、ウィンディーネって! これに光と闇、転じて昼と夜を司るウィル・オ・ウィスプとシェイドで、八精霊!」
「あ、ああ……そーか、それか」
 そうなのか、と思いつつ、とりあえず調子を合わせる柊。どうやらこの世界で、精霊の名前は常識らしい。ここで曜日の名はおろか、ここでの週が六日周期であることも知らなかったと言えば、子供達がこの俄か保護者の素性に不安を覚えるだけだろう。
「で、でも……精霊は人里には出てこないんだろ? 自分から人に寄って来ることもないって……俺、楽器はおろか、口笛吹いてたわけでもないんだぜ?」
「それでも、そうとしか思えねぇよ! だって、精霊のコインを授けられるのは、精霊だけなんだから!」
 外見も一致するし! とバドが首を傾げる柊に力説する。その目は、改めて己の師を慕うような光が宿っていた。
 その視線をむずがゆく感じながらも、もしかしたら、と柊は思う。
(俺の属性に惹かれて来たのか?)
 柊の属性は、第一が風、第二が火だ。火を司るというその精霊は、柊が内包する火のプラーナに惹かれて、コインをくれたのかもしれない。もしかしたら、いつか風の精霊にコインをプレゼントされる日も来るかもしれなかった。
 しかし、確信もないし、この推論を話したところで何がどうなるわけでもない。
「ま、まあ、理由はどうあれ、助かったのは確かだ。素直に精霊の恵みに感謝するとすっか」
 そうですね、とりあえず何を買おう、とはしゃぐ双子に、柊は苦笑気味に息を吐いたのだった。
 ちなみに。
「金のもーじゃ」
 ぼそっと下の寝室で三人の会話を聞いていたサボテンが呟いたりしていたが、そこはまあ、柊達の知る由もないことである。

  ◇ ◆ ◇


203 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 20:57:18 ID:3BXtqSiu
 とりあえず、どんなお宝でも、そのまま食事や日用雑貨に化けてくれるわけではない。精霊のコインを現金化するべく、柊はドミナの町に向かった。台所事情を預かるコロナはもちろん、バドも一緒についてきた。
 柊一人の時より時間はかかったが、昼前にはドミナについた。とりあえず、顔なじみの道具屋でコインを現金化しようとして、
「多分、宿に泊まってる魔法学校の学生さんの方が良い値で買い取ってくれますよ」
 しかし、コインを見たマークは、にこやかにそう告げた。
「そうなのか?」
「はい。それに、うちは旅人向けに武具も扱ってるけど、基本日用雑貨の店なんで……ちょっと」
 仕入れても捌きかねるんです、とマークは苦笑した。
 なるほど、双子の話ではこのコインはそれなりの稀少品のはずだ。言ってはなんだが、この質素な店では扱いかねるのだろう。
「その宿って?」
「レイチェルがバイトしてる店の隣ですよ。“マナの祝福亭”」
 マークの言葉に辞去して、三人は教えられた店へと向かった。
「多分、魔法道具の材料を集めるために旅してる学生だよな」
「むしろ、集めた材料を売り歩いて学費を稼いでるって方が正しいけどね」
 宿にいる学生について、魔法学校の元学生だという双子が、口々に言った。柊は思わず眉を寄せ、
「学生なのに、学校行かなくていいのかよ」
「課外活動扱いで、ちゃんと単位も貰えますよ。レポートや学費をちゃんと定期的に出せば、ですけど」
 私たちの年じゃその制度は申請できませんけどね、とコロナは言う。まあ、仮にも旅に出すのだから、年齢制限は当然だろう。
「そういや、その学校っていくつから入れるんだ?」
「基本的には満六歳からだったかな? 種族での例外や、特例試験をパスすれば別みたいですけど」
 コロナの言葉に、ぼやくようにバドが続ける。
「結局、俺らは一年しかいられなかったけどなー」
「ってことは、お前ら今、七つか?」
 柊の言葉に二人は頷く。コロナが溜息混じりに言った。
「私たち森人は寿命こそ長いですけど、成人するまでの成長速度は人間と変わりませんからね。たまに、老化が遅いんだから、成長も遅いんだろうって勘違いしてる人もいるみたいですけど」
「そーそー。魔法学校でも、たまに勘違いしてるやついたよな。俺らより明らかに年上のヤツが、こっちの耳見て年上扱いしてきた時は、笑っちゃったよ」
 ちゃんと種族の勉強もしとけよなー、とバドが笑った。
 へぇ、と二人の会話に柊は声には出さず呟く。コロナの言う『人間』とは、獣人などを含む大きな括りでの意味だろうから、『森人』というのはその『人間』の括りに入らない別種族なのだろう。多分、その老化速度の差から、括りが分けられているのだろうが。
 しかし、森人の方が精神的に人間より早熟なのでは、と柊は思った。バドとコロナは年相応に子供っぽいところもあるが、頭の回転は速いし、語彙も豊富だ。もしかしたら、種族の問題ではなく、単純に二人の置かれて来た環境故かもしれないが。
 柊が考えるでもなくそんなことを思っているうちに、例の宿についた。観音開きの扉は、質素だが広く作られている。
「いらっしゃいっス〜」
 入った先のホールで三人を出迎えたのは、大きな黄色い鳥だった。丸っこい胴に、大きな頭部。翼は短くて飛べそうにないが、逆に足はしっかりとしている。瞳は大きく、なかなか愛嬌のある容姿だった。頭部を飾るリボンと声からして女性(メス?)だろう。
「チョコボのヒナ?……にしちゃ、おっきいけど……」
 ぼそっ、とバドが言う。それが聞こえたらしく、彼女はバドへと片翼とをズビシッと振るって、
「チョコボじゃないっス! カナリヤっス!」
「うわすんません!」
 翼は寸止めだったが、突然のことに驚いてバドは叫ぶように謝罪した。
「わかってくれたならいいっス。自分はこの店のオカミのユカちゃんっス」
 根に持つタイプではないらしく、鷹揚に頷いて自己紹介するユカちゃん。いや、客(しかも子供)に容赦なくツッコみを入れる時点で鷹揚といえるか微妙だが。
「あー、俺ら泊まりに来たんじゃなくて、ここの客に用があってきたんだけど」
 魔法学校の学生なんだが、と柊が言えば、ユカちゃんはすぐに合点がいったらしい。
「ああ、あの出張素材屋さんっスね。それなら、二階に上がって右の突き当たりっスよ」
 言って、左手にある階段の方を指し示す。許可を得て三人は二階に上がり、言われた部屋のドアをノックし――
「――あら、また会ったわね」
 開けられたドアから現れた妖艶な笑みに、柊は一瞬絶句した。

204 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 20:58:07 ID:3BXtqSiu
「……あんた……洞窟の」
「覚えててくれたの。嬉しいわ」
 ようやっと声を絞り出した柊の呟きに、メキブの洞窟で出逢ったチャイナ服の女は、にっこりと微笑んだ。
 しかし、言葉とは裏腹にその翠の瞳はどこか冷たい。見惚れるようなその微笑すら、ただ妖しいだけだ。
「あの子は無事?」
 彼女の言う『あの子』が真珠姫のことだというのは、考えるまでもなくわかった。
 しかし――
「さあな」
 柊は素っ気なく答える。あの後二人がどうなったかは柊も知らないし、そもそも知っていたところで、どこか得体の知れないこの女に教える義理はない。
「そう……心配だわ」
 柊に返して呟く声も、どこかからかうような響き。口元の微笑もそのままで、どう見ても彼女の言葉を額面通りに受け取ることはできなかった。
「……ここ、魔法学校の学生の部屋だって聞いたんだがな」
 それとも、あんたがその学生か? と皮肉のように訊いてやれば、女は変わらぬ笑みのまま頭を振った。
「私もここの子に用があっただけ。もう終わったけど」
「そうか。じゃあ、通してくれねぇか?」
 柊の言葉に、女はわざとらしく目を見開いて、
「あら、ごめんなさい。気がつかなかったわ」
 ドアを塞ぐように立っていた位置から横にずれる。
 そうして、柊とすれ違って去って行く、刹那、
「あの忠告、忘れないでね――その子達のためにも」
「――な……!?」
 息を呑んで振り返る柊に一瞥も向けず、その後姿は反対の突き当りの部屋へと消えていった。
「……師匠、今の人……知り合い?」
「いや……」
 どこか戸惑ったようなバドの言葉に、柊は小さく、しかしきっぱりと答える。
「少なくとも、友達じゃねぇよ」
 今までも、そして、おそらくはこれからも。あの女とはどこか相容れないと、はっきり感じた。
 と、不安げに俯いていたコロナが、柊を見上げ、
「大丈夫……ですか?」
「……なにがだ?」
 柊がきょとんと首を傾げるのに、コロナの顔は晴れない。
「だって……なんか、あの人……怖かった」
 さっきまでの柊さんも、と小さく口の中で呟いたのが、柊の耳に届いた。
 おそらく、あの女と柊が意識の水面下でぶつけ合った、殺気寸前の敵意を敏感に感じ取ったのだろう。
「――悪ぃ、居心地悪かったよな」
 柊は苦笑して、わしわしとその頭を撫でる。
「わ!? ちょ……髪の毛ぐしゃぐしゃになっちゃいますよ!」
 やーめーてー! というコロナに、柊は悪戯な笑みを向けてやる。それに、コロナもつられたように笑った。彼女の表情を曇らせていた陰りが消える。
「あのー……うちに用がないなら部屋の前で騒ぐのやめてくれません?」
 と、開きっぱなしだったドアの中から、困惑したような声が届いた。
「あ、悪ぃ。用はあるんだ」
 当初の目的を思い出し、柊は答える。
「買い取って欲しいもんがあるんだけど」
「そうですか。じゃ、入ってもらえますか?」
 許しを得て、室内に入る。最後に入ったバドがドアを閉めた。
 質素な部屋だった。シングルベッドが一つに、ナイトテーブル。部屋の主はそのテーブルについた椅子に腰掛けていた。
 独特のデザインの青いローブと帽子は、おそらく制服だろう。まだあどけない容貌で、十代の半ばほどに見えた。
 どうやら、バドとコロナとは面識はないらしく、お互い無反応だった。まあ、それなりの規模なら同じ学校に通っていたからといって、全員の顔を見知っているわけではないだろう。年が違えば、余計に。
「で、売りたいものってなんですか?」
「これ」
 学生の言葉に短く答え、柊は数枚のコインをテーブルに置く。学生の対面に椅子があったが、掛けなかった。長居するつもりもない。
 学生は無造作に出されたコインに、ぎょっと目を剥いた。
「精霊のコイン!?」
「らしいな」
 柊の言葉に、学生はコインを手にとって、ひっくり返したり透かすように掲げたり、懐から取り出した魔法具を上に掲げたりした。
「……本物だ。サラマンダーの金貨ですね」
 すごいや、と彼は目を輝かせ、買取額を提示した。

205 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 20:59:28 ID:CsAR5T4C


206 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 20:59:33 ID:3BXtqSiu
 柊には相場がわからなかったが、双子のリアクションを見る限り、かなり良い額のようだ。しばらく生活するのに困らないだけの額でもある。
「じゃ、それで」
 あっさり商談は成立。もらった代金を確かめ、懐にしまう――ふりをして、月衣に収めた。もう、掏りに遭うのはごめんである。
「助かりました。実は、精霊のコインが次の課題の必須材料で」
 これで危ない思いして人里離れた奥地に行かなくて済みます、と学生は笑う。
「……なあ、さっき、ここから出てきた女なんだけど」
「ああ、さっきの美人さん」
 柊の言葉に、学生はへらりと相好を崩した。まあ、あの女の容姿だけを見たなら、妥当なリアクションだろう。
「……あいつは、何か買ったのか? 売ったのか?」
「宝石をいくつか、こっちの言い値で売ってくれました。それなりに良い石だったのに、気前の良いお客さんでしたよ」
 まあ美人相手でしたから、ボクもそんな吹っかけなかったんですけど、というおどけた言葉にも、今の柊には笑う余裕がない。
「……宝石、か……」
 あの大きな宝石で胸を飾った二人。宝石を売買する女。――どういう関わりがあるのだろう。
「まあ、あなたも今後ともご贔屓に」
 学生の上機嫌な声を背に受けて、柊達は学生の部屋を後にした。
 と、階下に下りる際、柊は階段脇の突き当たり――あの女が入っていった部屋の気配を探るも、無人のようだった。
「二階の階段脇の部屋、誰が泊まってるんだ?」
 降りてから、女将にそう問えば、彼女は不思議そうに首を傾げて、
「今日のお客さんは各階一人ずつっスよ?」
「……緑の服の女が、ここを通らなかったか? 茶髪を結い上げて、赤い花飾りをした」
 柊の言葉に、彼女はますます首を傾げた。
「そんな人、見てもいないっス」
 つまり、あの女はこのホールを通らずあの部屋を訪れて、帰りもここを通ることなく出て行ったのだろう。――おそらくは、あの空き部屋の窓から。

『――君が石にならないといいけど』
『あの忠告、忘れないでね――その子達のためにも』

(やっぱ、得体が知れねぇな)
 あの冷たい翠の眼差しを思い出しながら、柊はどこか薄ら寒い思いを覚え、頭を振った。

207 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 21:00:35 ID:3BXtqSiu
《ヨウショウの絆 〜Little/Eternal〜》

 女将に辞去して宿を出ようとした時、柊の脇から声をかける者があった。
「また会ったわね」
 奇しくも、先程あの女が告げたのと同じ言葉をかけられて、柊は弾かれたように振り返る。
 その先にあったのは、冷たい翠の眼差しではなく、柔らかな深緑の瞳。
「……あんた、昨日、街道で会った」
「ええ。覚えててくれたみたいで、嬉しいわ」
 微笑んで告げられる言葉もあの女と同じようなものなのに、受ける印象は正反対だった。真っ直ぐで誠実な響き。
 声の主は猫の獣人の女性だった。まだ若いが、柊より年上なのは間違いないだろう。
 ほっそりとしていながら、華奢な印象を受けないしなやかな肢体。露出の高い青い衣は、色香ではなく動き易さを重視してのことだと、腰に携えた多節棍(ヌンチャク)が示している。胸元と、綺麗な三角の耳を飾る鈴の飾りが、彼女の動きに合わせて涼しげな音を奏でた。
 目を細めた笑みは愛らしく、またすっきりとした凛々しさも感じさせる。深緑の瞳は柔らかく和んでいるが、芯にある強い意志の輝きもまた見て取れた。穏やかに落ち着き、また真摯なその様子は、好感を覚えるのに十分だった。
「昨日は、お仕事の邪魔をしてしまったようで、ごめんなさい」
「いや、こっちこそ、大事の用の邪魔しちまったみたいで、悪かったな」
 互いに、昨日始めて出逢った時のことを思い出し、苦笑する。
 昨日、柊が盗賊退治に行った街道の分かれ道で出逢ったのが彼女だった。道を聞こうと柊が声をかけたら、あろうことか一緒に来ていた依頼人が彼女にコナをかけ始めたのだ。
 先を急ぐから、と彼女は見るからに困惑――はっきり言えば迷惑しているようだった。そこで、柊は依頼人を盗賊のアジトへと急かして、彼女から引き離したのだ。
(まさかあの色ボケウサギネコ、アレを根に持って金掏ったんじゃねぇだろうな?)
 などと柊はちらりと思うが、どちらにせよ後の祭りである。
「私はダナエ。ガトから来たの」
「俺は柊。柊蓮司。こっちの二人はバドとコロナ」
 ダナエに応えて柊も名乗り、両脇の双子を紹介する。
 双子はさっきの女の件もあってか、些か緊張したように柊のコートの裾を掴んで覗き込むようにダナエを見ていた。しかし、二人の空気が友好的なものであることに安堵したのか、前に出て彼女に自己紹介する。
「バドです。柊師匠の一番弟子です!」
「コロナです。弟子じゃないけど、柊さんのところでお世話になってます」
「はじめまして。バド、コロナ。よろしくね」
 にっこりと目を細めるダナエに、双子もぱっと笑みを返す。
「柊さんは、道場か何かの師範なの?」
「いや、そういうわけじゃねぇんだけど……色々あってな」
 町からちょっと行ったとこの家で一緒に住んでんだ、と柊は苦笑した。
 そうなの、とダナエはそれ以上訊いてくることはなかった。言い淀んだ柊を慮ってくれたのだろう。
「ダナエさんはどうしてこんな田舎に来たんですか? この辺、特に見るもんもないのに」
 バドが首を傾げた。その質問に、ダナエの顔が曇る。澄んだ深緑の眼差しに、暗い陰りが差した気がした。
「……会いたい方が、いるんだけれど……いざとなったら、勇気が出なくて。昨日も結局、街道を行ったりきたりしただけで終わってしまったの」
 歯切れの悪い、迷いが色濃く見える答え。
 余程の事情があるように見える。困っているのを放っておくのは寝覚めが悪いし、力になれるものならなりたいが、初対面に近い自分が無遠慮に首を突っ込んでいいものか。などと柄にもなく柊が躊躇っていると、
「……ねぇ、死んだら、魂はどうなると思う?」
「……へ?」
 ダナエの唐突な問いに、思わず間の抜けた声を漏らしてしまった。
「ごめんなさい、いきなり変なこと訊いて……」
 ダナエの方も、思わず零れ落ちた言葉だったようで、少々戸惑った様子だ。しかし、それがただの気まぐれや無意味な問いとも思えない。彼女が迷うことと、深く関わる問いなのだと、柊は何の確証もないままに確信した。
 だから、目を伏せて、考えて、信じる答えを口にした。
「……残る、と思う。絶対に無くならないものだと、俺は思うぜ」
 答えながら、脳裏に浮かぶのは、かつて共に戦った少年。世界から与えられた役目を果たし、その世界から存在を否定されて消えてしまった少年。

208 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 21:01:20 ID:3BXtqSiu
 殆どの者の記憶から忘れられ、あらゆる記録から抹消され――それでもなお、柊の中に、彼の魂(ねがい)は残っている。
 例え、いつか柊が死んで、彼を覚えている僅かな人々が全ていなくなっても――彼が守った世界(もの)がある限り、彼の魂(おもい)は消えはしない。決して無くならない。
 命亡くし、忘れられても――その魂(そんざい)は、無くならない。無かったことには、ならない。
「そうでしょう?」
 柊の答えに、ダナエは深く頷く。
「今まで何度も怪我をしたけれど、魂までは傷つかなかったもの。この魂がなくなるなんて、私は信じない」
 強い信念を感じさせる言葉。しかし、その言葉に、柊は微かな違和感を覚えた。
 彼女の言う“魂”と、柊の考える“魂”――この二つのズレ。
 どこか会話が噛みあっていないような、同じことを示しているようでいて――全く別のもののことを互いに話しているような気が、したのだ。
 けれど、ダナエの方はその違和感を覚えていないようで、柊が同じ考えでいてくれてよかった、という風に頷いている。
「私、やっぱり会おうと思うの」
 宣言するような言葉。けれど、言葉とは裏腹に、その瞳には微かな迷いが見え隠れしている。踏ん切りがつかないような――最後の一歩が踏み出せないような。
「……俺で良ければ、一緒に行くぜ?」
 不躾か、と思いつつも背を押すつもりで告げた言葉に、ダナエは弾かれたように顔をあげて――破顔した。
「……ありがとう。あなたなら、そう言ってくれるんじゃないかって思ってた」
 一緒に行きましょう、と彼女は自分自身に告げるように、言った。

  ◇ ◆ ◇

(この人にまた会えて、良かった)
 ダナエは、真っ直ぐな眼差しの青年を宿で見つけて、まずそう思った。
 深く澄んだ、真摯な黒瞳。ややきつい眦も、その強い意志を示しているようで好感が持てた。
 初めて会った時も、依頼人の機嫌を損ねるかもしれないのに、自分を助けてくれた。今一緒にいる子供達も、たいそう彼を慕っているようだ。きっと、それだけ優しいのだ。
 優しさと、その優しさを貫く意志の強さを持つ人。――いつか追いかけていた彼女のように。
(この人なら、この迷いを打ち払ってくれるかもしれない)
 そう、思った。
 迷い――そう、迷いだ。知りたい。けれど、知りたくない。手がかりが、希望が欲しい。けれど、与えられるのは絶望かもしれない。その思いが、自分を板ばさみにして、動けなくする。
 けれど、助けたいのだ、彼女を。この思いが自分をここまで突き動かした。それは揺るがしようのない真実。
 幼い頃から一緒で、姉のように慕っていた。誰よりも強くて、誰よりも優しくて。その彼女の背を追い、またその背を守ることが、自分の使命だとすら思っていた。
 なのに――
(彼女は、変わってしまった)
 己を貫く意志を失くし、彼女は弱くなってしまった。弱さ故に、彼女の深い優しさは、ただ周りの状況を受け入れるだけの諦念に変わってしまった。
 けれど――
(魂は、なくならない)
 この目の前の真っ直ぐな青年も、そう言ってくれた。
 魂はなくならない。傷つかない。

(だから――“変わらない”)

 だから、きっと大丈夫。助けられる。
(“悪魔の呪い”さえ、解ければ)
 大好きだった彼女は、いつか追いかけたあの背中は、取り戻せるはず。
 それはきっと、“彼ら”の望みでもあるはずだ。
 色々、魔が差したり、その場の勢いで間違えたりして、こんなことになってしまったけれど。

(あの“四人一緒にいられた頃を取り戻すこと”こそが、きっと皆にとって一番良い道だから)

 そう深く信じて、ダナエは、柊の言葉に答えた。
「一緒に行きましょう」

  ◇ ◆ ◇


209 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:01:44 ID:CsAR5T4C
脂、得ん

210 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 21:02:03 ID:3BXtqSiu
「七賢人のうちの一人、“大地の顔”ガイアが、このリュオン街道にいるの」
 昨日も通った、人気のない街道を歩みながら、柊はダナエの話を聞いていた。
 件(くだん)の盗賊のせいですっかり寂れてしまった道。乾いてひび割れた大地が、枯れた色の草の間に伸びている。
 双子にはいくらかお金を渡して、町で買出しを済ませておくよう頼み、置いてきた。二人の買い物が終わったら宿で休ませてもらえるようにユカちゃんにも頼んでおいたので、もしも柊の帰りが遅くなっても大丈夫だ。
「彼はこの世界の大地そのものであり、故にこの世界全ての知識に通じているといわれているわ。つまり――この世界のありとあらゆることを、知っているということ」
「ありとあらゆること、か……」
 ダナエの言葉に、柊はユウのことを思い浮かべた。
(あいつを元に戻す方法も、わかるのか?)
 そして、あの記憶のノイズ――
(あの闇で曖昧になってしまった記憶を、取り戻す方法も……)
 ただ、それらがわかったとしても――
(元の世界に戻る方法は、どうなんだろうな……)
 “この世界”全ての知識に通じていても、“異世界”に関することはわからないかもしれない。
 そんな風に考えて――柊は一つ頭を振る。今は、それよりも、
「ダナエは、あんなに悩んで……なにが訊きたいんだ?」
 訊いてから、慌てて付け足す。
「いや、言いたくなかったら言わなくていいけどよ」
「いえ、ここまで付き合ってもらって、言わないなんて失礼だわ。それに……あなたには聞いてもらいたいの」
 そう言ってから、ダナエは一つ息をついて――
「――危ねぇ!」
 彼女が語りだすより早く、柊が抜き放った剣を一閃させた。
 背後から彼女を狙っていた巨大な蜂のような虫が、振るわれた刃に断ち切られる。
「……ごめんなさい、油断してたわ。ありがとう」
「気にすんな。その分、これからお手並みに拝見させてもらうからよ」
 柊の言葉に、ダナエもヌンチャクを構える。いつの間にか、辺りを殺気混じりの羽音が満たしている。かなり数が多い。
 白刃が走る。鎖と棍が唸る。殺人蜂達が、断ち切られ、地に叩きつけられる。
 各々が十数匹ずつ屠ったところで、柊がうんざりと呻いた。
「……なんか、いちいち相手してらんねぇな」
「同感だわ」
 ダナエも、頷く。一匹一匹はどうということもないが、こう群れられると鬱陶しい。
「……抜けられるか?」
「足になら自信はあるけど」
 あなたは? と問われて柊は不敵に笑う。
「俺は、風を呼べるからな」
「よくわからないけど……なら、行きましょうか?」
 互いに頷きあって、武器を収め――地を蹴った。
「風よ、踊れ――《エア・ダンス》!」
「――《ヒステリック・ラン》!」
 片や風を纏い、片や己の四肢で。
 翅持つ者達すら追いつけぬ速さで、彼らは走り出す。
 駆けて、駆けて、殺気に満ちた羽音を置き去りにして――ようやっと二人が足を止めたのは、巨大な岩壁に塞がれた行き止まりだった。
「……道、間違えちまったか?」
「でも、撒けたみたいね」
 互いに大きく息をついて、口々に言ったその時、
「ああ……ここは安全だよ。安心するといい、子ども達」
 穏やかな第三の声が、響いた。
 低い、地の底から響くような声なのに、不思議と不気味さはない。あるのは、ただ安堵を与えてくれる、落ち着いた響き。
 名乗られたわけでもないのに、この声が誰のものなのか、柊は“知っていた”。
 昨日、あの悪徳商人と共に街道に来る前、『前金』と称して押し付けられた車輪を手にした時――聞こえた声、見えた姿。

『おいで、夢から生まれた現の子――』
 ───荒涼とした道の先にある、巨大な岩の顔。

「よく来てくれた、子ども達」
 道を塞ぐ岩壁――否、岩に刻まれた巨大な顔。その名の通りの姿を持つ賢人、“大地の顔”は、騒がしい闖入者達に、どこまでも穏やかにそう告げた。

  ◇ ◆ ◇


211 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:02:25 ID:CsAR5T4C
sage忘れた・・・orz

212 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 21:04:05 ID:3BXtqSiu
「さあ、もっと近くへ……」
 あまりのことに呆然となる柊達に、賢人・ガイアはそう呼びかける。
 思わず顔を見合わせてから、二人はその顔へと歩を進めた。
 顔が刻まれた岩壁の真下ほどに来て歩を止めると、足元の岩が、二人を乗せたまま緩やかに持ち上がっていく。よく見ると、その岩は五指を持つ彼の“手”のようだった。
 彼は自身の視線の高さまで二人を持ち上げると、そこで手を止め、口を開いた。
「こんにちは。私にわかることなら、なんでも答えよう」
 彫りの深い顔の中、深い色の眼差しが静かに二人に向けられる。
 柊はダナエを見遣った。彼女は乱れる心を整えるように深呼吸していたが、柊の視線に気づくと、小さく頷いてガイアの巨(おお)きな瞳を見返す。
「……私の友達が悪魔の呪いを受けて、命を落としかけています」
 思いつめた声で語るダナエの言葉。思った以上に深刻な事情に、柊は思わず息を呑んだ。
「助けてあげたいの。私はどうしたらいい?」
 縋るような彼女を、賢人は静かな眼差しで見つめ、告げた。
「その友達が望むことをしてあげればいい」
 その答えに、柊は思わず眉を寄せる。それが彼女の望むような答えでないことは、柊にも明白だった。
 案の定、ダナエは大きく頭を振る。
「いいえ、彼女は私に何かを求めたりしないの。彼女はそれを運命として受け入れる気なの」
「ならば、それを受け入れなさい」
 ガイアの言葉に、ダナエが絶句した。柊も思わず息を呑む。
 まるで、その言葉は――その友達のことはもう諦めろ、と言っているように聞こえた。
 言葉を失くす彼女に、ガイアは、どこまでも優しい眼差しのまま、静かに言葉を続ける。
「あなたは、その人の言葉を理解しましたか?」
 ただ答えるだけだった賢人が、初めて発した問い。それは、とても大切な――その友達を“助ける”ために、とても大切なことなのだと、柊には感じられた。
 けれど、ダナエはその言葉を拒絶するように、叫ぶ。
「理解なんてできない!」
 強く、強く、頭を振る。悲鳴のように、怒号のように、彼女は言葉を吐き出した。
「諦めるなんて弱い心から生まれてくるものだわ! 彼女は私よりずっと強い心を持っていたのよ! 悪魔が彼女を変えたの! 私は彼女を元に戻したいの!」
 そう、叫ぶだけ叫んで、最後に、嗚咽を堪えるような声が、漏れる。
「今の彼女は、もう今までの彼女とは違うの……」
 悲壮な気配を漂わせる彼女を、賢人はただ静かに見つめた。その様に、柊は眉をひそめる。
 強い違和感。宿で、ダナエと“魂”について話した時と同種の、しかしそれより明確な違和感を、柊は二者の会話に感じていた。
(会話が、噛み合ってねぇ?)
 お互いに、同じことについて語っているはずなのに、致命的なズレがある。そんな気がした。
「人は自分で自分を決める力を持っている。あなたはそれを知るべきだ」
 賢人が、静かに告げた。諭す風でもなく、ただ、当たり前のことを語る調子で。
「その人はあなたに色んなことを教えようとしている。それに耳を傾けなさい」
 ダナエは一瞬、その言葉に抗弁するように口を開きかけ――
「…………ありがとう……少し、冷静になってみます」
 結局、吐息に乗せるように、そう告げた。
 ガイアはその言葉に頷くように目を伏せ、次に、柊にその眼差しを向ける。
「遠いところからよく来てくれたね。私でよければ力になろう」
 その言葉に柊は一瞬眉を寄せ――次いで、その意味に気づき、息を呑んだ。
 遠い、というならあの丘の家より、ガトという町の方が、ここから遠いはずだ。けれど賢人はこの言葉を、ダナエではなく柊にかけた。
 『彼はこの世界の大地そのもの』――そう、ダナエは言っていた。ならば、彼にとってこの世界の大地の上であるならば、例えどこでも“遠い”という感覚にはならないのではないか。
 ならば、彼が言った『遠いところ』とは、この世界の大地以外の場所。
(……俺が異世界から来たことを、知ってるってことなのか)
 だとするなら、彼はただ喋るだけの岩などではなく、本当にこの世界中の知識に通じる賢人なのかもしれない。柊の求めることの答えも、知っているのかもしれない。
(けど――)
 柊は、隣で項垂れるダナエを見遣る。こんな消沈した彼女を放ったまま横でだらだらと話すのは、余りにも無神経な気がした。
「……出直すよ。近いうちにまた来る」
 結局、逡巡の後にそう告げれば、賢人はその答えを予想していたように、その瞳を和ませた。
「また、いつでもおいで。子ども達」
 穏やかにそう告げると、持ち上げていた“手”を緩やかに地へと下ろした。

213 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 21:05:03 ID:3BXtqSiu
 項垂れるダナエの背を緩く押すようにして立ち去ろうとした柊に、賢人が思い出したように告げた。
「そうそう。私の友人が、あなたの住む家の庭で眠っている。あなたの家族の演奏が目覚ましになるだろう。きっと、あなたたちの力になってくれる」
「よくわかんねぇが……覚えとく」
 柊の答えに満足したように、賢人はその重い岩の瞼を、緩やかに伏せた。
 眠るように沈黙した“大地の顔”に背を向け、二人は来た時とは打って変わって緩い足取りでその場を後にした。

  ◇ ◆ ◇

 間が開いたからなのか、既に“虫”達の姿は辺りになかった。
 静かな街道を、ただ無言で歩む。枯れ草を揺らす風だけが、重い空気を揺らすように吹き抜け――
「……ありがとう、付き合ってくれて」
 そう、沈黙を破ったのは、ダナエだった。
「あなたのおかげで、賢人の話を聞けたわ」
「いや……」
 どう答えていいのかわからず、歯切れの悪い呟きが柊の口から漏れた。
 あの賢人の答えは、少なくともダナエが求めていたものではなかっただろう。むしろ、柊のしたことは、彼女の希望を絶ってしまったのかもしれない。
「確かに、彼の言葉は私の望むものじゃなかったけど……けど、考えるきっかけにはなったわ。やっぱり、来て良かったと思う」
 柊の思いを読んだようにそう言い、はにかむように彼女は笑った。その瞳は揺れていたが、少なくとも陰りは薄れていた。
「これ……役に立つかわからないけど、受け取って」
 お礼に、とダナエが差し出したのは、小さな指輪だった。
 石が埋め込まれているでもなく、ただ木の輪に模様を刻んだだけの質素なもの。華美さはないが、素朴で暖かみのある意匠だった。輪は小さく、柊では小指でも入りそうにない。どうやら、子供用のようだった。
「例の友達が……小さい頃に、くれたものなの。お守りに、って」
「いや、そんな大事なもの……」
 受け取れねぇよ、と言いかけた柊の手に、彼女は指輪を握りこませた。
「いいの。あなたが持っていて。貰えないというなら、預かってくれるのでもいい。……私は一度、過去から離れるべきだわ」
 言って、彼女は柊に聞かせる風でもなく、言葉を紡ぐ。
「小さい頃からずっと一緒にいた。だから、彼女のことは誰よりわかってる気になってた。過去に捕らわれ、今の彼女の言葉を、ちゃんと聞いてなかった……」
 きっとガイアはそう言いたかったのよ、と彼女は自嘲するように笑って、言った。

「幼馴染だからって、何でもわかるわけじゃないのにね」

 その言葉に――柊の中で、何かが強く揺さぶられた気がした。

「私は、ここから直接ガトに帰るわ。いつかガトに来ることがあったら、寺院を訪ねてきて。僧兵のダナエといえば通じるから」
 子供達にもよろしくね、と笑って、柊の様子に気づいた風もなく、ダナエは分かれ道の一方へと去っていった。
 残された柊は、ただ風に髪を弄(なぶ)られるまま立ち尽くす。

(……“幼馴染”……?)

 何故、この言葉に、ここまで心揺さぶられる。自分には、そんな風に呼べる相手はいないはずなのに。――いや、違う。

(本当は、いた――)

 いたはずなのだ。曖昧になって、思い出せなくなってしまっただけ。でなければどうして、こんなにも記憶に穴がある?

 幼い頃、毎日のように一緒に遊んだ相手は、
 曇った顔を晴らしたくて、なけなしの貯金でサンタのケーキを買って渡した相手は、
 ことあるごとに、秘密を盾に自分を脅したりからかったりしてきた相手は、
 世界のために抹殺しろといわれ、その命令を無視してまで守った最初の相手は、
 唐突に現れた異界の騎士と剣を合わせ、初めて異界に赴くきっかけになったのは、

(誰、だった――?)


214 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 21:05:59 ID:3BXtqSiu
 唐突に――鮮明なイメージが脳裏に駆け抜ける。

 渦巻く光の中。白い小袖の袖、赤い袴の裾、長い黒髪を激しく弄られながら、必死にこちらに手を伸ばす娘。
 彼女だけでも助けなければ――その思いで、こちらからも必死に手を伸ばす。
『――柊!』
 己を呼ぶ声に、叫び返す。
『――くれは!』
 けれど、互いの手は届かないまま、光に呑まれた――

「――くれは……」
 記憶のノイズに掻き消されていた名が、柊の唇から零れ落ちた。
 思い出した。くれは――赤羽くれは。“星の巫女”と呼ばれ、命を狙われたり、攫われたりと忙しかった柊の幼馴染。
 任務の帰りに顔を合わせて、買い物に付き合わされて――共に侵魔に遭遇した。そして、侵魔の魔法陣の暴走に、一緒に巻き込まれたのだ。
 それから――次に気づいた時、柊はあの闇にいて、あの少年に助けられたのだ。
 けれど――
「――くれは、は……!?」
 気づいた瞬間、ぞっと背が冷えた。もし、彼女もあの闇の中に落ちていたなら。そして、今もあの中に取り残されているなら――あの、全てを溶かすあの闇の中に。
 柊がどれだけの間あそこにいたかはわからないが、あの時少年に助けられた柊ですらこれほど記憶に影響を受けたのだ。もう既に柊がこちらに来てから六日が経っている。その間、くれはがずっとあの闇の中にいたとしたら――
「……冗談じゃねぇ!」
 脳裏に浮かんだ、最悪の想像を振り払う。そうして、風切る勢いで踵を返し、駆け出した。
 “この世界”の全てを知るという、賢人の元へと。

  ◇ ◆ ◇

「――ガイアッ!」
 怒鳴るように名を呼ばれて叩き起こされても、賢人はひたすらに穏やかだった。
「……ああ、また来たね」
 重そうな瞼を開き、柊の乗った“手”を持ち上げて、息を荒げる柊を視線の高さまで持ち上げる。
「くれはは、どこにいる!?」
 柊の出し抜けの問いに、ガイアは驚くでも動じるでもなく、静かに問い返した。
「くれは。あなたと同じところから来た巫女のお嬢さんかな?」
 その言葉に、柊は息を呑む。やはり、くれはもこの世界に来ているのだ。
「そう、そうだ! あいつは無事なのか!?」
「無事だよ。生きているし、怪我もしていない。魂も、あなたが知る彼女のままだろう」
 その答えに、柊は深く安堵の息を吐いた。口調を落ち着けて、改めて最初の問いを繰り返す。
「どこにいるんだ?」
「遠いところだ。けれど、とても近いところともいえる」
 なぞなぞのような答えに、柊は思わず眉をしかめた。
「いや……そういう抽象的な返事じゃなくて、もうちょっと具体的に……」
 言外にわかりにくいと文句を言った柊に、気分を害した風でもなく、ガイアは言葉を紡ぐ。
「人の大地と妖精の世界、そして聖域が重なった場所。巫女が眠り、聖剣を待つ、時の狭間」
 新たに告げられた言葉は、確かに先程より具体性を帯びていたが、やはり、柊にはどこだかわからない。とりあえず、普通に歩いていけるような場所ではなさそうだが。
 聖剣やら、聖域やら、意味深な単語が盛り沢山だが、とりあえず今の柊にとってその辺はどうでもいい。
「……そこに行くには、どうしたらいい?」
「そこは巫女の場所だ。あなたは巫女ではないから、そこに行く意味がない」
「いやまあ、確かに行くのが目的じゃねぇけど……じゃあ、その時の狭間とやらから巫女が出てくる時はどうすんだ」
「巫女は聖剣の主によって、時の狭間から呼び出される」
 聖剣――再び出てきたその単語。今度は関係ないと切って捨てるわけにはいかない。
「その聖剣ってのは何なんだ?」
「聖剣は聖域への鍵。聖域の護り。主を選び、巫女を時の狭間から呼び招く」
 ガイアの言葉に、柊は眉をひそめる。
「つまり、その聖剣とやらが、くれはを巫女に選んだのか? それで、くれははその時の狭間とやらに送られちまったと?」
 ガイアは深い眼差しを柊に向けて、答える。
「少し違う。巫女は本来、あらかじめ時の狭間にいるものだ。けれど今回の聖剣の主は、くれはを己の巫女とする運命(さだめ)を持っていた。だから、聖剣が主を定めた時に、くれはは巫女として時の狭間に迎えられ、狭間の闇に呑まれずに済んだ」
 その答えの意味を、柊はしばし吟味する。くれはを巫女とする運命(さだめ)を持つ者――そんな人間がこの異世界にいるのか。いや、心当たりが、一人。

215 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 21:07:36 ID:3BXtqSiu
「その……聖剣の主って……今、どこに……?」
「今、私の目の前にいるよ、“巫女の守護騎士”」
 半ば予想していた返答に、しかし柊は思わず叫んでいた。
「待て! 俺、聖剣なんてもん持ってねぇぞ!?」
 柊が持っているのは“神殺し”と呼ばれる魔剣である。柊にとってはかけがえのない半身だとしても、これは到底、聖剣とはいえない代物だろう。
「聖剣は時が来るまで目に見えるものではない。あなたは確かに前の聖剣の主から想いを託され、その胸のうちに聖剣と成るものを宿している」
 ガイアの返答に、柊ははっと息を呑む。前の聖剣の主――それは、もしや、
「ユウ……か?」
「そう。彼の優しさは聖剣に相応しかった。けれど、彼は聖剣を成す直前に阻まれた。あの、遠き地から来た闇によって」
 遠き地から来た闇――それは、もしや、
「侵魔……グロリア」
「あなたたちはあの闇をそう呼ぶのだね。あなたとあなたの巫女がここに来るきっかけとなったあの闇が、ユウの為(な)そうとしたことを阻んだ。ユウは、己ではあの闇に抗うことができないと知って、あなたに望みを託した」
 くぐもった声が、柊の食いしばった歯の間から漏れた。あの侵魔のせいで、ユウは自身のやりたいことをやり遂げられなかった。みすみす自分が、あの侵魔に魔法陣を使うことを許さなければ――
「望み……ユウができなかったことってなんなんだ。あいつは、俺に何を託したんだ」
 悔悟から来る贖罪にも似た思いでそう問えば、賢人はどこまでも穏やかな声で答える。
「あなたにしかできないことを。あなたは、ただあなたであればいい。そうすれば、あなたはいずれ、彼の為したかったことを為すだろう。だからこそ、彼はあなたに託した」
 だから、気負うことはない。彼の代わりになろうなどと思ってはいけない――そう言われた気がして、柊は、知らず肩にこめていた力を抜いた。
「そうだな……じゃあ、俺は俺がやれること、やるべきことをするだけだ。……そのユウの邪魔したヤツは今どこにいるんだ」
 ウィザードである柊がやれること、やるべきこと。即ち世界に危機を齎す魔性を倒すことだ。それでなくとも、みすみすあの侵魔がこの世界に来ることを許してしまった以上、放置するのはあまりに無責任だ。
「あなた達が侵魔と呼ぶ存在は、今、聖域にいる」
「聖域って……やばくねぇか!?」
 ガイアの答えに、柊は背を粟立てる。名前からして神聖で重要そうな場所が侵魔に侵されたりしたら、まずいのではないか。
「聖域は今、完全に閉ざされ、時を止めている。そこでは何の変化も起きない。進化も退化も、悪化も好転もない」
「……今のとこ、とりあえずは、大きな悪影響はねぇってとこか……」
 とりあえず安堵するものの、だからといって、災厄の種以外の何でもない存在を、不発弾よろしく放置するわけにもいかない。
「……聖域には、どうやっていくんだ?」
「いつかあなたの中の聖剣が形を成した時、聖域への扉は開かれるだろう。あなたがあなたである限り、遠からずその日は来る。だからこそ、あなたに聖剣が託された」
 慌てる必要はない、時を待ちなさい、とガイアは言った。しかし生憎、ただ待つのは柊の性に合わない。そもそも不発弾がいつ暴発するかもわからないのだ。

216 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 21:08:01 ID:3BXtqSiu
「聖剣が形を成すって……条件とかないのかよ? そのために、なんかできることは?」
「条件は、あなたがあなたであること。あなたにできることは、数多の出会いの中で、あなたが為したいと思ったことを為し、為すべきだと思ったことを為すこと。そうすれば、いずれ時は来る」
 急く柊の言葉に、ガイアは同じ答えを繰り返した。逆に言えば、それ以外に特にやれることはない、ということなのだろう。
「なら……ユウを元に戻す方法は?」
 ならば、せめて彼を元に戻すために何かできないか。そう思っての問いに、ガイアは珍しく言い淀んだ。
「……今、ユウに何が起きているのか、私にもわからない。この世界の永い記憶の中にも、こんなことは一度もなかった」
 その言葉に、柊は思い出す。――前例がない、彼はそう言って柊を止めたのだ。
「じゃあ、元に戻る方法は……」
「私にはわからない。それでも、彼はいつか元の姿に戻るだろう」
「……原因も方法もわからないのに、何でそう言い切れるんだ?」
 楽観的、とも言えるガイアの言葉に、柊は思わず眉を寄せた。
 賢人は、その瞳にどこか優しげな色を宿して、答える。
「あなたが彼を元に戻そうと考えているからだ。考えることと為すことを、多くの人の子は隔ててしまっているが、本来この二つは同じことだ。あなたがそれを考える限り、あなたはそれを為すだろう」
「……なんか、『信じて行動すりゃいつか叶うから頑張れ』って言われてるようにしか思えねぇんだけど……」
「あなたがそう受け取るなら、そうなのだろう」
 ありがたみもなく言い換える柊に、はぐらかす風でもなくガイアはそう答えた。
「……じゃ、俺やくれはが元の世界に戻る方法は?」
「それも、私の知識の及ぶ限りではない。それでも、あなたがそれを考える限り、あなたはいつかそれを為す」
 駄目元の問いに返ってきたのは、ほぼ予想通りの答えだった。
「……頼りにならねぇなぁ……」
 思わずぼやく柊に、賢人は怒るでもなく、ただ穏やかに返す。
「答えを与えられても、それを為す意志がなければ何の意味もない。為す意志があるのなら、いつかはその答えに辿り着く。それはただ、順序の問題。本当は私の言葉など何の意味もないものだ。だから私は、私の知識と言葉が及ぶ限りで、全てを語る」
「……よくわかんねぇ……」
 思わず呻くように柊は言った。どうも、柊はガイアの言葉と相性が良くないらしい。不快ではないのだが、抽象的というか哲学的というか、どうにも理解できないのだ。
 そんな柊に、ガイアはどこまでも穏やかだった。
「理解できなくとも構わない。私の言葉に意味はないのだから。大切なのは、その言葉を聴いたあなたが考えること、思うこと。疑問を持ち、それについて考え、思いを馳せる。それは即ち何かを為すことだから」
 答えを与える、といいながら、その言葉に疑問を持て、という。やはりこの賢人の言葉は柊には理解できそうもなかった。
「構わない。それでいいのだよ、夢から生まれた現の子」
 思いが表情に出たのか、柊を見て、ガイアは穏やかに笑った。
「さあ、あなたの巫女を迎えに行ってあげるといい。あなたの家族が待つ町に、そのための“扉”はある」
 そう言って、柊の乗った“手”を下ろし、“大地の顔”はその瞼を閉じた。
 物言わぬ岩壁と化して眠りについた賢人を、柊はしばし見上げる。――“夢から生まれた現”。闇の中でユウが言い、闇から覚める間に見た夢での声が告げ、またこの賢人が口にした呼びかけ。あれは、どういう意味なのだろう。
(……どうせ、聞いてもよくわかんねぇ答えかも知れねぇしな)
 起こすのも悪いし、とさっき叩き起こしたことは棚に上げて呟き、柊はその場を後にした。

  ◇ ◆ ◇


217 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:09:23 ID:wD7vKe9I
しーえーんー

218 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 21:09:30 ID:3BXtqSiu
 ガイアの言っていた“扉”は、ドミナの町で割とすぐに見つかった。以前、酒場で物知りだと聞いた神父を訪ねたら、あっさりと心当たりを語ってくれたのだ。
 バザールを抜けた先にある、小さな丘の上の教会に、彼はいた。
「ふぅむ。不思議な扉、というなら、おそらく商店街の空き家のドアのことではないですかな」
 ヌヴェル神父は、青から緑のグラデーションを描く羽根に全身を包んだ鳥人だった。羽根が美しい分、禿げ上がった頭部が目立つ。ある意味、いかにも聖職者、といった感じだ。その細い目は、常に瞑目しているようだった。
 彼は手にした聖書を閉じると、記憶を探るように首を傾けた。
「その扉に呼びかけると遠くの友達に会える、という伝承があります。まあ、他愛もない言い伝えの類ですな。それでも、それで実際に友達に出逢った、という子もおりましたが」
 それはユウのことだろう、と柊は確信した。細かい場所を紙に書いてもらう。
「あんがとな、神父さん」
「いえいえ、あなたに頼りにしてもらうのが、私のためにもなります。どうぞ、また何か訊きたいことがあれば、ご遠慮なく」
 そう笑って言って読書に戻る神父を残し、商店街に向かった。
 地図に示された家は、空き家とは思えないほど綺麗だった。古びてはいるが、痛んでいる様子もないし、蜘蛛の巣なども張られていない。
 通りかかった近所の人達に聞いてみると、特に誰が手入れしているわけでもないのに、時が止まったように変化がないのだという。そんな不可思議さから、誰も住もうとは思わず、変わらず空き家のままなのだと。
 その話を聞いて、柊は確信した。“この扉”だと。
 扉の前に立ち――ふと気がついて、こちらに来る少し前ほどからウィザードにも使えるようになった月匣を展開した。
 紅い月こそないものの、侵魔が生み出すものと同じように、現世から隔離する結界。
 夕刻とはいえ人通りもあるし、通りから丸見えの空き家に向かって声を張り上げるのは――なんというか、柊にとっても、町の人にとっても痛いだけだ。
 空き家の敷地だけが、小さな異界の中に隔離される。
 喧騒からも切り離され、痛いほどの沈黙が場を支配した。
「――くれは」
 沈黙を破って、扉に向かって呼びかける。反応はない。
「――くれは!」
 更に声を張り上げる。――何の気配もなかった家の中に、何か揺らぎが生まれた。
「――くれは!」
 もう一度。――揺らぎが、確かな形を成していく気配があった。
「――くれは!」
 こっちに来い! その思いを込めて張り上げた声に、明確な気配が生まれた。
 よく知る幼馴染の気配。確かに中にいるのに、何故だか動く様子がない。
「……だあ! なにやってんだ、あいつ!」
 ややあって、焦れた柊は、思わずドアノブに手をかけていた。
 瞬間――同時に、内側からも、扉が開く。
 内側と外側、それぞれの力は大したものではなかったが、同時に掛けられた二つの力は相乗効果を持って働いた。
 つまり――そのドアは、開けようとした当人達の予想外の勢いで開かれた。

219 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:09:44 ID:wYc+kM7y
ガイアの語りっぷりがいいな、支援

220 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:09:48 ID:CsAR5T4C
支援するような気がしないでもないわけではないかもしれない

221 名前:LOM 〜あるいはある異邦人の物語〜 【03.モトメルモノタチ】:2009/02/03(火) 21:09:55 ID:3BXtqSiu
「はわっ!?」
「どわッ!?」
 間の抜けた二つの声が響く。
 外開きのドアに半ば引き摺られるように飛び出した娘が、勢いよくドアの前にいた柊に激突。不意打ちだったことと、“引く”という動作で重心が後ろに傾いていたことで、柊は少女の身体を支えられずに数歩後ろにたたらを踏み、彼女ごと背中から引っくり返った。
「……ぐぅっ……」
「……な、なにが……って、はわーッ!?」
 苦しげな呻き声に、娘は自身が下敷きにしている青年に気づくと、飛び退くように彼から離れる。倒れたままの柊の横に膝を着いて、
「ひ、柊!? え、あれ!? 何がどうなって……!? っていうか、ここどこ!?」
 混乱した様子で辺りを見回す幼馴染の姿に、柊は思わず込み上げてくる笑いを抑えられなかった。それは、彼女が相変わらずで、全くの無事だったことに対する安堵の笑いだったのだが、当の彼女にそんなことがわかるはずもない。
「柊! なに笑ってんの!? なにがどうなってんのか説明しなさいよー!」
 なんか人狼っぽい人がたくさんだし!? というくれはの言葉に、柊も慌てて身体を起こし、辺りを見回す。
 通りかかったらしい人々が、ぽかんと柊達を見つめていた。どうやら引っくり返った拍子に月匣の範囲から出てしまったらしい。元々、目隠しの意味で張った月匣で、閉じ込めるような形にはしていなかったためだ。
 周りの方から見れば、柊達が降って湧いたように見えたことだろう。どう誤魔化そうか、と柊が必死に言い訳を考えていると、
「すっげぇ!」
 聞き覚えのある声が聞こえて、柊はそちらに視線を向けた。
「師匠! 今の転移魔法ですか!? そうでしょ!?」
 興奮した調子で叫び、駆け寄ってきたのはバドである。どうやら、彼も柊達が月匣から転げ出た瞬間を見ていたらしい。
「それどころじゃないでしょ、バド! 大丈夫ですか? 柊さん。それに、そっちのお姉さんは……?」
 バドの後ろ頭を叩(はた)いて言ったのはコロナだ。
「は、はわ? 師匠って……柊、この子達は? っていうか、ホントにどうなってるのー!?」
 くれはが、混乱ここに極まれり、といった様子で叫ぶ。
「ちょ、ちょっと待て! お前ら落ち着け!」
 三者三様に騒ぎ立てるのに、柊が叫ぶものの、そんなことでこの場が収まるはずもない。
 結局、道行く人々の奇異の視線を受けながら、すっかり日が沈むまで、柊はその場で三人から質問攻めにあったのだった。

222 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:11:42 ID:wYc+kM7y
しえん

223 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:12:54 ID:Ei80EwEr
しぇーん、かむばーっく

224 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:13:15 ID:CsAR5T4C
支援をしたりしなかったりするかもしれないけどやっぱり違う気がするかもしれない

225 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:18:37 ID:wYc+kM7y
……さるった?

226 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:20:31 ID:Ei80EwEr
うきっ?

227 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:25:15 ID:CsAR5T4C
いや、もしかしたら投下しているところに隕石が振ってきたのかもしれん!(ねーよ)

228 名前:みつやん:2009/02/03(火) 21:28:33 ID:3BXtqSiu
と、今日はここまで! 暖かい支援、本当にありがとうございます! 支援コメで笑わせていただきましたvv
隕石はないですよ?(笑) っていうか、一言『神』って書かれたコメは何かの間違いですか……?(ビクビク)

っていうか最後のこのコメでさるさん来るとか……(汗)

前回、メインストーリーは交錯させないって言った舌の根も乾かないうちに“幼馴染編”イベント(汗)
でも、もうしばらくは、このままこっちのストーリーは放置しそうだ……(汗)
なんか、自己設定とフラグと説明の詰め合わせみたいな回になってしまって申しわけありませんORL
次回からは、“宝石泥棒編”本格始動……の予定。……あくまで予定(汗)
PC2主人公ポジでくれはも登場しまして、キャラ増えすぎで捌ききれるか自分でビクビクです……(ぉ)

こ、こんなんでも、見捨てないで読み続けていただければ幸いです……!
では、またいつか!

229 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:28:45 ID:KU5xJeeD
>>227
大魔王ディングレイ!
せっかくの出番になにをしているんだー!?w

230 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:36:36 ID:Ei80EwEr
>228
神(シェン) だと思う

231 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:41:12 ID:Ei80EwEr
       /: : : : :l  V7: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ7l / : : : : : ヽ
        |: : : : /:〉(_7:\ ̄ ̄` 二 ´ ̄ ̄/:V⌒ヽ: : : : : :|
        |: : : /:∠ __」:/    ̄'ー《薔》ー' ̄  V: |l\ \: : : : |  【保管】
       /: : /: : :/:|l ーtー 、   , ‐ァー !: |:\: ̄´: : : : |
      /: : : l: /: : : :l:」 _ィ朮;テ   朮;テ y j」j: : : \: : : : :|  ●青き薔薇の巫女 #05
   / : : : : : l: {: : : : :/、!  `¨´  j!  `"´   lr-}: : : : :} : : : :|  ●LOM あるいはある異邦人の物語 #03
_/: : : : : : : : :l: :>‐: :l ム       _.._      ム./:ー<: : : : : :ヽ
: : : : : : : : : : : l:〈 : : : : :ゝ o    ´二`     oイ: : : : : :〉: : : : : : \
: : : : : : : : r=―-、 ̄: : : :l:ハ:\        /:ハ: : :ー‐:' : : : : : : : : : :\
: : : : : : : : :l  \ \: : : |U: : :l丶 __ イ : : U: : : : : : : l: : : : : : : : : : : \
: r= 、 : : : 」 -―〉  \ー―、:j     |: : : : l: : : : : : : :l: : : : : : : : : : : : :
: | l  ̄     l     ヽ  〈     ト、_:_:|: :__: :l: : : : : : : : : : : : :
: ヽ \___   j     l   l   _  \`Y´    ):l: : : : : : : : : : : : :
: : : \ / 〈   ゝ-- 、   | } ̄>'´  ´ソ⌒ヽ.|    く: :l: : : : : : : : : : : : :



232 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 21:50:33 ID:kcIE59/z
読んでたら投下終わってったーっ 支援できなくてすいませんorz
やっぱPS2掘り出して、LOM買ってくるかなぁw

そして保管庫早ぇw



233 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 22:08:55 ID:D/WSEv60
大作GJ!

234 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 22:12:34 ID:KU5xJeeD
>228
乙おつん。
なんだかんだ言ってあっさり合流してるくれはに吹いたw

235 名前:みつやん:2009/02/03(火) 22:29:14 ID:3BXtqSiu
>>230
にゃるほど! シェンロンのシェンですね!(ぉ) それで支援ですか……奥が深いなぁ、支援(笑)

>>231
はや!?(汗) ありがとうございますvv いつもお手数をおかけします……長くてすみませんORL

>>232
いえいえ! 読んでいただけるだけでも十分です。感謝です。せんきゅーべりまっちです!
しかも、ゲームしようかな、とまで思ってもらえたら、もう……本望ですよ!
あ、でも、このSSとゲームでは大分展開が違うので、その辺はお気をつけを……このSSは攻略の参考にはなりません(汗)

>>233
た、大作……!(汗) み、身に余るお言葉、光栄です……! エネルギーをありがとうございますvv

>>234
ゲームの方で、PC2主人公を招くのに、特に条件があるわけではないので(笑)
分断した理由も、初期でキャラが多いと捌けない&伏線のため、だったし……(<メタなこというな)
そろそろ、書き手のはわ分も不足してきたんで(笑)

236 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 22:48:22 ID:CsAR5T4C
GJ。なんか柊と二人の生活を想像したら和んだw

237 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 23:02:22 ID:49KA6rBU
乙乙。
ガイアがガイアしてるよ。
本当に判り難いんだよなこいつの話。
この調子でポキールとトートも頑張って下さい。

238 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 23:14:45 ID:49KA6rBU
あと、この後でマイホームに戻ったら魔術楽器工房が作られてそうだ。

239 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 00:44:12 ID:zqJfi6fX
毎度毎度楽しませてもらってます。
原作ゲームを知らなくても、登場人物のキャラが立ってて、それを生き生きと書かれてるから
読んでて賑やかで楽しいです。
続きも楽しみにしてまするー。

240 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 01:07:57 ID:6t6rLuPZ
元ゲーム良く知らないが「こういうこと言うキャラ、ゲームに必要だよなー」って説得力を感じた

241 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 09:55:58 ID:zYJnJ7gH
魔法少女リリカルなのは vs 魔王少女ミラクルべる

うん。
何度聞いても、冥魔王のほうが
某ぽんこつ魔王より、魔王っぽいや。

242 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 10:01:48 ID:lkkuCKH3
声優ネタじゃねーか
それとsageろ

243 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 10:03:57 ID:oc85kxQO
だが某クロスだとタイマンでフルボッコにしてたな・・・・

244 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 10:12:59 ID:AIaVqc6g
>242
NWスレでsageるとかsageないとかジョークですよね

245 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 13:19:42 ID:zzmE57el
うわ、バカが居る。

246 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 15:24:50 ID:mjtkeSrG
某クロスは上手かったよなー
あの作品読んで久しぶりに『人間』高町なのはを見たって気がしたからなぁ

しかも実は柊はPC3〜4のお助けキャラでメインはあくまでもリリなのだったのも上手いと思ったわ

247 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 15:52:28 ID:oLJbLV16
>>246
テンペストをキラキラした眼で見つめるなのはは良かったよな

248 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 19:42:11 ID:7NOIfNj0
それでいて実にNW的に「白い魔王」の名前出したりとかなw

249 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 21:13:24 ID:6kWX4je0
作者氏がオペレーションケイオス聞いて、続編を書く気になってくれるのを祈ってる

250 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 23:58:45 ID:AIaVqc6g
>247
あそこは名シーンすぎる

251 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/07(土) 08:31:20 ID:pcYgMYKY
>>246
その作品の続きをあれば見たいし、別の場所で掲載されている某クロスの続きも読みたいけどもう作者は書かないんでしょうか。

252 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/07(土) 10:15:40 ID:dG/yG+Bj
>>251
撤退したとは聞かないし、イベントの時にはまた続き来るんじゃない?
恒久的な続編は知らない。

253 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/07(土) 18:37:40 ID:syNdUkZB
見たい見たいと言うよりも、進んで自分で作りましょう

……実際。
自分で作れば新たな信者ができて新たな書き手が出る可能性だってあると思うんだがね

254 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/07(土) 21:13:35 ID:tfxVsM7m
それ以前に被っているとはいえ一応別スレの話なんだから
ここで延々と語るのはエレガントさに欠ける行為だと思うが?

255 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/07(土) 21:22:43 ID:Y1ia94NZ
それ以前に、悪い意味でも自重って言葉を知らない人間だから

256 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 00:18:26 ID:UdctLckn
あー……けどまぁアレだ。このままほっといても落ちの可能性はあるわけで。

スレ違いじゃなければ問題ないんだよな!
つまり、このスレで完結した話とか嘘予告とかの続きについて妄想してみりゃいいんじゃねとか言ってみる!

257 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 00:30:53 ID:pjCIZWgz
そういや最近、嘘予告やハンドアウトの投下やってないな……
新しいネタを仕入れないと

258 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 00:46:07 ID:2oAhyEVl
ルー様の666の欠片の設定は色々使えそうな希ガス。カードキャプターばりに集めてみたり、ネロ・カオスにいくつかとりこまれてたりw

259 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 01:08:00 ID:yow/hlag
嘘予告はやりたいがあれやっちゃうとそれで満足して本編書けなくなっちゃうんだよなあw

260 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 01:13:59 ID:x5sNOjVz
666と聞くとシャイアーテックス社を思い出すなぁ

261 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 01:16:41 ID:UdctLckn
よくあるよくある

まぁ、言い出しっぺが何もしないってのもアレだから今漁ってみたが……
神のみでルー様の件を解決後、落とし神が葵を落として駆け魂侵魔を彼女から追い出し、全員でフルボッコくらいしか……

262 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 01:33:49 ID:2oAhyEVl
>>261
駆け魂が本物の悪魔だったとか追加設定も色々増えたお陰で今の方がやりやすそうな気がするね。依頼キャラに地区長もいるし。

263 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 22:05:28 ID:17pqekQc
リオンの本のネタって使いにくいかもしれないな
秘密が書いているというのを利用するのはなかなか難しいと思う
単なる魔力ソースみたいに使ってもいいのだろうか

264 名前:みつやん:2009/02/08(日) 22:34:36 ID:qWxN5H3e
リオンの本の設定は、純粋に『秘密』のみが記されてるのか、『予言書』として扱えばいいのか、未だによくわかりません(挨拶)

遅ればせながら、感想くれた方へレス返しですvv
>>236
和んでいただけたなら良かったですvv 書き手も書きながら和んでましたvv

>>237
そういっていただけると報われます……ガイアと柊の会話シーンは、計五回書き直したんで(汗)

>>238
その展開も面白いかも……フラグ(魔法学生)立ってるし……(ぉ)
ただ、話の展開を優先すると、製作系は後回しになってしまうかもです(汗)

>>329
何かもう、そう言ってもらえると感無量です!
どのキャラも好きなんで『この魅力を伝えねば!』と必死こいて書いているのです(汗)
遅筆ですが、気長に待ってやってください(汗)

>>240
ガイアは伏線張るのにも回収するのにも便利なキャラです(<メタなこというな)
ただ、『らしく』書くのはすごい難しいので扱いにくいといえば扱いにくいのですが(汗)


ところで、やっとファンブックG&R(ゲット&リード)しましたよ!
見開きカラーでクマ抱えてる彼が、なぜか一瞬柊に見えた……やばい、重症ORL
いくつか読みながら閃いたネタが、いつか形になればいいなと思う今日この頃(<他人事か)

嘘予告とハンドアウトで思い出したんですが、
ここ(というかまとめサイト)を見始めた当初、希望の宝玉ネタをみて、いつか書きたいとか思ったなぁ……
柊分裂とか、どり〜むvvもいいとこですよ!?(<やっぱり重症)
でも、人が投下したネタで書いていいのか、とか、これクロス? でもここで出たネタ他所で書いていいのか、とか、色々思って結局手を出さなかったんですが。
あと、『黒の騎士』の予告を読んだ時、すごく読みたいと思いましたね。っていうか今でも密かに本編投下期待してたりしますがvv
ついでに、予告でもハンドアウトでもないけど、フルメタクロスは続き待ってますvv すっごい読みたいっ! 軍曹〜!

で、全く話変わるんですが、とあるファンタジー戦記の再構成クロスネタが思いついて、つい勢いで書いてしまいました(汗)
LOMクロスに詰まった憂さ晴らし……っていうか、ゲーム進めないと細かいとこ思い出せなくて書けないもんで……
元ネタ通じるか微妙だけど、書いちゃった以上、何かもったいないから投下しようかと!(<貧乏性)
続きを書く気は全くないっ!(どきっぱり)

265 名前:異界の剣士と放浪の戦士:2009/02/08(日) 22:37:31 ID:qWxN5H3e
「……教えて欲しいんだけどよ、ここ、どこだ?」
 奇妙なことを訊く相手に、男は首を傾げた。
 この目の前の相手は、自分の位置を知らないと言う。それだけでも十分奇妙だが、それ以上に、この質問を発した人物そのものが少々──否、かなり奇妙だった。
 年の頃は十三、四の少年。茶の髪に、やや眦のきつい面立ち。年相応の体躯だが、着込んだ見慣れぬ意匠の長外套は大きすぎ、袖は幾重にも折られ、裾は地に着いてしまっている。
 この年頃の子供が一人でこんなところにいること自体がそもそも奇妙だ。
 一応道沿いとはいえ、主要な街道からも、人里からも離れた場所にある花畑。普通、子供が一人で来れるような場所ではない。
 しかし、少年は現に連れもなく、ここにいる。着込んだ長外套は、まさに長旅をしてきたかのようなくたびれ方をしていた。
 だが、それに反して少年は旅に必要な荷物を持っている様子がない。身を守る武器すらなく、まさに身一つでここにいるかのように見える。
 しかし、男は知っている──否、今まさに目の前で見せ付けられた。この少年が、自分の身を守るに十分な武器と、それを扱う技倆を持ち合わせていることを。
 淡い色の花畑に、累々と転がる十の鎧姿。半数は男が斬り倒したものだが、もう半数はこの少年が倒したものだ。
 男は十の刺客に追われ、多勢に無勢でやられそうになったところを、背の高い花の陰からひょっこり顔を出したこの少年に助けられたのである。
 なんとも間の悪い場所に居合わせてしまった少年に、いきなり刺客の一人が目撃者を残さんとしてか、斬りかかった。男が助けに入る間もなく、少年は凶刃に倒れるかに見えた。
 しかし、次の瞬間に男が見たのは、まるで魔法のような光景だった。
 少年は刺客の刃を易々と躱し、つい一瞬前まで確かに何も手にしていなかった両手に身の丈ほどもありそうな長剣を現して、一刀のうちにその刺客を返り討ちにしたのだ。
 そうして、男と刺客の群を見渡して言ったものである。
「どういう事情かしらねぇが、たった一人に十人がかりとは穏やかじゃねぇな。しかも、居合わせただけの俺までいきなり斬り殺そうとするなんざ、どう考えてもまともな連中には思えねぇ」
 言って、にっ、と男へ不敵に笑いかけ、
「──助太刀するぜ」
 そうして、刺客の群に駆け寄ると、あっという間に二人を倒してしまったのである。
 しかも、呆れたことに──少年は相手を殺していなかった。最初の一人もその後の二人も、続いて更に倒した二人も、である。
 少年の助太刀を得た男自身が残りの五人の刺客を討ち倒したわけだが、こちらは生かして無力化するような手加減をしているような余裕は――体力的にも、心理的にもなかった。
 だから今、周りに転がっている鎧姿は、半分は死体で、半分はうめき声すら上げずに昏倒しているだけ、というわけだ。
 少年は敵が全員倒れたのを見て取ると、血のついていない白刃を、露でも払うように一振りして──その手から、忽然と刃を消してしまった。
 それに驚いて、男が声を上げるより早く──少年の方が先に、冒頭の問いを口にしたのである。
「……えーと、おっさん、その格好からして旅の傭兵かなんかだろ? 助けた礼っちゃなんだけどよ、良ければここがどこか、あと、近くの町にはどう行きゃいいのか教えてくんねぇか?」
 自分をまじまじと見つめて一向に答えない男に戸惑ったのか、少年がもう一度問いを繰り返した。
 その言葉に、男は苦笑する。
 男はこれでもまだ二十四だ。ただ今は長旅の最中で、黒髪は乱れ、顔も汚れたりくたびれたりしているから、実齢(とし)より老けて見え、おっさん呼ばわりも仕方がないのかもしれない。
 また、土埃にまみれた旅外套に、腰に収めた長剣、助力を得てとはいえ五人を倒した腕を見れば、旅の傭兵──いわゆる自由戦士と判断するのは自然なことだろう。
 しかし、十三、四の少年が、気後れせずに自由戦士に声をかけられるというのは、全くもって自然とはいえないのだが。
「これは、すまん。ロシェの街道から大分外れているが、ここは、モザイの近くだ」
「……ろしぇ? もざい?」
 聞いた覚えもない、というような調子の呟きに、男は驚く。
 旅姿のように見えても、こんな年の子供が本当に遠方から来ているとは思えない。なのに、この辺りで一番大きな都市の名前を知らない。その上、逆に旅人であるなら知らないはずはないだろう街道の名前すら、知らない様子だ。
「ロシェは中央の三大国を繋ぐ街道だぞ。モザイはパラストの地方都市の一つだ」
「……ぱらすと、って?」
 さっきと同じように──否、先ほどよりも困惑した様子で呟く少年の言葉に、男は今度こそ驚愕の顔つきになった。

266 名前:異界の剣士と放浪の戦士:2009/02/08(日) 22:38:26 ID:qWxN5H3e
「何を寝ぼけたことを言っている! 中央を三分する大国の一つではないか!」
「わ、わりぃ……そもそも、中央って、何の中央……?」
 心底困惑したように問う少年に、男は驚愕を通り越して不審を覚えた。──あまりにも、これは物を知らなさ過ぎる。
「……中央といえば大陸の中央に決まっているだろう。そんなことも知らないとは、お前、一体どこから来たのだ」
「……あー……それは──」
 少年は困ったような様子で言いかけて── 一転して表情を引き締め、視線を転じた。
「──ぅ……」
 視線の先には、少年が打ち倒した刺客の一人。呻いて微かに身じろぎする。
「──あんまここで長話してると、こいつらが気ぃついちまいそうだな。場所、変えねぇか?」
「……奴らに止めを刺す、という手もあるぞ?」
 男がそう返すと、少年は、すぅっ、と目を細める。
「……本気で言ってんなら、俺はあんたを伸してでも止めるぞ。殺す気でかかってくるやつを返り討ちにするのにどうこう言うつもりはねぇが、身動きできねぇ相手をどうにかすんのは、見過ごせねぇ」
 やるといったら、少年は本気でこっちを倒しに来るだろう。そして、そうなった場合──少々情けないことに、男はこの少年に勝てる気がしなかった。
 言っておいてなんだが、男としても、動けない相手をどうにかするような手段は好むところではない。今の言葉は寧ろ、このどこか得体の知れない少年の反応を試すために、無意識に零れた言葉だった。
「すまん、試すようなことを言った。──場所を変えよう」
 素直に頭を下げた男に、少年も表情を和らげる。
 ふう、と苦笑気味に息をついて、
「言っていいことと悪いことがあるぞ。──あんたと戦(や)り合うのは、正直遠慮してぇからな」
 その言葉に、男ははっきりと苦笑した。寧ろそれはこちらの台詞だ、と思ったのだ。
「……で、どっちに行けばいい?」
 少年の言葉に促され、男は少年を先導するように歩き出した。

  ◇ ◆ ◇

 ──変わった奴──
 それが、少年の男に対する感想だった。
 男の立場から見れば、自分は相当奇異に映ったはずだ。ついつい素の調子で話してしまったが、今の外見にその口調はつり合わないだろうし、月衣(かぐや)の能力も不可思議なものに見えたはずだ。
 それらに対して不審を覚えるそぶりを見せつつも、この男は律儀に自分の道案内をしている。
 不審(それ)はそれとして、刺客から助けられた恩を感じているのか、今の自分の外見を見て、こんな年の子供を見捨てられないと思ったのか。
 どちらにせよ、この男、どうやらかなりのお人好しらしい。でなければ、普通、こんな得体の知れない相手とはさっさと別れてしまいたがるものだろう。
 しかし、ここに来て最初に会ったのが、この変わった男でよかったと思う。
 だんだん慣れてきてしまったとはいえ、いきなり見知らぬ土地に一人で放りだされるのはやはり困る。何が困るって、地理や土地の常識がわからないことである。
 とりあえず、この男はその辺りは訊けば答えてくれそうだし、近くの町くらいまでは案内してもらえそうだ。
 ただ少々不安なのが、さっきの刺客といい、この男も面倒ごとを抱えていそうなところである。──まあその時は、案内の礼もかねて解決の手助けをするだけだが。
 今度はいつ帰れるかなぁ、などと思いつつ、少年は男の背を──本来の姿の自分よりも少し大きなその背を追って、歩き始めた。

  ◇ ◆ ◇


267 名前:異界の剣士と放浪の戦士:2009/02/08(日) 22:39:03 ID:qWxN5H3e
「さっきの連中、何だったんだ?」
 男が近くに隠してあった馬を回収し、二人並んで歩きながら少年は男に訊いた。
 何故、馬があるのに歩いているかといえば、男が自分の前に少年を乗せようとして、少年が断ったからだ。曰く「悪いけどおっさん、臭いきつい」とのこと。――この場合の“臭い”とは、体臭ではなく、返り血の臭いであるらしかった。
 少年を歩かせて自分だけ馬に乗るのも気が引けて、男も馬を引きながら並んで歩くことにした。──刺客達も、気づいたところでしばらくはまともに動けないだろうから、すぐに追っ手がかかることもない。
「俺も知りたいな」
 少年の言葉にそう返して、話題を変えるように、男は問う。
「さっきも訊いたが、そういうお前こそ──」
「──あっ!」
 何者だ、と言いかけた男の声を遮って、少年が声を上げた。道の先を示して、
「小川があるぜ!」
 そう声を上げ、嬉しそうにそちらへ駆けていく。
 男も顔を綻ばせて後を追った。話の腰を折られたのは確かだが、水場に遇えたことは僥倖だ。
 生死を賭けた斬り合いで喉は乾ききっていたし、少年がさっき言ったように返り血やら土埃やらで全身どろどろだった。
 少年も、返り血こそ浴びていないが、土埃やらで所々汚れていて、気持ち悪いらしい。男を窺うように振り返って言った。
「ちょっと、身体洗ってかないか?」
「……大胆なやつだな、さっき切ったはったを切り抜けた身で、素肌になると?」
 言いながら、男は、この少年にそんなことは関係ないと気づいていた。
 男は水を浴びるのに剣を身から外さなければならないが、少年の武器は、どこからともなく忽然と現れる。それはきっと、水を浴びていても関係がないのだろう。
 その予想を肯定するように、少年は笑って言った。
「もし何か来ても、あんたが剣を取りに行く時間ぐらいは稼いでやるよ」
 それは裏を返せば、男が無防備なときに少年はいつでも武器を振るえるということなのだが──男は今更、少年が自分をどうにかするとは思えなかった。
 確かに、この上もなく得体が知れない。どこからともなく現れる剣といい、その技倆といい、年に釣り合わない言動といい、地理の知識のなさといい──不自然でないところを探すほうが難しいほどだ。
 だが、それでも少年は見も知らぬ男を助け、自身を殺そうと斬り掛かってきた相手にすら命を許した。──少なくとも、平気で人を殺めるようなものではない、というのは確かだ。
 だから、いそいそと服を脱いで小川に飛び込んだ少年に倣い、男も脱衣し、剣を岸辺に置いて水に入った。
 春だというのに、晴れた日差しが夏のような陽気を生んでいる。少し冷たい水が心地よかった。男は、両手で水を掬って顔や身体の返り血を洗う。と──
「あー、ゴクラク、ゴクラクー……」
 気持ちよさそうな声に、何気なしにそちらに視線を向ける。そうして──男は硬直した。
「……おい、お前」
「んー? なんだー?」
 搾り出すようにかけた声に、相手は暢気な声で応える。
 そのあまりにも警戒心のない様子に、男はこめかみを押さえつつ、言った。
「……いい娘が、そう肌をあらわにするものではないと思うぞ」
「……む、娘……?」
 訝しげな声と共に、相手は恐る恐るといった様子で、自身の身体を見下ろし──
 ── 一瞬の、沈黙。
「──年が縮んでんのはわかってたけど……なんでその上女の身体になってんだぁぁぁぁぁぁあああッ!?」
 男には意味の通じぬ絶叫を上げ、少女の姿になってしまった異界の剣士──柊蓮司は頭を抱えた。


 放浪の戦士は、まだ知らない。この奇妙な少女が、異界より来(きた)る英雄であり、これから自身のかけがえのない同盟者となる相手であることを。
 異界の剣士は、まだ知らない。目の前の傭兵が、これからこの異界の大陸から戦乱を断つ運命の帝王であり、名ばかりとはいえ自身の“夫”になる相手だということを。

 ──運命は、まだ動き出したばかりである。


(続かない)

268 名前:みつやん:2009/02/08(日) 22:45:13 ID:qWxN5H3e
茅田砂胡先生著のデルフィニア戦記パロでした。名前の出てこなかった男は、主人公の一人、ウォルです。
こんなんで三つもスレ消費してすいません(汗) 勢いでやりました、反省してます後悔はしてません(ぉ)

LOMクロスの方も続き頑張りますので……見捨てないで下さい!(土下座の後逃亡)

269 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 22:53:14 ID:W54KfcUn
>>268
GJ!面白かったよーw

相変わらず不幸なのなー柊w

270 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 22:53:32 ID:CDUCV1+y
柊不幸だなw

>264
卿<逆に考えるんだ
   自分が書く話で使いやすい方の設定を使っちゃっていいさ、と
   こう考えるんだ

271 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 23:33:08 ID:FeX78bKG
珍しいクロスだ!!タイトルしか知らねぇ!!でも面白かった!!

272 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 23:47:49 ID:yow/hlag
デル戦……だと……許せる!

273 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/08(日) 23:49:14 ID:micakhPY
>>270
巣に帰ろうぜ、ポルスレ住民

274 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 00:07:52 ID:/m1Yplsv
ほほー、デル戦できましたか。アレも大好きだったので楽しめました。
柊と元キャラ、見かけによらない人外な戦闘力、って意味では同じでも、
価値観はかなり違いますからなー、その後の展開も変わってきそうだ。



っつーか……結婚すんの?w

275 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 00:09:21 ID:wuWUlNN4
ああ、オチが実に柊だwww

276 名前:NIGHT WIZARD cross period:2009/02/09(月) 01:57:34 ID:jWT6ZWLt
恥ずかしながら帰ってまいりました
・・・や、ホントは年明け頃からいたんですがファンブックの様子見してました
おおむね問題ありませんでした(?)


あとちょっとで完結なのでどうにかがんばります
という訳で2時10分ぐらいから投下します


277 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 02:08:49 ID:cL85QiXd
待ってたぜ!
wktkしながら支援待機。

278 名前:NIGHT WIZARD cross period:2009/02/09(月) 02:13:08 ID:jWT6ZWLt
 

 激情の紅に燃えて、消え失せる。
 闇と共に運命が灼けて崩れていく。
 何もかもが赤く染まっていくひかりの中で、ただ一人漆黒の少女は呆然とその光景を見つめている事しかできなかった。
 知らず、手にしていた書物を固く抱き締める。
 その存在を、そこに記された記述を、絶対のはずの運命を。
 確かめるように――それに縋りつくように、強く強く書物を抱き締めた。
 無数の未来と運命から手繰り寄せたはずの結末。
 記述により導かれた道程を経た唯一つの結末。
 書にはそれ以外の結末など存在しない。
 しかし目の前に映る結末は、間違いなく現実だった。

 白銀の髪の少女を震わせた赤い極光は、しかし漆黒の髪の少女には忘我しか齎さなかった。
 そのひかりが残光と共に掠れて消えていく。
 それと同時に、漆黒の少女の胸中に小さく灯る火が生まれた。
 少女は苛立たしげに唇を噛む。
 それを認めるわけにはいかないと思うと同時に、燻る灯火は更に強く激しく勢いを増していく。
 認める訳にはいかなかった。
 ――己が導く運命が覆される事などありえない。
 ――己が司る運命に裏切られる事などあってはならない。
 そんな事を認める訳にはいかない。
 そんな事を可能にする人間など、赦しておけるわけがなかった。



279 名前:NIGHT WIZARD cross period:2009/02/09(月) 02:15:03 ID:jWT6ZWLt
 

 総ての闇が消えてなくなったのを確認すると、気が抜けたように蓮司の膝ががくんと折れた。
 その場に倒れこみそうになった身体を、脇から伸びたカズキの手が捕まえる。
「大丈夫か?」
「ちっとキツイか……お前は元気そうだな」
「……多分蓮司の分もオレが貰っちゃってるから、かな」
「あ……」
 苦笑交じりに言うカズキを蓮司はまじまじと見やった。
 最後の一撃で白い核鉄を失い、そして黒い核鉄を取り返したカズキの身体はヴィクターへと変質してしまっているのだ。
 月衣と斗貴子の核鉄のおかげでどうにか耐えられているようだが、言われて見れば僅かに力が抜けているのを実感できた。
「どうすんだ、それ」
「どうしようか。このまま地球に戻ったら色々まずいし……蝶野に新しい核鉄作ってもらうまでここで居候させてもらおうかな」
「おいおい……」
 地球を睥睨できるこの狭間の世界で立ち尽くしているカズキを想像して蓮司は溜息をついた。
 荒廃の魔王と呼ばれるアゼル=イヴリスも似たような事をしているらしいが、それはあまりにも寂しい光景だ。
「……まあ事後処理ならアンゼロットに任せとけばいいだろ。きっと何とかしてくれらあ」
 言って蓮司は後方にいるだろうアンゼロットを振り向く。
 ――振り向こうとして。
「……!?」
 不意に眼前の空間が揺らいだ。
 現われたのは巨大な書物を抱えたリオン=グンタ。
 常に無表情の仮面を被っていた彼女には珍しく険しい貌が浮かんでおり、それ以上に険悪な魔力が立ち上っている。
「しまっ――!」
 守護者の力を得たベリトに気を取られて完全に失念していた。
 二人が身構えるよりも速く、リオンは既に構築していた魔法を形にして撃ち放つ。
「――《ヴァニティ・ワールド》……っ!」
 避ける暇すらなかった。
 二人の周囲の空間が切り取られ虚無の世界の檻が構築され、その世界ごと二人を押し潰す――


「――残念」
 

 鈴のような声音が響く。
 二人の背後から伸びた白い手が世界の中心を掴み取る。
 秘密侯爵の渾身を込めた魔力を掌握し、『彼女』は正真正銘残された魔力を絞りつくして叩きつけた。
 虚無の世界が乾いた音を立てて崩壊する。
 同時に、その中心を握り締めていた白い手が腕ごと消し飛んだ。
 しかし彼女――ベール=ゼファーは失った腕をまったく意に介する事なく、普段通りの蟲惑的な微笑を称えて轟然と佇んでいた。
「ベル……」
「こっちはもういいから、あんた達はアンゼロットの所に行きなさい」
 呆気に取られている蓮司達にベルは残った片手をひらひらと動かして見せた。
 それに釣られる形で二人がアンゼロットの方を見やると――彼女は蹲ったまま動く気配がない。
「ア、アンゼロット?」
 一瞬だけ彼女の下に脚を向けかけて、次いでリオンとベルを見やる。
 しかし二人の意識からは既に蓮司達やアンゼロットからは離れているようで、眼を向けさえもしなかった。
 それを確認すると改めて蓮司とカズキは蹲る彼女の元へ走り出す。
 残された隻腕の少女は口元に穏やかな笑みを浮かべたまま、殺気を纏わせている漆黒の少女の視線を受け止めていた。




280 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 02:15:29 ID:9+4G8/Gj
支援開始っ!

281 名前:NIGHT WIZARD cross period:2009/02/09(月) 02:17:37 ID:jWT6ZWLt
 

「ベール=ゼファー……」
 リオンが低い声で呟いた。心なし震えたその囁きと、その顔に浮かんだ表情は普段の”秘密侯爵”の姿からは程遠い。
 両の手で巨大な書物を抱え込む彼女の姿は、唯一の拠り所に縋りつく年相応の少女にしか見えなかった。
「……どうして」
 リオンの非難の呟きにベルはふんと鼻を鳴らす。
 髪をかきあげようとして腕を持ち上げかけ、その腕が既に消失している事に気付いて彼女は僅かに眉をゆがめた。
 改めて無事な逆の腕でそうするのは些か格好が悪かったので、ベルは小さく息を吐いてから言葉を紡ぐ。
「ゲームの決着が付いた後でもめるのはあんまりスマートじゃないわ。屈辱を呑み敗北を受け入れるのが敗者の誇り……コレ、先輩からのアドバイス」
「……っ」
 余裕たっぷりの笑みで言うベルに、リオンは更に表情を歪める。
 守護者の力の直撃を貰って余力……どころか現界しているのも危ういだろうにそれを表に見せないその態度。
 相手の感情を煽る様に皮肉気に語るその言葉。
 普段なら冷静に受け流してしまえるようなベルの一挙一動が、今のリオンには腹立たしい。
 そんな感情を隠しもせずに睨みつけているリオンを真正面から見据えたベルは、何故か嬉しそうに口の端を歪めた。
「そんな貌もできるんじゃない。普段の知った風なすまし顔よりずっと素敵よ?」
「――っ」
 きり、とリオンが歯を噛む。
 手にした書物を強く抱き締める。
 怒りと屈辱に肩を震わせる。
 そして彼女は――本当に久し振りに、感情を露にして叫んだ。
「……ベルッ!!」
 だからだろう。
 その声と同時に地を蹴ったベルに、リオンは全く反応ができなかった。
 二人の少女の姿が重なる。
 たったそれだけで、総てが終結した。




282 名前:NIGHT WIZARD cross period:2009/02/09(月) 02:19:35 ID:jWT6ZWLt
 

「……どうだった?」
 重なり合った二人の身体。
 漏れる吐息が頬にかかる距離で、ベルが囁くようにリオンに言った。
 リオンはベルに答えようとして、代わりに鮮血を漏らした。
 だが、手にした書物ごと貫かれた身体の痛みは全く感じない。
 それ以上に、耳元で囁かれる蝿の女王の声が、彼女を抉った。
「書物に記された運命を辿るのではなく、自らの手で栄光の果実を手にしようとした気分は」
「――」
 憎々しいはずの声にリオンの身体がざわりと揺れる。
 それは聞いてはいけない蛇の囁きだ。
 だが、胸の内に燻っている感情がその声を捉えて逃さない。
「その裡に灯る衝動の先にあるカタルシスに興味はないの?
 定められたルーチンをこなすのではなく、気まぐれに積み重ね打ち壊す悦びを得たくはない?」
「……わ、私は……」
 それはベール=ゼファーだからこそ言える言葉だ。
 "金色の魔王"と比肩する強者だけが行える特権。
 分類では大公の次の位にあたる公爵でさえ自由に動く事は叶わない。
 ましてそれ以下の魔王達はみな彼女等に頭を垂れるか眼を盗み蠢動するしかない。
 それほどまでに、裏界における"金色の魔王"の支配は絶対なのだ。
 だからそれは、絶対に赦される事ではない――
「――あたしが赦す」
「……っ」
「貴女の力をあたしに捧げなさい。
 その対価にあたしが――"蝿の女王"ベール=ゼファーが、"秘密侯爵"リオン=グンタの総てを受け入れ、赦してあげる」
 ベルは艶然と微笑んでそう告げる。
 そして彼女は言葉を失い震えるだけのリオンの唇に自らのそれを重ね合わせた。
 びくりと震える眼前のリオンに眼を細め、ベルは契約の口付けを交わす。
 静かに顔を離し、血色のルージュに濡れた唇を舐めとりながら、ベルは優しくリオンの黒髪を撫でた。
「待ってるわ、リオン。気が向いたらいつでもいらっしゃい」
「―――」
 言葉もなくリオンの身体が解けて消える。身に纏う黒衣が幾つもの紙片となって風に巻かれて消えていく。
 まるで行く先に惑うようにそれらが揺れて何処かに消え去ったのを見届けると、ベルは静かに瞑目した。
 知らず彼女の口元に笑みが浮かぶ。
 だがそれは今までリオンに見せていたものとは程遠い、人間達に見せる冷酷な微笑み。
「……あんたの力はあたしにこそ相応しいのよ、秘密侯爵」
 酷く冷たいその呟きを聞く者は誰もいなかった。



 ※ ※ ※




283 名前:NIGHT WIZARD cross period:2009/02/09(月) 02:21:53 ID:jWT6ZWLt
 

「おい、本当に大丈夫なのかよお前……」
 蹲ったまま動かないアンゼロットの下に駆け寄った蓮司は覗き込むように彼女を見やると、アンゼロットは白い顔のままで僅かに微笑を返した。
「問題ありません、肉体的にはもう完治していますから。ただ……」
「ただ?」
 肉体的に、という事は別の部分に問題があるのか――と蓮司はアンゼロットに詰め寄る。
 自らの魔剣に秘められた力を知らない彼には何が何だかわからないが、ただ彼女を傷つけた事だけは事実なので流石に心配になったのだ。
 そんな蓮司の顔を見ると彼女は可笑しそうに口角を吊り上げると、
「柊さんの固くて太くて超巨大なアレで貫かれたおかげで、わたくしの大切なモノが破れてしまっただけですから……わたくし、キズモノにされてしまいましたわー」
「お、お前なぁ……っ!」
 頬を染めて言葉を棒読みするアンゼロットに蓮司は思わず呻く。
 彼は肩を怒らせて口をぱくぱくさせたが結局何の声にもならず、ややあってから大きな嘆息と共に肩を落とした。
「そうやって茶化すのやめろよ、ほんとに……」
「貴方が心配するようなものではない、という事ですわ」
 ふふ、と笑みを零してから、アンゼロットは顔を上げる。
 そして二人から少し距離を置いた場所から心配そうに見つめているカズキに眼を向けて彼女は語りかけた。
「ですから、カズキさんも気になさらなくていいですよ」
「え……」
 はっとするカズキに彼女は小さく微笑むと、ゆっくりと立ち上がった。
 蓮司の手を借りて彼女は立ち上がると、顔色は悪くはあったが比較的しっかりとした足取りでカズキの下に歩み寄り、赤銅色に変質している彼の手を取った。
「貴方くらいのエネルギードレインなら別に影響はありませんわ」
「そうなんだ……でも、本当に大丈夫なの?」
「ええ。宮殿の再構築を並行していますからちょっと手間取っているだけで」
「……うお、何時の間に」
 蓮司の声にカズキが振り返れば、遠めには闇に喰われたはずのアンゼロット宮殿が姿を現していた。
「もうちっと落ち着いてからやればいいのによ」
「そうはいきません。エミュレイターとの戦いはここだけで行われている訳ではありませんし、司令所としての機能は可及的速やかに復帰させなければなりませんからね」
 守護者としての顔を取り戻して語るアンゼロットをじっと見やったカズキは、ようやく安堵したかのように息を吐いて子供のように破顔した。
 そして自分の手を握るアンゼロットの白い手を握り返してから口を開く。
「よかった……でも、あんまり無理しない方がいいよ」
「はい」
 カズキの笑顔に釣られるようにして彼女は笑みを返し、答える。
 張り詰めていた空気がようやく柔らかくなっていくのを三人は実感した。
「そうだ、カズキの事なんだけどよ」
「ええ、わかっています……が、その前に」
 蓮司の言葉を遮ってアンゼロットは二人から眼を切って振り返った。
 彼女の視線の先には――三人の様子を生暖かい表情で見つめている、隻腕のベール=ゼファーがいた。
 そこで彼女の存在を思い出した蓮司は僅かに身を固くしたが、空気は相変わらず緩んだままだ。
 何よりベール=ゼファーの気配そのものが、はっきりとわかるほどに希薄になっていた。




284 名前:NIGHT WIZARD cross period:2009/02/09(月) 02:24:12 ID:jWT6ZWLt
 

「まさかここからまた揉めようなんて気はありませんよね?」
「まあね」
 アンゼロットの揶揄するような声に、ベルはつまらなそうに鼻を鳴らして答えた。
 ベルは面倒くさそうに銀の髪を掻くと、自分を見やるアンゼロットと、蓮司と、そして最後にカズキに眼を移してから懐に手を伸ばした。
 そして彼女は何かを取り出すと、カズキに向かってそれを無造作に放り投げた。
「……?」
 カズキは反射的にそれを受け取る。
 見てみれば、それは黒い帯のようなモノだった。
 どこかで見たような、と思った瞬間に帯がひとりでに動き出しカズキの腕に絡まっていく。
「うわ、うわわわ!?」
「落ち着きなさい、武藤カズキ」
 驚いて振り払おうとするカズキにベルが口を出す。
 彼は彼女の言葉というより、次いで顕れた変化に言葉を失った。
 帯が絡まった腕が赤銅色から元の肌色に変化していく。
 腕から始まった変化は次第に身体全体に広がっていき……そしてカズキはヴィクターから元の状態へと戻っていた。
「これって確かベリトに使ってた……えっと、魔殺の帯?」
「そう。残った切れ端だけど、アンタ程度の能力を抑えるには十分でしょう。あの変態が新しい核鉄を作るまで着けとくといいわ」
「……どういう風の吹き回しだ?」
 勘繰るような蓮司の声にベルは自信に満ちた笑みを浮かべ、アンゼロットを一瞥して口を開く。
「あたしはどっかの守護者とは違って正当な働きには相応の対価を以って報いるもの」
「うおっ……お前ワリとデキる奴だったのかっ!?」
「当たり前じゃない。あたしは裏界の大公様なのよ?」
 ふふんと得意気に胸をはるベルに、アンゼロットは眉を吊り上げて憤慨し、地を蹴って叫んだ。
「何を言ってるのです! わたくしだってウィザード達の働きに対する報酬はちゃんと渡してあります!」
「え……俺、貰った覚えないんだけど」
「世界の平和。これ以上ない報酬じゃないですか」
「おい……」
 半眼になって呻く蓮司にアンゼロットはそっぽを向いた。
 そんな二人のやり取りをよそに、自分の身体の様子を見ていたカズキは腕に絡まった魔殺の帯を手でなぞると、ベルに向かって声をかけた。
「ありがとう。本当に助かったよ」
「……認めたくないけど、アンタ達がリオンの計画を阻止したのは事実だもの。
 よくやった、と言っておくわ……おかげで、あたしの目的も全部達成できたし」
 小さく漏らしたベルの言葉で、蓮司は最初にベルに会った時言っていた事を思い出した。
 彼女がここにきた目的は三つほどある、と。




285 名前:NIGHT WIZARD cross period:2009/02/09(月) 02:26:28 ID:jWT6ZWLt
 

「お前……一体何をしたんだ?」
 一つは彼女が語っていた通り、リオンの計画を阻止するためだろう。
 だが残りの二つに関しては蓮司達は一切知らない。
 一体何が目的で何を果したというのか。
 しかしベルは蓮司の問いには何も答えず――ただ金色の瞳でアンゼロットを見据え、にい、と歪んだ笑みを見せた。
「……『疵』の具合はどうかしら、アンゼロット?」
 その言葉で、アンゼロットだけがベルの意図に気付いた。
 彼女は僅かに表情に険を入らせ、射抜くようにベルを睨みつける。
 しかし当のベルは笑みを浮かべたまま愉しそうにアンゼロットへと更に声をかけた。
「ディングレイの時から何となく気にはなっていたのよ。とんだ鬼札を隠し持っていたものね」
「………」
 アンゼロットは答えない。だが、その沈黙がベルにとっては十分な回答だった。


 一時的にせよ"監視者"との契約を断ち切るほどの因果を持つ『神殺し』の力。
 それは古代神であるベルにとっても危険な代物だが、使いようによっては最近動き始めている『あの女』に対する有効な手にもなるだろう。
 些かリスクの高い札だが――だからこそ、ベール=ゼファーとしては魅力的な札とも言える。
 殊更に確かめようとした訳ではなかったが、これ以上ないほどの確証が得られたのは彼女にとっては大きかった。


「ディングレイの時からって何だ。もしかして俺の事なのか?」
「……。そんなところね。今だにしぶとく生き残ってアンゼロットに駆りだされてるんだもの……もうコイツの右腕みたいなものかしら」
「恐ろしい事言うんじゃねえよ!」
 泡を食って反論する蓮司はベルは肩を竦めて見せた。
 それと同時に、糸が切れたかのようにベルの身体が掠れていく。
「……っと。そろそろ限界か」
「おい、結局なんなんだよ!」
 なおも食い下がろうとする蓮司にベルは面倒臭そうに溜息をつくと、そっぽを向いてから吐き捨てるように呟いた。
「あんた達には関係ない事よ。これ以上はプライバシーの侵害だからね」
「プライバシーって、お前な……」
 白い眼で呻く蓮司を無視して、ベルは話は終わりとばかりに三人に背を向けた。
 所々が破れたポンチョを翻し、艶やかな銀の髪を揺らしてベール=ゼファーは謳う。
「また遊びましょう。勿論今度はあたしの主催でね」
 そう言って、気だるげにひらひらと手を振りながら、"蝿の女王"は虚空へと融けて消えていった。




286 名前:NIGHT WIZARD cross period:2009/02/09(月) 02:29:16 ID:jWT6ZWLt
 

 ※ ※ ※


 そうして残ったのは二人の少年と一人の少女。
 しばしの沈黙の後、蓮司は大きく息を吐いてから頭をかいた。
「はぁ……まあ何にしろこれで全部終わりか」
「ですね」
「……あっ」
 そこで思い出したように声を上げたのはカズキだった。
 振り向いた二人に、腕に巻き付いている魔殺の帯を見せながら彼は首を傾げた。
「そういえばこの帯って核鉄ができたらどうすればいいのかな。蓮司に渡しとけば返してくれる?」
「いや、逢うかどうかもわかんねえって。捨てとけばいい……のか?」
 何しろ魔王の一人であるアゼル=イヴリスが使っている魔導具だ。そこらに捨ててしまっていいものかもわからない。
 返答に窮して蓮司がアンゼロットを覗き見ると、彼女は小さく頷いてから言った。
「魔殺の帯そのものに危険性はありませんから、カズキさんのご自由になされて結構です。
 なんならブラボーさん経由でこちらに回してくださってもいいですし」
「そっか……じゃあ記念に貰っとこうかな」
「記念ってお前な……」
 仮にも世界滅亡を狙う魔王に渡されたものを記念にしてしまうカズキに蓮司は小さく溜息をついた。
 そして気だるげに頭を掻きながら、
「ま、いいか。問題ないならさっさと帰ろうぜ」
「そうですね。ロンギヌス達もそろそろ戻ってくるでしょうし、宮殿の方が落ち着けますから」
「アンゼロットさん、大丈夫? 辛いなら肩貸すけど」
 宮殿まで歩いて戻ると思っているのか、アンゼロットに向かって手を差し出したカズキを見て蓮司は何事かを言いかけて、口を噤んだ。
 彼は少しの間難しそうな表情を浮かべた後、諦めたように彼女に向かって手を差し出す。
「……柊さん?」
「……。まあ、事情はよくわかんねえけどやっちまったのは俺だからな」
 視線を合わせないようにして漏らす蓮司を見てアンゼロットはまじまじと差し出された二つの手と二人の顔を見やり、顔を綻ばせる。
「二人の殿方にエスコートされるなんて光栄です。しかし残念ながらそんな余裕はないでしょう……そろそろ"来る"でしょうから」
「余裕?」
「来る? ロンギヌスでも来るっての……え?」
 そこで蓮司は自分の身体の異常に気付いた。
 アンゼロットに向かって差し出した手が振るえているのだ。見てみれば自分だけではなく、カズキの手も震えていた。
 彼もまた何が起こっているのかわからず、不思議そうに自分の手を見やっている。
 手の震えは次第に強くなり、それは違和感となって腕を伝って身体に昇り、そして――スイッチが切り替わったように全身に激痛が走った。




287 名前:NIGHT WIZARD cross period:2009/02/09(月) 02:31:00 ID:jWT6ZWLt
 

「ぐああぁああぁっっ!?」
「痛い! 痛い痛い痛い痛い痛い!! 何だこれ! 何だこれ!?」
 戦いによる負傷の痛みとは全く別種の激痛。全身が引きつるような感覚に二人は立つ事も叶わずにその場に崩れ落ちた。
 例えていうならそれは、全身が筋肉痛になったような感じだ。
 動くと痛いがじっとして堪える事もできない地獄のような責め苦だった。
 芋虫のようにのた打ち回る二人を見下ろしながら、アンゼロットは何故か勝ち誇ったような微笑を浮かべて謳う。
「わたくしの力を受けたフィードバックですわ。矮小な人間ごときが守護者の力を得て無事で済むとでも思っていたのですか?」
「何ラスボスみたいな事言ってんだ! ……てか、お前か!? お前がラスボスなのか!?」
「まあ、失礼な。……そうだ、先程のベルではありませんがお二人の働きの報酬にわたくしがてずからマッサージをして差し上げましょう」
 満面の笑みを浮かべながら手をわきわきさせるアンゼロットに、二人は文字通り這うようにして後ずさる。
「ま、待って! オレには斗貴子さんという人がっ!?」
「わかっています。これは今日だけの秘め事……一夜の過ちなのです」
「頬を染めて訳のわからん事を言うな! って、おい、こっち来んな! 俺達に近付くんじゃねぇ!!」
 にじり寄る銀髪の少女に二人は必死に逃げようともがくが、全身の痛みで動く事もままならない。
「ささ、遠慮なさらず。女に恥をかかせないで……」
「ひっ……!」
「やめっ……!」
 少女の細く白い腕が恐れおののく二人にゆっくりと伸び――


「「あ゛あ゛あぁーーーーーーっっ!!」」


 平穏を取り戻した地球を見下ろす荒野に、少年達の絶叫が響き渡った。




288 名前:NIGHT WIZARD cross period:2009/02/09(月) 02:32:42 ID:jWT6ZWLt
今回は以上です
ベル「遊びを知らない初心な小娘を篭絡し、寡黙で忠実な予言の魔王をゲット・・・そう考えていた時期があたしにもありました」
リオン「総てはファンブック他に記されている通り」

どんなに真面目にやっても作品の外でオチがついてしまう
それもこれも全部きくたけのせいだ


前の分で(俺が)燃え上がるだけ燃え上がったので微妙に燃え尽きた感が否めませんね。でも締めとか後片付けは必要だし・・・
ともかく。
次からはエンディング。あと二回で完結の予定です

・・・あ、あとどうでもいい豆知識
筋肉痛の時にマッサージは逆効果(軽いのなら多少はある)


289 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 02:42:55 ID:wuWUlNN4
お帰りなさいませー。お疲れ様ー
どうも最近、特にアニメ以降見るアンゼ見るアンゼ、コグレロット色が強くて困りますね、いいぞもっとやれ。


マッサージは運動後、筋肉痛になる前にやっとけ、だっけか。
そもそもならないようにするものだ、とか聞いた覚えがかすかに

290 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 03:49:42 ID:IYYlqxnP
筋肉痛は乳酸が筋繊維を傷つけるからだっけ?
その状態で揉み解したらしたら傷口に塩を塗り込むようなもんか

てか、
ベルがリオンという手札を手に入れたと思ったていたら
リオンがベルを観察対象にしていた
な、何を言ってるか判らねーと思うが・・・
ですねw

291 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 03:52:31 ID:AGRIhUmi
           __      ‐,@―<三三三>
          , '´   `ヽ    /
        ! l i_!l i_!l 〉 @'     【保管】
         ト、l| ゚(ラ゚ノ|,l   |      ●NIGHT WIZARD cross period #22
 ‐@―<三三三>允iつ  ,@  ,@、  ●異界の剣士と放浪の戦士
   \、     く/_|j〉  /   /.  \、
    @―‐,@ニ=‐'し'ノヾ='―@'    ‐@―<三三三>
       ,/
      ,@、
         \、
        ‐@―<三三三>

292 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 08:21:30 ID:DXdAM2iQ
>>288
待ってましたー。
そこはアレですよ。ウチの卓の鳥取(ry

もう嬉々としてる木暮さんと生暖かい目で見守るベル(notゴトゥーザ様)の2人が目に浮かびますw

>>289
>どうも最近、特にアニメ以降見るアンゼ見るアンゼ、コグレロット色が強くて困りますね
・・・・アニメ以降?w

293 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 08:24:08 ID:gxF/TsOh
GJ!
うわぁぁん、ずっと待ってたのですわよー!

こんなにカッコいいベル様見るの久しぶりアルよ!ありがとう、マジありがとう!超ありがとう!
あと二回、楽しみに待たせていただきます。

294 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 09:24:47 ID:eqN+QvMN
GJ!
しかしどーしてもこれを言いたくなるな。
「げげーい!お前は死んだはずのー!!!」

295 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 14:07:09 ID:RMNnsCbR
>292
木暮ちゃう〜〜、小暮や〜〜

296 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 14:57:55 ID:AGRIhUmi
>295
ロマンスは剣の輝きIIに謝れ!

297 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 23:15:30 ID:K9W7Sv/t
まってました! GJです!
あの激闘を締めくくる、大団円を所望いたす!


ところでさー、リオンはベルのそばが当然なイメージあったけど、
実際にそういう傾向見えたのっていつごろからだっけ?
ファンブック2巻のころから?

298 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 23:24:50 ID:AGRIhUmi
傾向はそんな感じだが、
定着したのはアニメだよなあ。


299 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 23:29:58 ID:LmJAc4GX
一回はベルとガチで敵対してたはずだしな
今から考えるとアゼルまで敵対してたのが信じられん

300 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/09(月) 23:45:48 ID:HWP65pgA
>>299
アゼルからすると、能力が消えて、世界が平和?になってで、デメリットがまったくないからな。

301 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 00:01:21 ID:L0kRuotp
>288,291
乙ー。

地味にアンゼがエr(ry

302 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 01:08:13 ID:EvXxapg4
それにアゼルは実がルーがゴニョゴニョだという設定が出たし、それ考えると必然だろう。
多分後付だがw

303 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 02:46:37 ID:GY7K8gC2
いやあ名前とクラスからして最初から考えてはいたと思うよ
しかしファンブック4巻のおかげでリオンとアゼルは完全にベルの友達になったな
やっぱファンブック2巻の掛け合いがよかったんだろう

304 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 03:10:37 ID:CQQzdYmo
>>303
個人的にはリオンはルーのスパイを続けてくれたほうが好みだったな
魔王の関係的な意味で
こういった描写ばかりだと、魔王の脅威がどんどん薄らいでいく
いや、べつにそういったほうに進んでもいいんだが、
愛嬌と親しみの持てるぽんこつキャラと冷酷・残酷無比な悪党キャラを両立させるのは無茶が過ぎるだろ
どっちの系統か、統一して欲しいよ

305 名前:ベルが封印されたのは、ツンデレ&ぽんこつが酷すぎた所為説:2009/02/10(火) 04:33:12 ID:IYAipGvp
そんな君の為の冥刻王。


べルのぽんこつ&ツンデレは、あくまでも人間を惑わせる為の擬態であり、
その本質は、邪にして悪辣な魔王と呼ぶに相応しい存在。


のふりを本人はしていますが、
その実体がぽんこつでありツンデレなのは、皆さんご存知の通りです。

…って、リオン先生が言ってた。

306 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 10:54:30 ID:GY7K8gC2
はっきりデレてるのは同じ魔王相手で今回のくれはみたいに人間は餌ってことでいいんでない
必要なら共闘は可能とはいえ人間にとってはやっぱり敵だろう
だからさすがにくれはが助けるのはどうかと思ったけどなあ
せめて捕獲しとけ

307 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 11:28:19 ID:fqjG11S7
PC1を助けただけじゃないのか

308 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 12:31:38 ID:q5tQ7tk+
この言葉をつけ忘れてるな…

つベルはきくたけ(GM)の都合のいいように行動します
つ卓によって行動は異なる事があります

309 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 16:57:36 ID:zhN9d3fu
くれはの中の魔王成分がきっと助けろとささやいたんだよ。

310 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 17:00:03 ID:4Lua9GGN
ああ、ディンさん一応友達だからな

311 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 22:58:11 ID:NpOKfS2P
>>304
アニメ・ノベライズの時点で、魔王は「恐い敵」ではなくなったと思ってたがなぁ。
ナイトメア一人にネームド魔王三体が描写すらなく完敗したり、キリヒトに戦力外扱いされたり。

きくたけさんは魔王をツンデレな味方キャラにしたいみたいだね。
ただ、今のままだとウィザード組織が世界を守るために非人道行為を行なっている必要性が薄れてしまって、魔王より
もウィザード組織の方が悪い奴になってしまうよーな気が。

312 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 23:06:15 ID:4Lua9GGN
ゲイザーのおかげで幻夢神が悪者なんじゃねーかとも思えるしな

313 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 23:12:22 ID:KKfmH6GR
>>311
「魔王がおおすぎる」のシナリオの時点で、魔王を(結界で)雑魚化してるので
ネームド魔王だからって、ボスでも無い魔王の世界結界内での移し身の扱いなんて
昔からあんなもんだったよーな気がするけど気のせいかねー?

あと、非人道的な事を世界を守るためにやってるのも何処の組織ででもやってる事のよーな?
そんな不条理にたいして「そんな事をしなくても俺がなんとかしてやる!」って房二的台詞で否定するための余地なんだし
ウイザード組織って元々個人としてはともかく組織としては悪の秘密結社よりな気がするし

314 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/10(火) 23:52:38 ID:gFCFjY+m
裏界のトップが「仲間がー」と「友達のためにー」とかやってるのに同じことやって他の魔王にいじめられる勇者魔王むつみん=あまみんが可哀想です。

315 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 00:12:06 ID:2WfiVCpk
>>313
PC版なんかそこら辺良く作ってたよな
御門家、結構外道だし

316 名前:304:2009/02/11(水) 01:38:36 ID:5sZKnXlf
>>311
魔王は「恐い敵」ではないのはいいんだ
・・・いや個人的には全然良くないが、そういう方面に持って行くならそれはそれでありだとは思う

俺がちょっと問題だな、と思ったのは、
設定面とリプレイ等での描写、それからドラマCDで受け取れる魔王の性格にかなりまとまりがないこと
設定とリプレイの差は鳥取の違いくらいの印象なんだが、ドラマCDはもはや別人格といいたくなる
ぽんこつと威厳は両立しないし、もうぽんこつならぽんこつで良いから設定を修正するなりしてくれ、と
そうでないと、各人のNPCに対する理解に齟齬が発生する要因となりそうだと思ったわけさね

317 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 02:28:22 ID:cjKfcAD1
同じ魔王相手にはツンデレたりするし
冥魔王とかゲイザーとかの格上が絡めばポンコツ化するけども
唯の人間とかの格下相手には十分でかい顔できるんじゃないか
まあどれくらい威張れるかは写し身の強さによるだろうけど
ラビリンスシティの絶対の主クラスの写し身で来られたらポンコツとか言えやしない

318 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 06:44:36 ID:qTA8N6ve
写しにも、さまざま種類があるんだろ。

319 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 07:37:34 ID:E9iK43DK
実際一柱の神様でも神話によって色々性格変わってくるし…。

320 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 07:59:19 ID:zQPOlsvM
ころころキャラの性格が変わるってのも他にはないTRPGのウリだと思う
公式であれくらい変わるおかげで遠慮なく自己解釈できるんだし

321 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 08:19:46 ID:b4A/RtnI
アニメ系のSSスレだから仕方ないのかもしれんが設定厨には気の毒だな。
NWはじめ卓ゲはわざと矛盾した設定や異説を出してそれが伏線だったり
版上げで大幅な変更をして宇宙感まで変わったり昔の設定が復活したりするし。

まぁそれとは別に今時CDドラマでドロドロな悪の陰謀劇とかやらんと思うけど。
そんなの音声だけじゃわかりにくいし。

322 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 11:12:03 ID:yf6VeIT6
冥王様はいい意味で「言葉は通じてるのに会話になってない」感じが出てたな。
喋る冥魔はなるべくあの方向で行って欲しい。

323 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 11:42:28 ID:Y16q7C6s
>>316
そんなあなたに魔法の言葉。

つ「映画版ジャイアン」

324 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 13:11:23 ID:NH5et42A
まあ、ぶっちゃけここに書かれてる物語も公式の平行世界だと思えばよし!

325 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 20:44:59 ID:CbgjZ+gA
茄子色カブトムシに三体はやりすぎだが、キリヒトに戦力外扱いは仕方なかろうw

326 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 22:18:24 ID:LJ2zuwOX
ルーなんて、裏界を愛してて、ラビリンスシティなんて場所を、おそらくエイミー達に指示して、ウィザードと侵魔の場所にしたりしてるしな。
人間は世界や自分のための餌ではあるけど、なにがなんでも滅ぼしたい憎い敵じゃあないって感じ(幻夢神に対してもそう)
侵魔にとって俺らにとっての家畜や野菜だけど、冥魔はゴッキーみたいなもん?w
ウィザードは優秀な番犬って感じか。

327 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 22:50:26 ID:Q1nAgIim
人類と侵魔が砂場(プラーナ牧場)で仲良く陣取り合戦してるところに
砂場を荒しにきた大波や大風みたいなもんではないかねー?
砂(プラーナ)が飛ばないように仲良く防衛、でもちゃっかりお互いの陣地に
砂(プラーナ)引き入れてますって感じの

328 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 23:03:23 ID:zQPOlsvM
突如やってきたいじめっ子とか

329 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 23:32:01 ID:PwTsyKLG
「ドラえもんに休日を」で他所のいじめっ子に絡まれたのび太をジャイアンとスネ夫が助けたところを思い出した。
ところで、ルー様がウィザードを全滅させて、表界を独り占めしようとしたとしたことを忘れないでね

330 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 23:40:40 ID:zQPOlsvM
その事件でベルと組んだ柊達に見事にやられちまったんだよな
あれで考え直すところがあったのかとも思えるがその発端になるにはベルが小物過ぎる
逆にベルでもウィザードと組めばけっこう手強くなるから方針転換した方がいいと考え始めでもするのかな

331 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/11(水) 23:40:55 ID:Q1nAgIim
>>329
それは、狭界が出来たせいで、たんに表界から追放しただけで
普通に連中は生きてました! って落ちがついたので
ルーさまの優しさは引き立つばかりな気がひしひしとスル

消えたウイザードはラビリンスシティあたりで養う気だったんだろーなー

332 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 00:43:53 ID:mZnWDmem
>>329
表界にはイノセントもいるんだぜ

333 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 01:53:15 ID:zm0/Kr5v
>331
バトルマニア種族な人狼はむしろ大喜びしたかもな>ラビリンスシティ移住

334 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 02:07:12 ID:ioZD39I4
>>329
あれ、全滅ではないだろ、運がないヤツは存在ごと消えるけど、大半はただのイノセントになるだけじゃないか。
支配の仕方としては、実にスマート。
世界結界が強化されて、実質表界に介入できる存在がいなくなるわけで、裏界を第一にしたいルーにとっては理想。
さらに言えば、外からの侵入者は、ルーが責任をもって対処しなきゃならん。
世界を統治する覚悟と責任感がないと、あの手段はとれないよ。

335 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 02:25:21 ID:jBx3zxf8
>>334
……それはまた盛大に勘違いしてると思うが。

アレ、ウィザードは全部世界結界に阻まれて最終段階までいくと消える、って書き方してるぞ?
ちゃんと合わせ読んだのか?

確かにベルはトップには向いてない人材だから、向いてないとかいうのはかまわないけどさ
過去のルーの失敗をなかったことにしようとする考え方とか、ルーの性格をねじ曲げて考えるのとかは正直どーよ

少なくとも合わせの時点ではルーは人間をとるに足らない存在としか認識してないのは事実だし
さらに某いささかのせいで人間に二度も煮え湯飲まされてるうっかりさんなのも事実だろう

力が最強なのは疑うまでもないし、統治者に向いてるのも確かだが、
思想まで理想的と考えるのはただのマンセーであって、気持ち悪いと思う

336 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 02:34:50 ID:ioZD39I4
>>335
読んではいるがそこまで覚えてなかった。
誤読は認めるが、そこまで感情的にならんでもw

337 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 02:39:43 ID:2g7bd26W
>>335
> ウィザードは全部世界結界に阻まれて最終段階までいくと消える
そこまではっきりと書いてなくね?
ウィザードの末路は、
1.力だけ消えてイノセントになる
2.力とウィザードとしての記憶がなくなってイノセントになる
3.消滅
の三つの可能性が提示されたけど、どうなるかは不確定だったかと。

んで、影響受けやすい勇者がまっさきに消滅したけど、
大半のウィザードは力だけ消えるだけにとどまってた。

338 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 02:42:37 ID:6hDWZ6BC
まあそれ以前に
ウィザードが力をなくした段階で主だった面子を殺す
→結界を元に戻して配下を呼び入れる
くらいのことを考えてたんじゃないか、とか思うけどルー様全然セリフ無いからよく分からんな
あとアステートって何気にすごいピンチだったんじゃないかとか

まあそれはともかく>>330
あの話ではベルはロクに役に立ってないぞ(情報役にしかなってない)
というか客観的に見ると、何気に命が凄い重要なポジションだったという

339 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 03:02:52 ID:ioZD39I4
>>337
月衣が消えて、武器落としたウィザードが警察沙汰になってたのは覚えてるw

>>338
ルーは根っからの支配者だからなあ、自分が唯一の支配者となれる企みで、隙を作るかな?
あの企みが成功すると、表界にルーだけが分身を送り込んでプラーナを自由に搾取できる。
当然、裏界でも圧倒的なアドバンテージを取れるし、守護者もその性質上介入が難しい。
外敵に関しては、表界がプラーナ不足で崩壊しない程度に吸い上げて、自分自身を強化すれば対処できるだろうし。
>>335は勘違いしてるみたいだけど、俺はルーが人間も守るやさしいヤツなんてこれっぽっちも考えてないしなw
支配しているのが当然であり、支配しているものを使うのも当然、所有物なんだから奪われそうになると守るのも当然ってタイプだと思ってる。

340 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 03:04:47 ID:9cKKOZ3F
アゼルとリオンとモーリーの足止めもしてるよ!!
結果的にベルいなかったらルーの所に行けなかった可能性もあるから、ベルのくれた情報もかなり重要だしやってることは地味とはいえかなり重要なポジションだぞ
あと結界戻したら普通に消えたウィザードも戻ってくる可能性が高いと思うし、さすがに結界を元に戻して配下を呼び入れるってのは無いんじゃないかと思う
まぁこの辺は何言っても推測の域を出ないから何とも言えんが

341 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 03:08:13 ID:qcTG8Xqq
>あと結界戻したら普通に消えたウィザードも戻ってくる可能性が高いと思うし、さすがに結界を元に戻して配下を呼び入れるってのは無いんじゃないかと思う
>まぁこの辺は何言っても推測の域を出ないから何とも言えんが

あのアメリカお化けのことだから、「なっちゃったらその時に考える」でなんも考えてないと思う。推測すら無意味

342 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 08:12:02 ID:AKm7sz3G
そろそろ、この言葉を贈ろう

お前ら、板名とスレ名と声に出して100回読みやがれ

343 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 19:50:20 ID:4lHDz6Ct
さてそろそろスレに動きを。

某所のなのはクロス復活しないかなぁ〜。

344 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 19:56:04 ID:yXrY4kzk
今はなかなか進まないだろうから雑談もいいかもね
みんなサプリメント読んでいろいろネタが湧いてきてるだろうし

345 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 19:58:38 ID:jBx3zxf8
>>343
>>253-255

346 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 20:02:25 ID:Vfom5gJ5
>>343は冥魔王だな、時間を巻き戻そうとしている。

347 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 20:23:19 ID:jBx3zxf8
まき直して違う行動を取れるならメイオと言えるが、
ただ繰り返すだけならそうは呼べんだろう

348 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 20:40:24 ID:yXrY4kzk
ああ、メイオってそういうことか
冥王だからメイオ
なるほど、気がついてなかった

349 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 20:43:37 ID:iJylPkFE
>>346
いや仮面ライダーオーディンだな。タイムベントだ。

350 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 20:47:27 ID:Ml8imXyH
>>349
君がファンブック4を読んでないことはよくわかった

351 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 20:51:13 ID:iJylPkFE
>>350
読んだけど?

352 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 20:54:35 ID:4lHDz6Ct
>>345
いや、そっちじゃなくて、なのは無印の世界にちびらぎが飛ばされたほうなんだが……スマン、やっぱり他所だった。自重する。

353 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 21:06:42 ID:E1IWyUNn
それだったら俺としては終末の騎士の続きか
あるいは閉鎖して読めなくなった女トウガの話を読み返したい気分だな

354 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 21:07:23 ID:Vfom5gJ5
>>348
語感的にはギリシャやローマに近い気がするんだけどなメイオルティス。
そういえば二万回時間を巻き戻しても主人公を倒すどころか、傷つけることすら出来なかったアニメもあったな。

355 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 21:18:39 ID:a1nXM+XU
メイオルティスのネーミングは冥王+オルクスな気もする。
冥界の神繋がりな命名ってだけで能力とかは全然関係なさそうだけど。

356 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 21:59:01 ID:f9jdpBp1
>>335
ルーは幻夢神と二人っきりに為りたかっただけ。だろ

357 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 22:26:35 ID:E1IWyUNn
幻夢神って確かおんn(ry
ルー……裏界の百合ハーレムだけでは飽きたらず、幼joに手を出(ズキューン

358 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 22:27:30 ID:yXrY4kzk
実はゲイザーが好みだったとか

359 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 22:31:24 ID:AJP6eHeb
>>358
だから、キリヒトをはべらしてるんですね、分かります
まあ、実務面でマジ優秀なゲイザーだよな、そばに置くなら

360 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 22:38:35 ID:jBx3zxf8
……せめてクロスのネタにしてくれまいか

と言いつつなんもネタ出さないのはアレだから、ネタを出すのがマナーだな。
えーと、それじゃラノベクロスが少ない気が超個人的にするので、クロスしたらよさそうなラノベ!

……マイナーなところで緋弾のアリアくらいしか思いつかなかたアルorz

361 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 22:42:42 ID:GWLZ1y5a
卓ゲ板でやれな人が多い日ですね。

362 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 22:44:54 ID:yXrY4kzk
スレイヤーズとクロスとか
今アニメやってるし
リナを連れてきたら間違いなく世界結界の影響受けまくりだろうな
ドラグスレイブって核爆発ですよ核爆発

363 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 22:49:23 ID:GWLZ1y5a
ジョセフィーヌさん降臨ですね。分かります。

364 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 22:49:39 ID:AJP6eHeb
>>362
あの世界の黒魔法は侵魔召喚師なかんじの使い方になるんかねー?
魔王の力の一部を借り受けて行使するよーな感じだし

365 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/12(木) 23:16:46 ID:a1nXM+XU
d20版と混ぜるといいよ。魔法を使うとドレインが発生してリナのHPが減る。
そしてくれはが回復を(ry

366 名前: ◆6H85fs.r4o :2009/02/12(木) 23:48:33 ID:oyM6LwYN
しばらく間が開きましたが、「月と星と柊と」第10回を投下します。
混沌作戦読みました。まさか、シャイマールが八柱神だったとは夢にも思いませんでした・・・・・・・・
八柱神は全員冥界に封印されてると思ってましたよ。鳥取でリプレイ以前に幻砦だしてた人の気持ちが分かったような気がします。
言い訳させてもらうと、作中でシャイマールの何倍うんぬん言ってるのはアニメに出てきた不完全体と比べての事で、エルヴィデンスの発言
が公式設定と違っていたのは封印前の記憶が曖昧になってる所為という事でご容赦ください。
セルヴィはアンゼパパに負けてるんで、古代神の中で特に強いという認識はしてなかったんですが、他の古代神の実績が彼女に届いてい
ないので段々強く見えてきました。アンゼパパに負けたのも「アンゼパパの指揮する軍隊(聖竜騎士含む)」に負けたって事かもしれないし。

では23時50分から投下します。

367 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/02/12(木) 23:52:39 ID:oyM6LwYN
 広間に神気が、満ち満ちる。

 かつて冥界最強と呼ばれし魔王、エンディヴィエの分断された肉体の一部が封印されていた広大な地下空間は、今や、魔王ベール=
ゼファーの写し身を依り代に顕現した古代神の祭壇と化していた。

 床一面に描かれた魔法陣と壁に彫られた魔術文字が神気に反応して誤作動を起こして明滅し。
 峻烈な神威が、小さき人の子らを打ち据える。

 息が苦しい。胸が締め付けられる。意識が霞み、膝が震える。

 膨大な神気を全身に浴びた柊とコイズミは、己が得物を杖がわりに辛うじて倒れ込むのを堪えていた。

『二人とも、動けるか?』

 気遣う声と共に、柊の身に宿った異世界の“世界の守護者”星王神エルンシャから暖かいプラーナが流れ込む。

 呼吸が楽になる。意識が澄み渡る。身体の震えが止まる。
 幼き日、父の腕の中で感じた安らぎが心を満たす。

「ど、どうにか・・・」「ありがとよ。助かったぜ」

 コイズミは呻きながらも畏れを振り払い、柊は礼を言って背筋を伸ばすと、神殺しの魔剣を構えて敵を見た。
 眼前に佇む、麗しき少女の姿をした異世界の古代神を。
 成熟した身体を闇色の鎧で包み込み、背に瘴気の翼を備え、腰まで伸ばした黒髪を噴き出す神気に靡かせて立つ戦姫を。

「そういえば、まだ、まともに名乗っていなかったな」

 古代神が、邪に満ちた黒い瞳で柊達を睥睨し、色鮮やかな艶かしい唇で言葉を紡ぐ。
 小さな鈴の鳴るような、か細く綺麗な・・・・・・だが、静かな威厳と圧倒的な力を感じさせる、神の声。
 其の響きを耳にしただけで、コイズミは床に片膝を付き、柊の背筋がビクリと震え、アンゼロットの額に冷や汗が滲む。
 “世界の守護者”をも超える、原初の創造神の一柱との圧倒的な存在の差が伝わってくる。

「私は古女王(エンシェント★クイーン)エルヴィデンス。お前の父に封じられた古代神だよ、アンゼロット」
 
 八大神の一柱たる地神の宿敵、古代神エルヴィデンスが名乗りを上げる。
 其の写し身、闇風姫(シャドウ★ゼピュロス)が、黒翼を広げて瘴気を放つ。
 名乗りとともに、風が吹く。心を冷やす、風が吹く。魂を冷やす、風が吹く。意思の炎を吹き消す、風が吹く。

「・・・・・・封じられた? アンゼロット様の、父君に?」

 慄然とした思いを禁じえぬまま、床に突き立てたロンギヌス・グレイブに再び縋りついたコイズミが、震える声で問うた。

「・・・・では、その意趣返しの為に、エルンシャ様を操ってアンゼロット様を攫わせたのですか?」
「いいや。もっと実際的な理由だよ」

 艶然とした笑みを浮かべた古女王は、静かに、穏やかに、哀れな人の子に目を向けた。
 途端、コイズミの両膝が床を打った。

 見られる。視られる。観られている。魂の奥底までも見透かされる。
 その冥き深淵の如き瞳から目が離せない。
 ほんの少し注意を引いただけで、己が身の卑小さを思い知らされて、恥じ入り、消え失せたくなってくる・・・・・・

「う・・・・・・わ・・・・・・・・・・だ、め・・・・・・だ・・・・・・・・・・」

 呻き、床に崩れ落ちるロンギヌスからアンゼロットへと視線を戻し、古代神は言葉を継いだ。

「今、ラース=フェリアでは冥魔七王がエルオース復活の準備を進めている。
 我等108の古代神に施された封印を解きうる、“堕ちたる守護者”のな。
 かの者が蘇れば、私は神としての本来の姿を取り戻す事が出来るのだ」


368 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/02/12(木) 23:55:12 ID:oyM6LwYN
 エルヴィデンスの台詞に、“世界の守護者”たちが息を飲んだ。現在、天界と冥界の争いは膠着状態に陥っているが、優位に立ってい
るのは冥界側だ。ここで冥界の古代神たちが自由を取り戻せば、主八界はたちまち冥界の瘴気に包まれるだろう。

「長かった・・・・・・永かったぞ・・・・・・・・・
 九姫争乱に敗れてより、10余年。
 十姫争乱紀より、数千年。
 古代神戦争に敗れてより、数万年。
 漸く、漸く自由になれるのだ・・・・・・・・・」

 古女王はうっとりとした表情を浮かべて呟き・・・・・・

「だというのに、あの蝿め!
 アンゼロットの足止めすらも出来ぬとは、裏界の魔王が如何に間抜け揃いだとて無能過ぎるにも程がある!
 私は総ての手駒を失いながらも、知略のみにてエル=ネイシアを奪ったというのに、あの役立たずめ!」

 一転して、怒気を露にした。

「がぁっ!」「ぐぉっ!」

 激しい感情のうねりが神気の波を引き起こし、か弱き人の子らの脆弱な肉体を打ちのめし、繊細な精神を押し流す。床に倒れ込んだ
コイズミが胸を押さえて声もなく悶え苦しみ、柊の顔が苦痛に歪む。小さき人の子らの命と心を守るべく、柊の身に宿った星王神から
慈愛に満ちたプラーナが放たれ、柊とコイズミを包み込む。
 その一幕を気にもせず、古代神は語り続けた。落ち着きを取り戻し、再び、静かに、穏やかに。
 
「幸いにも私の手元にはエルンシャの欠片が在り、アンゼロットには前々から思うところもあった。其処で、こう考えたのだよ。
 アンゼロットとエルンシャの仲を取り持ち、二人だけで過ごさせてやろう。お互い以外の事は、総て忘れさせてやろう、とな。
 其の為に、私はエルンシャの魂を冥界の瘴気に浸し、お前への愛を除く総てを削り落として送り出してやったのだ。世界の守護者と
しての義務感も、お前が恋敵を手にかけた事も措いて、素直になれるようにな」
 
 一旦、言葉を切り、アンゼロットの反応を覗う。

「大陸を二分する戦争を引き起こしてまでその愛を求めた男が、お前を、お前だけを求めて現れたのだ。さぞや歓喜に咽び泣き、何も
かも放り出して夢中になるだろうと期待していたのだが・・・・・・
 思ったほど喜んでくれなくて残念だったよ。よもや、他に男を作ったのではあるまいな?」
「そっ、そんなことっ、あるわけがありませんわ!」
「だろうな。恋敵を殺しておいて奪い合った男を捨てるなど、そんな酷い話は聴いた事が無い」

 慌てて否定するアンゼロットに鷹揚に頷いて。

「アンゼロット。おまえは偉大なる戦女神にして、誇り高き女王神だ。
 そんなお前が、理性を失うほどに激しく想いを高ぶらせた恋だ。
 世界よりも、姉妹よりも大事な男を、そんなに簡単に忘れる事などありえぬわ」

 古女王は宿敵の娘を揶揄すると、反論を待つかのように間を置いた。

「・・・・・・確かに、かつてわたくしはエルンシャ様への恋に溺れ、世界の危機を招きました」

 苦渋に満ちた顔で、アンゼロットは認めた。

「ですが、もう二度と同じ過ちは繰り返しませんわ! エルンシャ様への贖罪の為にも!」
「エルンシャにとって何が贖罪になるかは、本人が決める事ではないかな? まあ、其の話は措いておこう」

 エルヴィデンスはアンゼロットの宣言を軽くいなすと、何か言おうとしたエルンシャを目で制して話を進めた。

「当初の予定では、少なくともエルオースが我が封印を解くまでの間、お前を此処に封印するつもりだったのだ。
 今、お前に帰郷されては困るのでな。エル=ネイシアにおける私の支配力も、未だ不完全であるが故に。
 だがな、アンゼロット。お前の顔を見ているうちに、欲が出てきてしまったよ。
 お前もまた、我が本体の封印を解く鍵となるのだからな。ああ、そうだ、アンゼロット。私と手を組む気はないか?」
「いきなり何を言っていやがる!」


369 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/02/12(木) 23:57:00 ID:oyM6LwYN
 唐突な提案に、柊が口を挟んだ。アンゼロットの故郷を征服し、エルンシャを狂わせてアンゼロットへの刺客として送り込み、ベー
ル=ゼファーの依り代を奪って自らの写し身とし、アンゼロットを冥魔王にしようとしておいて、今更何を言っているのか。
 アンゼロットとエルンシャは正気を取り戻したが、ベルは未だに身体を乗っ取られたままなのだ。いや、ベルは敵だから、その心配
はしなくていいのか。

「落ち着け、柊蓮司。これはアンゼロットにとっても、お前達、第八世界人にとっても益となる話なのだぞ?」

 話を遮った柊を、エルヴィデンスは聞き分けのない幼子に接するかのように穏やかに嗜めた。柊は更に言い返そうとして― 魔剣の
宝玉を通じて語りかける『声』を聞き、考えを変えた。

「そうかよ。なら、聞くだけ聞いてやるから、取り敢えず言ってみやがれ」
「聞き分けが良くて助かるな」

 ぶっきらぼうに言ってみせる柊に頷いて、エルヴィデンスはアンゼロットへと視線を戻し、アンゼロットの左右で色の違う瞳を、冥
界の魔力を導く金色の邪眼と深い湖のような蒼い瞳を、星星の狭間の深淵を思わせる黒い双眸で覗き込んだ。

「アンゼロットよ。もしも私の本体の封印を解いてくれたなら、裏界の連中は総て私が引き取ろう。
 奴等に嫌とは言わせぬよ。我が本体が自由を取り戻したならば、裏界の雑魚魔王どもに抗うすべなどありはせんのだ。
 私が粉砕したエルンシャの身体の欠片も、総てお前に贈ろう。お前の手で、復元して遣るが良い。
 二人で力を会わせれば、冥界や闇界の輩を完全に閉め出す強固な結界を張れるだろう。
 アンゼロット。お前は第八世界さえ無事なら、他の世界はどうなっても構わぬのだろう? ならば断る理由はあるまい。
 其れにエル=ネイシアにおける私の治世は、下僕にとってはお前の其れと大して変らぬ。安心して私に任せて良いのだぞ。
 どうしても私を気に入らんと言う奴は、お前の処に送ってやる。どうだ、良い事ずくめではないか?」

 エルヴィデンスは言葉を切り、真摯な瞳でアンゼロットを見つめた。
 瞳に宿る邪が薄れ、代わって愛情めいたものが浮かんでいた。

「私の手を取れ、アンゼロット。私はお前を気に入っているのだよ。お前は“古代の暗黒神の魔力を持つ”と言われているが、地神が
お前を創る時に私から切り取った力の欠片から生み出したのではないかと、つまり、お前は私の娘なのではないかと思っているのだ。
 私はお前に幸せな夢を見せて遣りたいし、お前を仲間にしたいのだ。
 だからこそ、エルンシャとの恋路を助け、柊蓮司への秘めたる憎しみを解き放ってやろうとしたのだよ」

 猫撫で声で語りかける古女王にアンゼロットは何か叫ぼうとして― 柊の目配せに気付き、一旦口を閉じてから穏やかに問い返した。

「随分とまあ、ご執心ですわね。わたくしは、貴女に好かれるような事をした覚えはありませんけど?」
「だろうな。お前は私の事など知るまい。それでも、私はお前に感謝しているのだよ」

 古女王は感慨に耽りながら答え、その姿に柊は、生き別れの娘に再会した母親を連想した。

「お前の父に封じられてから、お前が自害したあの日まで。
 お前とイクスの治世と恋路を見守る事だけが、私の楽しみの総てだったのだよ。
 お前達の痴話喧嘩が、私の無聊を慰めてくれたのだ。

 其れだけではない。

 お前達が恋に現を抜かして仕事をサボってくれたお陰で、私は封印の隙間から意識の一部を絞り出す事が出来た。それで、地上の生
物を我が眷属に作り変え、プラーナを捧げさせたり、封印を解く方法を探させたり出来るようになった。
 お前達に腹を立てた地神はエルンシャを引き裂いて聖姫を作り出したが、私はその半分近くを奪って闇姫を作る事が出来た。お前達
が、エルンシャの八つ裂きにされる様を目の当たりにして寝込んでいる間にな。
 闇姫は聖姫に敗れて封じられたが、お前達は長きに渡り、エルンシャの所有権を賭けた聖姫争奪戦を行って聖姫が力を回復する為の
眠りを妨げたな。その所為で聖姫は充分な力を取り戻す事が出来ず、闇姫との再戦に敗れた。

 本当に、お前達にはいくら感謝しても足りはしない」

「・・・・・・・おい、アンゼロット。お前、碌な事してねぇな」「アンゼロット様・・・・・・・」
「昔の話ですわ」

 柊とコイズミから視線を逸らし、傲然と告げたアンゼロットの頬を一粒の汗が流れ落ちた。
 そんなアンゼロットを、古女王は愛しげに見つめて語り続ける。


370 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/02/12(木) 23:58:58 ID:oyM6LwYN
「10年前。漸く動けるようになった、あの日。
 太陽の塔を闇姫に襲撃させ、イクスィムを攫った、あの日。
 これで漸くお前達と遊べると喜んだ、あの日。
 お前は何故、自害などしてしまったのだ、アンゼロット? あの時はとても寂しく、悲しかったのだぞ。
 聖姫に力を与える代償だった、世界の守る為に犠牲になったと言えば聞こえはいいが、残された者達の事は考えたのか?
 イクスも、聖姫も、とても悲しんでいたぞ。
 イクスもセフィスを産んで死んでしまうし、全く、どうしたものかと思ったものだったよ・・・・・・

 あの後、お前の魂はゲイザーに、イクスの魂はルー=サイファーに拾われて殺し合わされ、イクスはお前に倒されたのだったな。
 私の方はと言えば、あの後は聖姫達に相手をして貰ったよ。そして、聖姫達が復活させたエルンシャに討ち取られ、またしても雌伏
を余儀なくされた。だが、この通り再起を果たしてエルンシャへの報復も済ませ、愛する世界を手に入れた。
 後はエルオースの復活を待つばかりなのだ。今、お前の帰郷を許し、折角手に入れた世界を奪い返されては堪らんのだよ。

 だがな、アンゼロットよ。お前と八大神との接続が途切れている今この瞬間こそは、エルオースの復活を待つまでも無く自由を得て
他の古代神を出し抜くと同時に、我が孤独を癒す愛娘を得る千載一遇の好機なのだ。この機会を見逃す手は無いだろう?」

 エルヴィデンスが、麗しき黒髪の少女の姿をした太古の邪神が、アンゼロットを、小柄な銀髪の少女の身に宿りし“世界の守護者” を
掻き口説く。

「さあ、私の手を取れ、アンゼロット。私と、母娘の契りを結ぼうではないか」
「勝手なことばかり言いやがって・・・・・・」

 柊は小さく毒つき、“その時”が来るのをじっと待ち続けた。
 吹き荒れる邪神の神気の圧力と、胸中より湧き上がる慈父神の逞しいプラーナの狭間で立ち尽くし、古女王の長広舌を聞き流す。

 まだか。まだなのか。

 祈るような気持ちで魔剣に目をやった柊の脳裏に、不意に無機質な女性の『声』が響いた。

― ターゲット・ロックオン。オーダーを。マイ・マスター ―

 柊は無言でアンゼロットに頷き、アンゼロットも頷き返してエルヴィデンスに向き直った。

「わたくしは、八大神が一柱たる地神の娘。貴女方、古代神を殺すために生まれた戦女神です。
 貴女の手を取る事にどんな利点があろうとも、決して手を組みなどはしませんわ。
 そもそも、今までずっと戦ってきた相手をいきなり信用できるものですか」
「やれやれ、嫌われたものだな」

 エルヴィデンスは目を伏せて残念そうに首を振り、其の手の中で瘴気を凝り固め、一振りの槍を形成した。

「確かに、お前たち守護者は八大神によって我等古代神を憎めと刷り込まれていようが・・・エルンシャは兎も角、第八世界で多彩な経験
を積んだお前ならば、もう少し柔軟な考えを持っていると期待していたのだがな。
 仕方が無い。少々手荒な手段でお前の精神を打ち砕かせて貰おうか。
 そして、一旦私の操り人形とし、この身の縛めを解かせた後、再び意識を戻してゆっくりと時間をかけて口説き落とすとしよう」

 一際神気を強め、ビリビリと大気を震わせながら。黒髪の戦姫は、槍を片手にアンゼロットに向けて一歩踏み出した。

「待ちやがれ!」

 震える身体を叱咤して、アンゼロットを庇って柊が前に出た。呵責なく浴びせられる神気に脚が萎えかけるも、その身に宿した慈父
神の暖かいプラーナに励まされ、真っ向から神を見据え、力強く言い放つ。

「お前が誰で、何の為にアンゼロットを狙うのかなんて、俺にはどうでもいいこった。
 けどよ。俺の前で、俺の仲間に手を出すってんなら容赦しねぇ。それが嫌なら諦めやがれ!」
「お前の増長ぶりは目に余るな。柊蓮司」

 戦姫がスッと目を細める。圧力が柊に集中する。柊は苦悶に眉を歪めながらも、一歩も退く事なくその場に踏みとどまり・・・叫んだ。

「やっちまえ! ヴィオレット!」
― イエス・マスター ―

371 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/02/13(金) 00:00:57 ID:GkfIZjzs

 柊の脳裏に『声』が響くと同時に、アンゼロットとエルンシャが張れる限りの防御結界を十重二十重に展開し。
 その障壁の向こうへと。
 主の咆哮に応え、“スルトの剣”の名を冠する対奈落戦艦が、忘却世界・ラグシア城跡の外側で主砲を放った。


 冥魔王へルクストーによりメイン・バーニアを破壊された対奈落戦艦レーヴァテインは、侵魔軍撤退後もラグシア城跡周辺の宙域か
ら離脱出来ぬまま、エルヴィデンスの神気を浴び続けていた。
 凄まじい神威を前にして、次々と計器が発狂して逝った。このままでは自分は滅びると知ったヴィオレットは、自分が預かっていた
晶の魔剣と柊の魔剣の繋がりを利用し、柊を通じて敵の座標を突き止めて遠距離から敵を狙撃する作戦を立案した。
 柊に念話を送って計画を伝え、仲間を傷つけないように超超超精密射撃を行うべく照準を合わせるまで戦闘を控えるように伝えた。
 だからこそ柊は、古女王に延々と語らせて、この時を待ち続けていたのだ。


 柊の指示を受けたレーヴァテインは、その全機能を持って敵だけを捕らえる位置を狙い、極限まで収束させた閃光を解き放った。
 膨大な熱量を持つ光の柱が忘却世界に突き刺さり、次元構造すらも揺るがして百階ダンジョンの床を壁を貫き、最下層へと到達し、
荒ぶる神威の主を飲み込まんとして―

「“メビウスの鏡”よ」

 反射された。

― ha―――hahahahahahahaッ! 『うわーだめだー』デースッ! hahahahahahahaッ! ―

 柊の脳裏にヴァルキリーの悲鳴が響き・・・・・・暫しの間を置いて、天井に開いた大穴の遥か向こうで何かが爆散した。

「ヴィオレットォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」
「さっきから妙に大人しく話を聞いていると思ったら、これを待っておったのか」

 悲痛な叫びを上げる柊を放置して。頭上に生み出した巨大な鏡を消し去り、エルヴィデンスが呟いた。

「・・・・・・そんな・・・・・・・レーヴァテイン級の主砲を跳ね返すだなんて・・・・・・」
「ん? ああ、そうか」

 呻き声を上げるアンゼロットに古女王は一旦怪訝そうな顔をしたが、直ぐに合点がいった様子を見せると、娘の成績を心配する母親
のような風情でアンゼロットに語りかけた。

「お前は裏界の雑魚魔王との戦いに慣れきり、すっかり感覚がずれてしまっているのだな。
第二級守護天使でも大陸くらいは割ってみせるぞ? そして、其れに対抗する手段も持っているのだ。
 随分と鈍ったものよな、アンゼロット。もしや、歴史改変や因果律操作の遣り方は忘れていないだろうな?」
「も、勿論、憶えてますわ!」
「さらっと言うなよ! 歴史改変だの因果律操作だのよ! そんなに簡単に歴史や因果律を書き換えられてたまるか!」
『いや、それなりの準備はいるが、そこまで視野に入れて戦うのが神々の争いというものだよ』
「ああ、そうか。お前はただの人間なのだったな、柊蓮司。なんとなく、聖姫か守護天使であるかのような気でいたが」

 古女王はアンゼロットから柊へと視線を転じ、再び表情を険しくした。一度は愛情めいたものを湛えていた瞳は、今や激しい憎悪と
侮蔑の念に満たされていた。

「さて、柊蓮司。お前の事も調べさせては貰ったが、何とも不快な輩だな。
 何の努力もせず展望も無く、只、我儘を叫び、剣を振りさえすれば総てが望みどおりに成ると信じる身勝手な愚か者め」

 エルヴィデンスの鋭い視線が柊を射抜き、危うく心臓が止まりかけた。

「思い上がるな、柊蓮司。幻夢神の操り人形が。
 今までお前に勝利を約束してきた、お前達が『運命』だの『因果律』だのと呼ぶ幻夢神の加護はこの地には届かん。
 この闘いは純粋に、実力と相性と駆け引きの巧みさのみにより決着がつくのだ」
「ごちゃごちゃうるせぇ! 俺は自分の力と、仲間の力で道を切り開いてきたんだ! 運命だのなんだのなんて知った事か!」
「其れが増長だと言っている!」

 反論する柊を、古女王は一喝した。

372 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/13(金) 00:02:28 ID:krZMeM4C
支援

373 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/02/13(金) 00:06:14 ID:oyM6LwYN

「終末の魔人の最期は、未来に書かれた日記にあった!
 山羊頭の魔王は、お前にしか倒されぬ運命にあった!
 お前は敷かれたレールの上を歩いて来ただけだ!
 シナリオどおりに振舞って来ただけだ!
 お前自身には、何の力も在りは―」
「・・・・もしや、貴女は柊様を羨んでいるのですか?」

 やっとの思いで床から身を起こしたコイズミの問いが、激高したエルヴィデンスの動きを止めた。ややあって、表情を失った古女王
の顔が、緩慢な動きで、愚かな人の子の方を向いた。

「・・・・・・何故、私が人間如きを羨まねば成らぬのだ?」
『ふむ。エルヴィデンスよ。お前は絶大な力を持ちながらも、その大半を封じられ、知略と、私から奪った力だけで戦ってきたな。
 何度も何度も倒されながら、雌伏し、力を蓄え、その知略に磨きをかけて再戦を繰り返してきたが、大詰めになるたびに手足として
きた我が娘たちの誰かに背かれ、敗退してきた』
「柊様は、貴女から見れば、何の力もありません。それでも、何度も世界を救ってきました。
 本来の力を封じられ、儘ならぬ身を恨む貴女は、実力以上の働きをする柊様が妬ましく、そして、直接介入を封じられたアンゼロッ
ト様に己が身を重ねたのではありませんか? だからこそ、アンゼロット様を操って・・・・」
「・・・・ああ、そうかもしれぬな。・・・・・・・・ああ、そうだ。認めよう。私は其の男が嫉ましいと。」

 古女王は長い睫を伏せ、しんみりと呟いた。

「私やエルンシャは精神のみの存在と成り果てて尚、苦しい闘いを続けてきたというに、幾度となく『運命』によって膳立てされた勝
利を貪りながら、たかがレベルがひとつふたつ下がった程度で喚き散らす甘ったれた小僧が憎らしくて仕方が無いと認めよう。
 尤も、認めたところでする事は変わらぬよ。我が威でもって打ち倒し、其の身の不遜さを知らしめた上でアンゼロットを奪うまでだ」
『そうはさせぬよ、エルヴィデンス。ひとたび敗れはしたが、私とお前の戦いはまだ終っていない。
 お前を見習い、私もまた幾度でもお前に挑もう。アンゼロットから受け継いだ世界を何時までもお前の好きにはさせん。
 そして、我が前で我が友人達をお前に傷付けさせたりはしない』
「クックック。時間稼ぎをしたのは、お前達だけではないのだぞ。私の援軍も漸く到着したようだ」
「「「!?」」」

 柊達が通路の方に意識を向ければ、確かに冥魔の気配があった。
 通路の奥に、異形の影が蠢くのが垣間見える。黒い火蜥蜴が。全身に棘を生やし、牙を持つ大亀が。捩くれ、腐りかけた樹怪が。燐
光を放つ冥界の銀で作られたゴーレムが。人型をしたヘドロの塊のようなモノが。この部屋を目指して続々と集まって来ていた。

「まさか、このダンジョンの冥魔を全部、この部屋に呼び寄せているのですか?!」
「ちっ、しょうがねぇ! アンゼロット、コイズミ! 冥魔は任せた! アイツは俺がやる!!」
「分かりました!」「お任せください、柊様!」

 答えて、アンゼロットとコイズミは戸口へと駆け出した。部屋に入り込まれて取り囲まれる前に、狭い通路で迎え撃つのだ。
 二人を庇い、魔剣を構えて古代神の前に立った柊の心に、頼もしき慈父神の思念が響く。

『柊君。私の力を君に預ける。どうか、アンゼロットを守ってくれ。君と私の力を合わせれば、エルヴィデンスの防御力をも打ち破れ
るだろう』
「おお! 任せとけ! 運命なんか関係ねぇ! 俺とアンタの力でアイツを倒すんだ!」
「遣って見よ、柊蓮司。そして、運命の、幻夢神の加護無き今のお前は只の一粒の塵に過ぎぬと知るがいい」


374 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/02/13(金) 00:07:52 ID:GkfIZjzs
 異界の邪神は静かな憤怒を秘めて柊を睨み、それを睨み返す柊の全身から血飛沫が上がる。
神殺しの魔剣使いの身を包んだ紅い霧は、瞬く間に魔剣へと吸い込まれて魔剣に更なる力を与え。
 主の命を吸い、刀身の魔術文字を煌かせる魔剣を柊が振り上げるより早く、黒髪の戦姫は黒翼を畳んで床を蹴り、一足飛びで間合い
を詰めた。
 正面から槍を突き出すと同時に、両側から柊を挟み込まんと瘴気の翼を打ちつける。
 柊は黒翼への対処をエルンシャに任せて槍のみを魔剣で弾き、身体の両側に展開された複数の防御障壁が黒翼の打撃によって次々と
打ち破られながらも威力を引き下げ、両の翼は柊の頬を撫でるに終る。

 神殺しの魔剣が翻り、古代神の首を狙う。少女の姿をした古き神が、その斬撃を槍で捌き、素早く武器を引き寄せて鋭い突きを繰り
出す。柊もまた、即座に魔剣を引き戻し、多重に展開された魔力障壁を貫いて迫る刺突を防ぐ。
 迸る柊力に摩擦係数を下げられ音速を超えて魔剣が走り、最適化された動きで妖槍が突き込まれ。
 ウィッチブレードと瘴気の槍が、激しく交差し、火花を散らす。
 周囲の“常識“をより都合よく捻じ曲げるべく月衣が拡大し、古代神の呪いが視界を霞ませ、魔剣に絡みつき、柊の動きを妨げる。

 常人には、否、並のロンギヌスであっても認識すら困難な超・高レベルの剣と魔法の攻防が繰り広げられた。

 多重障壁に速度と威力を下げられつつも急所に迫る妖槍を捌きながら、柊は相手の技量に舌を巻いた。
 エルンシャの防御結界がなければ、既に10回は致命傷を受けていただろう。
 対して柊の剣は、敵の身体に掠りもしていなかった。

 柊は魔剣を持つ手に力を込め、その巨大な魔剣には到底不可能に思える激しい連続攻撃を繰り出した。
 振り下ろし、斬り上げ、突き込んで。
 捌かれ、受けられ、避けられる。

 舌打ちし、槍を避けながら回転しつつ背後に回り込み、魔剣に遠心力を乗せて戦姫の背に叩きつけんとするも、戦姫は振り返りもせ
ずに槍の石突きを背後に突き出し、魔剣の鍔元を押さえて斬撃を止めた。
 一瞬動きの止まった柊の両の脇下に一対の黒翼が滑り込み、挟み込み、0距離で魔力を放射する。肋骨が粉砕され、砕けた骨の欠片
が肺と心臓に突き刺さる。

「がはぁっっ!」

 血を吐く柊へと、更に、素早く振り向いた戦姫の槍が喉へ胸へ腹へと突き立てられる。
 直後、体内を駆け巡る暖かく力強いプラーナに総ての傷を癒されて。柊は再度、魔剣を振るうも、未だ汗一つかかぬ黒髪の戦姫は容
易くそれを避けて間合いを外した。


375 名前:月と星と柊と ◆6H85fs.r4o :2009/02/13(金) 00:09:04 ID:GkfIZjzs
「エルンシャに感謝するのだな、柊蓮司。そやつが居らねば、既に百回は死んでいよう」

 異界の邪神はクククッと喉の奥で哂い、神殺しの魔剣使いを侮蔑した。

「お前は私を倒す運命を持っていない。そんな者は居らんがな。
 運命によって勝利を約束されていないお前には、私を倒す事は出来んのだ!」
「運命なんか関係ねぇ! 仲間がいりゃあ充分だ!」

 叫び、魔剣を構えて突進しようとして― 柊は、ふと、何かの気配に気付いて天井に注意を向けた。
 レーヴァテインの穿った大穴の向こうから何かが落下し、柊の前の床に突き刺さった。
 それは、かつての柊の魔剣と同じ拵えの魔剣。ただ、鍔に嵌め込まれたオーブの色だけが違うそれは、晶の魔剣だった。

「ヴィオレット・・・・・・コイツを届けてくれただけでも、お前は充分働いたぜ」

 柊は晶の魔剣を引き抜き、懐かしい感触に頬を緩めた。微かに花の香りが漂い、鼻をくすぐった。

「エルヴィデンス、だっけか? お前は俺達の事を色々調べたみてぇだが、なんでも知ってるわけじゃねぇ」

 柊は穏やかな表情で、左手に持った晶の魔剣を黒髪の戦姫に突きつけた。

「さっき、お前は言ったな。俺が山羊魔王を倒せたのは、『そうゆう運命だったから』だって。
 だから、今日、俺はお前を倒すと予言されてねぇから、お前を倒せないって。けどよ、それは間違いなんだ」
「ほう?」

 澄み切った、なんの迷いもない瞳で、邪に満ちた戦姫の瞳をしかと見据える。

「アンゼロットは言ったよ。あの山羊魔王は、俺が、俺の魔剣を振るわないと倒せないって。
 けどな。俺、あの魔王を倒したとき・・・・・・自分の魔剣使ってねぇんだよ。
 ずっと晶の魔剣で戦ってたんだ! それでも倒せたんだよ!!」

 運命を覆す、強い意志に満ちた言葉が迸る。

「アンゼロットの言う『運命』なんてもんはな、俺に我儘を押し付けるための言い訳でしかねぇよ。
 アンゼロットだけじゃねぇ。運命を口に出す奴はみんなそうだ。『自分に逆らうな。何故なら、それが運命だからだ』ってな。
 運命なんてもんはねぇんだよ! んなもんは、我儘な怠け者の言い訳でしかねぇんだ!」
「ほう? そうなのか。では、私は謝罪し、訂正しよう」

 力強く叫ぶ柊に、エルヴィデンスは意外にもあっさりと自説を取り下げ・・・・・その姿を消した。
 次の瞬間、柊の背中から胸へと槍の穂先が突き抜け、少し遅れて背後から風が吹き付けた。

「お前の勝因は運命の加護ではなく・・・・・・・敵の愚劣さによるものだったのだな」


376 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/13(金) 00:10:28 ID:YXcjhMsl
呼び寄せたのが全部冥下僕か。支援


377 名前: ◆6H85fs.r4o :2009/02/13(金) 00:10:56 ID:GkfIZjzs
今日はここまで。御支援有難う御座いました。
「スルトの剣」のクライマックス戦闘で、柊は初撃を晶の魔剣で行うと宣言してるんですけど、その後、自分の剣で攻撃するとは一度も言って
なかったりするんですよ。
黒皇子見るに、第八世界を支配する“運命”とか“因果律”って、寝ぼけた幻夢神の力の暴走としか思えませんね。
成功した裁定者や未来に書かれた日記は幻夢神の“耳”の傍にいるのでしょう。
ではまた次回。

378 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/13(金) 09:33:53 ID:M+g776d/
実際因果律ってわりとお手軽に壊せるからなあ


【ちゃん様の手元にある「ばくはすいっち」を眺めながら】

379 名前:だいすきなうた(5) 1/2:2009/02/13(金) 16:54:40 ID:y5X7XHI0

はらり、はらり。

1頭の蝶が混沌の迷宮を彷徨う。
出口はいずこだろうか。光はまだ見えない。


# RESEARCH 01-01 スピードスター
#      Scene Player:ほしな歌唄


ライブ当日がやってきた。
会場は東京・秋葉原。今や日本を代表するサブカルチャーの聖地である。
何としてもイベントを成功させ、新生・ほしな歌唄の復活をアピールしたい。

「良くも悪くも、秋葉原は文化の発信地よ。しっかりね」
「……ええ、そうね」

三条さんが運転する車の後部座席から、歌唄はぼんやり外を眺めていた。
青いシェードの貼られた窓越しに見えるのは大小のビル群と店構え。
最新のゲームからレトロな雰囲気の電子部品まで、色とりどりの商品が並んでいる。

数多の品々に歌唄は特に興味は沸かなかったが、その一瞬を彼女は見逃さなかった。
休日の人ゴミの奥、お世辞にも繁盛しているとは言えないような小さな店舗の奥に貼られた1枚のポスター。
漆黒の背景に浮かび上がる怪しげな蝶のデザインを、そうそう忘れるはずもない。

迷宮バタフライ。
歌唄のデビュータイトルにして、イースターから与えられた忌まわしき宿命の曲。
自分の販促ポスターを外で見かけたのはいつぶりだろう? 懐かしさに内心テンションが上がる。

「歌唄、そろそろ到着するわ。準備なさい」

中央通りから少し離れた路地裏に車が停止した。
TV局や地方の仕事と違って駐車場が近くに無いのは不便だけれど、公共交通機関を利用するわけにもいかないし。

「こっちは車を停めてくるから、先に中へ入ってて」
「いってらっしゃい」

三条さんを見送り、改めて歌唄は今日の戦場を確認する。
築数十年は経っているだろう、かなり年季の入った雑居ビルの地下1階がそれだ。
1棟のビルにライブハウスとメイド喫茶、そしてお蕎麦屋さんが同居するという混沌さが実に秋葉原らしい。

狭い階段を下りた先にある、ずっしりとした黒い金属製の扉を開けると、途端に辺りの空気が変わった。
店の中は春だというのに少し肌寒い。
開催まではまだ時間がある。セッティング等のスタッフはいるものの、がらんとした空間がそう感じさせるのかもしれない。

(……あら?)

ホールの壁を背にして、ブラウンスーツの男が立っていた。
薄暗い屋内だというのにサングラスをかけているせいか、何か無機質な印象を覚える。

(どこかで見たような……気のせいかもしれないけれど)

TVに出演していた時に見かけたか、もしくはイースター関係者。可能性が高いのはその辺だろう。
いずれにせよ、ビビってなんかいられない。歌唄自身が決めた道だ。
生まれ変わった私を見せつけてあげるんだから。


380 名前:だいすきなうた(5) 2/2:2009/02/13(金) 16:55:25 ID:y5X7XHI0


   *  *  *


そしてライブが始まった。
舞台裏で待機していた歌唄たちにも、その盛り上がりが伝わってくる。
今回のライブは幾つかのグループが数曲ずつ担当する、俗に対バンなどと言われる形式。
インディーズバンドや地下アイドルなど、単独では開催が危うい者たちの寄り合いライブである。

プログラムが中盤に差し掛かったころ、イベントスタッフが声をかけてきた。

「ほしな歌唄さん、そろそろ準備よろしくお願いします」

パンフレットによると、次が歌唄の出番らしい。
今はその直前 ―― 若い男女4人組のバンドが演奏している頃だ。
喫茶店のウェイターのような服装の少年が3人、メイドさんの格好をした女性が1人。
いまいち意味の分からないグループだったが、ああいうスタイルも最近は許容されるらしい。

『ギィーーーーン!』

ステージの方から、ひときわ甲高いギターの音が鳴り響く。続けて聞こえる拍手と歓声。
どうやら1曲終わったらしい。
思った通り、先のバンドのメンバーが次々と裏へ戻ってくる。

「お疲れさま、みんな」
「つ、疲れた……二度とやるもんじゃねぇな……」
「とか言いつつ先輩、一番ノリノリだったじゃないっすか」
「何はともあれ良かった。隼人もサムも、ボクが見込んだだけはあるね。もちろん椿も」

彼らと入れ違いに、歌唄は舞台へと向かった。
緊張もあるが、自分の歌を聴いてくれる人々がいると思うと興奮を隠せない。

「がんばれよっ、歌唄っ! あたしたちがついてるからな!」
「ファイトなんです、歌唄ちゃんはやれば出来る子なんです!」

舞台袖で深呼吸を1つ。気持ちを切り替え、自ら気合いを入れる。
大丈夫、コンディションは抜群だ。

「ありがと。じゃあ、行ってくるね」

歌唄は、小声でそう返した。



381 名前:だいすきなうた:2009/02/13(金) 16:58:17 ID:y5X7XHI0
こっそりと、しゅごキャラクロス「だいすきなうた」第5話を投下。
やっと本編に入ります。2か月ほど間が空いてしまったので、覚えてる方は少ないかも。

こんな感じで短めをぽつぽつ書いていけたらいいなと思います。

382 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/13(金) 19:15:49 ID:gQ++SbBM
お久しぶり&乙でー。
イル&エルについては一言説明あったほうが良いかも?


にしても歌唄、最近アニメの出番も少なくてなぁ
ストーリー的に必然性がないとは言えもっとちょっと出ても……って、ゆにばーさるwww

383 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/13(金) 20:52:17 ID:CKejrP7A
>>377
GJ!
柊はどうなっちまうんだー!フレイスで一人だけNW仕様なのでボロボロになっても大丈夫だった柊なら!
>>381
うおー!どんなストーリーになるんだー!

384 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/13(金) 21:02:37 ID:JJpJCZc/
二人とも乙でしたー

ところで明日の平日に行きたいんだが、どこかいいエミュレイターや冥魔の狩場知らないか?

【馬鹿は、八つ当たりの場を探している】

385 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/13(金) 21:09:16 ID:CKejrP7A
天香学園の地下遺跡とかどうかな。料理の材料になるモンスターがたくさんいるよ。

386 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/13(金) 21:26:16 ID:Vkxnz/EF
土曜日って平日?

387 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/13(金) 21:40:11 ID:wCxOzYPp
というか、明日の平日に行きたいってなんぞ?

388 名前:381:2009/02/13(金) 21:58:23 ID:y5X7XHI0
>366
運命とか宿命とか、ナイトウィザードらしくていいですね! 燃える!
下手すると読み飛ばしてしまいそうな、長台詞とかアクションシーンを一気に読ませてしまうパワーは凄いです。
自分も見習わねば。

>386-387
土日は仕事だぜ!ってことでは? ……たぶん。



以下、レス返し。

>382
イル&エルについては、そのうちNW組と会うはずなので、その時に説明しようかと。
歌唄は先週のアニメで登場したよ!一瞬だけ!

ちなみにプロット時点で某ゆにばーさるネタを登場させるつもりは無かったのですが
第3話のときに頂いた感想(前スレ109さん)でそーゆー話題があり、ちょっと拾ってみました。

なお、しつこいくらいDXネタが含まれていますが、これはDXクロスではありません。
あくまでも、しゅごキャラ!クロスです(笑)

>383
ありがとうございます。TRPGのシナリオのノリで作っているので、たぶん普通のNWシナリオになると思います。
せめて1か月に2話くらいのペースは維持したいなあ……とは思っているのですが。

>384
サンクスです。
……Lv20くらいのキャラを作って、低レベル侵魔&冥魔を無双するのはどうでしょうか? ソロセッションで。

389 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 13:41:39 ID:Il0tlrts
デビルサバイバーをやってみたがベール=ゼファーもベルの悪魔って事にしてなんかネタできんかな?

390 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 13:50:06 ID:vh831ZuK
いやいや、元ネタというかベル・ゼブブが登場してるじゃんよw。>デビルサバイバー
…平行世界の同一存在というつながりを利用してデビルサバイバー世界にもぐりこんで…
でもベル・ゼブブは某堕ちた明星の忠実な右腕という設定だからなぁ。

ちなみにデビルサバイバーに登場するベルの悪魔はラスボス含めて6体。
色々ネタになりそうではある。

391 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 14:25:35 ID:8TfPXZQG
今勢いでハンドアウトネタ書いたんだが。
やっぱ柊入れといたほうがいい?

392 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 14:31:34 ID:AfrE604m
スレイヤーズクロスで「ナーガが多すぎる」とかタイトルを思いついた。
収拾つけられる自信がないw

393 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 14:37:57 ID:VFb/PfEw
>>392
ただでさえ原作短編でのクローンナーガが性質悪かったんだ
そんなの出されたら収拾のつけようが無いのは当たり前だろw

394 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 14:38:51 ID:h+T87EY7
>>391
お前さんがシナリオに出したいなら入れればいい
シナリオに邪魔だと思えば省けばいい
別にこのスレの住人に遠慮する必要はないよ

……まあNWのキャラが一人もいない、とかならまずいとは思うがw

395 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 15:17:04 ID:C3e+tKJ6
いや、流石にここは一応アニメ版ナイトウィザードがベースなんだから
とにかくアニメに登場した誰かは必ず必要だぞw
エリスはもちろんあかりんやコイズミでも

396 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 15:19:42 ID:vh831ZuK
コイズミと聞いて何で野原しんのすけ5歳に振り回されるコイズミが思い浮かんだんだろうか…?

397 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 15:20:27 ID:FKAhmvh2
安藤さんとか1st人狼とか

398 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 15:23:11 ID:8TfPXZQG
よし、柊は止めよう。

ハンドアウト投下します。

Pc1
コネクション:緋室 灯
推奨クラス:転生者
君の目の前にはいまひとつのチョコレート?がある。
それは、思い人から送られた物だ。
なにやら奇妙な泣き声が聞こえてくる。
しかし、目の前には彼女が居り残すことはできない。
意を決してそれを口に含み……
君は意識を手放した。

Pc4
コネクション:チョコレート
推奨クラス:聖職者
君は白い空間でマラカスを振りながら彼を待っていた。
ラヴ&ピースを説くものとしてなんとかしよう。
そう思いながら待っていると誰か来たようだ。
今度こそ解決策が出ることを祈った。

399 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 15:25:11 ID:8TfPXZQG
Pc3
コネクション:ナイトメア
推奨クラス:魔法使い
連絡を受け現場に向かっていた。
現場に着くとそこにはナイトメアと昏倒状態のPc1がいた。
ナイトメアの調査によると、
Pc1は現在、精神世界で何らかのトラブルにあっているため、目を覚まさないそうだ。
Pc1を回復させるた精神世界に飛び込むことにした。

Pc2
コネクション:華のチョコレート
推奨クラス:強化人間
「ふぅ。」
溜息をつきながらアルバイト先のファミレスに向かっていた。
今年は少しはまともになってくれ。
そう、無理なことを考えているうちにどうやらついたようだ。

終わりです。
これ今回予告も行こうかと思ったが無理だった。

400 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 15:37:11 ID:sDxsRlZn
>>398
クロス元はどこだ?

401 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 15:51:03 ID:h+T87EY7
web版のworking、かな?

402 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 16:59:18 ID:uXTCGu0D
そういやあれのヒロイン(?)も「破壊的な料理の腕前」の持ち主だったか。

403 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 18:17:48 ID:vbiFzwkx
>>392
MAGIUSスレイヤーズリプレイでそのネタ有ったな。

404 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 23:50:43 ID:8TfPXZQG
>>401
はい、猫の方です。

クロス元を書き忘れたまま仕事で今まで出かけていました。
すみませんでした。

1命
2東田
3マユリ
4バレンチヌス神父
です。

405 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/14(土) 23:57:08 ID:diVXzqqe
最近こればっかやってたらハンドアウトが降りてきたw

PT1
コネクション:謎の少女
推奨クラス:舞弦学園卒業生or光稜学園卒業生

1年前、全世界を震撼させた恐るべきアーティファクト『テラーのマテリアル』
ベルビアにて厳重に保管されていたそれが盗まれたと聞き、君たちは集った。
話によれば盗みだしたのは恐るべき魔力を持った謎の少女だという。
そしてその少女が逃げ込んだと言うダンジョンに皆で協力して潜入することになった君たちは、出会う。
見たことも無いモンスターたちと…異世界の戦士たちに。

PT2
コネクション:恐怖
推奨クラス:ナイトウィザード

その異変は、輝明学園から始まった。
ウィザードたちの訓練場であり、恐るべきものを封印しておくために作られたダンジョン、『スクールメイズ』
七不思議委員会にて管理されていたそのダンジョンが、何故か異世界と繋がってしまったのだ。
なぜこんなことになったのか、君たちは知らなければならない。そして、防がなければならない。
さもなくば…恐怖の名を持つ冥魔によって世界は滅ぶこととなる。

406 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 00:40:36 ID:AbbaIIRu
ぱすちゃとはまた懐かしいw

407 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 00:41:51 ID:04vLqN+j
甲斐那と刹那をボスとして出したなぁ…

408 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 00:51:39 ID:c5ZtLQoi
ちょっと掟破りなクロス元を思いついてしまったのでハンドアウト投下です。

PC1
推奨クラス:魔剣使い
君は今日も今日とてアンゼロットの理不尽な拉致から逃げようとして……足を滑らせて神田川に落下した。
それから不思議と追跡はなかったのだが、ふと我に返ると数名とテーブルを囲んでサイコロを転がしている自分に気がついた。
なぜ、こんなことになったのか。

PC2
推奨クラス:王子
君は神田川にぷかーっという擬音がしっくりくるように浮いていた少年を拾った。
学生服を着ていて、なぜか奇妙な剣も持っている。
なにか他人とは思えなかった君はとりあえず彼を会社につれていくことにした。
それが事件のきっかけとも気がつかずに。

PC3
推奨キャラクター:アメリカおばけ
PC2がつれてきた少年。
不良というよりも別の言葉が似合いそうな彼は目つきは少々悪いが、からかわずにはいられないような愉快なオーラが漂っている。
そして君は思ったのだった。
彼を巻き込んでセッションをやると面白そうだと

PC4
推奨職業:女性声優
PC3からの誘いでセッションに参加することになった君はPC1を見て、確かにいじらずにはいられないものを感じた。君の声で彼は面白いように反応を返してくれるのだから。
同時に「彼は私のおもちゃです。えぇ、昔から決まっていることですわ」
そんな声が自分の中から聞こえた気がした。

409 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 01:17:45 ID:J4OLUFb0
>>408
黒幕は声優兼ライターのあの人なんですね!わかります!
ほら、あの人神の一人ですから(byAマホ

410 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 01:18:44 ID:Is0G/Hmz
ハンドアウトな流れなら、今こそ!

PC4
コネクション:アンゼロット
推奨キャラクター:柊蓮司

今日も今日とていつものやり取りの末、また仕事を押し付けられた。
なんでも、最新鋭の歌姫の護衛、とのことらしい。
「最流行」とか「最先端」ではない形容詞になにやら妙な違和感を感じるが、とにかくあの食えない
守護者さまによれば、今後の活躍を期待される新進気鋭のウィザードであり、同時になにやら裏界で
「音楽」に絡んだ怪しい動きを察知されたので、念のためにと護衛をつけることとなったそうだ。
なんにせよ護衛と言うなら、あちこちに飛ばされることもないだろう。
今度の仕事は腰を落ち着けて当たれそうだ。
ところで……護衛対象への手土産と称されて手渡された、このネギの束はなんだろうか……?


PC3
コネクション:PC4
推奨クラス:人造人間/異能者

君はボーカロイド。歌を歌うために生み出された、人ならざるものである。
君の使命は、世界にあまねくその歌声を響かせる事。
ウィザードとしてはまだまだ未熟だが、その胸に秘めた使命……いや、夢はゆるぎない。
だが、最近は「音楽」に絡んだ怪しい動きがあるらしく、護衛をつけてもらうこととなった。
護衛の人との待ち合わせ場所に向かう途中、赤い月を目撃した君は、その下でエミュレイターと
戦う二人に目を……いや、耳と心を奪われた。
一人は演奏家。
音楽機材をコンパクトにまとめたような装備を全身に纏い、戦場にありながら堂々と鍵盤を叩く。
もう一人は……何者だろうか?
赤く輝く光の三枚羽を背負い、舞うように戦場を駆け抜け、赤い稲妻を放って敵を圧倒する。
演奏家の演奏が高らかに響くほどに、もう一人の力が増す。
その二人を結び付けているものが、「音楽」であることはすぐにわかった。
君は、感動に打ち震える。心通わせ、力溢れる「音楽」! 君の求めるものがそこにある!
ぜひとも彼らと、友達にならねばなるまい。

411 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 01:19:20 ID:Is0G/Hmz

PC2
コネクション:混沌委員会
推奨クラス:エルダー

君は、この世界の人間ではない。
様々な要因の重なり合いの末にこの世界に影響するようになった、仮初の存在といっていいだろう。
「混沌委員会」とは、同じような存在たちが集まった物だが、そこから一つの話を聞かされた。
最近、世界を構築する「命の譜面」に、ズレが多く生じているらしい。
もともとそういったことはあり、その対処には「命の調律師」と呼ばれる存在が当たっていたのだが、
それにしても最近のズレの発生件数は異常であるという。
世界に満ちる美しき音楽が乱されるというならば、音楽こそを糧とする君が出ないわけには行くまい。
君はパートナーと共に、事件の調査に乗り出す。
例えそれが、自らの世界ではなくとも。


PC1
コネクション:ウィザード協会
推奨クラス:命の調律師

君は「命の調律師」。
世界を形作る「命の譜面」を見守り、そこにズレを生じたならば、調律して正す事を使命としている。
現在は本部から、世界中に散った悪性の音符の回収の任についているのだが、そんな君に本部経由で
他の組織からの依頼が届く。
なんでも「命の譜面」に異常にズレが発生する地域があるので、その調査と、可能なら調律をして欲しい
とのことだ。
君はほくそえむ。この仕事を華麗にこなして見せれば、万年2位に甘んじてきた君の立場を押し上げ、
あのエリートの鼻を明かすことができるかもしれない。
君は意気揚々と、元の仕事の途中で確保した下僕と共に新たな任務に赴く。
――その彼に、あんな秘密があったとは知らずに――


と言うわけで音楽系統でごちゃ混ぜクロス、

PC4 柊@ナイトウィザード
PC3 初音ミク、
PC2 コーティカルテ@神曲奏界ポリフォニカ(まかでみックス?)
PC1 テナ@S線上のテナ

……なんか恭介がヒロインポジションに……w

412 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 02:06:10 ID:zgR802Ch
>>411
柊だけなんか音楽関係無いー

413 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 03:30:12 ID:mygb4Bw1
じつは柊はギターが弾けます、でも何の問題も無いと思うんだ。
不良少年ってロックやデスメタルにかぶれてギターの練習してみたりするもんなんだろう?
<馬鹿は物凄い偏見を見せた!

414 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 05:08:53 ID:ewQ689/7
柊がギター……なんだろ、瞬間的に浮かんだ単語がU1とかメアリー・スーだった俺は疲れているのだろうか?

415 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 05:19:02 ID:bNGgJblr
柊なんだから・・・やっぱ竪琴だな
中の声の人的にw

416 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 05:33:45 ID:GQqSq7rh
パソコンのキーボードを叩くと何故かピアノの音がするんですね

417 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 07:55:55 ID:jihq6P6o
魔剣が歌うんじゃないの?地獄から響くような声で。

418 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 08:36:32 ID:Bke0QYKz
下がる! 魔剣が歌う月匣。

419 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 08:45:01 ID:32zRbwss
魔剣相当の歌声ですねわかります

420 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 09:17:38 ID:mygb4Bw1
声斬波(ミラクル・ボイス)ですねわかります

421 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 09:18:31 ID:qxp85wgo
いきのーこりたい いきのーこりたい<生死判定的な意味で

422 名前:418:2009/02/15(日) 09:43:44 ID:Bke0QYKz
くそ、分かりづらかったか!

423 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 09:52:03 ID:mygb4Bw1
踊る!大竜宮城!とかいうつもりだったのかもしかして

424 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 10:31:53 ID:sU+P4bH/
そこはスーパーソニック・スーパースターと差し替えれば問題ない。

【NW関係無い】

425 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 10:38:49 ID:SbJSlnsR
かわたなwww

426 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 14:46:25 ID:sRSVEqJD
なんとなく全ての柊を破壊するもの、仮面柊ディケイドというのが思い浮かんだ。

427 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 15:21:29 ID:08YqrooW
アルティメットじゃないか>柊ディケイド
何もかもが上向きに進んでいる記憶喪失の少年柊が
世界を救うためにあらゆる世界の柊から柊力を取り戻す物語とか

428 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 16:41:46 ID:X1/ZSVwA
柊10周年

429 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 16:52:49 ID:AbbaIIRu
あと3年くらいだな

430 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 17:27:15 ID:SbJSlnsR
-10周年!

431 名前:装填完了―――:2009/02/15(日) 18:50:25 ID:i2TtNVnV
さて、それじゃ誰もいないけど投下しますかねー。

一応、最終話です。

432 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 18:53:05 ID:i2TtNVnV
よるのある風景・よるとれんきんじゅつし 「○○の秋とかよく言うけどなにかしようと思った時には結局過ぎてる」


 金色の銀杏の葉が、風に乗って舞い落ちていく。

 そんなある日のアンゼロット宮殿内、異世界用ホットスポットである宮殿内の赤い電波塔の頂点付近。
 鉄骨に見える金属材の上に立ち、強風に髪を煽られながら、シルバーブロンドツインテールゴスロリ―――ノーチェは髪を押さえつつ0-Phone で話をしていた。

「そんなわけでありましてな。
 姉上はお元気そうでありましたよ、それはもういきいきとしてたであります。
 信じてくれてるいい姉上ではありませんか」

 電話の先では溜息。
 電話の相手は今ファー・ジ・アースにはおらず、しかも長期に渡り他世界に出向しているノーチェの知人である。
 任務先は今この瞬間も世界の危機に瀕し続けている場所であるにも関わらず、こちらに残してきた知人達のことが心配だというので彼女が調査報告を行っているのだった。

 溜息にはなにやら複雑そうなものが詰まっていそうであったが、ノーチェは特に気にすることなく報告を続けた。

「それから灯でありますが、無事にこちらに帰還してるであります。やっぱり微妙にこちらとそちらの時間の流れは違うようでありますな。
 今は世界の守護者代行見習いの護衛として、絶滅社から出向扱いでありますよ。
 同じ職場の仲間として、お礼を言わせてもらうでありますよ」

 そうか、とどこか安堵したような、嬉しそうな声。
 戦友が無事に帰還したのを確認できたことが嬉しかったのだろう、その声を聞いてノーチェは珍しく次の言葉を言いよどんだ。

「えーと……。
 で、それから幼馴染の彼女のことでありますが、―――ひぁうっ!?」

 電話の向こうから撒き散らされる激しい轟音とノイズ。


433 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 18:54:21 ID:i2TtNVnV
 予測していなかった爆音に驚いて、彼女は反射的にスピーカーを耳から離しつつ珍妙な声を上げた。
 きーん、と響くハウリングに対して耳にダメージを受けて涙目になりつつ、ノーチェはぶるぶると震えながらマイクに向かって声をかける。

「え?えぇ〜……?ちょ、ちょっと。何が起きたのでありますかっ?
 っていうか今の、何でありますか?」

 ノーチェの声にではなかろうが、スピーカーの向こうからは小さな舌打ち。
 『敵が出た、悪い』と一言告げる声と切ろうとする雰囲気を感じ、ノーチェはあわててマイクに向けて叫ぶ。

「ちょ、ちょっと待つでありますよっ!? まだ一人報告が終わってないでありま―――」

 ぶつん。
 無常にも、0-Phone の通話が向こうから切られる乱暴な音が響いた。
 むなしく響く一定感覚の電子音。

 確かに電話の相手がいる所はいつどこでどんな敵が現れるかもわからない、第八(この)世界などとは比べ物にならないほどの超のつく危険地帯だ。
 電話の片手間に相手をできる敵ではなかったのかもしれない。
 そう思いなおして、それでもノーチェは一つ溜息。
 調査報告を頼んだ側が報告を全部聞かないというのはどうなんでありますかねー、と思いつつ、内心伝えられなかった報告を伝えずに済んだことにほっとした。

 伝えられなかったのは一人の少女の近況。
 依頼人にとって大切な人の一人。
 その近況について伝えられなかったことに、遠慮のないノーチェでさえ少し安堵していた。

 そりゃあ言い辛いでありますよねぇ、と一つ前置きして、遠い目で水晶玉に映る光景を目を細める。
 おそらくは、遠く世界を隔てた報告任務の依頼人を気遣う視線だったのだろうその眼差しには、思いやりすらあった。


 そうして彼女はふいに水晶玉から目線をはずし、虚空に向けて一言だけつぶやいた。

「……まさか、幼馴染があんなことになってるとは思わないでありますよなぁ……」

 どこか無念さの滲んだその声は風に紛れ、誰に届くこともなかった。



434 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 18:54:49 ID:sU+P4bH/
>>431
最終話なんてもったいない!
ずっと続けてくれええ! 支援

435 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 18:55:00 ID:i2TtNVnV
***

『秋葉原(まち)〜の平和を乱すやつ〜♪
 夜な夜なきちゃう〜、空ー気の読めないエミュレイター♪
 さぁ立ち上がれ!(Hey!) 誰よりも、強く強く固い 意志(ソウル)で〜♪』

 アンゼロット宮殿ショッピングモール内、とある小さな居酒屋こと「ろんぎぬす」に流れるのは、この宮殿内のローカル局・アンゼロットTVのローカル番組のCMだ。
 店内でその映像に目を向けている者はいない。
 BGMというにはややポップな少女の歌声とライトでアップテンポな曲が店内の空気の上をすべるように流れていく。

 液晶板に浮かぶのは、最近になってはじまったアンゼロットTV謹製の子供向け番組だ。
 内容は、毎回現れるなんだかどこかで似たような姿を見たことがある気がする、仮面をつけた銀髪のポンチョ少女が巻き起こす事件を、主人公兼ヒロインが解決するもの。
 そして、主題歌をバックにヒロインが 変身アイテム(まどうぐ)に語りかけながら変身し、決めポーズ。


『魔法少女みこみこくれは! 毎週○曜午後○時、好評放送中! 見てくれないと、あなたのヒミツ、握っちゃうぞ♪』


 なにしてやがる世界の守護者代行見習い。




436 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 18:56:13 ID:i2TtNVnV
 ちなみにこの番組が放映されだしたのには理由がある。
 もともと世界の守護者代行見習いがあまりの仕事の量にパンクしかけちょっと実家に帰った時、彼女のウィザード社会的地位に目をつけたエミュレイターが現れ、
ストレスで半分トんだ頭で謎な言葉を撒き散らしつつぶっ飛ばしたという実話から、彼女の支持率アップという目的も含めて放映されだしたという経緯がある。
 もちろんヒロインは世界の守護者代行見習い本人がやっている。
 本物のウィザード技術を駆使した映像技術と、主人公兼ヒロインのいきいきしたはっちゃけぶりにより、いまやウィザード業界では知らぬ者なき人気番組となった。

 ……しかしこの見習い、ノリノリである。
 あの余計な一言に定評のあるノーチェですら報告を言いよどんだのも、まぁわからないでもない。

 閑話休題。
 とまぁ、その人気番組には目もくれず。
 今日の居酒屋ろんぎぬすは、暗くなりはじめの時間にも関わらず、すでにカウンター席に4人の女性陣が陣取っていた。

「うむ。ほどよい脂のノリだな。やはり季節のサンマはこうでなければいかん」

 長い金髪に紅玉の瞳。服装は年中ゴシックロリータの、やけに偉そうな小柄な少女。
 すだちを搾った秋刀魚を大根おろしで吟ずるように味わうのは、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。

「……くりごはんは。日本の心として。私が認定したい」

 同じく長い髪ではあるが、こちらは烏の濡れ羽色。絹糸のように艶やかな髪の、茫洋とした表情の美人。
 湯気と香りを立ち上らせながら、ほのかに色づく栗ご飯の味をかみ締めるように食べるのは、姫神秋沙。

「う〜ん、やっぱりおいもは秋の味だよね〜。焼き芋以外でもこんな食べ方もアリだよ、うんうん」

 アーモンド色の髪を揺らして表情豊かに笑うのは、何故か居酒屋にどこかの学校の制服で来ている少女。
 さつまいもとにんじん、ごぼうのかき揚げを塩をつけながらさくさくもぐもぐかじるのは、弓塚さつき。

「まさか日本に来て、地元の料理が味わえるとは思いませんでした。なかなか勉強熱心ですね、マスター」

 濃い紫紺の髪を三つ編みに、どこか軍服に似た形のどこかの制服とおぼしき服の、異国情緒のある娘。
 トマトとひき肉を煮た具と、ナスを重ねて焼いたエジプト料理、ムサカが日本の居酒屋にあることに感動しているのはシオン・エルトナム・アトラシア。

 なんだかいつの間にか一人増えているが、彼女らはこの居酒屋で出会った飲み仲間(飲んでないけど)のようなものである。
 長く交友があるようにも見える彼女達は、実は一年ほど前にはシオンとさつき以外顔も合わせたことのない同士だったりする。
 彼女達はこの店に来てはじめて顔を合わせ、そしてなんとなくたまにここで食事会をする仲になったのだ。
 順番としては、去年の冬に姫神が。桜が舞うころにエヴァが、うだる暑さの時期にさつきが来て、さつきに連れられシオンが、といった具合だ。
 彼女達をここに連れてきたのは、一人の少女。

「お待たせしたでありますよっ!」


437 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 18:58:12 ID:i2TtNVnV
 がらがらー、とのんきな音を立てて戸口が開かれ、その張本人が現れる。

「ノーチェ。ちょっと遅れてる」
「正確には5分29秒集合時刻から遅れています。今日のホストが遅刻とは、だらしがないですよ」
「私を待たせるとはいい度胸をしているな? あまりナメた真似をすると消し飛ばすぞ」
「ま、まぁまぁ。たぶんお仕事か何かで遅れたんだよね?」

 口々にノーチェに対して声をかける少女達。
 あはは、と彼女はそれに苦笑いをして、右端の姫神の隣に座った。

「いやぁ。ちょっと調査を頼まれてたことを報告してたら、なかなか相手と電話がつながらなくて困ったのでありますよ。
 まぁなんとか報告は終わったのでよかったのでありますが」

 本当に申し訳ないでありますー、と手を合わせて謝るノーチェに、こくんと姫神が一つ頷き。

「それは災難。事情はわかった。
 大将。ノーチェにオロナミンセーキを」
「トッピングでチェリーコークを入れてやれ」
「FFポーションとドクターペッパーを入れるのも忘れないように」
「ちょっと待」
「あいよっ!」

 ※オロナミンセーキ:オロナミンCと卵を入れたシェイカーをひたすら振ったもの。炭酸によって卵の黄色い泡がごぼごぼ吹き上げる謎な飲み物。
 ※チェリーコーク:トンデモ系炭酸。
 ※FFポーション:ニュースになった、体力の回復しない稀有なポーション。
 ※ドクターペッパー:コーラより前に日本にあったトンデモ系炭酸。

 大将がイイ笑顔でシェイカーに複数の缶ジュースと卵を放り込み、容赦なく振ってジョッキに注ぐ。
 ずもももも、と吹き上がる形容しがたい色の泡に顔を青ざめさせておののくノーチェを横目に
くくく、と愉快そうに邪悪に笑いながら、自身のグラスを傾けエヴァが隣のさつきにたずねた。


438 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 18:59:14 ID:vvFScZD5
ちょ、何やってんの!?
支援

439 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 19:00:07 ID:i2TtNVnV
「さて。夏からこっち、お前達はどうだ? 新米はなにやら厄介事に巻き込まれていたようだが」
「うん、楽しいよ。路地裏同盟も次々新人さんが出てきて、なんか楽しいご近所付き合いができるようになっちゃってね」
「……その、さつきの楽観主義すぎる点はどうかと思いますが。事実、交友関係が増えたようには感じます」

 太目のフライドポテトをぱくつきながらさつきがかえす。
 シオンはそんな彼女に肩をすくめながら、それでもまんざらでもなさそうに答えた。
 最近、彼女達の住む三咲町はまたタタリ関連の事件が起き、それが関連して、まともな場所に住むことのできない住人が少し増えたのだ。
 具体的に言うと、同性にはかなり甘い意外と何も考えてない盾の騎士とか、白い猫に使い魔扱いされてる飼い殺し殺人鬼とか、裸はだけYシャツ野郎とか。

 ……絶対一人で夜出歩けねぇ。
 いや、一人じゃなくても結果変わらないかもしれんが。

 ともかく。シオンはまた一口ムサカを口にしつつ、ほのかに微笑みながらつぶやいた。

「しかし、さつきはいつになったら志貴に挨拶が出来るのです。
 戻ってきてからこっち、いまだになかなかできないと一日平均30分は悩んでいるではないですか」
「し、ししシオンっ!?」

 オレンジジュースの入ったコップをあわてて力加減を間違え、握りつぶして粉々にするさつき。
 ……怖いあわて方だな、オイ。
 そんなことに気づいた様子もなくわたわたしながら釈明を始める。

「だ、だって遠野くんのそばって絶対誰かいるんだもん! それじゃなかなか挨拶できないじゃないっ?」
「志貴の周りに女性がいるのはいつものことでしょうに。
 今のまま黙っていては、いずれもなにも、いつになっても存在を認識してもらえないのは明白ですが」

 弓塚さつき、轟沈。
 まったくカウンターを汚さないでくださいよ、と言いながらオレンジジュースを台拭きで拭きつつ、姫神に見えないように体でブロックしながら『復元』の魔術を使用。
 どの学派でも初歩中の初歩とされるガラスの短期復元を、アトラス院のアトラシア(次期院長)が失敗するはずもない。
 寸分の狂いなく復元されたグラスをマスターに返しているシオンに爆弾を落としたのは姫神だ。

「……、そういうシオンも。さつきと同じ人を。好きなのだと聞いたけれど」
「あ、秋沙っ!? 私は別に志貴に対してさつきのようにかわいらしい幻想を抱いてはいな―――」
「ほう。それは初耳だぞ、アトラシア。
 はっはっは、同じ相手に横恋慕しておきながら思い切りのなさを指摘するとは、巨人の穴倉の人間らしくないな?」

 至極楽しそうに懐から黒い扇子を取り出しながらエヴァがにたり、と笑う。
 巨人の穴倉、とも称されるエジプトの魔術結社<アトラス院>。彼らは脳内の演算機能に特化した魔術師であり、より合理的な行動をとろうとする風潮がある。
 それが相手につけこまれる隙を与えるなどという無駄を作るのは、どこかの魔術師に言わせれば『心の贅肉』以外のなにものでもない。

 言葉に詰まったシオンに助けを差し伸べたのは、それまでえんえんとぶつぶつと一人つぶやいていたさつきだった。
 シオンを背後からぎゅ、と抱きしめながらエヴァに向けて言う。

「いいんだよ、エヴァンジェリンさん。わたしもシオンも、遠野くんが好きなことに変わりはないもん。
 好きな人ができちゃうとね、道理なんて結構すっ飛んじゃうものなんだよ?」
「ふぅん? ……お前はそれで構わんのか、新米。お前のライバルだろう?」
「エヴァンジェリンさん知らないの? ライバルにはね、好敵手って意味もあるんだよ。
 それに、シオンは絶対にズルはできない子だからね」
「ほう。
 ……随分信用されてるじゃないか、脳髄喰らい(エーテライト)のエルトナム?」


440 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 19:02:27 ID:/IV93loL
おっと遭遇。しからば支援

441 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 19:06:28 ID:i2TtNVnV
「―――私は、誓って彼女にそんなことはしていません」

 エーテライト。
 シオンの生家、エルトナムの秘奥。他人の脳をハッキングし、情報収集から上書き、果てはクラッキングまで行うことを可能とする極細のナノフィラメント。
 それを駆使してさまざまな成果をあげてきたエルトナム。その当代にして、アトラシアにまで登りつめたシオンへの揶揄に、彼女は切り捨てるように答えた。

「さつきは私の友人です。友人を相手に、尊厳を無視するような行為をすることなどあり得ません。
 私はシオン=エルトナム=ソカリスとして、そのような発言に不快感すら感じます」

 アトラシア、は先ほど述べた通り彼女がアトラス院次期院長であることを示すものであり、もともとのシオンの名はエルトナム=ソカリス、である。
 つまりアトラス院を背負わぬ個人として、エヴァの発言に対して全面的に否定したということだ。

 その厳しい視線をふふん、と微笑んで受け流し、エヴァはさつきに声をかけた。

「新米。その女はお前の友人か?」
「うんっ! 大事な大事な、友だちだよっ」
「……そうか。ならば、大切にするがいい。お前たちがどんな道を歩むかは知らんが、せいぜい楽しませてもらうとしよう」

 さつきの笑顔には、何の曇りもなくて。エヴァはそれ以上なにも言わずにグラスを傾けた。



442 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 19:07:49 ID:i2TtNVnV
***

 うわー、と形容しがたい色の大量に増幅しきった泡と液体に飲み込まれつつ、舌の上で猛威を振るうゲゲボな味と格闘しているノーチェ。
 そんな彼女を尻目に、姫神がエヴァに問うた。

「エヴァ。あなたの方はなにか変わったことは?」
「うん? なんだ秋沙、藪から棒に」
「一度。ノーチェから、ついこの間まで好きだった人がいたと聞いた」

 一つ舌打ち。ロクなことを言わんな、あの小娘。と小さく呟き、彼女はひらひらと手を振った。

「別に、ヤツとは特に何もない。今はどこをほっつき歩いているのかもわからん」
「……心配ではない?」
「一度死んだと思われていたヤツだ、殺しても死なんとは思っていたがな。
 まぁ、生きていることさえわかればいい。今は新しいオモチャもあることだしな」

 くく、と楽しそうにのどを鳴らすエヴァンジェリン。
 オモチャ?と首を傾げる姫神に、それはもう楽しそうな笑顔でエヴァは答えた。

「あぁ、田舎からヤツの息子が出てきてな。しかもソレが私に『弟子にしてくれ』と言ってきた。
 やつほどの奔放さはないが、骨がある。この私が手づから磨きに磨きに磨きに磨き、さらに磨きあげれば、まぁ使い物にならなくもないだろう」
「……、息子さん。何歳?」
「今年10だそうだが?」
「……。つまり。源氏物語」
「阿呆か、アレではヤツの変わりになるはずもなかろう。
 そもそもが違う人間に、同じになることを求めるのは間違いだ。ただ―――」

 ただ?と、姫神が問い直せば、エヴァはそれはもう満面の邪悪な笑顔で答える。

「ヤツはこの程度できたぞ、と言えば恐ろしい速度でそれを可能にしてくるな。
 しごき甲斐があって非常によろしいことだ」

 その笑顔にシオンとさつきは背筋に寒いものが走りぬけたとか。
 非常に怖い笑顔に対して脅威を感じない姫神は、さらにたずねた。

「学校のほうは。どう?」
「む、またあの小娘から聞いたのか?
 ……まぁ、確かに以前はつまらなかったが。最近ではそうでもない。
 トラブルが次から次にやってくる今の状況は、生活にハリが出るな」
「刺激的で楽しいって言えばいいのに」
「マスター。わさびラムネをこの中途半端ツインテールに」
「あいよっ」
「待って! すごく待ってくださいごめんなさーいっ!」

 もちろん頼んだものが戻るはずもなく。
 さつきが泣きながらおそるおそる飲んでみたら、案外おいしかったとか。



443 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 19:09:28 ID:i2TtNVnV
***

 なんだかよくわからない泡にまみれて、ちーん、というSEが聞こえそうな感じで店の隅でばったりと倒れているノーチェ。
 無論そんな光景を誰が気にするわけでもなく。
 わさびラムネをおいしくいただき終わったさつきが、姫神に尋ねた。

「姫神さんの方は最近どうなの?」
「……、アニメになった」

 いや、作品のことじゃなくてさ。

「ほ、他には?」
「……。声が能登ボイスに」

 アニメから離れろ。

 気を取り直し、三度さつきが尋ねる。

「最近例の彼氏さんとはどうなのかなー、って」
「私も興味があるぞ。話せ秋沙」

 エヴァも乗ってくる。話しかけてはこないものの、シオンも興味津々、といった様子だ。
 そんな少女たちをぐるりと見回して、姫神は一つ溜息。

「この間。焼肉に行った」
「うわぁ、デート?」
「なかなか前進したではないか。当然財布は向こう持ちだな?」
「一緒に焼肉を食べに行く男女は、いつもとは違うワイルドな魅力を感じるとして、恋愛関係に発展する可能性が高いとこの間女性雑誌に統計データがありましたね」

 口々に我がことのように喜ぶ3人。
 なんだか悪いな、と思いつつ姫神は続きの言葉を口にした。

「クラスの。みんなで」
「うわぁ。パーティかなにか?」
「それではデートとは呼べんだろう」
「いけませんね。周囲が全員ワイルドな魅力をかもし出すのでは、秋沙の魅力が目立てません」

 何気に酷いこと言ってるぞシオン。

 はぁ、とまたも溜息をついて、姫神は呟く。


444 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 19:10:11 ID:cekcaUX0
何気なく覗いてみたらちょうど投下中でしたか。
というわけで支援。

445 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 19:12:38 ID:i2TtNVnV
「最近。忙しいらしくて。イタリアに飛んだり。学園都市(東京)に戻ったり。イギリスに行ったりしている」
「それはまた慌ただしいですね。何をしている男性なのです?」
「学生。同級生」
「へぇ〜。わたし海外なんて行ったことないよ。すごい人もいるものなんだね」
「……最近急に、というあたりを気にしろ新米。そのオトコ、なにか妙なことに巻き込まれているのではないのか?」

 やや心配そうにそう尋ねたエヴァに、こくん、と頷き姫神は肯定した。

「トラブルが。年中順番待ちで。相手されたがっているような人だから」
「なんだか遠野くんみたいな人なんだね」
「トラブルの度に。新しく女の子と。仲良くなる人でもある」
「……ますます志貴のような人間ですね」

 学園都市と三咲町で二人の少年が同時にくしゃみしたとかしなかったとか。

 閑話休題。
 けど。と姫神は続けた。

「必ず帰ってくるって。信じてる。
 みんなが待ってるってわかってて。帰ってこない人じゃないから」

 その瞳には心配はあれど、どこまでも疑いがなくて。
 恋する乙女は盲目だな、なんて意地悪く笑ったエヴァに囁かれ、少しだけ頬を染めた姫神だった。



446 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 19:13:58 ID:i2TtNVnV
***

 存在を司る虚属性の魔力を用い、ちょちょい、と謎色の泡を虚空に消して、ぴくりとも動かなかったノーチェが謎セーキの味のダメージから復活した。
 カウンターに手をつき、ふるふると首を振りながらなんとか椅子に座る。

「し……死にかけながら何度も生死判定する感覚って、あんな感じなのでありますな……」

 がくがくしながら席につくノーチェに向け、マスターが一言。

「しまった、農薬入りカクテル混ぜるの忘れてた」
「わたくし殺されるでありますかっ!?」
「いややめておけ。捕まるのはお前だぞ」
「それもそうですね。じゃあαドリンクにしておきますね」

 なに混ぜる気なんだ。
 閑話休題。
 ともあれ、とエヴァは復活したノーチェにたずねる。

「小娘。それで、話があると今日呼んだのはお前だろう。なにを用件を伝える前に伸びている」
「うぅ、エヴァが厳しいでありますよぅ……」

 やや泣きそうな表情ながらも、ノーチェは気を取り直してこほん、と咳払い。

「わたくしたちがこの店で飲み食いするのもだいぶ恒例になってきたのでありますよ」
「嬢ちゃんがツケ溜めてんのはもっと前からだがな」
「けど、これだけ人数が増えてくると、きちんと定例会みたいな形にした方がみんな集まりやすいかと思いましてな?」

 店主の呟きのスルーっぷりも相変わらずである。
 ノーチェは気にせぬもの続けた。

「と、いうわけで。
 こんなものを用意してみたでありますっ!」



447 名前:よるとれんきんじゅつし:2009/02/15(日) 19:15:51 ID:i2TtNVnV
 いつのまにか天井から伸びている紐を、握って引っ張る。
 さらにいつのまにか紐の先に設置されていた小さなクス玉がぱかん、と割れ、色とりどりの紙ふぶきが舞う。
 中から重力に従って垂れ幕が落ち、それに書いてある文字が露になる。

「月に一度みんなで集まって話をしながら飲み食いしようの会、略して『つきのみ』でありますっ!」
「センスないな」
「四文字にすればいいというものではないと、この間どこかのメーカーが言っていましたが」

 エヴァとシオンがばっさりと斬るが、姫神がぽつりと呟く。

「……、これはこれで」
「まぁ、私たちらしいといえばらしいよねー」

 それにさつきが乗り、それまで冷たい感想だった二人も小さく微笑んだ。

「このメンバーなら、確かに集まって飲んでもいいかもしれんな」
「えぇ。エヴァンジェリンの話は興味深く、秋沙やノーチェは会うたびに心が前を向きます。ぜひ、より深く付き合いたい」
「やったっ。では、決まりでありますなっ!」

 ノーチェが満面の笑顔を向ければ、姫神は小さく頷き、エヴァはにやりと笑い、シオンは首肯してさつきが大きく首を縦に振る。
 では、とノーチェがコップに水を注ぎ、掲げる。

「わたくし達の会の発足に!」

 それを受けるように、姫神が自身のグラスを持って呟いた。

「……。楽しい友だちがいっぱいいることに」

 エヴァが一度自分のグラスを空にし、もう一度注いで持ち上げる。

「前に進み続ける若い娘達に」

 シオンが微笑みながらコップを持つ。

「皆違うところにいたにも関わらず出会えたという奇跡に」

 さつきが新しいコップにオレンジジュースをもらい、目の前にもってくる。

「みんなのこれからに!」

 乾杯っ!と、五つの声が重なって。
 ガラスが立てる硬質な透き通った音が店内に響いた。


おしまい。

448 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 19:17:30 ID:cekcaUX0
なんちゅうすさまじいものを混ぜようとしてんだ店主www
そして支援続行。

449 名前:夜ねこ:2009/02/15(日) 19:20:36 ID:i2TtNVnV
生まれて初めて男からチョコレートもらった(挨拶)。いや、義理だけどね(汗)?
どうも、ご無沙汰してます夜ねこです。ずっと書けなかった夜のある風景最終話。これでおしまいです!
……そう思うと寂しいもんですねぇ。ちょうど一年くらい前なんだよなぁ、これはじめたのって。

まだまだノーチェで書きたいものもいっぱいあったりするので、これでドロンすることはない、はず。
そろそろバトル書きたいなぁ。時間かかるけど。
いや、予定は未定っつーだけですが(笑)

さて、最終話のニューフェイスはMelty Bloodシリーズより、シオン=エルトナム=アトラシアにご登場願いました。
さっちんが月姫表記だったのはそういうわけです。すみませんね紛らわしくて。
他にも吸血鬼のネタ入れたかったんだけどなぁ、ヴェロッキアさんとか、月島さん(故人)とか、弱い虫こと農業従事吸血鬼バゾーくんとか、旦那とか。
いや、全然話がコンセプトの『女の子同士の交流』から外れてしまうんでやめたんですけどね。
つーか女の子同士の会話ってこんな感じでいいんだろうか……?

そういやどなたか自分が昔書いた某嘘予告(黒の騎士)について仰っておられたような気がしましたけども。
……一応プロットはあるものの、たぶんナイトウィザードにしかならないからここで投下するのはないと思いますー。
クロスじゃないしね。
書きたくはあるものの、なんだか大量にエネルギーと俺設定が必要になるから掲示板投下は難しいかな、とも思ってたり。
期待してくださってたのにすみませんorz

ではでは。
また何かあげられそうになったら伺いたいと思います。……色んな新しい人がいる中邪魔でなければ、だけども(汗)。
とにかく今は「君のためのRPG」をクリアせねば……。

450 名前:夜ねこ ついでにおまけ。:2009/02/15(日) 19:21:47 ID:i2TtNVnV
おまけ・『魔法少女みこみこくれは・17話次回予告』

「魔法少女・くれはの前に現れる新たな少女たち!
 彼女達はルナティック・レイディズと名乗り、謎のポンチョ娘と戦うことを誓った!

 禍韻の使徒にして人形使い、闇の福音の二つ名を持つ、ルナ・ゴールド!
 アトラシアと呼ばれ、短いスカートと分割思考を武器に戦う、ルナ・アメジスト!
 若くして固有結界を完備、ポテンシャルは最強だがどこか幸薄、ルナ・クリスタル!
 とりあえずなんかでかい水晶玉のオプションにしてらしくない傭兵、ルナ・シルバー!
 そしてそんな彼女たちをまとめる、もしかしたらチーム最強だが影薄、ルナ・オパール!

 くれはの前に現れた彼女達は、はたして敵なのか味方なのか!?
 そして、もしかしたら6人にフルボッコの可能性が出てきたポンチョ娘の運命やいかに!?

 魔法少女みこみこくれは! 『ルナティック・レィディズ』! 次回も見てくれないと、あなたのヒミツ・握っちゃうぞ!」

451 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 19:28:19 ID:SbJSlnsR
>449
規制されずに最後まで書ききるなんて!
それはともかく、お疲れさまでした。

途中の謎CMが凄く気になる! 気になりすぎる!
でも突っ込んだら負けな気がする! あんびばれんつ!

>君のため
じゃあこっちは、この間買った「心と出会うRPG」の続きでもやってこよう。

452 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 19:53:12 ID:sU+P4bH/
>>449
いやだまだこの作品読みたい続けてよ!(挨拶

というわけで、GJでした。よると氏の書くノーチェ&さっちん&エヴァがかわいすぎでもどうしたもんかとw

そして某巫女自重。某なのはクロスでも自重してなかったけど、こっちでもかwww

453 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 21:01:28 ID:9IIM7Xzx
ttp://d.hatena.ne.jp/tentana/20050130 これを読んでて思いついた小ネタ

「ふ、要いのり! 今度はこないだみたいにはいかないわよ!」
「いや、4年も前の話をいきなり持ち出されても」
「リアルの時間経過なんてどうでもいいのよ! 今回は最強の助っ人を連れてきたんだから」
「こ、こんにちは。アゼル・イブリスです」
「げげぇ、中の人ネタ」
「ふふふ。これで世界は私のもの。 さっさとメンツを揃えなさい! 柊蓮司でもいいわよ」
「いや。矢野は悲しくなるほどヒキが弱いから、それはありえない」
「そ、そうなんだ。 じゃあ、どうするのよ」
「ちょっと待ちたまえ、FEARの事務所に電話を。あ、もしもし、社長? 麻雀しません?
 え、スケジュールが無理? 他に誰か。 いや、矢野は駄目です…え、いいんですか?
 じゃあ、お願いします。   決まったよ、ベール=ゼファー」
「い、いきなりキャラに戻るわね。で、誰になったのよ?」
「ナイトメアの知り合いに来てもらえることになったよ。あ、来たみたい」
「御免、拙者、平実盛と申す者でございます」
「ああ、このおじいさんね。ってこの人、死人じゃないの! いいの?」
「クロススレであることを最大限に生かしてALGリプの根の国の扉の番人に手伝ってもらったり 
 あれこれしたということで」
「ま、まあいいわ。じゃあ、アゼル、始めるわよ…って、アゼル、どうしたの?」
「す、鈴木銀一朗先生の麻雀…それってつまり…」
「どうしたのよ、アゼル、しっかりしなさい」
「魔王ベール=ゼファー。雀鬼って知ってます?」
「漫画は読んだことがあるわね」
「初期に出てくる裏プログループの名前、覚えてます?」
「えーと、確か鈴銀グループだったかしら? え? なんだか不吉な連想が」
「いやいや、全自働卓の昨今では昔みたいな悪戯はできないよ。10年ほど前にTVに出た桜井さん
 が披露していたような真似はできないから安心し給え」
「ほ、本人? 図ったわね、田中天んん!」
「ふははは では始めようじゃないかね、魔王よ」
「完全に中の人ネタじゃないの! あんた、さっき自分がなんて言ったか覚えてないの?!」
「んー? 中の人ネタを使っちゃいけないなどと言った覚えはないなぁ。 くはははは」

終わる

454 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 21:33:24 ID:zgR802Ch
さすが、サイコロの片方には6の目を覚えこませてありますと言ってのける方。

455 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 22:10:09 ID:hqPTDPlq
>453
メック戦士養成校のヤスダ校長「代わりなさい、そこのポンコツ魔王(キラーン)」

456 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 22:21:44 ID:i8gBeqZm
確か惑星コウベってリバイバル作戦でジェイドファルコン氏族辺りに蹂躙されてなかったっけ?
名誉の戦死を遂げられたであろうヤスダ校長の冥福を今更ながら祈ります。

457 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 22:31:57 ID:SbJSlnsR
そこでベテランウィザードのサモンジさんがですね、旧友の安藤来栖、ガラフ・ハルム・バルデシオンと共に颯爽と

458 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/16(月) 01:07:59 ID:T3FEKnhL
勢力図を見るとヤスダ校長が戦うのはウルフ氏族かな。
まぁ惑星コウベや惑星エニウィアでは普通に負けてるので
颯爽と助太刀するのはルシエン防衛戦でタカシさんを助ける時にしといてください、安藤さん。
おっとサモンジ隊長、その可変メック型箒は死亡フラグですよ?

459 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/16(月) 20:52:45 ID:JocmFjhB
>458
●-●つ「はぁい、タカシ=クリタでぇす?」

460 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/17(火) 12:56:15 ID:eQ5xYjns
快男児で天でタカシと言えば。

461 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/17(火) 19:37:05 ID:vIn04y96
THEビッグ・Oとクロスして新クラスネゴシエイター追加。

462 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/17(火) 20:00:27 ID:AwgMjzYE
交渉失敗→ビッグオーショータイム、ああいつものセッションのまんまだな

463 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/17(火) 20:09:13 ID:b8PzoH/+
交渉に成功したらクライマックスフェイズに突入できんしな

464 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/17(火) 20:43:00 ID:Qr6HLC33
そこで論争ですよ。論争打撃力でーたが

465 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/17(火) 20:54:56 ID:vIn04y96
キャプテン・ラブですね。分かります。

466 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/17(火) 22:42:08 ID:ZQQ4zvMo
FEAR的にはフォーカスシステムや精神攻撃ではなかろうか>交渉

467 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/17(火) 23:26:16 ID:XEnZIzjQ
>464
論理攻撃力
心理攻撃力
論理防御力
心理防御力
天空力
ですねわかりま…え?違う?

468 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/17(火) 23:29:06 ID:F9fwiU+G
>>467
ユミナはなぁ……
クロスするにも外宇宙旅立っちゃったし、学園編ですり合わせると
イシリアル全部魔法になっちゃうぞ?

469 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/18(水) 11:34:35 ID:eup572hu
冥魔の本格的進行に対して新たに設立された、
ウィザード育成機関だと思ってプレイした人間がここに一人いたりする。

470 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/18(水) 17:36:33 ID:bwis8xtf
>>468
導入なら平行世界からちょっと休息と補給に来ましたで余裕でOK
外宇宙に並行世界に異世界に結界に狭界どうとでもなるさ

471 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/18(水) 18:17:52 ID:xKdZPROH
セッションの話から離れろ

472 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/18(水) 18:56:07 ID:Uk+Lci6u
夜ねこ様

番宣はこっちのほうがいいんじゃなかろうか?

『魔法少女みこみこくれは! 毎週○曜午後○時、好評放送中! 見てくれないと、あなたのヒミツ、ばらしちゃうぞ♪』






なんとなく戦闘シーンはすべて肉体言語で行われそうな・・

473 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/18(水) 19:02:41 ID:xKdZPROH
>>472
さとりな繋がりかよw

魔法少女系じゃなくて、コイン一つで兵器級攻撃力の中学生が今の旬じゃね、とか言ってみる

474 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/18(水) 19:09:12 ID:r0rX3Svj
>>469
確かに異空体は冥魔と言えない事もなかった。

475 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/18(水) 21:34:14 ID:3p0AXJ1Z
板垣作品とクロスして板垣恵介版ナイトウィザード。

476 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/18(水) 22:33:23 ID:pmeFJ3gq
柊サーガが柊性になるのか

477 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/18(水) 23:20:21 ID:3p0AXJ1Z
「セッションとセックスはッッ」「そっくりだ!!」

478 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/19(木) 00:13:04 ID:sdC0kH/P
一定の周期で愛について語りだしそうだな。

479 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/19(木) 00:41:09 ID:m++ECv53
キャラ性能×スキル×ダイス運=破壊力!!

480 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/19(木) 01:26:15 ID:UXA3b8HC
>>479
つまり、結論は「固定値は裏切らない」ですね判ります

481 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/19(木) 01:43:52 ID:MFXp0U9E
1日に30時間のセッションという矛盾……!
その矛盾を世界の危機を濃密にすると言う手段によって克服する……!

482 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/19(木) 12:51:54 ID:BbCQvmlF
>>480
違う、「地球に空より高いものはないように、英魔様より強いものはいない」、こうだ

483 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/19(木) 14:51:11 ID:y1VYUhvh
>>482
つ秋田みやび

484 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/19(木) 17:46:54 ID:tFb5vkhG
「史上最大の激突!!小暮英魔VS秋田みやび」

こうですか? わかりま(ry

485 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/19(木) 17:54:02 ID:QYcqsnRE
なんか知らんが、「マジンガーZ VS デビルマン」って言葉が浮かんだ。

486 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/19(木) 20:42:56 ID:VCcaJyPf
その二人が組んできくたけイジメですね、分かります

487 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/20(金) 00:24:40 ID:oVpUtzAN
スレイヤーズVSオーフェンのごとく
VSと銘打っときながら中身は共闘モノなんですね!

……なんだ、いつもの魔王馴れ合いシナリオと同じ展開じゃないか

488 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/20(金) 00:28:32 ID:JT7c7cG/
ここ、多少なりとも戦闘描写がないと投下しちゃいけないとか、そーゆー規制あったっけ?

とーとつに思いついた話があったけど、クロス先のこともあってどう考えてもバトルを入れられないイメージに……

489 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/20(金) 00:35:07 ID:1rqLTr8L
>>488
別にいいんじゃない?
居酒屋とかバトって無いけど俺大好きだし。

つか、俺バトルなさそうなのを書いてるw

490 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/20(金) 00:55:05 ID:16R6JYaf
アニメで戦闘のない回があっただろ?そういうことだ

491 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/20(金) 01:13:54 ID:9eJ4CBKa
何の問題もない!ばーんっといくんだ!


492 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/20(金) 01:40:55 ID:qQV8a+rh
データ的には戦闘でも演出的には麻雀とかもアリだからな!

493 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/20(金) 08:10:31 ID:JT7c7cG/
ウィ、ムーッシュ。

ウス。やってみるっす。

……クロス先がARIAで、バトル展開は他の人がやってることもあってやりづらかったとゆー話。
頑張るよ、俺頑張るよとりあえずケイオス読んだ後!

494 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/20(金) 08:55:30 ID:qTMC59yx
大丈夫、大丈夫。
他の人がクロスさせた後に、その同じ作品をクロスさせて、かつ全然関係ない設定にしたことがあるから。

495 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 19:29:02 ID:KCslMaGS
そういえば、ARIAとのクロスって前にあったな。
あの続き、また読みたいな。

ところで、某理想郷で『リリカルなのは』とのクロスを見つけました。
魔法少女リリカルなのは ?The brute who lost a whereabouts?
で作者はかぜのこさんだそうです。
これから読み始めてみます。

496 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:02:23 ID:IctW6gqh
地雷かどうかの報告を待つんだぜ……理想郷でスコップを握るのは疲れたよママン

497 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:09:14 ID:2CbnF1o/
割と地雷よりかなー
途中までは割と面白かったんだけど
プレセア相手に空気よまずに空回りが酷くて読むのやめた
娘の事を考えろー と怒鳴り込んでおいて
娘のために全てを捨てて頑張ってるのに途中で気がついたのに
戦闘継続して死んだあたりから、見てて苦痛に……

498 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:19:10 ID:2a4ML8HT
漢探知乙です。

499 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:26:39 ID:2CbnF1o/
理想郷のはたまーに凄く趣味に合う(万人向けでは無い)のがあるから通ってるんだけど
スコップが折れそうになったり、前書きや本文見る前に読む感想で回れ右したくなののも多いんだよね
でも発掘はやめられない……かゆ……うま……

500 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:35:16 ID:X/3P4Zvs
ん? NW関連なの?

501 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:50:29 ID:JNyXOE6U
NWとリリカルなのはとのクロスだからNW関連といえる
ただしNWのキャラはオリジナルだからここで投下はできない作品

502 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:06:49 ID:KCslMaGS
報告です。
魔法少女リリカルなのは ?The brute who lost a whereabouts?、地雷よりでした…orz。
読めないことは…まぁないですが、あれは人を選びますね。
主人公はオリジナルでしたし。
設定的にはエリスと関係ありそうですが…?

あと、同じく某理想郷のチラシの裏SS投稿掲示板でしまきさまのリリカルウィザードというのを見つけました。
リリカルなのはStSとのクロスだそうですが、現時点では一話しかなくてナイトウィザードサイドの話しかありませんでした。
こっちは柊が主役みたいで、グィードも出ていました。
一話しかなく評価はこれからですが、今のところは面白そうです。
これからが楽しみな作品でした、色々な意味で。

503 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:07:56 ID:2CbnF1o/
>>500
オリキャラでごく普通の宝珠全部つき盾持ちの転生者
文章は結構読める、むしろ上手いほう、話の流れは大体介入はしても変化は無い原作準拠
オリキャラの思考が自分だけの分かれば良い的に説明不足なのでわかりにくい

厨二的主人公が平気なら見てみるのも良いとは思う、用法容量を見極めて読む感じで

504 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:11:39 ID:0P+CCRsn
クロスオーバーは面白い。
……面白いんだが自分で書くとなるととても大変だと思わざるを得ない。

505 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:26:51 ID:hOzf7JE1
オリキャラと言う時点で地雷臭が……

506 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:34:21 ID:j42HCXYD
>>503
それは文章が上手いとは言わない。読んでないけど。

少なくとも他人が理解できないような「表現」しかできないのは、上手いとは言わない。
文章が多少おかしかろうが、読者が理解できる文章書ける奴の方がよっぽど上手い。

文章ってのは誰かが読んで完成する。読者がいるから完成する。
作品に読者に対する意識がないってのは、一人よがりにしかならないよ。

実際、文章表現がちと拙くても面白い話はあるだろ?

507 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:36:11 ID:syooKvIJ
卓ゲ的思考のせいか、
オリとコネNPCとの共闘や、システムの枠を超えたオリとオリの共闘なら全然気にならないが

オリキャラと他作品既存キャラのクロスになると何故か途端に地雷臭を感じるな…

508 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:38:09 ID:/ArK8Uf8
余所のヲチはやめとこうぜー

509 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:40:20 ID:2CbnF1o/
オリキャラ主人公=作者の願望ですからにゃー
地雷くさくなるのは致し方ないかと
足りない役目を補うつけあわせ程度ならオリキャラも便利なんだけど
メインデッシュになってしまうと胃もたれしますよね
上手い人はそれでも上手いがごく少数だし

510 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:41:05 ID:cCEQBc7b
卓ゲ的クロスだが
以前理想郷に投下されていたDX2と異能使いのクロス(登場キャラはオリ設定のサンプルキャラ
は、個人的には面白くないこともなかったな…

511 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:47:31 ID:JNyXOE6U
>509
なんか……ナイトウィザードを否定するようにも読めるな
ナイトウィザードって元ネタが卓ゲだし

512 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:55:01 ID:2CbnF1o/
>>511
自分しか知らないPCを主人公にして他世界にぶち込むのは難しいなーって話で
ナイトウイザードを否定はしてないよ、公式キャラがむやみやたらと濃いので
むしろクロスしても動かしやすいし

513 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:44 ID:cCEQBc7b
卓ゲ的に例えるなら
吟遊GMの卓で、GMお気に入りのNPCとヒロインの恋愛ロールを(PCほったらかしで)見せられたり
PCがボスと戦ってんのに、超演出(マジックアイテムでドーピングとか)でNPCがトドメもっていったり
そういうGMのご都合展開が嫌いって事なんだろう

実際にいるんだぜ、こういうGM……

514 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:05:05 ID:j42HCXYD
その思考がなー。

SSメインの思考と卓ゲの思考はどーもかみ合わないとこがあるんだよなぁ……。

この間久しぶりにリレー時のスレ読んだけど、書いてくれた人がいるのに
「実は話の裏でサイコロ振って決めてたんだぜ!」
とか平然と言ってる奴がいて絶句したわー。時間割いて話の整合性必死に考えた人たちがいっぱいいたのに、それ無視する発言はねーだろ。たとえ洒落でも。

つーか、オリキャラがマズいって言われるのを卓ゲ者にわかりやすく説明するとだな
おいしいとこだけスキルとったキャラ作って、別のゲームにねじ込もうとしてるよーなもんと言えばいいか?

515 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:07:59 ID:2CbnF1o/
>>513
うん、そんな感じ……だがその愚痴は困スレ向きだw 実プレイの報告になっとるw
そのNPCのNを抜くと割りと普通なんだけどねー

516 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:08:42 ID:0P+CCRsn
>>514
それは分からんでもない、というか、実プレイネタを持ってこられても困ったりする

517 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:50:38 ID:X/3P4Zvs
>514
作者以外の人が言うならアレだけど、別に作者本人が言う分には問題ないんじゃない?
裏方なネタ自体が嫌いな人というのはいると思うけど。


518 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:59:41 ID:0fM+UDBY
むしろダイスで決めた結果を展開としてまとめてSSにした技量を褒める所だと言っても良いんじゃないだろうか

519 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:08:29 ID:j42HCXYD
>>517
そりゃ個人作品なら問題ないかもしれんがな。
リレーだぞ?自分が書いてない部分だってたくさんある。あれの作者はすべからく読者でもある。
発言の立場としては一読者と変わらんよ。

具体的に言うと5スレ目>>173な。携帯なんでコピペは無理。
よく誰も文句言わなかったなって思ったわ。

520 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:20:00 ID:2OAOHjXZ
>>518
これは俺の主観だが。

作者へのGJってのは、作品と、作者の作品への情熱に対して敬意を払うものだと思ってる。
よくぞ自分の時間を削って楽しませてくれた、ありがとうって気持ちを伝えるものだと思ってる。
だから、気になったところは指摘するし、面白かったところは具体的に書くようにしてる。その方が嬉しいと思うから。

プロット作って、文字打って。けして短い時間ではない時間を費やして、
楽しみにしてる人のために作ってくれたことを感謝の意を伝えるために。
そんな風に、一生懸命時間使って書いてくれた人たちに対して
「展開は自分で考えずに神様(ダイス)に任せてたんだろww」と取れる発言をするのは、無神経以外の何物でもないと思うんだ。俺は。

521 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:20:06 ID:ZZ3D5qlm
ネタにマジレス(ry ってやつだと思う
…とか言うと「これだから卓ゲ民は」って返されるんだろうな。

522 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:22:30 ID:UjISj2sI
件の書き込みはこれだな


173 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/02/04(月) 14:12:32 ID:97/oE/yC
ああ、裏でみんなExパラメータ振ってたからな。


一年も経ってから第三者がほじくり出してグチグチ言うほどのモンじゃないと思う。

523 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:33:35 ID:2OAOHjXZ
>>521
ネタでもマズい表現があることもわからないわけじゃないだろ?
少なくとももっと不快になりづらい表現もあったろうに。

>>522
ま、そうだわな。
ちと熱くなりすぎたのは認める。空気悪くして悪い。

まぁでも、もうちょっとこう……中の人ネタとか卓ゲの深みの話とかは自重できんものか。

別に卓ゲ同士のクロスを否定してるんじゃないよ?
もっといろんな人がわかるクロスネタとかも振らないか?という話だ。


とゆーわけでリンカイザーと変身ヒーローものでも考えてみませんかと言ってみる!サンレッドとか!

524 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:40:44 ID:boN5AYss
卓ゲ系SS書くときはデータ的な裏付け考えるし、場合によってはサイコロふって模擬戦闘してみたりもするな、俺

525 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:43:37 ID:fU+DQxM1
当時問題にならなかったのは単にそれ見て不快になったのがお前ぐらいだったからでは無いか。


OpCで四重結界をぶった切るヒルコ見て、博霊大結界切って幻想郷に潜入する命とかいうネタが去来した。
幻想郷は狭界でなく巨大な月匣に近いとか妖怪たちは人と共存する事を選んだエミュレイターとか
東方王国の王女パールちゃんさまが襲撃してくるとか。

526 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:44:15 ID:2OAOHjXZ
>>524
それとは話が違うだろ。展開そのものをサイコロに依存する、という発言なんだから

527 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:46:39 ID:lDZ6pwos
結論:
面白いは正義


たとえそれがダイスでも、結果面白くなったのであれば俺は全てを肯定する

528 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:46:59 ID:jxZUb387
リレーに参加していたが、正直特に気に留めるほどの冗談と思わなかった俺は(ry>サイコロで決定

元々書きたい人が書きたいものを書くんだから、分かりにくいクロスネタが生まれるのは当たり前
同様に、主に地盤が地続きである卓ゲ同士のクロスが生まれやすいのもある意味必然だと(ry

…変身ヒーローと聞くと、コスモス荘を思い出す

529 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:48:23 ID:HwL1tkiX
試験勉強しても最終的に鉛筆コロコロにいっちゃうアレだろ。

>>525
ちゃんさまが勝手に立てた神社で博霊はまた賽銭がなくて涙目?

530 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:55:42 ID:UjISj2sI
エリス「ウィザードは!」
早苗「幻想郷では!」

「「常識に囚われてはいけません!」」



大いなる者×2とかひどいバランスだと思った

531 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:58:16 ID:fU+DQxM1
つーか幻想郷の面々をナイトウィザードで再現しようとすると大いなる者がやたら多くなって困る
守矢の神社とかスキマ妖怪とか。お嬢様も多分大いなる者を経由した吸血鬼(運命改変的な意味で)

532 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:59:49 ID:2OAOHjXZ
>>525
俺も当時は笑って流してたんだけどな。最近読み返してゾッとしただけで

これ以上この話しても意味ないだろうし、空気悪くするだけだろうから、忘れてくれ。


ただし、それとは別に中の人ネタとか裏方ネタとかはわからない人がいるのは理解してもらえんだろうか?
ついでにもーちょい裏方ネタを自重してほしいのも理解してほしい、かも。無理だろうな、とは思いつつ
一応言っとくけど俺は卓ゲ側だぞ。まよキンとカオフレとダブクロをこよなく愛する。

533 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 01:16:31 ID:dAozEtjU
ここまで引っ張って言いたい事言っといて忘れてくれって言われてもナァ。

ランダムで決定した展開だろうが考え抜いた展開だろうが、リレー小説なら誰かの狙ったことを
他の誰かが潰すのはごく普通にあること。
そこに差なんてなく、あるのはそれが面白くなったかどうか。
ランダムで引き起こされた展開を、しっかり物語として仕立て上げる手腕を褒められこそすれ、
批判を受けるような事ではないと思うがな。

534 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 01:40:33 ID:2OAOHjXZ
>>533
それはそれで俺の言いたいこととはズレてるんだよなぁ……

そろそろ自重しようかとしたところに返事前提の問いかけをされたから返すけど、
俺は「ダイス振って決めた」というのを「自分で展開を考えずにダイスに決めてもらった」と受け取ったわけだ
色んな人が色んな選択をして流れを集結させたものを指してそう言ってるように見えたわけですよ

誰かのが誰かに潰されたとか、そんなことは言ってなくて。
ともかく話を考えて、書いて、投下するという過程のうちの、
ひとりひとりが話を考えて作る、その努力とか過程とかを無視する発言に見えたわけだよ

面白さは正義?ごもっとも。
だからこそ、シナリオを面白くなるように努力した人はその努力にいい報いが起こるべきで、その過程を無視するような発言は失礼だ、と思ったわけだ。

所詮主観の違いの問題だろうがね

535 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 01:42:01 ID:UjISj2sI
>534
何が失礼って「言われた当の本人」を無視して騒ぎ立てるくらいの失礼は無いだろう。
いいからちょっと黙れ。

536 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 01:53:18 ID:2OAOHjXZ
>>535
>>532で空気悪くしてるから黙ろうと宣言した矢先に>>533に話振られたから返しただけですが、なにか?

不毛だからこれ以上は黙るけどね。

537 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 01:56:25 ID:UjISj2sI
空気悪くしてる自覚があるのに煽り返しとか……お前さんが人にどうこう言う資格は無いな。

538 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 02:11:57 ID:M9PxhxpJ
ぶっちゃけアニキャラ板なのにきっと中の人がダイス振って(ry
なんて話されても、どうなのそれ?と思うアニメから入った人もいます

539 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 02:12:29 ID:nUFVtm22
PCがプロバイダ丸ごと規制に巻き込まれたので手短に

536みたいなのと卓ゲってくくりで一緒くたに扱われたく無いわ。
無神経にも取られかねない事書くな
と書いてる本人が脊髄で無神経なレス書きまくるとか勘弁してくれ、恥ずかしい

540 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 02:43:26 ID:E88McbpM
>519
その5スレ目の173っていうのは、
「実際にダイスを振って決めました」という報告ではなく

なんでこんな無茶なことに! まるでS=FExの2時間コースじゃないか!
そうか、きっとExチャートを振ったからこんなことになってしまったに違いない!!

っていうノリのレスなんだと思う。

541 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 05:43:23 ID:RkFdUGnR
お子ちゃまID:2OAOHjXZが、俺がいやだからイヤなんだ、ウワーンとわがままで
荒らしまくってたんだな、そんなわがままを許すのは自分のママだけと理解できないと、
将来は真っ暗だな


542 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 07:06:16 ID:fNSuSYqU
>>540
実際、他の書き手さんがどんな無茶振りをしてくるのか
予測困難だった、って意味じゃあ、確かにExチャート染みてた
からな、あのリレーの勢いはw
しかもあれ、余所で事前に展開打ち合わせとか全くしてないんだぜ?
某魔法少女スレの如く「まとめ収録済みの既存投下作品に
登場しているキャラ限定」って縛りも無くて、正に「行き当たり
ばったり」って単語がぴったりだったかんな。
そんな環境の中で、先の投下からネタの拾い合いして
何とかストーリーとして纏めて完結させた当時の参加書き手陣は
やっぱ凄いわな。卓ゲ的にはエンターテンメント精神溢れる良GMってトコか。

543 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 08:51:36 ID:dZuFe01C
イメージ的にはGM持ち回りキャンペーンかな?
でも他の人が出したキャラ使うときはかなり気にしたよ。
他の人が出したキャラを使いきっていいとか、使っちゃダメとかリレーSSスレなら大体スレルール
で決まってるのに、完全に行き当たりばったりだったからね。
誰かが「俺の出したキャラ勝手に使うな」とか言い出したら挫折してたかもだし。
その辺含めて他人の無茶ぶりを消化しあってさらなる無茶を目指すく卓ゲらしさだったかもしれない。

544 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 10:49:28 ID:rOiP8JU+
まぁ、SS目的で読んでるのに、中の人が(ry
とかやってセッションノリになられても冷めて困るんだけどね

つか、曲がりなりにもアニキャラ板だろ、ここ

545 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 11:21:35 ID:E88McbpM
>544
>中の人が(ry

大丈夫、お前さんのような意見は珍しくない。多分。

ただほら、マンガでもたまに作者が登場したり、担当編集者が出てきたりすることってあるじゃない?
ああいうメタ視点なジョークの1つなんじゃないかな、と思ってる。
実際、プロが書いた市販のノベルにも、TRPG的なジョークが散りばめられていたことだってあるから。
もちろん、やりすぎると逆効果だけど。


546 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 11:31:31 ID:BuKp6pnd
ココロのExパラメータ表。
……ふと、そんな単語が脳裏を。

547 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 13:28:38 ID:iPU7uU/G
少なくとも「無神経」だとかの感情論は男相手には理解してもらえないよ

548 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 14:58:32 ID:McZ8Xc3S
53ほど新着レスがあったから作品がうぷされたと思ったら違ったか

オリキャラ主人公が地雷なら、オリキャラ脇役ならいけるかもしれないなと思ったりした
出番を少なくして活躍は出張らず戦闘力が主人公ほど強くないにするだけで変わるかもしれない
他人が知らない作品の知らないキャラはオリキャラと変わらない気がするが気のせいにしておこう

549 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 15:02:38 ID:PrNY3BbW
オリキャラボスは話の組み立てによってはあった方がいいだろうな
クロスさせる時期を考えると舞台とする世界の敵として出てくるキャラが軒並みやられているって時期もあるだろうし

550 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 15:03:59 ID:E88McbpM
>549
ラスボス倒したあとのゲーム世界とかなw
まあ、なんとでもなるっちゃなるんだが

551 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 16:39:39 ID:ULp0tRLZ
>>548-550
>>1のテンプレで既に「脇役に納まってるならオリキャラ出演もおk♪」
って明言されてるしなw
リレーでの件と言い、此処迄敷居低くして間口広くしたクロスSSスレ
ってあんま無いんじゃね?
ま、初期テンプレ作成した御人がアニメNW!がマイナーに
在り続けるのを予測加味した上での配慮かも知れんが
・・・・・・畜生、二期放送が実現してくれれば・・・・・・。 orz

552 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 18:37:20 ID:qQ38t13q
むしろ、オリキャラゼロだと辛くね?

作品ジャンルにもよるけど、被害者役を原作由来のキャラにさせるのは賛否両論ありそうだし。
少なくともうわーだめだー要員はモブキャラという名のオリキャラじゃないとダメだしな。

要するに、二次創作なら原作キャラがきちんと活躍してればいいと思う。
クロスの場合はこれに「両作品のキャラが平等に」っていう条件が増えるわけで。

553 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 18:47:40 ID:ZYQWepBZ
>>552
基本的に俺キャラ主人公が敬遠されるだけで
設定されてる人物の穴埋め的なオリキャラは居ると便利だと思われ

554 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 18:59:41 ID:yCzG9hkF
オリキャラ主人公が地雷だとよく言われるのは「オリキャラだから駄目」なんじゃなくて
「オリキャラ主人公を目立たせるために版権キャラを踏み台にするSSを書く奴が多い」から
なんだよなぁ。
オリキャラ主人公でも他の主役級のキャラをきっちり立ててやればいいわけだ。


オリキャラ主人公SSじゃないが「白き異界の魔王」なんかはそこらへんの配分が上手いな。

555 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 19:15:41 ID:E88McbpM
ロンギヌス高橋とあロンギヌス田中とかロンギヌス鈴木とかロンギヌス佐藤とか、神聖騎士団員ジョージとかたくさん作って
次の段落にて1行くらいで殺っちゃう☆のも、それはまた風情。

556 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 19:27:25 ID:PrNY3BbW
なんて便利なんだナイトウィザード

557 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 19:39:34 ID:r+sq5Sy/
ロンギヌス隊員の覆面座談会なら、いくらでもオリキャラ出せそうだけどな

558 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 20:11:39 ID:HwL1tkiX
馬鹿オメ−らこのスレにはちゃんと一番人気のオリキャラいるじゃん。
それも主人公で。

居酒屋ろんぎぬすのマスター

559 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 20:16:12 ID:fU+DQxM1
え? ろんぎぬすのマスターって春日恭二だろ?

560 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 20:43:54 ID:FTmFvrIV
うむ、ダブルクロスのキャラだな

………親和性高すぎてナイトウィザードキャラでないことを忘れがちになるから困る

561 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 20:46:11 ID:dZuFe01C
最近、CVがナギーだと判明したしな

562 名前:ネギま!×ちびらぎの人:2009/02/22(日) 22:07:16 ID:GzP3WsAh
前回からだいぶ間が空きましたが、ようやく投下できます。
ネギま!×ちびらぎ、1話エンディングです。
五分後ぐらいから投下しますー。

563 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:10:08 ID:McZ8Xc3S
>562
久々におつ

564 名前:ネギま!×ちびらぎ 1話 エンディング:2009/02/22(日) 22:12:03 ID:GzP3WsAh
突然麻帆良の地に現れた少年、柊蓮司。

アーティファクトらしい剣を使い、いくら封印状態にあるとはいえ、エヴァンジェリンと茶々丸の二人を相手に互角以上の戦いをやってのける。

それでいながら、魔法使いの常識を知らない。
いや、本人は知っているつもりのようだが、明らかにおかしいことを言う。


彼曰く。

異世界からやってきた。

彼が元々いた世界は魔王に狙われていて、さきほど麻帆良で暴れていたのも魔王である。

彼はそういった魔王とその手下と戦う魔法使い(ウィザード)である。

これでも実は高校三年生である。

小学生に見えるのは、年齢が下がっているからである。


――以上の発言と情報から、学園長は一つの結論に達した。


――――柊蓮司はいろいろ可哀想な子である。主に頭とか。


*****


魔王を撃退した十分ほど後。

柊はエヴァンジェリンと学園長の二人に、必死に事情を説明していた。

自分がここに飛ばされるハメになった経緯であるとか、ファー・ジ・アースのこと、ウィザードのこと。

柊はできるかぎり理解してもらおうと説明するのだが。


魔王のロリ発言のせいでわかりやすいくらいに機嫌の悪いエヴァンジェリン。

柊の見た目が子供なせいか、発言の内容が突拍子もないせいか、あまり話を信じていなさそうな学園長。

「そうか、異世界の高校生か、すごいのう」

などと、なんとなく生温かい口調の台詞に柊もちょっと涙目だ。



565 名前:ネギま!×ちびらぎ 1話 エンディング:2009/02/22(日) 22:13:03 ID:GzP3WsAh
「で、あの変態はなんだ」

「だから本人が言ってた通り魔王だって」

「あんな魔王がいてたまるか! 貴様、大概にしろ!」

「だーっ、もう、俺だってあんなのが魔王なんてイヤだよ!
 それでも実際魔王なんだよ!」

「変態が過ぎて魔王と呼ばれているとかその程度だろう!」

「ちげーよっ!?」

「だいたい、貴様の話からしてうさんくさい。 魔王がそんなにゴロゴロいる世界があるかっ!
 毎週のように世界の危機が起きているとでも言うつもりか!」

それでだいたいあってる。

「いや、実際雑魚魔王とか割といるからな……」

「なんだその雑魚魔王というのは!? 雑魚だったら魔王ではないだろう!」

「いるもんは仕方ねえだろ!?」

「そうかそうか、柊くんは魔王を退治する勇者なんじゃの。すごいのう」

「その可哀想な子を見るような視線と台詞やめろっ!
 それに俺は勇者じゃなくて魔剣使いだ!」

「そうかそうか」

「じーさん、わかってないだろ!?」

「いやいやわかっておるとも」

明らかにわかっていない口調である。

「ああああ、もう、これだから異世界はっ……!」

あまりの話の通じなさに柊が嘆いたところで、柊の0-Phoneが鳴った。
肩を落としつつポケットから0-Phoneを取り出し、ディスプレイに表示された名前を見る。
この状況で連絡をしてくるであろう人物は一人しかいない。

「――アンゼロットからか」

うんざりした表情0-Phoneを開くと、0-Phoneの画面から光が溢れ、空中へとアンゼロットの姿を映し出した。

『魔王に逃げられた柊さん、お疲れ様でした♪』

しかも勝手に通話状態になっている。
もちろん、通常の0-Phoneにはこんな機能はない。

「なんでもう逃げられたって知ってんだっ!?
 っていうか俺の0-Phone勝手に改造するなよっ!?」



566 名前:ネギま!×ちびらぎ 1話 エンディング:2009/02/22(日) 22:14:38 ID:GzP3WsAh
『こちらからの観測で時空の安定が確認されない間は、魔王が倒されていないとわかります』

「改造はスルーかよ。
 ……でもまあ、確かに――」

アンゼロットの正論に柊も頷きかけるが、

『そちらの音声も多少拾っていましたが』

「って盗聴じゃねえかっ!?」

結局、悪びれないアンゼロットの台詞にツッコミを入れる。

『まあ、相変わらず失礼な人ですね、柊さん。
 せっかく一人で異世界に放り出された小さい柊さんのために――』

「小さい言うなっ! だいたい、誰が原因だと思ってんだ!」

『もちろん魔王です』

「…………」

笑顔でさらりと言い放つアンゼロット。
実際、あの魔王が居なければこんな目にあわずに済んだのは確かだが。

「……おい、そいつはなんだ、柊蓮司」

エヴァンジェリンが立体映像のアンゼロットを睨みながら言う。
そいつ呼ばわりされたアンゼロットは笑顔でエヴァンジェリンの方を向く。
その表情は確かに笑顔なのだが、目はまったく笑っていない。

『ああ、そちらの失礼な方がその世界の原住民なんですね、柊さん』

原住民の部分を強調してアンゼロットが言う。
その言葉にエヴァンジェリンも不敵に笑う。

「ふん、貴様も異世界がどうとか言い出すクチか?」

小馬鹿にしたように言う。
そして睨み合うアンゼロットとエヴァンジェリン。
何故か火花が飛び散り、嵐をバックに竜虎が咆吼する幻影が見える。

『どうやらこちらの事情を理解してもらえていないようですね……。
 これも柊さんの説明がヘタなせいですね。説明下手男。
 やはり、「下」という文字も入っていますし、柊さんがいろいろ下手なのは仕方ないのですね……』

「って俺のせいかよ!? しかも下のせいで下手とかどういう理論だっ!?」

柊がつっこみを入れるが、二人ともそれが聞こえていないようにスルーした。



567 名前:ネギま!×ちびらぎ 1話 エンディング:2009/02/22(日) 22:15:48 ID:GzP3WsAh
「ふ、ならば貴様に説明してもらおうか。
 納得のいく説明ができるのだろうな、小娘」

と、挑発するようにエヴァンジェリンが言えば。

『ええ、もちろんです、六百歳の幼女さん♪』

アンゼロットもそれに笑顔で応じる。
そのあたりの台詞もばっちり盗聴していたらしい。
そうしてまた火花を散らし睨み合う二人。
0-Phoneを持っているせいでその睨み合いを間近で見る羽目になってしまった柊は、ちょっと表情が引きつっている。

「――まあ、説明してくれるだけマシか……」

そう呟いて自分を納得させようとする柊。

『それではいきます。えーい、安直魔法かくかくしかじか〜♪』

「まて、それは説明じゃないっ!?」

いや、効果は似たようなものだけど。

立体映像のアンゼロットが人差し指を軽く振るうと、星が飛び散る演出と共に妙にリリカルな効果音が流れる。

「…………」

「…………」

無言のエヴァンジェリンと学園長。

「……さすがに0-Phoneごし――というか異世界まで魔法を飛ばすのは無理があったんじゃないか、アンゼロット」

黙ったままの二人を見て柊が言う。
だがアンゼロットは笑顔を崩さず、自信満々の口調で言った。

『大丈夫です、ロンギヌスの技術は日々進歩しているんですよ。
 先ほどの効果音と演出も完璧だったでしょう?』

「そっちかよっ!?」

そんなやりとりをしている二人の方を向くエヴァンジェリンと学園長。
いや、二人の方を見ているというよりは柊の方を見ている。

「なるほど……下がる男」

「そういうことか……下がる男」

納得したように言う二人。

「まてっ、なんだその語尾はっ!
 何に納得してんだっ!? ていうかむしろ何を説明したんだアンゼロットォ!?」



568 名前:ネギま!×ちびらぎ 1話 エンディング:2009/02/22(日) 22:17:10 ID:GzP3WsAh
両手で握った0-Phoneを上下に振りつつ叫ぶ柊。
立体映像を投影している0-Phoeが振られているのにアンゼロットの姿はまったくぶれない。
にっこり微笑んでアンゼロットは言った。

『もちろん“柊さんの事情”です』

「……それは俺がここに来ることになった経緯って意味だよな?」

『“柊さんの事情”です』

「…………」

『“柊さんの……”』

「もういいよっ!?」

同じ言葉を繰り返すアンゼロットに柊はいろいろと諦めた。
明らかに余計なことまで知られているのだろう。主に下がるとか、下がるとか、下がるとか。
落ち込む柊の肩をエヴァンジェリンが軽く叩く。

「なに、安心するがいい。貴様の言ったこと、信用してやろうじゃないか……下がる男」

「だからその語尾やめろよっ!」

「なに、気にするな……下がる男」

魔王(と書いて変態と読む)のせいで溜まったストレスを発散するように柊で遊ぶエヴァンジェリン。
異世界に行っても『下がる男』という通称からは逃げられない柊だった。
……どちらかというと、アンゼロットから逃げられないと言う方が正しいのかもしれないが。

「ふむ、しかし異世界が存在するとはのう……悪かったの、柊くん。てっきり頭の可哀想な子と思っておったわい」

髭をなでながら学園長が言う。悪かったと言っている割には口元が笑っているが。

「そんなこと思ってたのかよ……」

がっくりと肩を落とす柊。
ファー・ジ・アースにおいては頭が悪いと連呼されていた柊であったが、麻帆良へ来て頭が可哀想に進化しかけていたらしい。

「今でも可哀想な子であることには変わりないがの」

「なんでだよっ!?」

「自覚してないんじゃのう……」

「その憐れむような目やめろよっ!」



569 名前:ネギま!×ちびらぎ 1話 エンディング:2009/02/22(日) 22:18:36 ID:GzP3WsAh
『まあ、いつも可哀想な柊さんはおいておきまして。
 事情は理解していただけたと思います。
 つきましては、そちらへ飛ばされた魔王の件ですが……』

アンゼロットの言葉に学園長が頷きながら返事をする。

「ああ、例の魔王じゃな。
 一定年齢以下の者にしか傷つけられないとは……こちらとしても協力はしたいのじゃが、その条件は厳しいのう……」

「ふん、私は手を貸すのはかまわん。
 アレは完膚無きまでに叩き潰さないと気が済まんからな」

悩む学園長と違い、エヴァンジェリンは即決で協力すると宣言した。
よほど魔王の発言が頭に来ているらしい。

「……それと、学園側からは私以外誰も出す必要はない。むしろ出すな」

エヴァンジェリンが学園長を睨みつけながら言う。

「エヴァ?」

「私と茶々丸と、おまけにそこの柊蓮司で十分なんとかなるだろう。
 それでいいな、柊蓮司」

おまけ扱いされたあげく、いきなり話をふられた柊は目を丸くしている。

「お、おまけってなぁ……。
 まあ、元々一人でやれって話だったからそれはいいんだけどよ。
 他の協力者を断る必要はあるのか?」

その柊の言葉にエヴァンジェリンはバンと机を叩いて怒鳴りだす。

「大有りだ! いいか、考えても見ろ!
 他の連中を連れてまたアレに遭遇して……またあんな事を言われたらどうする!?」

「アレって魔王のことか? あんな事っつーのは……ああ、六百歳の幼女とか――」

「口に出すな、忌々しい!
 ――あんなことを他の連中の前でぶちまけられてみろ、私の名に傷が付くではないか!」

プライドの高いエヴァンジェリンとしては、あんなやつに幼女扱いされるところを見られるなんてことは恥をさらすことと同じである。
特にエヴァンジェリンの正体を知る魔法使いたちになど見られたくない。

『まあまあ、大丈夫ですよ。
 貴女の二つ名に≪永遠の幼女(エターナル・ロリータ)≫が追加される程度です♪』

楽しそうに余計なことを言うアンゼロット。
実際にそう呼ばれることを想像したのかエヴァンジェリンは怒りで顔を赤くする。

「勝手にそんな二つ名を増やすなッ!
 とにかく、他の連中は絶対に同行させん! いいな!」



570 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:19:52 ID:2OAOHjXZ
支援?

571 名前:ネギま!×ちびらぎ 1話 エンディング:2009/02/22(日) 22:20:37 ID:GzP3WsAh
「む、むう……ワシとしては他の先生方とも話し合って方針を決めたいのじゃが……」

「いらんと言ったらいらん!
 ジジイ、貴様は情報だけこちらに渡せばいい。
 後はヤツが余計なことを言う前にひねり潰す……!」

変な二つ名を付けられかねない危機感からか、いつも以上に殺気の籠もった口調になっているエヴァンジェリン。

「わ、わかった。この件はエヴァと柊くんに任せるとしよう」

学園長の言葉にそれでいいとばかりに頷くエヴァンジェリン。
その様子を見ていたアンゼロットが微笑む。

『――話がまと……って良か――』

「アンゼロット?」

安定していたアンゼロットの映像と音声がぶれ始める。

『また――空……不安定――った……』

「おい、アンゼロット!?」

ノイズがのったテレビのように映像がぶれていく。

『……にか――ば連絡……ッ――』

そして音声は途切れ、映像はブラックアウトし――『視聴できません』という白文字だけが浮かび上がった。
音声もツーツーという電子音だけになっている。

「――ダメだ、完全に切れちまったみたいだ」

柊はしばらくいろいろと0-Phoneを操作してみたが、アンゼロットへと回線が繋がることはなかった。
諦めて0-Phoneを閉じてポケットに押し込む。

「ふむ……時空が不安定ということだったのう。今日はもう夜も遅い。
 続きは明日としよう。明日になればまた時空も安定するかもしれん」

「そうだな。さすがに疲れた……」

思えば、朝からほぼ戦うか気絶するかのどちらかである。
年齢が下がっているとはいえ体力は本来の年齢のままだが、それでも十分疲れが溜まっていた。

「帰って休むか……って、帰れねえんだよな。
 まあ、最悪野宿でいいか……」

「い、いや、学園の中で野宿されても困るんじゃが……」

学校の敷地内で野宿する見た目小学生、中身も未成年。
どう考えても休んでいる途中に補導されるだろう。
ついでに学園のイメージ的にも、教育的にもよろしくない。



572 名前:ネギま!×ちびらぎ 1話 エンディング:2009/02/22(日) 22:21:22 ID:GzP3WsAh
「エヴァ、今日は柊くんを泊めてやってくれんかの?」

「私の家にか?」

面倒そうに言うエヴァンジェリン。

「空いている寮の部屋にでも押し込めればいいだろうに……」

「そう言われてものう。明日から新学期じゃからどこも満員じゃよ」

「チッ――面倒な――」

「下手に他の者にまかせてあの魔王のことがもれても困るじゃろ?」

断る口実を考えていたエヴァンジェリンだったが、その一言に凍り付く。

「エヴァ以外のところに泊めるのなら、事情ぐらい説明せんとまずいからのう」

別に事情を説明せずとも子供一人を泊めるぐらいはできるのだが、学園長は言外にそうするならそのあたりのことをばらすと言っているのだ。

「ぐっ――いいだろう。寝床ぐらいは提供してやる。
 ジジイ、電話を貸せ、茶々丸に連絡する」

そう言って学園長の返事を待たずに机にある電話を手に取る。
なんで私が、などとぶつぶつ呟いている。

「茶々丸ってあのロボの子だよな?
 エヴァンジェリンと一緒に住んでいるのか?」

電話しているエヴァンジェリンの邪魔にならないように少し抑えた声で学園長に訊ねる。

「ああ、彼女はエヴァの魔法使いの従者(ミニステル・マギ)じゃよ」

「みにすてるまぎ?」

聞き慣れない単語に首をひねる柊。

「ああ、こちらのことはまだ説明していなかったのう……明日はそのあたりも含めて話しをするとしよう。
 柊くんもこちらのことがわからないと困ることもあるじゃろう」

いくら協力者がエヴァンジェリンだけだと言っても、麻帆良学園やこちらの世界のことも知らなければ困ることも多いだろう。
ここでトラブルを起こさないためにも説明は必要だ。そう思い柊も頷く。

「ああ、そうしてくれると助かる。今日は俺の方ばっかり話してたからなあ」

「そうじゃの。おかげで“柊くんの事情”はよくわかった」

「蒸し返すなよっ!?」

「ふぉっふぉっふぉ。細かいことを気にしていると大きくなれんぞ、柊くん」

「嫌味かっ!? 俺の年齢わかってて言ってるよな!?」

「はて、なんのことかの? 柊くんは見た目が小学生な高校生じゃろ?」

「んなわけあるかっ!」


573 名前:ネギま!×ちびらぎ 1話 エンディング:2009/02/22(日) 22:22:15 ID:GzP3WsAh
「……何を騒いでいるかと思えば。漫才か?」

受話器を置いたエヴァンジェリンが呆れたように言う。

「漫才じゃねーよっ!」

学園長に遊ばれていた柊が叫ぶが、エヴァンジェリンは興味なさそうに扉の方へ向かう。

「ふん、そんなことはどうでもいい。話はついた。行くぞ、柊蓮司」

何故かさきほどまでとは違い、楽しそうな口調のエヴァンジェリン。
それを柊は不思議に思ったが深く考えないことにした。
――何かを企んでいる時のアンゼロットの笑顔と同じような雰囲気を感じたが、気のせいだろう。
そうして退室しようとする二人へと学園長が声をかける。

「ああ、柊くん。明日の午後、またここに来てくれい。
 エヴァも身体測定が終わったら来てくれるかの」

「ああ、わかった」

「ああ――ほら、トロトロしてないでさっさと着いてこい!」

エヴァンジェリンは立ち止まっていた柊の袖を掴み、せかすように引っ張った。

「わ、わかったから引っ張るなっ!」

そして柊は引きずられるようにエヴァンジェリンに連れて行かれた。


*****


「……なあ、エヴァンジェリン」

「どうした、柊蓮司」

「――これはなんだ?」

「お前の寝床だ」

「どう見ても犬小屋じゃねーかっ!?」


574 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:23:20 ID:AAoOatk4
支援


575 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:23:52 ID:McZ8Xc3S
ここで支援ですとも!

576 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:26:57 ID:PrNY3BbW
安直魔法の恐ろしさよく分かった

577 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:28:31 ID:2OAOHjXZ
……やっぱり規制引っかかったか、ここ支援少なすぎるんだよね支援

578 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:35:29 ID:PrNY3BbW
他のSSスレに比べて住人少なそうだからしかたない

579 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:37:30 ID:nUFVtm22
>577
まだ荒らし足りないのかお前は
他人に文句付けてる暇があるなら3倍ぐらい支援してろ空回り


本文投下終わってる気がするんだが支援って言うのかねこれは

580 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:37:40 ID:2OAOHjXZ
さて、解除狙いでもう一丁支援!

581 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:53:49 ID:Q91Ttgfa
支援序でにちと相談。

今回みたいに規制対策の為に、外部に投下代理依頼スレ
作った方が良くないかな? 他の2ちゃんに根を下ろしてる
SSスレみたいに。

因みに、リンク置き場はまとめWikiが適してるんじゃないかな?

582 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:57:45 ID:Q91Ttgfa
>>579
締めの今回後書きが書き込まれるまでが投下さ!
と云うのが2ちゃんでのSS投下の不文律だと思っていた
のだけれど、どうかな?

と、支援!

583 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 22:58:23 ID:qQ38t13q
>>582
だいたいそんな感じじゃね? 支援

584 名前:ネギま!×ちびらぎ 1話 エンディング:2009/02/22(日) 23:00:26 ID:GzP3WsAh
柊の前にあるのは大型犬用ぐらいのサイズの犬小屋だった。
ちゃんと『ひいらぎれんじ』とネームプレートまでついている。
茶々丸が周りの余った木材や工具を片付けているところを見ると、作りたてのようである。

「わざわざ茶々丸に用意させたんだ。感謝しろ」

「そんなものわざわざ用意するなよっ!
 使ってない部屋を貸すとか、そういう選択肢はないのか!?」

「ない!」

エヴァンジェリンは即答した。

「その方が面白いからな!」

仁王立ちして胸を張って言う。そのまま高笑いする姿は、間違いなく悪の魔法使いであった。
――やっていることは悪の魔法使いらしいと言えるかは微妙だが。

「なんでどこに行ってもこんなやつらばっかりなんだああぁぁぁぁ!」

そんな柊の叫びと共に、麻帆良での初日は幕を閉じたのだった。



585 名前:ネギま!×ちびらぎの人:2009/02/22(日) 23:01:21 ID:GzP3WsAh
以上、1話エンディングでした。

まさかラス1でさるさん喰らうとは……
そんなに長くないはずなんだけど。
支援足りないというより、いつもより1レスごとの投下間隔短かったからそのせいだと思います。

次回2話からは本格的に麻帆良側のキャラが出てくる予定です。
出るキャラはだいぶ趣味に走りそうな感じですが。
今回は忙しくてなかなか投下できなかったけど、次回は早めに投下できるといいなあ。


だいぶ遅レスですが。

>保管庫の方
あのオープニングは1話のオープニングです。
グランドオープニングはあえていうなら1話がまるごとそうだともいう。


おまけ。一話に関する蛇足。
・年齢詐称薬は幻術の一種らしいので、世界律を突破できない。
・アンゼロット謹製の柊の年齢を下げている薬は、柊の柊力を強制的に発動させて、肉体年齢を下げているので世界律を突破できる。
・エヴァは十歳で吸血鬼になったらしいので、肉体年齢はそこでストップしているから世界律を突破できる
・魔王はなんか麻帆良周辺をうろついてた適当な人間からプラーナを吸収したっぽい。名も無きエリート魔法先生が「うわー、だめだー」かもしれないし、名も無き悪い三下魔法使いが「へっへっへ、この程度のやつに俺様が負けるわけがぐわあああ」かもしれない。

586 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:01:49 ID:HwL1tkiX
>>581
つうても現実問題として規制対策するほど頻繁に長編とかこないからな。
このまったりペースのスレが好きな身としてはわざわざ外部ってのはちょっとねぇ。

587 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:03:42 ID:Q91Ttgfa
>>586
了解。
今回はあくまで自分一人の提案ってだけなんで、
真に必要性に迫られるまではスレ懸案としては保留って事で。

588 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:06:53 ID:HwL1tkiX
ちびらぎの人乙です。やはりこの鉄板オチがまっていたかw
意地悪そうに笑うエヴァの絵が容易に想像できるぜ。
さて二話で一体誰が出てくるのやら妄想が膨らむが口には出さず楽しみにしてます。

589 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:07:19 ID:qQ38t13q
>>585
GJ! 下がる男の扱い、今回はとみに悪いですねぇいいぞもっとやれww

アンゼとエヴァ、案外気が合うんではなかろーか。
柊涙目じゃ済まないけどw

590 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:08:02 ID:Q91Ttgfa
>>585
GJ! 良い感じにちびらぎが麻帆等の空気に取り込まれて来ている!w

じっくり待ちますんで、あまり拙速には傾かない様にして。
次回も期待しています♪

591 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:17:49 ID:ijn/dG48
>>585
投下乙!
しっかし、相変わらず柊は味方からの扱いが酷いなぁ。
この作品に限らず、魔王よりも味方から受けた(精神的な)被害の方が大きいんじゃなかろーか?
誰か、柊にまともな仲間を! 具体的には、有能なディフェンダーとファンブルしないヒーラーを! 誰か!


592 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:24:53 ID:jRyHgqp3
>>591
ディフェンダーなら、アニメ版ドルアーガの塔のジルを推すな。
楯展開した時の奴の守備力は半端じゃ無ぇ。
ヒーラーなら、しゅごキャラ!の雛森あむ(アミュレットクローバー)を推す。

593 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:28:16 ID:PrNY3BbW
ジルにあむに柊……なんだその気苦労戦隊は

594 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:34:59 ID:jRyHgqp3
>>593
見るからにお人好しユニット、とも言えるなw
後、お人好しそうなキャスターと言えば・・・・・・先の投下作品の
原作主人公たるネギ・スプリングフィールドが最有力か、やっぱ?

595 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:36:03 ID:dAozEtjU
ジルと柊は、いいコンビになりそうだと前から思ってた。
目の前の困難に肩をならべて果敢に挑む二人
お人好しで困ってる人間を見捨てられない二人
攻める柊と守るジル
ボケるジルとツッコむ柊

596 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:43:21 ID:dAozEtjU
すまん二つ忘れてた

>>585乙!
なんというか、エヴァがツンればツンるほど、後で柊無自覚フラグゲッターが発動しそうでw

>>595に追加で、
何かやたらと不幸な役回りなのに本人に自覚がない二人

597 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:50:46 ID:GivJVAz+
ふと思いついたもの。

柊蓮司と上条当麻と阿良々木暦でフラグブレイカーズ。
3人ともツッコミ属性+フラグブレイカー。

他に柊蓮司と北野誠一郎と高須竜児が出会ったらと言うネタで、
一見不良、実は・・・というので考えたけども柊は自称不良だから成り立たないのに気づいてボツw

598 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:54:55 ID:E88McbpM
メールで携帯電話に転送して、そっちから書き込むという方法もある。
同時に規制される可能性は割と低い。

599 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 23:58:21 ID:jRyHgqp3
>>597
へ?

 ●健康体の癖に、長期休学歴有り。
 ●緊急早退、突発欠席は当たり前。
 ●中学時代は一応喧嘩で鳴らしている。
 ●同級女子と短期間とは云え同棲経験有り

・・・・・・普通の第三者から見れば立派に不良学生じゃあないか、柊蓮司はw

600 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 00:14:30 ID:2DEwLZKP
不良品の学生だな。

601 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 00:27:31 ID:0MIKfXes
>>599
あれ?

>  ●中学時代は一応喧嘩で鳴らしている。

これはどっかに記述あったっけ?

602 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 01:05:50 ID:MFQnM8um
>>597
マララギさんを投入すると文体とかいろいろなあ・・・


603 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 11:13:30 ID:yqzXqMUk
このままじゃ、墜ちるぞ!

604 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 12:06:17 ID:8QiYioSG
>>599
他の2人は不良と呼ばれると否定するが、
柊蓮司は不良と呼ばれると感動するじゃないか。

いや、北野誠一郎を知らないから憶測なんだがw

605 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 12:25:17 ID:fmTD38xI
北野誠一郎君は見た目が怖いだけで人格はマジ聖人ですじょ。
見た目はマジ怖いけど。極度に興奮するとうまく舌が回らなくなって怪鳥の様な雄叫びをあげるけど。

606 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 17:33:30 ID:8UwxRN8w
>>601
あれ? 自分が二次でのエピソードとごっちゃにしてかな?

まぁ、此処から先は妄想だけれど、中学時代辺りから喧嘩慣れ
でもしてなきゃあ、幾等魔剣手に入れてウィザードとして覚醒しても、
いきなり前衛出て化け物(エミュレイター)相手に戦おう
なんて度胸着かないっしょ?

それとも、柊の「ワークス:不良学生」はウィザード覚醒後からの
『高校デビュー』なのかな?w

607 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 17:38:57 ID:8b3ri+u7
>597
フラグブレイカーズの中に一人裏切り者が。

608 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 19:32:38 ID:y9ffC2ml
>>591
幻砦で何の脈絡もなくその場のノリで人間砲弾として発射されたのはよく考えたら酷かったなwww
本当に骨折り損のくたびれ儲けだったww

609 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 21:22:16 ID:W+gWYNY3
元々、それほど強くないってのに、毎度毎度、あれこれハンデ付けられるわ、パーティはディフェンダー&ヒーラーが(事実上)不
在の歪な構成か単独任務だわ。
報酬は貰ったことがなく、何度世界を救っても世界結界弱体化&新たな敵の襲来で戦局は悪化する一方。
日常の象徴だった幼馴染は、いつの間にか非日常の象徴ともいうべき世界の守護者にされてるわ、一度は救ったラース=フェリアは
その後で冥界落ちするわ、神殺しの魔剣で倒した筈のルー=サイファーは1年持たずに復活するわ。

本気で報われてないよね。


610 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 21:28:30 ID:2DEwLZKP
まあ、世界を救ったそばから次の危機、ってのは世界観的に仕方ないことなんだが……
とここまで書いて、救っても救っても滅びかける世界に疲れ果ててならばもう俺が滅ぼしてやるとか言い出すウィザードも出てきそうだなあと思った

611 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 21:34:13 ID:iCgWwU0p
>>609
復活しましたが幼女です、ってのは報い(ご褒美)な気がしないでもない

612 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 21:36:28 ID:mQ5RJxJM
ある意味ではデュランダル議長もといサイモンがそうだよな、俺が滅ぼす。
後付でのアレでちょっともにょるが。

613 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 21:36:47 ID:iCgWwU0p
>>610
世界を滅ぼすだけのエネルギー(やる気や能力)が余ってるなら
とっとと世界を救えよと、いいたくはなるな、疲れたならその疲れてるなかで
世界破壊の労力を使うなと、休んで気力を充実させてからまた世界を救うなり
自分以上に大変な柊でも見て生暖かく見守るなりしてれば良いんでね?

614 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 21:37:23 ID:+9qbQ7c6
>>610
何その3年前の俺のシナリオw

615 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 22:14:20 ID:KJJv8Ka5
>610
そして総てを破壊し、総てを?げ!になるんですねわかります

616 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 22:42:11 ID:W+gWYNY3
>>613
疲れたから、楽な方法で世界を救おうとするんだよ。魔王の転生体を覚醒前に殺すとかさ。で、柊に邪魔される、と。

どーもゲイザーがシャイマールの復活を図ったのは、ルーが倒されたから、らしい。
ゲイザーが倒れて闇界・冥界の封印が解けて冥魔が出てきたのとあわせると、柊の行動って問題を雪だるま式に膨れ上げながら先送
りしてるだけみたいに思えるんだよね。他にどーしよーもなかったんだけどさ。

柊なら、「俺が世界を救ったせいで、また別の世界の危機が起こった? なら、それも俺が防いでやるぜ!」ぐらい言うだろーけど、
それがまた次の危機を起こし・・・・・・つくづく報われないよなぁ。


617 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 22:45:42 ID:IM5oLUjT
というか、去年のクロスリレーじゃないが、
柊はこう、世界にとっての異物だよな
そのうちシン兄みたいなのがヒイラギと戦いたがりそうだ

618 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 23:02:58 ID:UG9wXRxW
やはりディケイド化しかないな。
ヒイラギライドゥ

619 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 23:04:50 ID:0iAOnqxA
つまり主八界の全ての世界が一つになろうとするんだな

620 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 23:45:08 ID:qgJASmnG
>>619
言いたいことは三つ
・そんなことをやっても卓ゲでやれで終わる
・それはクロスSSスレでやるよりも卓ゲ板作品スレ辺りに行った方がいい
・ボケにしてもお約束過ぎる

621 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 23:54:18 ID:IM5oLUjT
>>616
そういえば、そうやって世界の危機を救う柊を見送っているうちに、
柊が死んでしまって絶望した果てに英雄と呼ばれるほどに強くなった

英霊”クレハ”が、くれはを殺しにやってくる、というFateクロスネタを思いついたことがあったなぁ

形にはならなかったけど

622 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 23:59:02 ID:UG9wXRxW
ならば柊だけが時空振動弾の爆発に巻き込まれて多元世紀元年に行くというのは。
剣にスフィアが宿っちゃって、アサキムさんに絡まれたり、ランドと仲良くなったり、セツコにフラグ立てたり。
柊とアサキムさんの相性はどうなんだろうか?

623 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 00:01:17 ID:k12xnu6P
>>621
死んだくらいなら、そんな絶望して八つ当たりするより先に生き返らせる手段を考えるよーな?
カローンさんあたりの狭界に殴りこみかける勢いなり、死者蘇生のアイテムを探してくるなり
じっさい、柊もくれはも復活の前科もちだからなー

624 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 01:02:37 ID:rp3BUKLc
まあそういった弱い心が呼んだ世界の危機も乗り越えて今のファー・ジ・アースがあるんだと綺麗にまとめてみる

625 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 07:07:10 ID:Svsinf8j
絶望してたら主八界の住民はつとまらないからな

626 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 08:29:25 ID:IUkZfe6A
どこもかしこも復興速度異常

627 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 11:39:11 ID:cFI1+aB5
でもまぁ、第八世界なら世界結界が大体修正してくれる上に
いざとなればドラゴンボールのごとく、小さな奇跡でなんとでもなるから……

まぁ第三世界も住人が住人だし、第一世界は世界が世界だからなぁ

628 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 17:32:08 ID:QmXgQ5gy
>>622
時空振動弾の爆発20年後に元年って本気で寺田と名倉の後付け能力は劣化したと思った

629 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 18:41:03 ID:+B7FmUH+
>>623-625
まあ、そんなこんなでどんな理由をつけても「生き返れない方法がないなんてないだろ」って
ツッコミが入りそうで形にならなかったんだ

「そうよ、貴女は馬鹿で愚かよ!
 自分がひき止めもしなかったせいで柊を失ったのに、それを他人に奴当たった挙句、
 ”英雄”なんて存在にまで成り上がるのよ?
 は―――本当に馬鹿だわ。
 挙句に、”英霊”というシステムを利用してまで過去の自分に八つ当たりを
 しようとしてる、本当に救いようがない馬鹿で愚かで哀れな―――『私』」
 

みたいなネタがやりたかっただけだしなw
まあ、チラシの裏だ

630 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 18:48:26 ID:k12xnu6P
>>629
まーあきらかにありえないだろうね
よく考えれば、そのまま居座って柊に協力して
死しないよーにするほうが建設的だった気がつくだろーし

631 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 19:41:27 ID:p6kflU7d
転生してもう一度会うというのもできる世界だしな。

632 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 19:50:59 ID:k12xnu6P
にゃふぅの事かー!

幼馴染と死に別れて数十億年後の未来に
天使として生まれ変わって過去に戻って再会&記憶を取り戻すとかって
他の話だとふつーはないよな

633 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 20:05:21 ID:1A3i5kAV
>>626
あれぐらい復興力がないと古代神戦争で消滅してます

634 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 20:39:42 ID:DOvdRr5T
ちなみに一番簡単な蘇生方法はお空の上で笑ってるヴィオレットを呼びつけて《イドゥン》させること

635 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 20:48:35 ID:IUkZfe6A
それ1シーン以内に連れてこないといけないだろ

636 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 20:52:00 ID:gbTnxstL
>>635
アニメだとくれはが≪転生≫で蘇生してる(多分)から、何の問題もない。

637 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/24(火) 22:05:02 ID:AoDgCR3S
>>622
ゲーム本編の版権キャラと同様に柊がスパロボオリキャラの踏み台になる姿しか思い浮かばないよw

638 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 00:11:18 ID:16UWN1Dx
中二病に陥っていた頃の自分を版権キャラに茶化されなじられたりする主人公と、
うっかり版権のクライマックスイベントに居合わせてしまったために色々と限界突破した勇者ロボ軍団に半永久的にボコられるオリ敵とかがいることも忘れないであげてください…。

639 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 01:07:02 ID:yjX1N2jx
スパロボとクロスさせるなら「どういうロボに乗せるか」はわりと重要な問題だと思うので
柊に似合うロボはどんなんだろうと考えてみる


あえてビルトラプターで


【外道】

640 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 01:29:24 ID:T/HMeHNl
柊 「……上がる薬……?」

641 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 01:30:58 ID:XZHRuLub
柊はSSサイズの生身ユニットだろ
最大射程2で

ガンブルで空移動のあかりんが使い勝手良さそうだw

642 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 02:02:57 ID:HZKmRSVp
>>641
まあ正しく原作再現してるって言えるかもなw>あかりんの方が使い勝手がいい

643 名前:MSはマスタースクリーン:2009/02/25(水) 03:20:28 ID:13MkWEx4
とりあえずフォーチュンクエストネタで、


PC1:ベール=ゼファー
真PC1:ルー=サイファー
超PC1:パール=クール
裏PC1:リオン=グンタ

GM:アンゼロット



MS:柊蓮司


644 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 07:49:24 ID:b9VEafzX
FQRPGなら

ぱーるぅ:パール・クール
るーみぃ:ルー・サイファー
とりゃっぷ:ベール・ゼファー
くりぇい:モーリー・グレイ
きっとん:リオン・グンタ
のる:アゼル・イブリス

じゃないの? みんなでお面つけて。

なおGMはJB3世でおもいっきりデスダンジョン。

645 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 09:40:30 ID:VRP4kkv/
そこはJBのお面を付けたアンゼロットでいいじゃん。

…やぱpり、デスダンジョンなんだろうけど。

646 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 13:28:10 ID:WYmTR7wB
>>644
名前で決めてんだろうが、パステル役パールかよw

647 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 13:31:53 ID:eBZQFaEi
>646
いつも頑張る元気な娘って意味では共通してるぞ

648 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 13:32:55 ID:l2CN/P8t
やはり一度は超人ロックとのクロスだな。

649 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 14:18:34 ID:T/HMeHNl
>644

GM「なお、このダンジョンは狭いのでノルは入れない。」

650 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 16:57:38 ID:Xm+uiLU9
>>639
もう、柊搭乗のスーパーロボットはオリジナルで
<<魔剣使い仕様大型人型決戦箒 H-R・ZAPPER>>で良いじゃん。

因みに、H−Rは Hi_ragi - Renji の略。
(※敢えてNW!的に、日本名呼びのローマ字化にしますたw)

651 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 17:17:24 ID:eBZQFaEi
柊がZAPされました的な名前だな

652 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 17:25:07 ID:T/HMeHNl
ロボット?
HAHAHAHAHAHAHA

653 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 17:28:16 ID:OGu0Zs13
新規で作るより巨大メカヒイラギとかでいいんでない?(操縦者が不要な気もするが)

654 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 17:31:21 ID:eBZQFaEi
リベットうちか

655 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 17:31:32 ID:xutU4Xf+
んー、XBロボとか?
キュマイラ・ブラッグドッグロボ。

656 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 19:33:22 ID:WYmTR7wB
おとなりのさらにとなりの世界に鋼機という巨大ロボットがあってだな……

657 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 19:43:09 ID:pfEZKORQ
芳香剤の戦艦にのればいいじゃない

658 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 20:38:02 ID:V9Hk04uP
芳香剤の台詞をみる度に何故かマハラジャ様を思い出す

659 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 21:54:32 ID:hTyZFq+d
スーパー学園大戦とかどうだろう?

輝明学園、万色学園、熊本要塞、ザールブルグアカデミー、トリステイン魔法学校、蓬莱学園、真帆羅学園、光稜学園…
時空間の歪みにより普通じゃない人間たちが通う学校が一斉に一か所に転移してしまう。
そこは彼らの属するどの世界とも違う異世界。常識の通用しないこの世界でモンスターなどの脅威から生き残るために手を組む学園の生徒たち。
そして探索と友情の果てに明かされる秘密とかそんな感じの。

660 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 21:55:24 ID:eg1sOb5p
>>659
鎌倉の銀誓館がアップを始めたようです

661 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 21:56:47 ID:6eNdfT+i
そこまで入れてマジックアカデミーを入れ忘れるとは何事か!w

662 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 21:57:33 ID:dDmCLjdU
>659
「君たちは、番長学園にいる」

663 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 21:57:47 ID:eBZQFaEi
そこまで混ぜるとリレーじゃないと書けないな


664 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 22:05:56 ID:OGu0Zs13
規模が洒落にならないくらい大きい学園が混ざってるから
書ききるのはまず無理だろうなー
せめて一部の生徒、1学校5名程度ならかけそうだけど

665 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 22:13:16 ID:8DdlWqgL
アルレビス学園はだめか?

666 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 22:14:03 ID:yE0jGpS6
規模的に他全部合わせても蓬莱学園に飲み込まれるだろ。
あそこにはあらゆる物があったし。

当時の在校生、結構いるんじゃないか?スレ住人に。
うっかり当時のキャラ出すと「あ、それ俺だ」とかいうことになりそうな気が。
ハッタリは生徒会長を半年務めあげたんだっけ?

667 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 22:16:04 ID:hTyZFq+d
トリステイン、輝明学園、真帆羅学園、ザールブルグでジジイ四天王を結成する学園長たちw

668 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 22:25:50 ID:oearfBiR
>>659
神撫学園もありだな

669 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 23:16:11 ID:huVDCRU4
東京の半分の学園都市とリオフレードとエルクレストとクランプ学園を忘れるとは

670 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 23:31:29 ID:u42ZTGNy
ダイソードの九江州中学校も忘れないで(笑)
あと、HUNTEDじゃんくしょんの斉東高校もww

671 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 23:37:24 ID:OGu0Zs13
なんか、それだけカオスになると
一体どこの学校の何が原因でこんなカオスになったかが
心当たりがありすぎて解決が難しそうだなw

NW的には柊力で各世界との境界線が下がったとかで混ざりそうだがw

672 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/25(水) 23:44:16 ID:kTqI8aoE
無限学園も入れて欲しいなぁ。

何気に忍者とか魔女いるし。

673 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 00:01:04 ID:JbZgdASh
これは、あの怒涛の一週間のリレー合戦の再来、か……?

674 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 00:06:00 ID:O7UkXwRV
>>671
全ての学校に原因が有るってのが一番可能性高そうだ。

追加で夢境学園希望。

>>666
はっはっは、少なくとも此処に一人はいるぞ>在校生

675 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 00:09:27 ID:brZ68eyr
おいおい男塾を(ry

676 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 00:35:32 ID:77Brehcq
いや、単にネタ出してたらノっちまってるだけだろ。
SSが書かれる気配ないし

誰かが何か書き出せば始まる可能性はあるけど、式神みたくゴールがないから最終地点が難しいな

677 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 00:52:51 ID:iSENkmwD
じゃあ五重必殺学園と星鐵学院も
いれてくれない?

678 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 01:11:32 ID:8+2vSYVw
何故だか唐突に『学園世界』なる言霊が浮かんだ

あと冬木の穂群原学園とエンドラインのHF学園を混ぜようぜ

679 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 01:12:52 ID:wPmOwqJK
月臣学園とか聖創学院大附属高校とか

680 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 01:35:09 ID:77Brehcq
>>678
その穂群原はどっちの穂群原だ?

原作か?
それともインター杯に勝利の美酒なビッグベンエッジの闘将・黒豹女と
調理実習にキヤノンボールクラゲを持ち込む支配の王扇持ちの軍師的呉学人と
合い言葉は「昭和」な、怖い話マスター三丁目の夕日娘の三人娘がいる
エ○イチロー・マ○ンテクスチャなあれか?

681 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 03:21:44 ID:OJDKX1Pd
ただいま絶賛アニメ放送中な学園都市を。
しかし「学園都市」だと色んなとこと被りそうだ

682 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 03:33:32 ID:cHFFwdTP
ここまでの流れを見て思った事を言うぞ?


学校多すぎてもう何がなんなのかわかんねぇよっ!ww

683 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 03:45:08 ID:nHyb3C7z
一向にリプレイとか発売する傾向のない、まじしゃんずあかでみぃをおしてみる。

684 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 04:06:55 ID:Tzlse22U
学園が多すぎる

685 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 04:12:56 ID:3YPTASSY
           ,.. ィゝ-r,、.. _
          / r 、./ l -、 `ヽ
          /   ー' !  ! ー'   ヽ
        /       !  !       ゝ、
        (ヽ、 f ヽ!|  | f ヽ   ‐' ィ、         保   管
        (1`‐ 、 ニ ノ⌒ヽ ニ _ - '´ノィ
        l `ヽ、.  l   l ̄ _,.. - ´  !       ●月と星と柊と #10
        ヽ、   ` `ー´  ̄    ノ        ●だいすきなうた〜Project S.D. II〜 #05
        /`ヽ- _/ ! ヽ_ ィ ´_ゝ        ●よるのある風景 #05
    _ ,.、  / ̄ヽ  'ー ^ ー'   /´  l   _    ●ネギま!×ちびらぎ #01-ED
   l  7 l\| ,. --ヽr‐ ⌒ー〒/== 、 j ィ´ l「  l  ●>398 WORKING!!
.   l  l| || }/    ヽー‐ フ´    ヽ! ||  ll   |  ●>405 ぱすてるチャイム
   |  |l _ヽ !   _ ヽー/        | jノ  !  l  ●>408 中の人
   !  ! 〃ヽ| , イ-、 7トlニレ 7=,- 、 j |〃ヽ. |  |  ●>410 音楽系
.   |  || ト、ノ|Vir-、ヽj レ/ニト、 !ノ , -ヽ/ .|l _ノ !  |
.  └=ー‐ '´ ` =-ー'′ ヾ=ヽニ´'´`'┴-=='L=-'
      【 アッガイマッドマン(仮) 】


686 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 07:08:01 ID:xbgJJxt/
私立鶴ヶ峰学園はまだ出てきてないよな
コータローまかりとおるの

687 名前:とりあえずこんな感じでどうか:2009/02/26(木) 07:09:50 ID:RQLybs8h
突如起こった時空間の歪みにより起こった学園の一斉転移。
この異常事態に対抗するべく、彼らは手を取り合い、1つの組織が生み出された。

今回の騒動の大半を占める、学生たちの、学生たちによる、学生たちのための組織。
学園同士のトラブルや“外”からやってくる危険に対処するために作られた組織。

学園の垣根を超えて、学園の運営に関して極大の権限を与えられた最上級の生徒会。
略して…

「ええと、それでは極上生徒会第6回定例会議を始めたいと思います」

生徒会長の宣言と共に会合が始まる。

「ふむ…ではまず私から報告させてもらおう。“外”からの襲撃に関してだ」
ポニーテールの少女が立ち上がり、手にした報告書を読み上げる。
「今週に入ってからの襲撃は7回、うち5回は極上生徒会合同対策班の出撃で対処した。
 士魂号の出撃は2回。いずれも損傷軽微で戦闘を終了している。死者はなおも0を更新中だ」
元々の世界で“戦争”をやっていたと言う彼らの学園は、学生の傭兵部隊SEEDと並ぶ荒事担当である。

「じゃあ、次は俺が報告するぜ」
次に立ち上がったのは髪を真っ赤に染めた少年。
冒険者育成を目的とした学校に通う彼らはこの世界に点在するダンジョンの探索を行っている。
「俺も初めて聞いたときは驚いたんだが…どうやらダンジョンの中に“学園”があるらしい」
その報告に生徒会が一時騒然とする。
「どうもナツミが聞いてきた限りだと、その世界の学園は元々ダンジョンの中にある…と言うより世界そのものが全部ダンジョンって世界の出身らしい。
 それで、後でこっちから何人か交渉役を派遣したいから、輝明とエルクレストからスカウト以外の護衛を何人か出してくれ」
まだまだ増えていく“学園”の運営には話し合いが必須である。
初期に頻発したトラブルでその事が身にしみているからこそ、交渉には細心の注意を支払う姿勢が身についていた。

「えっと、じゃあ次は私でいいかな?」
次に立ち上がるの1人の少女。元の世界では錬金術を研究していたと言う彼らは主にアイテムの調達、生成の担当である。
「材料の方は全体的には割と余裕ある感じ。ただ赤系統がちょ〜っと心もとないから、後で収集を頼むと思う。
 あ、それとハカセちゃんと光明ちゃんがまた新しく色々作ったから、試用試験を頼みたいって言ってたよ」
研究を主にしている学園のせいか、現在アカデミーは他校の生徒も含めた“研究者”の巣窟となっている。
爆発だの異臭騒ぎだのが日常茶飯事なせいか、騒ぎ立てる生徒もいなくて、やりやすいのだろう。
ちなみに今のところ、奇跡的に死者は出ていない…らしい。

「じゃあ次は…」
また1人の生徒が立ち上がり、報告を行う。
このようにして集まった報告は会議にかけられ、適正のある学園に“依頼”として購買にまわされる。
それが、極上生徒会定例会議のルールである。


年こそ近いが、生きてきた環境も、考え方も違う彼ら。だが、彼らには大きな共通項がある。

“いつか、無事に帰って卒業する”

という、皆に共通した願いが。

688 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 08:42:09 ID:jOnBK/RC
>“いつか、無事に帰って卒業する”

KOFの留年王草薙京の出番だな。

689 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 08:44:28 ID:wmE7oYW1
>>687
それって、柊蓮司は伝説のOBか? それとも出戻り疫病神か?

所詮柊蓮司。とか言われそうだが。

690 名前:罵蔑痴坊(偽):2009/02/26(木) 09:11:20 ID:ZtZu63TV
>687
ダンジョンの中にある学園、ファイナルセーラークエストかとも思ったが、迷キンの暗黒不思議学園か。

「えっと、今日の依頼は……PC1が2人に殴りヒーラー……あ、柊蓮司の発注が3件もあるや」
 学園内で何でも屋を営む、オマケ付きの少女とポニーテールの少女が打ち合わせをしている。
「PC1は私たちで向かうとして、ヒーラーどうしよう?」
「殴り、ってのがネックだよね。伝説の先輩が空いてるといいんだけど……」
『しかし……柊蓮司ばっかどうしてこんなに集まるんだ?』
「だって蓮司君、レベルや学年がが下がるからキャップに引っかかりにくいんだよね……」

 チュドーン

「……あ、なのはちゃん(9歳)の『お話』だ」
「さすが初等部が誇る、“左利きの悪魔”だね」

691 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 10:45:39 ID:Kgs1Q1oo
>>680
磨伸映一郎はパゼットと秋葉の怪獣大決戦でも描いてろwwwwww

692 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 11:00:04 ID:77Brehcq
>>691
ヤバい、それ見たい。

……が、あのメガネスキーがメガネっ娘一切出ない漫画を描いてくれるとさは思えんww

693 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 11:41:40 ID:PCapKyUc
>>692
なぁに、解説役にNW!からマユリ=ヴァンシュタイン
(おむすび至上主義隠れ巨乳めがね魔法少女)を貸し出して
やれば充分さっ!w

・・・・・・ってか、“魔法少女”と言うには、マユリも(2nd時点で)
17〜18な歳なんだよな・・・・・・orz

694 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 11:44:30 ID:7zIxMB7Z
まゆりの場合まだちびっこいからな


695 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 11:45:25 ID:Kgs1Q1oo
>>693
つまり要ねがいの出番ですね、わかりました!

>>692
女教師パゼットがメガネ装備でひとつ。
同僚にメガネあかりんでスレ的にも完璧♪

【馬鹿はムリヤリ軌道修正しようとして失敗した】

696 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 11:54:03 ID:ColeMYfu
>>693
19歳の社会人になっても小学校の制服モチーフな衣装で魔法少女やってる人がいるからおk。

697 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 11:58:02 ID:77Brehcq
意外と磨伸知ってる人も、いるのか?

あとマユリは紅に14歳って書いてあったよーな

698 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 11:59:52 ID:3YPTASSY
>697
                     コイノボリ
しかし、境遇は似ているものの、土管少女とは決定的な差が!

699 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 12:03:39 ID:8+2vSYVw
マユリは従弟のまほうせんせいとかろうじて同い年(16才)じゃなかったっけ?

700 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 12:04:25 ID:PCapKyUc
>>697
調べ直してみた。自分が勘違いしてた。

マユリは、紅巫女時点で14歳、アニメ設定で15歳、
2nd基本ルールブックで16歳でした。

701 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 12:06:03 ID:h91M+d/X
16歳で魔法「少女」というのもいかがな……(砲撃により消失

702 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 12:10:18 ID:77Brehcq
んー?16は俺的にまだ少女クラスだが。
18くらいからレディになるイメージ。

そこらへんの線引きはSSでも難しいよな。柊は少年は無理があるけど青年はしっくりこないと思ってる。

703 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 12:13:41 ID:3YPTASSY
>702
GM「じゃあ下げるか」
柊「俺の年齢を返せーーー!?」

704 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 12:16:29 ID:h08u1Xmz
>>702
或る意味で造語っぽいけど「青少年」って呼び方がぴったりだよな。<高校生の頃の柊

705 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 12:30:32 ID:KL7m+Yg6
複線無しで極上生徒会とか言われては吹くしかなかった。
本来の極上たちに活躍の場はあるのだろうかww

706 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 12:33:26 ID:3YPTASSY
そこは「屋上生徒会!」だろう。


※ToHeart2をやってもいないのに言ってみた

707 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 12:42:01 ID:UIXLEIiT
極上と言えば打ち切り漫画超弩級戦士ジャスティスを思い出す。

708 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 13:19:02 ID:ggRjmsES
六道学園と天香學園も是非。

709 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 15:38:40 ID:G5rfdWrK
ついでに春風高校と何故かOBも纏めて。

710 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 19:20:07 ID:mePICrxE
>709
一番(世界結界的な意味で)常識人のはずなのに一番非常識に適応しそうだなw

711 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 19:40:54 ID:RQLybs8h
>>689

「だ〜か〜ら〜いい加減にしてくれって言ってんだろ!?」
輝明学園、理事長室にて、柊蓮司は目の前の理事長代理兼世界の守護者代理兼幼馴染、赤羽くれはに食ってかかっていた。
「え〜いいじゃん。ど〜せ人手はいくらあっても足んないんだし。ひ〜らぎだって黙〜ってボーっとするのは苦手でしょ?」
くれはの言葉にやれやれとばかりに首を振り、柊は返す。
「俺だってな…普通に仕事すんのは構わねえよ。こんなときに俺知らねとか言うつもりもねえ。だけどよ…」
一旦言葉を切り、ビシッと親指で指す。自分の姿を。
「この格好はねえだろよ!?」
紫のブレザーに紺のズボン、赤いネクタイとシャツにトレードマークの指抜きグローブ。腕に輝くのは『極上生徒会特別執行委員』の金文字。

そう、今の柊はどうみても、高校3年生です。本当にありがとうございました。

「はわ?すっごく似合ってると思うよ?生徒会のみんなとのバランスもばっちりだし。
 それにそれってアンゼロットさんが次のひ〜らぎの任務のために用意したって言う特別製の呪錬制服だから防御力も高いんだよ?」
「あんの野郎っ!?」
思わずいまだに連絡の取れない世界の守護者を罵倒する柊。やりきれなかった。色んな意味で。

一応言っておけば、柊は卒業している。それは事実だ。ついでに任務でまた戻ってきた、なんてわけでもない。

ただちょっとラースフェリアを救って帰ってきたら自分の卒業証書がバラバラになっていて。
しかもそれが何故か輝明学園にあるダンジョンの最下層付近に散らばっていて。
それを集めるべくダンジョンに潜っている途中に事件に巻き込まれた。

ただそれだけなのだ。

それからと言うもの、異世界の学園とファーストコンタクトを果たしてみたり、全学園全滅の危機を救ったり、
生徒同士のトラブルを解決しているうちに、柊蓮司の名はかなり広まっていた。
最初にいくつかの学園の代表が集まって極上生徒会が発足したときに、真っ先にメンバーに加えるべきと満場一致で決まったのだ。

そんなわけで今の柊は極上生徒会から回ってくる危険な任務を専門で受ける、特別執行委員と言う立場におさまっていた。
そして理事長代理の(笑い混じりの)温かい配慮により、他の生徒会メンバーから浮かないように“特別な装備”が支給され、今に至る。
「いっそ3年のクラスに席用意しよっか?エリスちゃんとあかりんもひ〜らぎなら大歓迎って言ってたし」
「それだけはやめてくれ!?」
そんな、輝明学園で何度繰り返されたか分からないやりとりは、今日も柊の負けで終わった。

…一方その頃。

「うん?ルーシーどうしたんだ?なんかずいぶんご機嫌に見えるけど?」
「ええ。実はとんでもない縁起物を見つけまして。ほら、これです」
「これ?なんか破かれた賞状の欠片に見えるんだが」
「そうですよ」
「そんなものが縁起物なのか?いや俺には普通の紙にしか見えないけど」
「ふう〜。ユウキ、まだまだですね。このあふれださんばかりの幸運オーラが分からないとは。
 ものすごい幸運を秘めてます。世界の常識を覆えしかねないほどです。ここまで行くともはや幸運と言うより奇跡の塊ですね」
「ふ〜ん。そんな凄いものなのか」
「ええ、しかも素晴らしいことにこれは“欠片”。第2第3の欠片が見つかるかも知れないし、全部そろったらとてつもない縁起物です。
 多分奉げれば世界だって救えますよ?」
「そこまで言うほどのものなのか」
「ええ。そう言うわけですからユウキも見つけたらぜひ譲って下さい。お願いします」
「おう。分かった。見つけたら持ってくるよ」
「頼みましたよ」

肝心の卒業証書は本人の預かり知らぬところで世界を救うための尊い犠牲となろうとしていたのだが、それはまた、別の話。

712 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 19:58:45 ID:wn9EY+5N
速攻生徒会をお忘れなく!

とりあえず武将の苗字と声優の名前をくっつければいいんだよね?

松永絵魔とか筒井めぐみとか

713 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 20:11:34 ID:7zIxMB7Z
クロス先にわからないのもあるので、できたらクロス先を最後に入れて欲しいかも

714 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 21:11:23 ID:1IYrzPzo
新鮮味を求めて新條まゆ先生の作品とクロス。

715 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 21:26:39 ID:77Brehcq
>>714
書いてくれるのか。おk、楽しみにしてる

716 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/26(木) 22:46:19 ID:xoF/FxVL
>>711奇跡の塊
そうか・・・。英霊ヒイラギを呼ぶための聖遺物は卒業証書の欠片、かw

717 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 01:18:24 ID:UzagGn4B
きっとサイモンに真っ先に挑んで負けたんだろうなぁw>英霊ヒイラギ

英霊ヒイラギよりただの人間である柊の方が世界を救える不思議

718 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 08:14:52 ID:2BOf0KzE
南雲慶一郎は学校クロスに入れてもいいのかしらん?
シンドロームはキュマイラ/ハヌマーン相当で・・・ってNWじゃねぇやw

719 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 09:16:29 ID:tritpFon
どちらかといえばダブルクロスよりカオスフレア寄りの人だと思われ。


720 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 11:52:30 ID:L/GrYjbq
フォーリナーでヤオダバイトで毎回帰還してました
って言われても何の違和感もないヘンタイだからな

721 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 20:04:15 ID:PbZp/d5f
PC1
推奨クラス:強化人間

各学園の腕自慢たちが集い技を競う、“学園対抗競技大会”…
腕に覚えのある君はその大会にエントリーし、来るべき戦いに備え、予選向けに作品を作り上げた。
異世界の材料も使い、持てるすべての力を注ぎ込んだそれはまさに会心の出来だった。
今までの中でも最高の出来かも知れない。だが残念なことにそれは…

逃げ出した

作り直している時間はない。このままでは不戦敗で失格になってしまう。それはあまりにもくやしい。
そんなわけで君は急いで捕獲することにした。急がなければならない。

学園対抗競技大会、パティシエ部門の締切りは、もうすぐなのだ。

…ちなみに、君の友人でもある理事長代理に相談したところ、快く協力を申し出てくれた。
何でも他校に緊急で依頼を回してくれたそうだ。彼らと協力すれば、きっと間に合うだろう。

PC2〜4
推奨クラス:甘いもの好き

『明日開催の学園対抗競技大会パティシエ部門の特別審査員』
破格の報酬に釣られ、君はこの依頼を1も2もなく受けることにした。
依頼内容は危険なモンスターの捕獲任務(生死は問わず)だったが、報酬を考えれば多少の危険はなんとやらだ。
そして、依頼人だと言う紅い髪の少女と共に任務についた君は、出会う。

あの、甘いにおいのする悪魔に。


…さて、2〜4は誰がいいんだろう?1は確定なんだけどw

722 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 20:11:06 ID:w4yPNOvR
モンスターを調理なら某ロゼッタ教会の宝探し屋だな。

723 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 21:58:33 ID:+d/5DC6O
「清村君と杉小路君と」から清村で
奴なら、あの甘いモノ好きなら魔王だって狩ってきそうだ

724 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/27(金) 23:59:14 ID:DIGHdE0d
まったく関係ないが、某SSでハマったぱにぽにの最新刊を買った。

浴衣でワクワクするベッキーかわえぇ
カマイタチをあっさり狩るドクロお面浴衣ベホかっけぇ

……作者殿、続き、書いてくれないかなーと思いつつ
桃月学園も学校だなぁ、と言ってみるテスト

725 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 00:54:01 ID:q1dcIDle
学園物な流れなのでしばらく自重、みんながんばれ

726 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 01:20:44 ID:ZsmhC9zh
狭界・『学園世界』
そこはあらゆる「普通じゃない」学園を内包した、最近になって生み出された世界
最初こそ混乱があったものの、学園によって役割を分担して世界の謎の解明を目指している
学園の代表同士が集まり生徒会を組んでおり、学生への依頼や人材の派遣などが行われている
さまざまなところにダンジョンが点在し、ダンジョンによって世界の異なるモンスターがいる
中にはダンジョンを出て学園エリアへ直接襲撃してくるモンスターも
学園同士の交流として、対抗試合やイベントなどが行われている

とりあえず、設定を纏めてみるとこんな感じかねぇ?

727 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 02:32:56 ID:AcwmR/EE
東京都立御苑女学園も含めていいかな?
月1で世界崩壊の危機に陥ってる世界の学校なんだけど。

728 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 08:09:08 ID:SvC+emJL
……待ちたまえ>>725
何を自重しているのかな?

729 名前:罵蔑痴坊(偽):2009/02/28(土) 10:14:40 ID:ijTJzb6Z
>725
自重する必要は無いぞ。

あー、そのなんだ、キング・オブ・クラッシャー先輩みたいにキャンペーン10個も100個も平行させるくらい卓ゲ者には平気だ。

730 名前:久徳法師 ◆mC6nUscAv2 :2009/02/28(土) 12:52:48 ID:U7fSpL61
>>682>>684>>713

一応、単発SSで実際に関わってるキャラの在校の他にも、
名前だけ挙がってる学校や自分が関わって欲しい学校名も
加味して一旦纏めてみましたぞ。
尚、元の世界が現代の学校には名前前に●を、
異世界の学校には○を付けて置くからのぅ。

  ●私立輝明学園(ナイトウィザード!)
  ●私立宮神学園(極上生徒会)
  ●九州要塞(ガンパレード・マーチ)
  ○トリステイン魔法学校(ゼロの使い魔)
  ●麻帆良学園(魔法先生ネギま!)
  ○光綾学園(ぱすてるチャイム Continue)
  ○ザールブルグ・アカデミー(アトリエ シリーズ)
  ●私立天香學園高校(九龍妖魔學園紀)
  ○エルクレスト・カレッジ(アリアンロッド)
  ○リオフレード魔法学院(異界戦記カオスフレア)
  ●私立六道学園(異能使い)
  ●私立銀誓館学園(シルバーレイン)
  ●総合学園都市(とある魔術の禁書目録)
  ●私立無限学園(美少女戦士セーラームーン ミュージカル)
  ●私立夢境学園(あるある!夢境学園)
  ●私立五重必殺学園(狂乱家族日記)
  ○星鐵学園(けんぷファー)
  ○アルレビオス学園(マナケミア シリーズ)
  ●私立番町学園高校(番長学園!)
  ●私立迅速高校(速攻生徒会)
  ●私立鶴ヶ峰学園(コータロー!まかりとおる)
  ●都立蓬莱学園高校(蓬莱学園!)
  ●県立斉東高校(HUNTED じゃんくしょん!)
  ●九江州中学校(ダイソード)
  ●私立聖創学院大附属高校(Missing!)
  ●私立月臣学園(スパイラル 推理の絆)
  ○暗黒不思議学園(迷宮キングダム)
  ●都立大門高校(リアルバウトハイスクール)
  ●私立桃月学園(ぱにぽに)
  ○マジシャンズ・アカデミイ(まじしゃんず・あかでみぃ)
  ○マジック・アカデミー(QUIZ MAGIC ACADEMY シリーズ)
  ●都立春風高校(究極超人あ〜る)
  ●都立御苑女学園(アルカナハート シリーズ)
  ●私立穂群原学園高校(Fate/stay night & 氷室の天地)
  ●神撫学園(輝光翼戦記 天空のユミナ)
  ●私立陣代高校(フルメタル・パニック! シリーズ)
  ○私立万魔学園(足洗邸の住人達)
  ●国立安房国里見高校(TRIGRAM 8)
  ●私立CLAMP学園(CLAMP作品)
  ●私立聖祥学園附属小学校(魔法少女リリカル☆なのは)
  ●男塾(魁!男塾 & 暁!男塾)

尚、Wikipedia でのみの調査の為、●○違いや細かな呼称の違い等は
適宜して貰えると助かる。

731 名前:久徳法師 ◆mC6nUscAv2 :2009/02/28(土) 12:58:54 ID:U7fSpL61
あ、>>730に追記

  ○学園都市・ツエルニ(鋼殻のレギオス)

後、勝手に『学園世界追交奏(ビバップ)』とタイトル候補を挙げつつ、
基盤設定は>>687>>711>>726の統合で行けるんじゃないかと
考えられるのだけれど、皆の意見はどうかな?

732 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 14:01:55 ID:s1Uhe8cq
私立の多さに思わず噴飯

733 名前:罵蔑痴坊(偽):2009/02/28(土) 14:02:54 ID:ijTJzb6Z
>730
まず、春風高校は私立だぞ。
そして、春風高校校長・柳昇といえば、今や我が国では……1人もいなくなってしまわれました(つД`)。

『番長学園!』の高校はまあ無数にある、やろうと思えばガトリングで高校を射出する事も出来るが、
主役級と言うならここにある番町学園では無く(因みに劇中では無くなっている)、国立番長学園である。

あ、『時をかける学園(狙われた少女)』の日の出学園とか。
「あなた、ベースが弾けましたな」

大学までいいのなら、歴代仮面ライダーの母校たる城南大学も。
時々城北大学に表記が揺れるのは仕様です。

734 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 14:08:04 ID:x2sPCJWf
ライダー関連なら京大も入れようぜ

735 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 14:15:54 ID:U6Cut7iD
学園世界って状況が状況だから、高卒で関わりたいキャラは
(柊みたいな特殊事情が無ければ)教職員や用務員での参加の方が良くね?

736 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 14:22:19 ID:U6Cut7iD
>>734
実際、昭和ライダー達って頭脳明晰で大人なキャラばかりだから、
教職員の方が立ち位置的には向いてね?
平成ライダー達は、五代雄介と響鬼さん以外はどれも
学年下げての生徒の方が逆に違和感無いがw

737 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 14:46:34 ID:VkPDARds
しかし、教師にも結構キャラ濃い奴らが揃ってるからなぁ
ジジイ四天王を中心とする特務評議会(という名の教育委員会)が出来てもおかしくは無い

738 名前:久徳法師 ◆mC6nUscAv2 :2009/02/28(土) 14:55:30 ID:bVbFX7PI
あ、>>730に洩れが有りましたのぉ。

  ○ガーデン→特育傭兵部隊・SEED(Fainal Fantasy [)

後、指摘を受けての修正で

  ●国立番長学園(番長学園!)
  ●私立春風高校(究極超人あ〜る)

739 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 15:16:09 ID:J6GSqZzs
小規模校で申し訳ないが、加賀宮学園(DXエクソダス)も入れたいなぁ。
1話だけの出番だったけど、普通じゃない学校だし理事長アレだしw

740 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 16:17:32 ID:K9jg/RXs
学校といえば、忘れちゃならない。
○ホグワーツ魔法学校(ハリー・ポッター シリーズ)

741 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 17:28:14 ID:zt5c5zdc
そして、ネタ兼一部は意外な強力戦力として

 ●デュエル・アカデミア(遊戯王GX)

あ、結城十代は脇で、主軸で関わって来るのは万丈目サンダーと三沢大地で!wwwww

742 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 17:39:33 ID:/3YO9CLQ
>>741
「ああ、いたの?」と言われるためだけに参戦するんですね・・・・

743 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 17:40:01 ID:K9jg/RXs
>>741
どうやってモンスターを倒すんだyo!
カードゲームのルールに従ってくれないぜ?

744 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 17:51:00 ID:VkPDARds
あれだ、ALGのサモナーのような感じに

…あれ?別にデュエリストである必要は無いな
カードとディスクさえあれば一般人でも戦える

745 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 17:53:50 ID:2T3DhQx7
>>743
まかでみの教師陣あたりなら
「こんなこともあろうかと!」
の一言でカードを実体化させてくれるさ。


746 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 17:55:47 ID:XuSAHTBW
……スパロボよりもヤバい規模だ

747 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 17:57:24 ID:pwrwXQUY
●尊秋多学院(終わりのクロニクル)や○アリアダスト教導院(境界線上のホライゾン)もほしいな

748 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 17:57:29 ID:EsDohsm0
学生や教職員じゃないけどさ、5D'sのダークシグナーや地縛神出せないかな
ほっといたら冥界の扉開きっぱなしだから厄介な存在として話に絡められそうと思うのだけど

749 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 18:03:30 ID:/3YO9CLQ
>>746
言われてみれば、SSよりもSRCの方が上手く回る気がしてくるな・・・・w

750 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 18:04:11 ID:JWG26yGw
書き手が居ないとこを見ると、頓挫しそうだな……
誰かが書けば続くかもしれんが

751 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 18:09:31 ID:wMKHTBS7
目録の学園都市って、いくつもの学園の集まりなのに一つ扱いでいいのかな

752 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 18:09:47 ID:zt5c5zdc
>>750
居酒屋ろんぎぬすみたいに、設定等の下地は
まとめに用意して置いて適時書きたい書き手が
投下時期もネタも自由に投下して貰う
って体勢固めだけでも良いと思うぞ? 今の所は。

で、期が煮詰まって来たらリレーイベントを企画仕掛けてみると。

753 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 18:15:57 ID:zt5c5zdc
>>748
式神の城リレーの時は、U-1キャラ大集合な
究極衆みたいなのまで敵キャラ認定で許容したんだぜ!?
当然、有りに決まっているじゃあないか!!w

754 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 18:26:58 ID:SvC+emJL
>>750
確実に頓挫だろうな。ネタ発言する奴の半分でも実際に書こうとすればリレーになるだろうが
誰か書いてくれ、ってばっかりじゃそこまで発展するわけもない

むしろ普通に書いてる人が勢いに圧されて自重しそうなことの方がよほど怖い

755 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 18:31:57 ID:XuSAHTBW
やべぇ、ナイトウィザード含めても
>>730を見て分かる作品が10個くらいしかねえ…

756 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 18:47:11 ID:zt5c5zdc
>>754
まぁ、頓挫なら頓挫でそれも諸行無常と云うもの。
元のまったり進行に戻るだけさね。

757 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 19:18:39 ID:j5tj0h8z
九龍の天香學園があるなら先輩の真神学園もいるな。

758 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 19:41:29 ID:SvC+emJL
>>756
問題はどうなったら頓挫と見なされるか、だと思うけどな

マジ普通の書き手さんたちが自重してるなら今すぐ頓挫しても俺は構わん。
つーか自重しないでくれ頼むから。そんな自重望んでないから。

ネタ発言してる奴らがリレーまで流れを持ってけるとは思えんが、
それができる書き手がいるってんならみてみたい。九割方アレどーよコレどーよで終わるから無駄だろうけど

759 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 20:11:58 ID:jq1fC1ln
>>730
そういやさ、トリステイン魔法学校って

・生徒は基本魔法使い至上主義(魔法使えない奴は下等)
・強烈な一神教信者(他の神とかありえないだろ)
・病的なまでにエルフを嫌う(聖地を奪った怨敵、強くて手が出せないけど)

…すっげえ光稜辺りと揉めそうだなと思ったw

760 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 20:19:51 ID:Tda2Q7rp
トリステイン魔法学校は主人公たちが最上級生になってからならまだしも
それ以前の状態だと普通に嫌な奴がごろごろしてるからなぁw

761 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 21:04:03 ID:XuSAHTBW
そもそも非戦闘作品とかも居るような……

762 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 21:10:49 ID:G615Md5o
やたら殺人事件や殺人犯が発生する不動高校を舞台にすればよろしい。

763 名前:672:2009/02/28(土) 21:34:02 ID:ryKg4hB5
>730
セーラームーンにも「無限学園」が出てきてたのか。
俺が出してたのは「1年777組」の方だけど。

wikiを見てみたら蓬莱学園の約7倍以上の在校者がいるとか無茶苦茶な設定だったんだなw

764 名前:672:2009/02/28(土) 21:37:44 ID:ryKg4hB5
うあ「無限学園」じゃなくて「夢限学園」だったorz

765 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 21:49:20 ID:QO4y7hsI
もう魔立邪悪学園も入れようぜ

766 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/28(土) 23:37:43 ID:haJVD1jY
●私立春風高校(究極超人あ〜る)

あ〜るとマユリがご飯談義するのが見えた

767 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 00:13:37 ID:jS3RrZgN
>>759
そんな普通のよくある設定より

・学院長の覗き防止に宝物庫より厳重な女子浴場
・種族の壁もおっぱいがあれば気にしない、まさに乳革命

このあたりのほうが突っ込みどころおおいよーな?

768 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 00:58:57 ID:YFJbNeGl
みんなそれだけアイデアがあるなら、アイデアだけ口にしてないで話を書けばいいのに。

なんでしないの?

769 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 01:03:12 ID:ompnu+cX
思ったんだが、リレーにしようとか完結させようとか考えずに、
とりあえずシェアードワールドの背景設定として好きに単発SS書いてく形に
すればいいんじゃないだろうか。
こんだけのクロスをまとめられるのか、そもそもこれまでに出てきた原作
全部把握できてる職人がいるのかっつー話しだし、だけどこんだけ盛り上がってる
のを(盛り上がりすぎたせいとはいえ)まとめられないからで没にするのもなあと思ったんで。

とりあえず
・SS及び小ネタには必ずNWキャラ(できればアニメ登場済)を一人は絡ませること
あたりを最低限のルールで。意見とか聞かせてください。
あと、赤ずきんチャチャのうらら学園希望(マテ

770 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 01:04:22 ID:YMFwRSIZ
聖夜学園@しゅごキャラ!とのクロスとか考えたが
さっさとしゅごキャラクロス本編をやれと言われそうで……。

771 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 01:09:03 ID:K/W4gH2H
「ネタを考える」のと「そのネタを元にSSを書く」のとじゃ、作業量に雲泥の差があるからでしょうね。
でも、こういうネタのみの書き込みから着想を得てSSを書くキッカケになることもありますから(私も経験ありますが)、まるで無駄なことでもないかも?

772 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 07:28:48 ID:Lsp9XDbS
>>767

「へえ…使い魔として1年も。それは大変でしたねー」
魔法使いの学校らしいから魔術師が適任だろう。
そんな理由で学園との交渉役としてやってきたマユリ=ヴァンスタインは日本から召喚されてきた少年と出会い、話をしていた。
「あ、ああ大変だった。大変だったんですよ?」
少年、平賀才人は相槌を打ちながら、ずいぶんとリラックスしているのに気づいた。

目の前の少女、“日本にある学園からやってきた少女”に話しかけられたのがついさっき(この学園には珍しい格好だったからだそうだ)
こう見えても高レベルの魔術師だと言う少女は、懐かしい故郷の食べ物、おにぎり(と言ったらおむすびですと訂正された)を差し出しながら、話しかけてきた。
学校まるごと転移してしまったと思ったら学園内にエルフが侵入したり(後で聞いたところによると別の学園の教師だったらしい)
見たことも無いモンスターが襲撃してきたり、それとルイズたちと一緒に戦っていたら剣を持った男がやってきて共闘したり、
それを裏で操っていたと言う黒幕の美少女と激戦を繰り広げたり…
ここ最近、心休まることが無かったサイトは少女の持つ“癒しの雰囲気”に随分と助けられていた。

だが、あるとき、その空気は即座に消え去った。
「ふう…ずっと話してたらちょっと暑くなっちゃいました」
そういって少女がずっと着ていた黒いコートを脱いだ瞬間に。

(で…でけえ!?)
それはサイトの知る褐色の少女やハーフエルフの少女のそれを比べればやや小さかった。
だが、幼い顔立ちの少女が持つには余りにも凶悪な代物だった。
そう、見た目からすれば少女は幼い、タバサよりはちょっと上、ルイズくらい、それぐらいの外見。
でも巨乳。ロリなのに、巨乳。
(これは…よいものだ)
「え?どうしたんですか突然頷いたりして?」
未知の領域にサイトは困惑しながらも確信を持って頷いた。

(それにしても…うまく行ってよかったです)
自分に向けられている視線には露ほども気づかず、マユリは話しながらも考える。
最初に他の学園と問題を起こした学校だと聞いて身構えていたが、一度分かり合えればいい人たちだった。
思えば目の前の少年と言う“異邦人”を受け入れていた、と言う土壌もプラスに働いていたかも知れない。
(これなら、輝明学園ともうまくやっていけそうですね)

そして、少年も少女も気づいていなかった。
「あんの馬鹿犬…エルフ女とねんごろかと思ったら今度はあんな子に…乳か、乳なのか!?所詮はおっぱい星人か!?」
「…大き過ぎると、早く、垂れる。将来性は私のが上」
「サイトさん…やっぱりヴァリエール嬢みたいな幼い子が好みなんですか…?」

彼らに向けられる、強烈な嫉妬の視線に。
このことが後にまぁたいらぬ騒動を起こすのだが、それはまた、別の話。

773 名前:導入:2009/03/01(日) 10:32:58 ID:sOeJrrzL
「さて皆さん。理事長の座を私に譲ってください」

暗黒不思議学園理事長・リジィの宣告が統合学園内に嵐を巻き起こす。
20歳にも満たないヒッキーな小娘が齢数百年を超えるものも珍しくないそうそうたる顔触れに対して
私の下につけ、と命じたのである。素直に通るわけもない。

だが、リジィにとってこれはどうしても必要なことであった。自分がその集団のトップでなければ「国王」
でなくなってしまうのだ。(「国王」が3人いる国家があったとも伝えられるが、一瞬で崩壊したことが多頭
制による国家運営の難しさを語っていよう)
父をその手にかけてまで守り通した学園の主導権を他人の手に渡すわけにはいかない。また、この学園
の理事長に自分がなったならば、自国は「列強」となる。しかも国民数・逸材の数・国土の面積、いずれを
みても4大列強をも上回る大国である。「自国を列強とする」ことを目的とするあの騎士の目標も達成され、
帰ってくるだろう。

この要求はこれまでお互いの主導権を棚上げすることで保たれてきたバランスを大きく揺るがせることと
なった。肩書き的に理事長がトップなのであるが、理事長が存在せず学長がトップを務める学園もある。
理事長であるから学長より上、と肩書だけでマーリンやタンブルドアを下に置くことが許されるか?彼ら
自身が認めたとしてもその弟子たちは認めない。

とはいえ、実力行使による決着が好ましくないことは状況を鑑みれば当然である。結局、男塾塾長・江田島
平八の発案による、教育方針がもっともすぐれているものが最高理事長となることが妥当とされた。

最も優れた教育方針=最も優れた生徒たちを輩出した学園の長が頂点となるのである。

知力・体力・度胸の3本勝負による決定戦が今始まる!

774 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 10:49:33 ID:WlX2mlfv
鳳学園(少女革命ウテナ)も混ぜてくれw

775 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 11:35:27 ID:XJELn+ns
「国立バーベナ学園(SHUFFLE!)」も忘れないで下さい。
とか言ってみる。

776 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 12:05:31 ID:MDSeUOya
なんかさ……Eログ時代の読参思いだしたの俺だけかな?w

ハガキに自分の所属する学園書いて送る感じのやつww

777 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 12:36:02 ID:IIf5yzZP
アーケンローズはサプリとして設定が吸収されると思ってる
こうDear…的に

778 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 14:52:43 ID:YFJbNeGl
>>776
今回はまとめるのが仕事の人はいないがな。

みんなそれだけ出したい学校があるなら、本当に書いちゃえばいいのにね
出すだけで書いてくれるのが仕事の人はいないんだよ?

流れを作りたいならまず自分が動かないと。
某リレーだって、式神とクロスさせた人がいて、それに何人かが続いて書いたから流れが確定したわけでさ。
それがわからないわけじゃないだろう?

779 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 15:23:53 ID:gX/OCUM3
>772
ロリ巨乳言うなw

780 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 15:26:51 ID:6TSqDCeV
>>778
よーし、パパ頑張って書いてくるぞー

781 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 17:33:35 ID:pmbNTDx0
とはいえスレも残り約15KB、そろそろ次を立てないと危険。


782 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 20:09:23 ID:Lsp9XDbS
>>773
投下乙です。果たして我らが輝明学園理事長代理がどう動くやら…うん?この場合はむしろ校長か?
そういや極上生徒会の生徒会長ってのも誰がどうやって選ばれたのやら…色々一筋縄でいかない連中ばっかだしなーw

>>781
じゃあ立ててみるよ

783 名前:782:2009/03/01(日) 20:12:33 ID:Lsp9XDbS
たてたよー

【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.15
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1235905912/l50

784 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 20:14:42 ID:jS3RrZgN
スレ立て乙であります

785 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 22:22:55 ID:1DbgwATa
男塾の塾生
見た目は濃いが高校生なんだよな………

786 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 22:31:02 ID:PLfVLJA5
リアルバウトは最近の大門高校だとちょっと問題がありそうなんで時系列はちょい昔の方がいいかな…。
Kファイトの設定は色々使えそうだけど。

787 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 23:41:42 ID:GD32+QBM
鳴神学園【アパシー・シリーズ/学校であった怖い話】も欲しいな。
てか、自分で書くかw

788 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/01(日) 23:45:39 ID:6TSqDCeV
書いた……書いたけど、確実にシェアワールド向けだこれ

789 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 00:26:22 ID:iXuOP/HZ
やってみないとわからないことって、結構あるよな。

共通認識がすごい薄いからリレーを続けるのはかなり難しいとは思うが、
せっかく書いたなら晒すヨロシ。リレーの時はみんなやってたんだし。

790 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 02:16:06 ID:+U7pmzKI

 異世界に存在する複数の学園の転移。
 非現実的な出来事に混乱することもあり、落ち着けるまでに、各学園の生徒会などが尽力を注いだ。
 学園間でのトラブル、魔物の出現などは勿論、常識の違いなど様々な弊害が起きることもあった。

「それはそれとして、我々にとっても懸念すべき事項がある」
 神撫学園論説部部長、黒河雲母はそう切り出した。
「学食のこと? それは重要なこと」
「御木津、真剣な話し合いの最中は食欲の思考を外せ」
「どこの学食も美味だった。異世界とはいえ、やはりどの学園も学食は置くべき」
「そんな話はしていない」
 妙に騒がしく狭い一室――論説部。
 部活から成り上がり、生徒会として活動を始めた経歴から狭い部室が生徒会室になっている。
 恐らく神撫学園以外の人間で、ここが生徒代表の部屋と思う人間はまず居ないだろう。
 もっとも表記は『星徒会』なのであるが。
「で、部長は何を言いたいんだ?」
 気を取り直すように赤髪の青年、朱島歩武が尋ねる。
「よく訊いてくれた。他の学園にも関わる――調査についてだ」
「他の学園ともトラブルが起きてるもんね。魔法とかイベントとか実験とか爆発もあったし」
 ピンク髪の星徒会長、翠下弓那がしみじみと頷く。彼女も学園間の事件を解決する日々に追われていた。

「形は我々の世界に近くとも魔法やらが当たり前の世界や、常識も全く違う世界なども転移しているからな……
そうした事件が起きるのは必然かもしれん」
「確かに輝明学園の学食に行ったら、チョコレートが暴れてた。頂いたら個性的な味で、活きは良かったけど美味しくなかった」
「何だそれ、そもそもチョコが暴れる? 活きがいい?」
 青髪の少女、御木津藍の言葉に歩武は首を傾げた。
「渡された資料の上だけでは分からないこともある。そこで私と御木津は学園転移や他学園の調査。
弓那は神撫学園の代表として他学園との会議。歩武、お前はこの生徒に付いて行き魔物退治等をしてほしい」
 雲母は一枚の写真をテーブルに置く。
 写っていたのは、学園ダンジョン内に出現した魔物と剣で戦う青年の姿だった。
「えーと、この人って下がる人よね?」
「輝明学園"一応"卒業生、柊蓮司。輝明学園のトラブルシューター……通称、下がる男」
 弓那の説明にならない説明を藍が補足する。
「魔物退治と調査、どういう関わりがあるんだ?」

「こちらの方が重要でな……実はダンジョンで『異空体』らしき目撃情報があった」
 『異空体』、雲母の放った言葉に三人が反応する。
 異空体は、破壊意思を持つ怪獣のようなものだ。彼らの世界では既に滅んだはずだが、それらしき物がダンジョンに出現した。
 雲母が言うにはそういう事らしい。
「私達の力――イシリアルに呼ばれた奴が居たのか、何か原因があるのか、エミュレイターとやらの見間違いかは知らんが、
仮に異空体が現れたなら、殲滅の必要がある」
「本物の異空体なら、生徒会の議題に挙げる。違うなら黙る。部長はそういう意見?」
「何か遭ってからでは遅いが、確証もなく悪戯に情報を流すものでもない。そう考えての判断だ。歩武は執行部に同行し、
情報の虚偽を調べてもらいたい」
「あたしとしては直接ダンジョンに乗り込みたいけど……」
「いや、ただでさえ弓那は仕事溜め込んでるから、それはマズいって」
「この場合弓那よりフットワークの軽い歩武や、執行部の柊蓮司のような者に任せた方がいい」
 神撫学園星徒会は弓那によって成立している。何かあれば面倒ごとが増えるのは目に見えていた。
 雲母の言葉が伝わったのか、弓那も不承不承という風だが納得したようだ。
 歩武も柊に興味があった。輝明学園で抜きん出た知名度がある人間だ。興味が出ないはずもない。
 恐らく、自分と同じ厄介事体質という連帯感も内に含まれているだろうが。


791 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 04:59:43 ID:gxANoVH2
>>789
確かにリレーよりはそんときそんときで単発(場合によっては連載)が追加されていく形式のが良いかも。
普通の連載とも共存できるように後ろに@学園世界とかつけてみるとかね。


792 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 08:50:14 ID:iXuOP/HZ
ん。
実際は、>>790みたいに「書けばいいのに」って言われて書く人も少ないだろうから
居酒屋ろんぎぬすやリオンの本ネタみたいなまとめ方がいいと思う。シェアワールド的な。

いつでも誰でもが書けるようにテンプレ作って放置すればいいと思うけどどうだろうかね。

793 名前:罵蔑痴坊(偽):2009/03/02(月) 10:30:13 ID:300B050Q
学内で何でも屋を営む少女と、錆びる女。

二人のしのキャラは意気投合し、互いのパートナーを含む四人で営業を始めた。

 そして、一人の教師。

4.1人の生徒と一人の教師が織り成す、究極の人間ドラマ。

「.1って?」
「あ、クアドラもいるから.2ですわ」

794 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 11:34:01 ID:vKdGpmbD
>>791-792
賛成
今、ライフライン系で話を書いているんだが、いつ書き上がるかわかんないんで期間が限られてない方が嬉しい
それとは別に期間限定イベントなんか追加しても良いのでは?

795 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 13:40:12 ID:QkUqawa5
>>790
GJ。原作知らないが、今後に期待だぜ。

>>793
・・・・GJだが、構成が前のめりすぎね?ww

>>791-792
そんな感じの方が参加しやすいかな。
俺もプロッティング中だが、どうにもうまくまとまらなくて困ってるとこ。

796 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 15:51:11 ID:iXuOP/HZ
>>794
期間限定か、難しいな……。

理由としては、
「ナイトウィザードのキャラが出ない時間が多くなりすぎるのはまずい」
ってことなわけだけど。期間限定ってなると話を進める過程でNWキャラが薄くなる可能性がある。
いつかのリレーでも、途中ほとんどNWキャラ出なくなった時があっただろ?
それはマズい。
ただでさえ悪ノリ酷い卓ゲ民が多いのに、リミッターを無視しかねない設定はマズい。
このスレを無視した作品群になりかねないからな

まぁまずテンプレに「必ずNWキャラを一人以上いれた作品にすること」ってのが必要かな。

797 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 18:48:46 ID:kZZb1doC
ナイトウィザードキャラがファイナルフォームライドで変形したら?
柊は魔剣、あかりんはガンナーズブルーム、くれはは破魔弓といったところか。

798 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 19:00:12 ID:rTyDjwOe
どいつもこいつも股裂き変形しそうだな

799 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 21:52:37 ID:gxANoVH2
>>796
一瞬ならばいっそ「色んな学園が一か所に召喚されました」スレでも立てるかとか思ってしまった俺w

800 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/02(月) 22:59:13 ID:+U7pmzKI
書いておいてなんだが、ナイトウィザード以外の作品も絡めるのか?
と自分でも疑問に思えてきたぜ……

801 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 00:54:02 ID:pWRuBP0k
>>799
世の中には「ラノベのキャラを一つの学校に集めてみた」スレとかあってな……
重複扱いされるのがオチ。むしろそれなら自分の妄想でやってろと言われるのもオチ。

802 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 01:31:38 ID:xr+XPKuj
学園世界って、アンゼロットが居なかったりするのか?
そうなら、きっと柊の心労も少なくなるだろうな

803 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 05:58:10 ID:GAyMsMjH
ふと、ナーガ様がマユリを始めとして次々と色んな学校の魔法使いの生徒をせんの…もとい教育し、ナーガ様化させてしまう悪夢を見た。

本当にマギウスは地獄だぜフゥーハハハハハと思った。

804 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 06:43:05 ID:mAfmvVu4
綾小路瑞穂と
山田妙子と
土見稟と
綾崎ハーマイオニーと
藤原竜之介の、

伝説の美少女パーティー

VS

魔法少女リリカルなのはと錬金少女ぶちまけ女と
魔法少女カレイドルビーと
まー神さまと
魔王少女ぽんこつベルの、

超真剣狩美少女軍団

とか面白そーではあるな。

805 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 11:29:15 ID:3IiAXFpT
>>804
純粋な戦闘力に差がありすぎる様な?

806 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 12:02:31 ID:BF7hPXTq
>805
少女らしく売り上げ対決とか? 写真とか、喫茶店とか

807 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 12:03:08 ID:gE9NikRt
ただし、勝負の内容はクジで決める
とかだと、戦闘力がさほど関係なくなるんじゃないだろうか?

808 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 12:11:41 ID:jH0ERQPV
>>804
瑞穂〜、名字名字〜。
彼j……彼は『宮小路』瑞穂だったと思ふ。

809 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 12:15:56 ID:55CZ0Viw
ただしカレイドルビーはイリヤが変身したものとする(byプリズマイリヤより)
こっちはこっちでチートじみた性能だけど。

810 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 12:17:13 ID:j/IM3UbF
>>804
「宮小路」だ! 二度と間違えるな!
お姉さまの姓は「宮小路」と云うんだ!
綾小路でも広小路でもないッ!

811 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 13:40:34 ID:mAfmvVu4
>>808>>810
ごめんなさい、うろ覚えで書きました。
\(__)

>>809
えっ? しかし、そうなると声ネタが…


「お話しっ、聞かせて貰うからっ!」
「ハラワタをぶちまけろっ!」
「この学食は、我ら、秘密結社まー、っくすが占拠した!」
「魔法少女カレイドルビーにおまかせよ♪ ………こっの、腐れステッキが!」「…って、誰がぽんこつよ、誰が!」



「…ということでー、近頃学園を騒がせている超☆魔剣狩少女軍団(スーパー☆マジカルガールズレギオン)に対抗してもらう為に、みんなに集まって貰ったんだー」

「「「「「…って、ええぇーーっ!」」」」」

「(僕以外、女の子ばっかりじゃないか!?)」
「(ナイフとワイヤーでどうしろと!?)」
「(緑葉、後で殴る!)」
「(男のボクが、なんとかしてみなさんを守らないと…!)」
「(…なんだろう、この妙な悪寒は(汗)…)」

812 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 14:42:42 ID:5T5IxiES
あれ、稟ってCV杉田(or緑川)じゃなかったっけ?

813 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 14:57:19 ID:I8LqA+zD
       |  \     i   |     /  / | |   i    | 、|  i i
       {    `、   {  |,    _| ,イ /l |  i |    l  |  | l
       ヘ    ヽ  !  |/     /|`メ|」 i λ  | ト、 ト、 i |   l |
  ,-‐、     ヽ.   `、  i   l     kラZ'ミ、|.ハ  l'}/_,斗|ヘ.ト、|   ! l
  '、  `ヽ.   \   ヽ ,|  |、   | 辷_ク   ヽ.| ' 彳ニ;リゝ|  |! |
   \   \  ヽ  `´ !  ヽ|ヽ. |       ,   ゙ー'   |   |l |     【 保 管 】
    `ヽ、   `' ´           〉、、|`,. -― 、 , --、      /|   |ハ|
       ``>      _,.  ,.ノ´    _ノ i  ̄ i     /ノ」   | l   学園世界
      ,.-'     / ´   /    ,. <´  {.___」   ノ"´ |  | |   >687 >690 >711 >721
  ,. -‐ ´    ,ノ/     _ ,. ィ':´: : : Y`i 、  `  ,. '| | |   | l   >772 >773 >790 >811
 〈___,. -‐'>、_  _,. '      |ト、: : : :ヽ「|`l`.=、'´/7-ト, | _.|   | |
        |/  ゝ.´        |} |: : : : : ト、ヽ‐ヘ>|7-、/-‐'´: :|   |ヽi
        N ̄`∧           k,.|: : : : : |:.:;>、\v'ノン-、: : :_|   |: : ヽ.
        }-―{:.:ヽ       / |:. : : : :j、_/ /´´ト、ヽ- '´ |  |: : : : ヽ.
       j´   〉:.:.:.\__   _,.ノノ:.:.:.:.:.:,ノ ' / 〉、_ノ `     ,|   |: : : : : : ヽ
       /,.-―〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ-ィン-/:.:.:.:.:.:.:〉、   ノ | トヽ_ _/:|   |:. : : : : : : :i
       `入_/ヘ:.:.:.:.:.∠ /ヽ/:.:.:.:.:.:.:./: :ヽ/  リ ト、 `ヽ: : :l   |:.:.:. : : : : : l

今回、AAに使うネタが思いつかなかったので、たまにはNWキャラでもいいよね!ってことで。


保管庫の「共通テーマ作品」のところに「学園世界」を追加。
特にまとめるでもなく、単にコピペしただけですが。




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